概要
1998年公開。
藤子・F・不二雄没後の最初のドラえもん映画。大航海時代の海賊をテーマにしている。
ゲストキャラクターの声に芸能人を起用するようになった(※ただし、『のび太の宇宙漂流記』は除く)ことと、アスペクト比画面サイズがビスタサイズに変わったのは、本作からである。
また、当時TVシリーズの音楽を担当していた菊池俊輔が、長編映画版の音楽を降板(同時上映の短編作品は引き続き担当)し、代わって大江千里が『のび太の太陽王伝説』まで音楽を手がけた。そのため、映画ドラえもんシリーズで唯一、全て映画オリジナルの音楽となった作品でもある。
配給収入21億円、観客動員数400万。大山のぶ代版のドラえもん映画、及び前世紀のドラえもん映画の中としては歴代1位でもある。
あらすじ
夏休みの宿題で海について調べることになったのび太達。のび太は海賊と宝島の財宝への憧れに胸をふくらませる。
地図上から財宝が眠る宝島を発見し、さっそくドラえもんの帆船型ボートで財宝探しに海へ出航したのび太達。しかし、嵐に巻き込まれて突然タイムスリップし、大航海時代に辿り着いてしまう。のび太は海賊同士の抗争に巻き込まれてドラえもんたちとはぐれ、ピンク色のイルカ「ルフィン」に助けられて無人島に流されてしまう。
四次元ポケットをなくしたドラえもん達は、無事現代へ帰れるのか。カリブ海を舞台に、海賊とドラえもんたちの大冒険が始まる。
ゲスト
キッド一味
キャプテン・キッド(CV:江守徹)
言わずと知れた伝説の海賊で船長。右目に眼帯をつけている。
筋骨隆々とした体躯と威厳のある勇敢な男で、仲間想い。
ほんやくコンニャクやうそたしかめ機など、ドラえもんの落としたひみつ道具を少し拾っていた。
少なくともほんやくコンニャクが無ければドラえもん達はお荷物になっていただろう。
突如行方不明になってしまった兄貴分のキャプテン・コルトとその仲間達を探すため、ドラえもん達と共に無人島「トモス島」に上陸する。
ジャック(CV:マッハ文朱)
海賊キャプテン・コルトの息子の幼い少年で、ベティの弟。
仲間達と共に無人島「トモス島」に上陸し、海岸で留守番をしていたが、突如海賊船が消滅し、さらに仲間達が戻らずそれ以降島でひとりで暮らしている。
ベティ(CV:早見優)
ジャックの姉でキッド海賊団に所属する少女。
ジャイアンの歌にシラフで聞き惚れた、ドラえもんの歴史上ただ一人の奇特な存在。
ゴンザレス&パンチョ(CV:林家木久扇&林家正蔵)
ラゲッティとピンテル的な存在。アジトでは大活躍をする。
キャッシュ一派
Mr.キャッシュ(CV:上條恒彦)
22世紀からやって来た時空間犯罪者。
クロンのスポンサーを務め、遺伝子を不法に改造した怪獣を作り、売りさばいている。
Dr.クロン(CV:富田耕生)
キャッシュの元で働くマッドサイエンティスト。学会から追放され、キャッシュの下で生物の生態改造を行っている。
ちなみに、声を担当している富田耕生は、日テレ版ドラえもんで初代ドラえもんの声を担当している。
リバイアサン(CV:茶風林)
クロンの作り上げた、海蛇に似た最強の怪獣。
全長数百mはあろうかという巨体であり、ドラえもんとキャッシュを飲み込んでしまった。
トモス島の中に閉じ込められていたが、最後には大暴れして海へと逃げ出し、後の伝説として語り継がれる存在となった。