概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC12巻収録「ゆうれい城へ引っこし」。
こんにゃく型の道具で、これを食べると外国語が自国の言葉として聞こえるようになり、こちらの言葉が相手の国の言葉に変換される。また、音声だけでなく文字の解読も出来るようになる(『海底鬼岩城』、『魔界大冒険』)。
現代の地球に存在する言語だけでなく、過去の時代の言語も翻訳可能(TC22巻収録「タイムマシンがなくなった!!」)であり、更には宇宙人が話す言語を翻訳することも出来る(TC17巻収録「未知とのそうぐう機」)。
それだけでなく機械による音声信号等も翻訳可能で、物理的に食べ物を摂取出来ないタイプのロボットの場合、この道具を頭上に乗せるだけでも効果を発揮する(『鉄人兵団』)。
また、この道具を食べれば人間以外の動物と会話することも可能(TCプラス6巻収録「ペタリ甲板」の作中では、この道具を食べたドラえもんがカモメと会話しており、TCプラス4巻収録「雪男のアルバイト」の作中では、この道具を食べたドラえもんが雪男と会話している)。
しかし、翻訳ができる効果には限界があるらしく、
上記の『魔界大冒険』の作中では、猫に変身させられたことで人間の言葉を話せなくなった美夜子がこの道具を食べた際、彼女はドラえもん達との会話は出来るようになったが、魔界歴程の解読は出来ていなかった。
それだけでなく『竜の騎士』でも、この道具を食べたドラえもん達はバンホー(地底人)達の言葉を理解出来ていたが、ナンジャ族の言葉は理解出来ておらず、
『宇宙小戦争』では、ピリカ星の下水道を通る時にドラえもんがロコロコに対して鼠が苦手と打ち明けるが、彼はこの星の下水道では鼠ではなく猫が出ると話すものの、出会った時の姿は地球の鼠にそっくりであった。
(因みにドラコルルに捕まり人質にされたしずかを釈放して貰う為に、パピが野良猫を操って交渉しに行く場面では、ドラコルルは地球の猫を猫と認識していた。)
これについては原作版の作中で理由は一切説明されていない為、こんにゃく1つで解読出来る言葉は1つだけということなのか、22世紀で発見されていない言語は翻訳不可能ということなのか、単なるご都合主義なのかは不明。
派生作品
『南海大冒険』では、この道具は欠片を少し食べるだけでも効果を発揮する様子が描かれており、それだけでなく最低でも数日以上効果が持続している様子が描かれている(原作版では有効期間については作中で説明されておらず、『大魔境』ではドラえもんがこの道具を1つ取り出しながら「1人前だけあった」と発言している)。
スピンオフ作品『ザ・ドラえもんズスペシャル』では、この道具を使用してイルカと会話する様子が描かれている。
また、原作版(短編・大長編版)とは異なり、アニメ版及び映画版では味噌味(映画版『日本誕生』、2005年版「まあまあ棒」。作中では「お味噌味」と呼ばれている)、青のり風味(大山のぶ代版アニメ「ドラミちゃん登場!のび太の海底大冒険」)、アイス味(2007年版「雪男のアルバイト」)、田楽タイプ(水田わさび版アニメオリジナルエピソード「ようこそ!野比ホテルへ」。作中では「ウェルカム・ド・こんにゃく田楽タイプ」と呼ばれている)、醤油味(『新・日本誕生』。こちらは玉こんにゃく型)等、様々な味及び形状のほんやくコンニャクが登場している。
関連道具
- 言バナナ
水田版アニメ「ようこそ、地球の中心へ(前編)」に登場したひみつ道具。
言葉という概念がない生物に食べさせると、言葉を覚えさせることが出来る。ただし、その言葉を理解させる為には、上記の「ほんやくコンニャク」等を併用する必要がある。
余談
『宇宙小戦争』では、ピリカ星人であるパピがドラえもん達と対面した際、彼は既に「ほんやくゼリー」を食べていた為、ドラえもん達は「ほんやくコンニャク」無しでパピと会話することが出来ていた。
実現可能性
自動翻訳装置は現在猛スピードで研究されており、実用段階に入っている。
2010年代にはスマートフォンの音声認識機能を利用した翻訳アプリが普及。2018年には世界74言語に対応したソースネクストの翻訳機「ポケトーク」が登場した。
日本語と英語のような遠い言語の翻訳はまだ難しいところがあるが、DeepL翻訳などの新世代のサービスの登場によりかなり自然なものになっていった。ChatGPTなどは本来翻訳サービスでは無いにも拘らず翻訳機能も有している。
問題は食べただけでいくらでも同時翻訳という点で、こちらはちょっと21世紀では謎の技術すぎる(実態はナノマシンか何かで脳みそに直接作用するのかもしれない)。