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分かいドライバー

ぶんかいどらいばー

藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品「ドラえもん」に登場するひみつ道具及び同作品のエピソードの一つ。 「ドラえもん」全エピソードの中でも屈指のシュール回である。
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はじめに

ドラえもん」読者の皆様の中には、このような話を耳にした人はいないだろうか。



おおむねこのような内容の噂話である()。「やりすぎコージー」の派生特番の「やりすぎ都市伝説」でも、やはりこのような内容で語られていた。


しかし「ドラえもん」のあらゆる媒体において、このエピソード及びバラバラボタンなるひみつ道具は存在しない。この都市伝説は完全な作り話であり、バラバラボタンの存在は前述のの「どくさいスイッチ」と後述のあるひみつ道具が、いつの間にか混ざり合う形で生まれた代物であるほか、のび太がナイフ片手に「誰でもいいからバラバラにしたいぞ」とにこやかに言うコマの画像()も出回ったが、これも後述のあるコマを加工した物である。また、ストーリーも石ノ森章太郎絵本ちいたかわしわしごりらんらん」との混同だろう。


では、バラバラボタンなる架空のひみつ道具の原型になったエピソードとは何なのだろうか?


その答えが「分かいドライバー」であり、そしてその内容は、前述の都市伝説に輪をかけて奇怪な短編なのである…。また「分解ドライバー」とは言われず「かい」はひらがなである。


概要

藤子・F・不二雄原作の漫画作品「ドラえもん」に登場するひみつ道具の一つ、及び同作品のエピソードの一つ。

効果があまりに物騒であり、著しくシュールな絵面が連続するということで、長らくTC未収録エピソードとして語り草になっていたが、現在は藤子・F・不二雄大全集18巻に収録されている。


外観は一般的なマイナスドライバーなのだが、先端で触れた物体を瞬時に分解することができる。それだけでなく生物に対しても有効であり、ドライバーで触れると両手両足・首・胴体・腰と五体全てがバラバラになってしまう(メイン画像を参照)。

しかし身体を分解された生物は、なぜか死なないばかりか痛覚や切り口からの出血も一切ない。また、分解された手足は自分の意思でラジコンのように動かすこともできたりする。

ちなみに、自分や他者の身体がドライバーによって分解されてしまった場合、分解された他者の部位同士を組み合わせたり、自分のを相手の手足や胴体にくっつけて相手の身体を乗っ取ることもできる。作中では、ドライバーを持ったのび太とジャイアンが揉み合った弾みでドライバーの先端が触れたらしく、双方とも五体バラバラになってしまった。するとのび太は機転を利かせて自分の首を転がしてジャイアンの胴体と手足にくっつける形で奪い、やむを得ず残されていたのび太の胴体や手足を取りつけたジャイアンはのび太に「どっちが強いと思う?」と迫られ、恐れをなして逃走してしまった。またその前に、のび太は喧嘩していたを分解して喧嘩を治めるが、その後両者の頭部だけを入れ替える形で組み立てて飼い主の少女に「それで釣り合いが取れると思うけど」と言っている。


もう一度記述するが、このエピソードは藤子・F・不二雄が直接手掛けた作品であり、特にこのエピソードは、元来突っ込み所が多い漫画作品「ドラえもん」の中でも、屈指の突っ込み所の宝庫である()。


  1. のび太が壊れた時計の分解修理に夢中になっている所に「手を貸して」と言うママに対し、「手を貸せば文句ないんだ」とのび太の身体を分解して、左腕一本だけを持っていきママに手渡すドラえもん(それを見たママは気絶してしまい、ドラえもんは「あれ、人を呼んどいて寝ちゃうなんて」と一言)
  2. その結果、最初「何するんだよ!」と怒るのび太だったが、復元を試みた結果腰部分が欠損した状態で胴体の下に直接脚一本が生え、しかも左肩からは左腕の代わりにもう一本の脚が生えているシュールな見た目になっても「待てよ…これはこれで面白いじゃない」という大物すぎるセリフを吐く(関連イラストを参照)。
  3. さらにのび太はそのまま外出すると、ドライバーを握り締めつつにこやかに「何か分解したいぞ。なんでもいいからバラバラにしたいぞ」と一言(関連イラストを参照)。
  4. のび太が町中で分かいドライバーを乱用する。しかしプラモを作っていた学生も、ペットの犬と猫の喧嘩に手を焼いていた少女も、誰一人としてのび太の異様な姿に驚く様子もない。
  5. その後ジャイアンが「左腕の代わりの脚で肩を叩いた=蹴られた」とのび太に因縁をつけ、分かいドライバーを奪おうとして揉み合いになった際に、弾みでドライバーの先端が触れたらしく2人とも五体バラバラになる。その際ののび太の発言も、「どうしてくれる!」と怒るジャイアンに「揉み合ってるうちにドライバーが触ったな?」と嘆くとまるで論点ブレブレ。
  6. 前述の通りのび太が機転を利かせてジャイアンの身体を奪い、やむを得ず残された部位を集めた結果首から下が不完全なのび太の身体になったジャイアンは、自分の身体を奪ったのび太に恐れをなして逃走してしまう。
  7. 一方、のび太の家ではドラえもんが勝手に家を出たのび太を捜すため、のび太の身体の残りの部位を乱雑に組み立て(腰部分を上下逆向きにしてその下に左腕をつける)、できあがった形容しがたい物体にのび太が持ち出したドライバーを捜してくるよう指示する。なお、部屋に戻ってきた直後のドラえもんのセリフも「おーい、手だけじゃ足りないってよ」と、完全に感覚が狂っている。
  8. 逃走したジャイアンはのび太の右腕を取りつけていたため分かいドライバーをその手に持っており、これで腹いせに手近な自転車を分解するいたずらをした上でのび太に身体を返し、彼に罪を擦りつけてらきた。さらに車と自転車の持ち主の男たちが、のび太の上下逆向きの腰部分とその下に生えた左腕だけで跳ね歩く姿を見るや否や「さっきの子供の体の残りじゃないか」と驚く様子もなく冷静に考えており、その後(弁償させるために)あれを人質に取ろうではありませんか」と恐ろしいセリフを吐く。
  9. その後の「男たちに腰部分と左腕を人質に取られて困ったのび太が逃げ込んだ先が、たまたま地主と解体業者が解体費用で揉めていた解体予定のビルで、のび太は分かいドライバーでビルを解体する形で一瞬で片づけ、その報酬で車と自転車を弁償する」という超ご都合主義展開と、その夜にのび太が自分の首を外し「悪いけど歯を磨いてきてよ」とドラえもんに渡そうとして、それに「ちっとも懲りてない!」と呆れるドラえもんというオチ。

余談

このように全ページの全コマに突っ込み所がある有様であり、現在でもこのエピソードはのぶドラ版及びわさドラ版を通じて、一度もアニメ化されていない。

ただし分かいドライバー自体は、わさドラ版アニメオリジナルエピソード「走れドラえもん!銀河グランプリ」(2011年9月9日放送)の作中において、悪役がライバルの車を分解するために使った道具としてドラえもんが言及する形で登場している。


では、こんなぶっ飛んだエピソードをどこに掲載したのかというと、あろうことか幼年~小学生低学年をターゲットにしていたてれびくん1977年6月号である。てれびくんは小学館学習雑誌とは違い、学習という側面が皆無だったことで表現規制が緩かったため、それでF先生は好んで実験的要素の強い作品を発表していたようだ(「無人島へ家出」や幻の作品といわれた「もしもボックスで昼ふかし(※)」などもそれに該当する)。しかし、本作及び次の7月号で発表したこのエピソード以上の問題作「ターザンパンツ人喰い土人が出てくるなど、小学二年生誌1981年12月号初出でTC31巻収録の同名エピソードとは全く異なる話で、大全集では「ターザンパンツで大活躍」に改題されている)によって、てれびくん誌においてドラえもんは突如掲載休止となる。なお、これらの掲載は付録冊子上の物であり、その後一度だけコロコロコミック誌で再掲載されることになった。


なお、F先生は落語好きであり、こういう人体のパーツの一部が独立して奇っ怪な出来事を起こすというネタは落語では案外定番である人間切断機の元ネタであり、上下に切り離された体が別々のことをする「胴斬り」、つけかえ手袋の元ネタとされる「義眼」「犬の目」など)なので、これらはゴルゴンの首のようなホラー展開というよりは、作者が好きな落語テイストで創作された実験作(全く怖さのない平和的展開、論点のずれた会話、ご都合主義の展開収拾、落語のサゲのようなほのぼのオチなど)と考えられる。

  • ※なおこのエピソードは、後にわさドラ版でアニメ化され日の目を見ている(2018年11月30日放送)。

関連イラスト

狂気【企画】まてよ…………【ピクゾン】


関連項目

ドラえもん ひみつ道具 ドラえもんのエピソード一覧

封印作品 公式が病気 狂気の産物 だるまおとしハンマー 人間切断機


バラバラの実 オペオペの実


スティッキィ・フィンガーズ・・・ジッパーを取り付けて対象をバラバラに出来るスタンド。自身もバラバラになれるし決まった部分のみを分解することや、ジッパー同士の違う物体をくっつけることも可能。ただしこちらはバラバラにしたままジッパーを解除すると流血するし、実際にその技を使い敵をバラバラにして倒している。


ナット・キング・コール・・・スティッキィ・フィンガーズと同じようにナットとネジを取り付けて対象をバラバラに出来るスタンド。


外部リンク

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