概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。別名「入りこみミラー」。初登場エピソードはTC33巻収録「鏡の中の世界」。
鏡型の道具で、ボタンを押すと鏡が鏡面世界と繋がり、鏡の中の世界へ入り込むことが出来る。
鏡面世界は現実世界と比べて左右が逆であり、人間や動物が存在しない(ただし肉やハム等といった動物性食品は存在しており、電気や水道等も問題なく機能する)が、それ以外は現実世界とほぼ同じ。また、鏡面世界で起こった出来事は現実世界に一切影響しない。ちなみに鏡面世界に人間や動物がいない理由について、ドラえもんは「話せば長くなる」と述べている。
「創世セット」と同様に、自分だけの世界を生み出す道具と言える。上記の通り鏡面世界で何が起こったとしても現実世界には影響が出ない為、家や車を勝手に使おうと、店から無断で食べ物や玩具を持ち出そうと、建物やビルを破壊しようと、どんなことをしても問題ない。
鏡面世界に入ってからボタンを押すと、現実世界から入りこみ鏡が消えてしまう。この状態で入りこみ鏡を別の場所に持ち込み、そこでボタンを押すと現実世界のその場所に入りこみ鏡が出現する。この性質を利用すれば、誰にも気づかれずにどこかへ移動したり、ジャイアンやスネ夫等のいじめっ子に追いかけられていたとしても簡単に逃げ出すことが出来る。
また、入りこみ鏡はバラバラに割れてしまっても問題なく機能する。しかし破片になると人が出入り出来る面積が小さくなってしまう為、鏡面世界で鏡を割ってしまうと現実世界へ戻れなくなってしまう。その場合は「スモールライト」等で身体を小さくすれば脱出することが出来る。
ドラえもん曰く「入りこみ鏡で作り出された鏡面世界はどこでもドアやタイムマシンでは行くことが出来ない」とのこと(尤も『銀河超特急』の作中では「どこでもドア」で超空間から現実世界へ移動しており、『魔界大冒険』の作中では「タイムマシン」でパラレルワールドから現実世界へ移動しているが)。
関連道具
- 出入りかがみ
「入りこみ鏡」と同様に、鏡面世界へ行くことが出来る。しかし、こちらは鏡面世界で起こった出来事が現実世界に反映されてしまう。それだけでなく、現実世界で起こった出来事が鏡面世界に反映されるという性質を持つ。
例えば現実世界で誰かがボールで遊んでいた場合、鏡面世界に存在する人間はボールが独りでに動く光景を見ることになり、鏡面世界で誰かの家の壁を壊してしまった場合、現実世界でもその家の壁が壊れてしまう(しかしその理屈で言えば車等が無人で走行していてもおかしくない筈だが、そう言った様子は特に見られない)。
- あべこべ世界ミラー
上記及び下記の道具と同様に、鏡面世界へ行くことが出来る。しかし、この道具で生み出された鏡面世界には人間や動物が存在する。
鏡面世界に住んでいる人間は現実世界と比べて能力や性格が逆転している。例えばのび太なら喧嘩が強い代わりに乱暴な性格になってたり、ジャイアンやスネ夫ならいじめられっ子になっている。
- 逆世界入りこみオイル
「入りこみ鏡」の液体版と言えるひみつ道具。
鏡のように反射する平面(普通の鏡や水面等)にこのオイルを垂らすと、鏡面世界へ繋がる出入り口となる。
また、この道具によって生み出される鏡面世界は、入りこみ鏡が生み出す鏡面世界と同一となっている。その為、逆世界入りこみオイルで生み出された鏡面世界で入りこみ鏡を使用すれば、そのまま現実世界へ戻ることが出来る(『鉄人兵団』)。
ただし、この道具で作り出した鏡面世界への出入り口を無理に広めようとすると次元震が発生し、周囲が大爆発すると共に鏡面世界への出入り口が消滅してしまう。
映画版『鉄人兵団』では、ドラえもんが「川等の水流がある場所では使用出来ない」と説明している(大長編版『鉄人兵団』及び『新・鉄人兵団』には、そのような設定は存在しない)。
- 入りこみミラーII
「入りこみ鏡」の姉妹品と言えるひみつ道具。
入りこみ鏡と同様に、鏡面世界へ行くことが出来る。しかし上記の「出入りかがみ」と同様に、鏡面世界で起こった出来事がそのまま現実世界に反映されてしまう(ただし出入りかがみとは違い、現実世界で起こった出来事が鏡面世界に反映されることはない)。
余談だが、むぎわらしんたろう氏がアシスタントになって最初に描いたひみつ道具がこれである。
尚名前が何故か「鏡」から「ミラー」と英語表記になっているが、これは原作「鉄人兵団」に入りこみ鏡が登場した際、後半静香の台詞の中で「ミラー」呼びになっていた為と思われる(映画版も同様だが、新・鉄人兵団では後半も「鏡」呼びのままだった)。
関連タグ
マン・イン・ザ・ミラー:「入りこみ鏡」と同様に、鏡の中へ入り込むことが出来る能力。