この「マン・イン・ザ・ミラー」の世界には
「ウイルス」さえ入る事はできないッ!!
映ればそれは、外と中の出入り口。
曖昧さ回避
- マイケル・ジャクソンの楽曲「Man In The Mirror」。
- 『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するスタンド。1.が名前の元ネタ。
本項では2.について記載する。
概要
【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - C(鏡の中では数百m) / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - E】
第5部「黄金の風」に登場するイルーゾォのスタンド。人型で、目にサングラスの様なものがあるのが特徴的。
鏡を出入口として対象を「鏡の中の世界」に引きずり込む能力を持つ。
「鏡の中の世界」とは、現実世界の全ての物質が左右逆に存在し、生物は存在しない「死の世界」になっている。現実世界にある物体は鏡の中の世界に直接反映され、誰かが現実世界で走ると鏡の世界でも小石がはね、足音がなっていた。
「カラスはいたじゃないか」と指摘する者も居るがこれは間違いで、現実世界でパープル・ヘイズの殺人ウィルスにやられて死体となったことで生物ではなくなったために「鏡の中の世界」に反映されるようになっただけである。
また、「鏡の中の世界」内の物質は本体とこのスタンド以外、誰も動かす事ができず破壊する事もできない。フーゴたちが衣服や時計をして動いているが、これは生命エネルギーのイメージとして本体の一部と見做されているため。
「鏡の中の世界」に入るためにはイルーゾォの「許可」が無いと入る事ができない。また、「本体は中でスタンドは外」「半身だけ中」「一部だけ外に出ることは不許可」といった制限も可能。これによりスタンド能力を出せなくなった本体相手を一方的に攻撃することも出来る。しかしイルーゾォ本人が細かい設定をしなければ、或いは間違えて引きずり込んでしまうと本体のみを許可したつもりでも別の存在が(作中ではアバッキオに変身したムーディ・ブルース、ジョルノに感染したウィルスが該当)入って来てしまう。
また、この「鏡の中の世界」を展開(後述の補足も参照)するのにはかなりスタンドパワーを使用するようで、能力の評価が軒並みC(人間並み)のムーディー・ブルース相手にも一方的な戦いを展開されたことから直接の戦闘は苦手な様子(これについてはキラークイーンと同じように本体が戦い慣れていなかっただけという可能性も。能力使えば戦う必要ないし)。
しかし、その割には鏡の世界から出た後、破壊力Aのパープル・ヘイズのパンチを受け止めていたりする。パープル・ヘイズの破壊力は殺人ウィルスの能力が込みであるか、単純にイルーゾォの必死さが反映されてステータス以上の力が出せただけかもしれないが。
総じて、(鏡がある場所に限るが)「相手のスタンドを封殺して一方的に本体を嬲り殺すことができる」という点、「鏡の世界から奇襲できる事」や「危険な際に鏡の中に逃げてしまう事ができる」という点がこのスタンドの強みであり、一部では最強スタンドと呼ばれる事もある。
弱点
しかし、どんなスタンドであっても必ず弱点は存在するものであり、反則的な能力を持つマン・インザ・ミラーもその例外ではない。列挙すると
・『鏡が無いと著しく弱体化する。』
身も蓋も無いが、何が起こるか解らないスタンドバトルでは結構重要な弱点。鏡の無い空間では貧弱な人型スタンドに成り下がる。
・『基本的に待ち伏せ特化のスタンドである。』
前もって襲撃場所に引き摺り込むための手頃な鏡を用意しなければならない都合上、相手の動向や目的地をある程度把握出来ている事が肝要となる。これだけ強力な能力ながら、ボスを暗殺出来ない理由はここにある。
・『一度に攻撃出来るのは1人だけ。』
本人の「俺の姿が見えたのならお前ももうおしまいだ」という台詞から、どうも「鏡の中にいるイルーゾォを視認した人間」しか攻撃対象に出来ないらしく、鏡に引き摺り込むのは常に1人ずつだった。その為対多人数では(スタンド使いならば)解りやすすぎる攻撃の痕跡を鏡の外に残す形になり、アバッキオ、ジョルノと立て続けに反撃を受ける事になってしまった。
・『イルーゾォ側も鏡を介さないと外界を確認出来ない。』
劇中ではイルーゾォ自身も手に持つ鏡を覗き窓代わりに鏡の外のターゲットを確認しており、姿見サイズならまだしもコンパクトサイズの小さな鏡では掴んだ物体が自分が本来鏡に引き摺り込みたいターゲットか解らなくなる場合がある。事実この弱点を突かれてアバッキオの逆奇襲を受ける羽目に遇った。
・『逃げる敵を追うのには不向き。』
鏡の世界も射程距離が広めとはいえ精々数100m程度、鏡の世界内の移動は己の脚に限定される(イルーゾォ本体は速い乗り物に乗ることも可能かもしれないが、鏡の世界では相手の姿が直接見えない為、移動速度が速すぎるとかえって見失う危険が高い)ため、意外にも我が振り構わぬガン逃げ戦法に弱く、ジョルノが逃走を謀っていると誤解した際には滅茶苦茶焦っていた。
劇中で判明しているだけでもこれだけ欠点があるため、必ずしも雑に使える最強スタンドなどではないといえるだろう。
鏡に「中の世界」なんてありませんよ…
第3部に登場する花京院典明は、J・ガイル戦においてポルナレフに対し「鏡の中とか鏡の世界とかさかんにいってますが鏡に中の世界なんてありませんよ・・・ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」と発言していた。
にもかかわらずこのスタンドにより「鏡の中の世界」が登場したため、しばしばネタにされている。
補足
一応真面目な補足をしておくと、マン・イン・ザ・ミラーの消滅後「鏡の中の世界」も共に消滅しているため、「このスタンドの場合、そもそも『鏡の中の世界』とは関係なく、正確に言うなら『このスタンド自身が限定的な空間を1から作り上げ、鏡を出入り口としてそこに引きずり込む能力』なんじゃないか」という考察が有力。
つまり、「そもそも鏡の中の世界なんて存在しない」という花京院の言い分は正しいとも捉えられる。更に言えばこの発言は元々「『鏡の中の世界』への攻撃手段がない」と苦悩するポルナレフに対して「考えても無意味な方向に考えるな」と叱咤し、敵スタンドの「攻撃手段そのもののカラクリ」に思考の的を絞らせる意図で言ったものである。
もっとも「第3部の時点でそういう能力が出てたら花京院はどうするつもりだったんだ」というツッコミが入ったりもする。
関連タグ
- ハングドマン……鏡関連のスタンド