戦隊レッド異世界で冒険者になる
せんたいれっどいせかいでぼうけんしゃになる
元々スクウェア・エニックスの漫画雑誌『月刊少年ガンガン』、2019年11月号に掲載する特別読み切り。
同誌2020年11月号より正式連載化の漫画作品。作者は中吉虎吉(なかよし こよし)。単行本は2024年8月時点で既刊7巻。
公式略称は「異世界レッド」(語順注意)。
なお、公式の表題は「レッド」と「異世界」の間に空白が入る『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』だが、本項目の名称はpixivのタグの仕様により空白を含まない(空白をアンダーバーで代用する場合『戦隊レッド_異世界で冒険者になる』となる)。
舞台は異世界。単身異世界へと転生した戦隊ヒーローのレッドが常識外れの冒険者として活躍する物語。彼が異世界で新たに得た仲間と共に繰り広げるドタバタコメディ&痛快アクション&王道冒険譚である。
ガンガンの先輩である『爆裂機甲天使クロスレンジャー』、他社の『鋼鉄奇士シュヴァリオン』や『戦隊大失格』同様にスーパー戦隊物のパロディではあるが、「ヒーロー物のお約束を崩す」タイプと違い「ヒーロー物のお約束には至って真面目」で、異世界でもへこたれず己の道を突き進む灯悟の熱血バカぶりと、異世界ものにありがちな設定の客観的なツッコミが魅力である。
また『作者の狙いはツッコミやジョークだが読者にはジャンルへの嘲笑にしか見えない描写や台詞が無い』為、特撮と異世界転生、双方のジャンルのファンから高い評価となっている。
というのも、元ネタのスーパー戦隊シリーズが2024年現在48作品超えを続けているほどの長寿番組であることもあり、パロディ設定やギャグ描写のほぼすべてが原作で踏襲されていることもあって、特撮ファンの読者からは「(原作で)あったあった」と楽しまれている。
例:変身後の背後の爆発に当たり判定がある→科学戦隊ダイナマンや轟轟戦隊ボウケンジャーなどでしっかりと証明されている
ちなみに、連載版の第一話は読み切り版のベースだが、物語の流と造型、設定はもっとシリアスとなり、よりリスペクトして仕上がっている。
絆と友情に溢れる熱血な少年浅垣灯悟は「絆創戦隊キズナファイブ」のキズナレッド、通称レッド。人々から絆を奪う悪の組織「秘密結社ゼツエンダー」から人類を守るため、絆を武器に仲間と日々戦いを重ねていた。
そして遂に迎えた最終決戦。仲間に地上を任せ空に浮かぶ要塞に単身乗り込んだ末に、彼は敵の首領と相討ちに。
要塞と絶縁王の爆発に巻き込まれ意識を失ったレッドが目を覚ますと、なんと異世界の大地へと転生していたのだった!
異世界でも困った人々を救うため冒険者となったレッドの前に、立ちはだかるのは邪悪な魔獣、太古の魔竜、伝説を受け継ぐ孤高の勇者、そして死んだはずの魔王の配下。
新たに異世界の人々と結んだ絆を携え、灯悟はキズナレッドに変身して今日も戦い続ける――!
戦隊レッド異世界で冒険者になるの登場キャラクター一覧を参照。
※登場人物部分の内容肥大化によって本記事を開くときの読み取りが遅くなるという現象が起きているため、キャラクター紹介を止むを得ず上記記事に分割しています。かつて「準主人公」の記事で起きた騒動の二の舞になるので再び差し戻すことがないようにお願いいたします。
- 魔力の種
埋め込むことで特権魔法と呼ばれる強力な魔法が使用できるようになる呪いのアイテム。魔法の才能が無い者でも簡単に力を得ることが出来る一方、使用しすぎると取り込まれ、醜悪な魔獣となってしまう。
魔獣化した人間は倒すと元通りになるが、この状態ではいずれ再び魔獣となるリスクがあるため、テルティナは「特権解放」と呼ばれる特殊な魔法で魔力の種を除去している。
- ヴルトゥーム
「王家の杖」が開発した、魔力の種をエネルギー源とした新型魔道兵器。火薬兵器が存在しないこの世界における最初のビーム兵器であり、バズーカ砲のような大きさをした光線銃(『ウルトラマン』のスパイダーショットのように両手で抱えて撃つ)。その威力は巨大化した魔力の種暴走体の体を貫通するほど。しかも何発でも連射可能。
言うなれば、キズナファイブの持つビクトリーキズナバスターを一人でも撃てるように改造して、しかも必殺技どころか通常技としていくらでも撃てるような仕様にしたに等しいバランスブレイカーである。
あまりに強力かつ便利すぎるため、間違った手段で使用されれば甚大な被害を齎す事は容易に推察可能であり、イドラは「あんなものが量産されたら制御できるのか」と恐怖を抱いている。
- 刻印魔法
天才魔術師ワアドが生み出した、エルフ族に伝わる魔法。対象に刻印を描くことにより魔法を発動させる。
例えば、エルフ達が矢として使っている矢筒の木のトゲに「飛来」の刻印を刻むことで矢羽無しでも遠くまで飛ばすことができ、重い石や荷物に「軽量化」の刻印で楽々運ぶことができる。
エルフ達から学んだことでイドラも使用できるようになった。
- 亜人
エルフや獣人など、人間以外の種族の総称。魔王族とは別物であり、敵対している。
25年前に起きた惨劇により、現在は人間と亜人連合が敵対化している(後に魔王族による陰謀と示唆される)。
エルフのように人間と共存できる亜人もいれば、魔王族と戦うためには人間と協力する必要があると考える共存派がいる。
現在の亜人連合はツギハギ博士によって現代の地球のような文明まで発展しており、仮に王国がヴルトゥームを量産して侵攻してきても返り討ちにできそうなくらいに圧倒的な戦力差を誇っている。
だが、長く平和な時代を送ったことによりほとんどの亜人が平和ボケしており、人間族相手ならともかく、今の状態では魔王族と戦っても勝てないと推測されている。
- 魔王族
今作の敵対勢力。
魔王の子供である5体の魔物兄妹で構成しており、魔王復活のために各地で暗躍する。
現在は魔王封印の影響でやや弱体化しているが、それでも一人一人がかなり強力な力を有している。魔王の封印を解く度に彼らにも力が戻り、第2形態への変身が可能になる。
目的が自分達の勢力の繁栄であるため人間と亜人の根滅を目論んでおり、共存は不可能である(灯悟はアブダビに「共存はできないのか」と一応は訊いたが、彼らの言葉の裏にある悪辣さを感じて断念している)。仮に降伏したとしても、生かされずにそのまま行殺されてしまう(ヨルテ曰く、実際それで滅びた亜人族も何度も見てきたとか)。
なお、兄弟仲はすこぶる良好であり、仲間の窮地に躊躇いなく助太刀する(本家でも身内同士では凄く仲が良い組織は枚挙にいとまがない)。
2024年8月9日に2025年1月からの放送開始が発表された。
放送は1月12日からAT-X、BS11、TOKYOMX、テレビ愛知ほかにて放送。
アニメ版のタイトルロゴは原作と異なり、「戦」の「戈」の斜めの払いの線に本作の戦隊名にも使用されている絆創膏の形をした変身アイテム「絆装甲」(バンソウプレート)を配したものとなっている。
また原作タイトルで英語表記と見せかけてローマ字表記だったものが、英訳タイトル「THE RED RANGER Becomes an Adventurer in Another World」になっている。
メインスタッフ陣の冨岡や亀山、怪人デザインの渋谷亮介、変身モーション監修の小川輝晃、変身モーションディレクターの鈴村展弘は本家『スーパー戦隊シリーズ』に参加している。
特に脚本の冨岡は本作の前年から放送されている『爆上戦隊ブンブンジャー』のメインライターを務めている。なお執筆自体は本作の方が先で書き上げた矢先にブンブンジャーのオファーがきたという(ちなみに、本作は上記の通り2025年冬アニメとなるため、1〜2月は両作の放送期間が被ることが見込まれる)。
また、ヒーロー側の声優陣は新人や若手が意識されており、この起用傾向は特撮作品が若手役者の登竜門的な側面を持つ事情と合致している。
この他、音楽制作は本家のほとんどの作品で音楽制作にあたった日本コロムビアが担当している。また、上記動画のクレジットから、製作委員会に版元の出版でのライバル企業であるKADOKAWAが参画していることが確認できる。
正に『公式が病気』であり、ファンからは
『ブンブンジャーやキングオージャーの映画にサプライズで出すのでは?』と言われている(実際キングオージャーは『アニメ作品を特撮で再現した』と評されているので相性は良い)。
アニメ公式サイトでは原作でもこれまで記載されていなかった主要キャラクターの誕生日が記載されている。また、ページ内の漢字にはよみがなが振られている。
- 少年ガンガン紹介ページ
- 中吉虎吉(pixivアカウント)
- 中吉虎吉(Twitterアカウント)
- テレビアニメ(公式サイト)
- テレビアニメ(Twitterアカウント):ニチアサ特撮作品を意識しており、IDは本作タイトルではなくキズナファイブである。