秘密結社ゼツエンダー
ぜつえんだー
漫画作品『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』の作中に登場する悪の秘密結社。上空に浮かぶ「シュレッドスカル」を居城としている。
怪人・絶縁魔で事件を起こし、人々から絆エネルギーを奪うことで彼(彼女)らの絆を断ち切り、邪悪の限りを尽くす悪の軍団であり、キズナファイブによって滅ぼされた。
灯悟曰く、本家スーパー戦隊の悪役同様に倒されると巨大化するパターンが多いらしい(なお、巨大化のメカニズムは現在のところ不明。何せ本家でも多彩な巨大化方法があるため、何が来てもおかしくない……が流石に芋長の芋ようかんみたいなものではないと思いたい)。
ちなみにアニメ版では、着ぐるみを演出するためか口パクと声を意図的に合わせないという演出が行われている。
幹部を始め、絶縁魔の名前の由来は「絶交」や「破局」、「拒絶」などといった、絆とは対極な単語が使われている。また、戦闘員も含め、絆を断ち切るハサミが仮面や体の一部に取り入れたデザインも特徴。
6巻ではおまけページで彼らの境遇が描かれており、ウラギリス以外は同情の余地があったことが判明している。
なお、7巻のおまけ漫画にて、ゼッコウハとハーキョックは絶縁王に反目した事で絶縁王の粛清を受けて海に落ちたのを灯悟に目撃されたが、実は生きていてどこかの島で仲良く暮らしていた事が判明する(ツギハギ博士も薄々彼らの生存を予感していた。というのも特撮において水落ちは生存フラグとして有名)。
下っ端
エンガチョン
CV:中吉虎吉
本家でもお馴染みの戦闘員。ハサミモチーフの仮面を被り、「エンガー!」「ガチョーン!」(「えんがちょ」が元ネタと思われる)と鳴きながら人海戦術を行う。
灯悟曰く、異世界のオーガやらトロールなどの強さはゼツエンダーの戦闘員並みであるとのこと(ただし、戦隊に限らず特撮作品の戦闘員は一般人はおろか、警察や軍人でも歯が立たないくらい強い者が多いため、現在活動しているヒーローのみが対応せざるを得ない理由となっている)。
なお、中の人は原作者。何やってんの先生!?
絶縁魔(ぜつえんま)
いわゆる戦隊怪人。雑魚戦闘員も含めて、全ての絶縁魔にハサミのモチーフがどこかに存在している。
- ネット絶縁魔ツナガLAN
どことなくUSB端子を彷彿させる頭部を持つ絶縁魔。
掌から放つリング状の光線で人々のネット上の繋がりを断ち切り(フォロワーを0にする、LINEに延々と既読が付かない、など)、絆エネルギーを奪う。
名前の由来は「繋がらん」と「LAN」。名前のネーミングが天装戦隊ゴセイジャーの敵組織の1つマトリンティスのマトロイドを彷彿させる。
ツギハギ博士によれば、死後魂は異世界に流れ、(前世の記憶をリセットされて)ラン・ナーガというラミア族の亜人に転生したようである。
- 中傷絶縁魔キズツケマウス
番外編(および、おそらくTURN01)に登場。
拡声器が付いた頭部とハサミのエンブレムがある〆縄が巻かれた胸部が特徴のネズミモチーフの絶縁魔。ネズミの鳴き声の様な笑い方と「す」が「チュ」になる口癖がある。ゼッコウハの舎弟。
各所の高校で起こっていると噂されていた集団絶交事件の犯人。浅垣灯悟の通う泳頭高校で生徒の声を真似て心無い言葉を言う事で親しかった仲を壊し、そこから漏れた絆エネルギーを回収していた。
また他人の悪口をばら撒く癖に自分への悪口には敏感らしく、飛星エミリ/キズナイエローの挑発に地獄耳の如く反応していた。
万丈寺流/キズナブルーに「逃げ足絶縁魔」と言い間違えられたり、屋上で盛大に自画自賛していたのを灯悟に見られるという間抜けな一面もある。
絆の脆さを嘲笑するも灯悟の反論に感銘を受けたペタゴラス博士によりカサブーからキズナブレスと絆創プレートを授けられキズナレッドへの変身を許してしまう。
その場から逃走するもターボ円陣を装着したレッドに追いつかれてしまい縁結ビームガンや握手カリバーの攻撃を受け墜落。最終的にキズナファイブの4人に絆創拘束でぐるぐる巻きにされた所をレッドのバーニング・キズナパンチを受けて爆散。
名前の由来は「傷付け」と「マウス」。
人間関係を悪くする怪人(または他人の声を真似て撹乱する怪人)は本家スーパー戦隊にも登場している。
- 絶縁魔キョゼツンドラ
CV:戸松遥
TURN19「恋愛氷河期襲来!」にて登場。
女怪人。ギャルみたいな口調が特徴。他の絶縁魔は自分の能力を表した二つ名があるが、彼女にはない(あるとすれば、氷や冷気関係の単語が使われるであろう)。
ATフィールドを彷彿させるバリアを張ることができ、簡単には突破できない。また、氷を操る能力を持ち、街中に吹雪を起こしている。
人間態(どことなくCVを演じた戸松女史に似た姿)に変化した際にキズナブルー/万丈寺流のナンパに乗った。食べ放題で元を取る(金持ちのくせに)庶民派思想をドン引きしていたが、彼女も彼女で支払いで財布を出そうとしなかった(ただ、ゼツエンダーの目的を考えれば、人間と交際して手酷くフって絆エネルギーを奪う算段だったと思われる)。
本家にも、硬すぎて現行の武器では太刀打ちできず、新武器や新装備、新ロボのお披露目相手になる怪人は相応に存在する(そして得てしてそういう怪人程、その能力が破られるとアッサリと倒されるのもお約束)。
キズナレッドが囮になっている間にキズナブルーの機転でバリアを攻略され、最後はビクトリー・キズナバスターによって倒されている。
名前の由来は「拒絶」と「ツンドラ」。
CVを務めた戸松女史は、『獣電戦隊キョウリュウジャー』での敵対組織デーボス軍の幹部キャンデリラを演じている。あちらでも人間態(戸松女史本人が演じている)に変身し、戦隊ブルーとお見合いしている。(ただし、あちらは好感触だった)
また、キャンデリラは終盤でデーボス軍を離反し、キョウリュウジャーの味方になるがキョゼツツンドラは最後はキズナファイブに倒されると違いがある。
さらに、戦闘していた場所は、特撮作品で毎度お馴染み茨城県つくば市のつくばセンター広場(別名、戦隊広場)。
- NO破壊絶縁魔ネットリハンゾウ
分身の術と変化の術で浮気現場を捏造し、おしどり夫婦を脳破壊して絆エネルギーを奪うという、特撮作品ではお馴染みのセコくて回りくどすぎる作戦を行う。(その能力をフルに活用すればもっとえげつなくてより効率的な方法があったと思わせられるのが、より「らしい」)
しかし、灯悟の義理の父親である進藤大悟の浮気現場を捏造したため、「奥さん一筋の大悟さんが浮気をするはずがない!」とあっさりと灯悟に見破られてしまった。
本家にもメンバーの家族を狙った怪人はいる。
名前の由来は「NTR」と「服部半蔵」。
- 戦慄の破壊者バンソウキラー
大悟の息子であり灯悟の親友である進藤清弘が、ウラギリスが開発した絶縁帯(ベルト)によって絶縁魔に洗脳されてしまった姿。
清弘が得意だったピアノの鍵盤を模した鎧を身に纏い、鍵盤を武器に攻撃する。
清弘が心の奥底で抱いていた灯悟への恨みと疎外感が増幅され、灯悟に対して心ない恨み辛みを口走った。
その後はなんとか元の姿に戻すことに成功して灯悟と仲直りできたものの、絆を重んじる灯悟に対してはトラウマ以外の何物ではなかったため、灯悟がウラギリスことツギハギ博士と協力することを渋る原因になった。
名前の由来はおそらく「絆創戦隊」と「伴奏」のダブルネーミング、および「アバレキラー」。そして、本家で度々登場する悪の戦隊ヒーローと思われる。
幹部
- 裏切りの狂科学者ウラギリス(うらぎりのマッドサイエンティスト ウラギリス)
幹部怪人の一人でマッドサイエンティスト。ペタゴラス博士のかつての同胞でありながら、自らゼツエンダーの怪人と化した裏切り者。
名前の由来は「裏切り」と「キリギリス」。
- 殺戮番長ゼッコウハ(さつりくばんちょう ゼッコウハ)
幹部怪人の一人で番長風のいでたちの武闘派。絶縁王の息子を名乗っており、絶縁王を「オヤジ」と呼んでいるが、いつかは絶縁王を越えて自分がゼツエンダーを支配するつもりだった。
実は絶縁王の劣化クローンだったことが後に判明し、絶縁王からは親子としては一切見られていなかった。下記のハーキョックとは当初は仲が悪かったが、最終的に恋仲になる。
幹部の1人が親玉の息子というのは、本家でも相応に存在する要素である。絶縁王の様に家族として見られていないものもいれば、なんだかんだといって親として子の敵討ちを考えるものもおり千差万別。
名前の由来は「絶交」と「硬派」。
- 宇宙海賊ハーキョック(キャプテン ハーキョック)
幹部怪人の紅一点で、狡猾で残忍な策略家。「可愛い」が口癖で、とても惚れっぽい性格。
実はゼツエンダーによって滅ぼされた宇宙海賊団の生き残りであり、虎視眈々と復讐の機会を狙っていた。
ゼッコウハを利用するために籠絡しようとしたが、いつしか本気で惚れてしまった。
宇宙海賊の敵としては本家では星獣戦隊ギンガマンの敵である宇宙海賊バルバンが有名であり、他にもイナズマギンガーやバスコ・ダ・ジョロキアなどといった第3戦力がいる。
幹部同士が恋仲になるのも、バンドーラ一味のグリフォーザーとラミィ、マシン帝国バラノイアのカイザーブルドントとマルチーワという前例がいる。というよりこの2組は作中で結婚して夫婦になり、子供を授かっている。
また、ラーニヤは戦隊の誰かと禁断の愛に目覚めると予想していたが、本家でも戦隊ヒーロー(それも大概戦隊レッド)と恋に落ちる女幹部も前例がある。
名前の由来は「破局」と「宇宙海賊キャプテンハーロック」。
- 奇怪生命体リサン(きかいせいめいたい リサン)
幹部怪人の一人で、奇妙な文章で会話する超能力者の少年。漫画内では平仮名と片仮名が混ざり、さらに文字同士が重なって読みづらくなっている。
数日に一度、大規模な無差別怪奇現象を自分の意思とは無関係に起こしてしまう。
元はとある星で実験によって誕生した存在であり、度重なる実験によって故郷の星を滅ぼしてしまい、絶縁王に「利用価値あり」として拾われた。
その過去から灯悟に「同情の余地があった」と憐れまれた。
敵幹部ではないが、境遇から戦隊ヒーローに同情された怪人も前例がある。
未に作中唯一、結末を語られていない敵幹部だが、なんとアニメ公式Twitterに公開された、キズナファイブ最終話の次回予告で盛大にネタバレされた。
名前の由来は「離散」。
首領
- 絶縁王(ぜつえんおう)
CV:中田譲治
ゼツエンダーのボス。この世界から自分以外の生命を全て消し去ることが目的。
CVを務める中田氏は本家でも多数の幹部や怪人を演じているが首領を務めるのは機界戦隊ゼンカイジャーのボッコワウス以来である。