「ウピョ~ッホッホ! 誰だって何かしら痛い所や弱い所がある…オイラの鱗はソコん所を近しい者の声を借りて突っついてやるのさ! そうするとヒト共は本当に言われたと思い込んでショックを受ける!」
CV:松野太紀
スーツアクター:田中宏幸
データ
生息地:海
特技:ヒトのコンプレックスを突く鱗
作戦:ヒト共のコミュニケーションを壊し、自滅させる
趣味:陰口
概要
人魚ってUMAなの?というアナタ、実は広義ではUMAに含まれるのだ(ミイラ等が企画展で展示される)。
そんなジョ言のビジュアルだが、どこからどう見ても半魚人なので、作中でも「むしろ魚人じゃ…!?」とか言われていた。
筋グゴンとは旧知の仲であり、彼をして「とんでもねェやり手」と言わしめ、後述する能力やその性根を「最高だ!最高だ!!最高だ!!!」と絶賛している程。
能力
足下に水溜まり程度の水場を作り、そこを介して地面を泳ぐように移動できる。
そして通った後は元通りの地面に戻り、水一滴も残らない。
腕っぷしはあまり強くないようで、戦闘では主に口からの水流で攻撃する他、両目を光らせて爆発を起こす小技も使える。ちなみに水流は直撃したゴセイブラックが吹っ飛ばされて変身解除される程の威力を持ち、意外と侮れない。
しかしジョ言の特性は彼自身のウロコにあり、作戦の要ともなっている。
ターゲットを見つけると、水流などを使ってさり気無く貼りつけ、これで効果が発揮される。
ジョ言のウロコを貼り付けられた者は、近しい者達の会話が全て自身への悪口に翻訳されて聞こえてしまう為、絶えず自身のコンプレックスや陰口に苛まれる事となるのだ。
そして被害者が「どうしてそんなこと言うんだ!」などと食いつけば、その周囲には身に覚えのない事でいきなりキレられるという理不尽な火の粉が降りかかることとなり、当然人間関係は破綻する。
そうして「互いに疑心暗鬼に陥った人々を争わせ自滅させる」のがジョ言の作戦で、到底環境の汚染には役立ちそうにないが、精神的なダメージは甚大。幽魔獣より外道衆の皆様に喜ばれそうだ(実は筋殻アクマロが似たようなことをやってたのは内緒)。
そんなこいつ自身も陰口を叩くのが趣味らしいが、果たして誰の悪口を言っているのやら?
劇中での活躍
謹慎を解かれ牢から出してもらえた武レドランだったが、「出られたからってお前の失態が許されたな~んて思っちゃいけないよ」と膜インは厳しい言葉を投げ掛ける。筋グゴンも胸倉を掴み、「早くビービを出せ!オマエが役に立つのはアレだけだ!!」と殴り飛ばす。
そして「武レドラン、お前なんぞ必要無ェって事を教えてやる とんでもねェやり手の幽魔獣が来るぜ…」と付け加えた。
かくして行動を開始したジョ言は手始めに某所の学校へ潜入。
テニスの試合が終わって下校中、顔を洗うべく洗面所に寄ったカズミという少女の背後に鱗を貼り付ける。
追い付いた彼女の友人の真紀と千香子の会話が「一人で勝ったと思ってない?」、「チョー感じ悪いよね!今日のだって、まぐれでしょ?」と聞こえたのを受け、「2人とも最低!」と怒って帰って行くカズミの姿を陰で眺めながらジョ言は「ウピョピョピョッ…ヒトのマヌケ面ってのは堪らねェな」とほくそ笑むのだった。
するとデータスによって居場所を探知したのか、その場にゴセイジャーが駆け付ける。自身を「人魚のジョ言」と自己紹介したのに対し、人魚=女性の上半身に魚の下半身のマーメイドというイメージが強かったのか、5人は「信じられない」と言わんばかりのリアクションを取り、モネに至っては「魚人じゃん!」とバッサリ言い切る始末。そうして困惑する彼らに対して当人も気にしているのか、「あァ?くぅ~ッ……まったく失敬な奴らだぜ!!」と怒るジョ言はそのままゴセイチェンジした5人と交戦。
水溜まりの中に入ってゴセイブラスターを避けながら「勘弁してくれ~、腕ずくの戦いってのは好きじゃねェ……!!」と言ってブラックに口からの水鉄砲を放射。ゴセイナイトも駆け付けたが、すぐに逃げられてしまい撃破には至らなかった。
そしてアグリは帰った後でシャワーを浴びて戻って来るや、ジョ言のウロコの特性が発動。物陰から聞こえる4人の会話が自身への陰口に聞こえる状態になってしまった。
モネ「お兄ちゃんってさ、もう存在自体無意味だよね」
ハイド「最初から必要だと思った事は無いがな」
エリ「力任せなだけだし、4人で戦った方が良くない?」
アラタ「何もしなきゃ良いんだけどねぇ~。しょうがないよ…」
4人の言葉を聞いたアグリはそっとドアを閉め、廊下の壁に寄り掛かる。「みんなそんな事を考えていたのか」とアグリは心を抉られてしまう。
一方幽魔獣陣営では筋グゴンが「何度見ても面白ェモンだな…オマエのこの鱗はよ!」とジョ言の能力を絶賛。
上記のジョ言の台詞を聞いた膜インが彼の作戦を理解し、「疑心暗鬼になって勝手に自滅するという訳だね…!!」と言うと筋グゴンは「流石、オレが見込んだ人魚のジョ言だ!オマエの根性の悪さは最高だ!最高だ!!最高だ!!!」と褒めちぎる。
だが、そんな彼らの様子を眺める武レドランの目が怪しく光っていた……。
そしてジョ言は再度街に繰り出すと、同じように多くの人間に自身の鱗を貼り付けて犠牲者を増やして行く。
とある髪を気にする女性は、彼女と親しいと思しき男性から「可愛いよ」と言われるも背中越しから「つーか短かろうが長かろうが変わらねェっつーの!」という陰口が聞こえて「何よ! ひどいわ!そんな事言うなんて!」とその男性と言い争いになり、某所の会社のオフィスでは部下が「使えない部下で悪かったですね!」と上司に掴み掛かる始末。
この様に町中で多くの人々が言い争いになる様子をジョ言は「いくら取り繕って生きてても、ヒト共ってのはコンプレックスのカタマリ…もっと揉めろ!」と陰で楽しんで眺めていた。
だが、そこへゴセイジャーが駆け付けた為に魔虫兵ビービを嗾けて再度逃亡する。
その後、ジョ言は自身が鱗を付けたアグリの傍に潜んで彼が苦しむ様子を楽しむ。アラタから連絡が来ても例によって悪口にしか聞こえないアグリは心をへし折られそうになっていたのだ。
そこへゴセイナイトが現れ彼を叱責した為に2人は殴り合いになり、その思わぬ展開をジョ言は「ウピョピョピョ…オイラが仕掛ける前にケンカを始めやがった……アイツら2人ともバカだな」と面白がる。
一方、膜インを探す筋グゴンもまた武レドランの策に嵌まり、ジョ言の鱗を貼り付けられていた。漸く見つけて近付いた途端、2人から聞こえて来るのは自身の陰口。
膜イン「筋グゴン、あいつはダメだねェ~…短気で頭が悪い 吾輩の相棒には全く相応しくないよ!」
武レドラン「同感です 腕っ節だけは認めざるを得ませんが…」
膜イン「ダメだダメだ!あの程度では護星天使にもすぐに追い抜かれる……ヤツとは早く縁を切りたいよ」
武レドランの術中に嵌まっているとは露知らず、筋グゴンは「野郎…!」と怒りに震えるばかりだった。
一方、ジョ言も先程からアグリと喧嘩していたと思われていたゴセイナイトに見つかった為に交戦。戦いながらも「自分の力がどうだの、やれる事がどうだの、くだらん事に悩んでいてどうなる!!?」とアグリを叱咤するゴセイナイトだったが、ジョ言の爪で弾き飛ばされ、さらに武レドランの策に嵌まった筋グゴンまでも現れアグリは再度ピンチに陥ってしまう。変身しないまま棍棒で吹っ飛ばされ、トドメを刺されそうになるアグリの元へ4人が駆け付けるも、依然として彼らの言葉はアグリには悪口にしか聞こえない。
そして助けに入った4人は筋グゴンの猛攻に押されてピンチに陥ってしまう。
更にジョ言がアグリに追い打ちを掛けるが、ゴセイナイトが阻止して叱咤の言葉を掛ける。
「ゴセイブラック、お前が今すべき事は何だ!?」
「悩む事じゃない!戦う事だ!!」
その言葉で自身の使命を思い出し、立ち直ったアグリの精神力で鱗は砕け散り、アグリはそのままスーパーゴセイブラックに変身。
そのパワーで「お前の強さなんか偽物だ!」と筋グゴンを圧倒。ジョ言もゴセイナイトのナイトメタリックの斬撃を受け、怯んだ所へ5人のミラクルゴセイダイナミックを筋グゴンと共に受け敗北した(筋グゴンの鱗はこの時砕け散った)。
その直後、「フッフッフ……全て計画通り」と不敵な笑みを浮かべた武レドランの放つビービ虫に噛み付かれ、ジョ言は「ウピョピョピョピョピョ…!」と笑いながら巨大化。
ゴセイグレートとゴセイグランドを両目からの光線で攻撃するが、ゴセイグレートのスネークヘッダーキックとゴセイグランドのグランディオンパンチを喰らって怯み、更にランディックゴセイグレートのクワガヘッドで空中へ放り投げられると、トドメのランディックストライクを受け爆死した。
「ウピョ――――ッ!」
一方、武レドランの策に嵌まった膜インはジョ言共々やられて行方を眩ました筋グゴンに対して「吾輩に相談も無く勝手な事をしやがって!筋グゴンのヤツ…一体、何を考えているんだ!?」と激昂するばかりであった……。
余談
シミは銀色の小さな「虫」で、腹部と両肩・腰・顔の両側にある魚の尾びれのようなパーツにその意匠が見られる。これだけでも十分不気味な容姿なのだが、それに加えて胸部にも人魚の貝ブラが付いていて、申し訳程度に人魚の要素が拾われている。
名前の由来は映画「大アマゾンの半魚人」。
一見結び付かないが、おそらく魚人(ギョジン)→ジョギンと捻ったものと思われ、モチーフも考えると「ジョギン」+ジュゴンといったところだろう。また幽魔獣の名前に含まれる漢字一字は個々のモチーフや能力に掛かったものが多いため、「言」は"言葉の暴力"ともいうべきコイツの能力に合致している。
またこの映画には捕らえられた半魚人が爪を残して去るシーンがあるため、「去り際に鱗を貼り付ける」シーンの元ネタと考えられる。
なお彼は人魚の正体とされる幽魔獣だが、どういうわけか自身の鱗の能力が「人魚が歌で船乗りを惑わせる」という伝説として歪曲されて人間達に伝わっている事に対して腹を立てているという。尾ひれがつくとはまさにこの事。
声を演じた松野は『救急戦隊ゴーゴーファイブ』で災魔一族の執事・呪士ピエールを演じて以降、『忍風戦隊ハリケンジャー』のシュリケンジャーなども演じている常連。
前年には『侍戦隊シンケンジャー』でスナススリという怪人を演じているが、同年の『フレッシュプリキュア!』ではタルトという味方側の妖精役でニチアサにレギュラー出演している。
更に一昨年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』でもバキュームバンキ、その前の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』でも臨獣クレーン拳ルーツ役と、4年連続で怪人の声を務めた。
関連タグ
呪怨:名前の由来ではないかと言われるホラー映画。
遮光器土偶のピカリ眼:こっちは膜インと旧知の幽魔獣。また膜インはピカリ眼の能力を高く評価していた。
ズボシメシ:前回で登場した、悪口繋がりの戦隊怪人。モチーフは覚(さとり)。
コイツは自身が直接ヒトのコンプレックスをズケズケと言い当てるスタイルで人々の苦しみと嘆きを引き出そうとした。
スナススリ・スポンジ・ボブ:中の人つながり。スポンジ・ボブの吹き替えが松野だからか、スナススリもジョ言もスポンジ・ボブを思わせるコミカルなトーンの声をしている。
- モチーフ・能力(疑心暗鬼に陥らせる・人間関係を破壊する)つながりの怪人たち
幼化サイマ獣ザイレン:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場した人魚モチーフ繋がりの先輩。同作で松野は巨大化担当として出演していた。
シミー(仮面ライダーセイバー):『仮面ライダーセイバー』に登場する戦闘員。同じくシミがモチーフであり、デザインも同じく酉澤安施氏担当した。
ギワーク:美少女戦士セーラームーンRに登場。
相手を疑心暗鬼に誘う敵。彼女の場合は触角からの光線を使う。
縁切り忍者シラーンス・オモテウリャー・冥獣人サムライのシチジューロー:いずれも人間関係を破壊する能力を持つ。