「あと少しでこの妖精のサラワレテ居がゴセイイエローをトンネルの奥底に消し去ることができましたのにっ!!」
データ
生息地:森
特技:あらゆる物に擬態する事ができる
作戦:ゴセイイエローを陥れて抹殺する
趣味:ピクニック
概要
羽の生えた小人のような姿をしているとされる未確認生物「妖精」の正体とされる女の幽魔獣。
まるで葉のような形の羽が特徴で、両手の手袋や両足のブーツ、そしてスカートにも同じく葉の意匠が見られる。
この羽こそが彼女の能力の要であり、自身の身体を包み込んで形状を変化させることであらゆるものに擬態できる。
そして自身の声色も自在に変える事が可能で、声帯と羽を共鳴させる事で擬態した姿に合わせる。しかもダメ押しとばかりに強力な催眠と幻覚効果を持つ金色の粉を振り撒く事で、まんまと相手を信じ込ませてしまう。
完璧な擬態と「相手が偽者だと疑う思考すら奪う」というこの特性により、術中に嵌まった者が自力で見破る事は不可能に近い。だが化けた対象の性格や癖は能力の範囲外という唯一にして最大の隙があり、どうにかしてこの差異を見抜ければ、惑わされている当人でも見破れる可能性はある。
劇中ではこの能力でモネを惑わし、トンネルの奥まで誘い込んで抹殺しようと目論んだ。
劇中での活躍
膜インと共謀し、故郷の護星界から離れてホームシックになったモネの心に付け込み、彼女を抹殺せんと行動を開始。自身の能力で兄と母親に擬態する事で彼女に接触し、一緒に護星界へ帰ろうと持ちかけて誘い出そうとする。
これに対してモネは兄にも母の事を話そうとするも、あくまで彼女の抹殺に拘るサラワレテ居は「他の誰にも知られちゃいけないのよ」となおも連れ出そうとする。
そこへデータスから膜インが暴れているという報告が入った為にモネは現場に急行するが、スーパーゴセイジャーになって応戦する4人を見て膜インはあっさり退散してしまう。そこへ遅れて駆け付けたモネをアグリは遅いと叱責するも、母親の言葉を思い出して何も言えず、ただ謝るばかりだった。
そして自分に再び会いに来たモネに対して「モネと一緒にいられて嬉しいわ」と前置いた上で「モネ…私と一緒に帰りましょう」と切り出し、「その為にあなたに会いに来たの。私はあなたとずっと一緒に暮らしたいのよ。これ以上、離れて暮らすのは寂しい…モネもそう思ってたんじゃない?」とモネの心に揺さぶりを掛ける。「うん… そうだけど…」と返す彼女に対してもう一押しとばかりに「明日まで待ちます。それまでに決めて」とタイムリミットを設ける事で彼女に迷っている時間は無いという強迫観念を与え、自分の元へ来るよう仕向ける。
「分かった」と返して去って行く彼女の様子をこっそり見ていた膜インも「イイよイイよ♪ あともう一押しだね」と呟き、計画の成功を確信するのだった。
その後、サラワレテ居によって心に揺さぶりを掛けられたモネは考えの違いから兄と喧嘩別れして家を飛び出てしまう。そしてサラワレテ居は「モネ、私と護星界へ帰る決心がついたのね?」と尋ね、「うん」と頷くモネにトンネルを潜って護星界へ帰ろうと語りかける。
そんな様子を眺めながら「心の弱い部分を惑わしヒトを操る…それができればゴセイジャーのパワーアップなど無力に等しい…… その調子だよ妖精のサラワレテ居、他の連中は吾輩に任せておきな」と再びモネ以外の4人の気を引こうと陽動の為に暴れ始める。
一方のサラワレテ居もトンネルの奥でモネを抹殺しようとするが、故郷と護星天使の使命で葛藤する彼女に対して「もう地球なんか守らなくても良いのよ」と口走った所から計画に綻びが生じ始める。飛び出す前にアグリから言われた「一人前にならないまま戻ったとしても、決して母さんは喜んだりしないだろ?」という言葉を思い出したモネの心に、目の前にいる"母親"への疑念が生じ始めたのだ。
「あなたはママじゃない……ママはそんな事言わないもん!」と叫ぶモネに対して腕を強引に掴んで連れ去ろうとするが、その際に頭から落ちた花飾りを踏み付けてしまい、ついに母親ではない事を見抜かれてしまう。
「もう惑わされない!私は…私は地球を守る為に戦う!」
腕を振り解こうとするモネに対し、なおもトンネルに引きずり込もうとするが、そこにゴセイナイトが駆け付けコンプレッサンダーで牽制。ナイトはモネにサラワレテ居の特性を教えると、正体を現して計画は失敗。
せめて口封じとばかりに交戦し、当初こそ互角だったが、次第にイエローとナイトの二人がかりでも苦戦していた。
一方の膜インはビービから作戦が失敗したと聞かされ、もはや加勢する必要もないと判断したのか「ゴセイジャー、決着は次へ持ち越しとさせてもらうよ」と撤退。ちなみにビービはレッドに倒された。
膜インに切り捨てられた上にビービすら呼べず、完全に孤立したのであった(対してゴセイジャーはデータスの報告で他の4人もイエローとゴセイナイトの元へ駆け付け揃い踏み)。
火球で攻撃するもスーパーゴセイジャーは難なく防ぎ、ゴセイテンソードの5連撃+ナイトダイナミックからのスーパースカイランドシーダイナミックを受けあっけなく敗北した。
その直後、筋グゴンの命を受けて武レドランが放ったビービ虫に噛み付かれると、「一瞬でケリを着けてさしあげますわ!」と巨大化する。
グランドゴセイグレートで応戦するゴセイジャーに対し、サラワレテ居は「いいでしょう…今一度あなた達を惑わせてみせましょう!」とデータスハイパーに擬態。
これによって動揺を誘ったところへラッシュをお見舞いするが、ブルーは「そっちが見た目で惑わすならこっちはこうだ!」とカモミラージュを使い、彼女の姿をビービに変えて圧倒。
変身はすぐ解けたが、反撃する間もなくトドメのグランドグレートストライクを受け撃破された。
余談
- モチーフ
名前通り妖精がメインモチーフだが、幽魔獣としての虫モチーフはコノハムシ。その意匠は葉の形をした羽に見られる。
擬態能力もコノハムシの持つそれに由来するが、擬態をするのは雌だけであり、女怪人なのもそこから。
- 妖精はUMA?
大抵の人は「妖精はUMAじゃなくね?」と言いたくなる事だろう。しかし「妖精の写真」なるものが存在するため、まったくの絵空事でもない。
その最たる例は1917年の「コティングリー妖精事件」で、これはとある姉妹の少女が撮影した「妖精の写真」が話題を呼んだ出来事。後に本人自ら「妖精を見たのに誰も信じてくれないから」でっち上げたとカミングアウトしているが、5枚ある写真のうち1つだけは不明瞭ながら本物の妖精だとされているのだ。
- 名前の由来
「攫われている」+『フェアリーテイル』(真島ヒロの漫画ではなく洋画の方)+居る。
この映画には行方不明の父親が突然娘を迎えに来るシーンがあり、これがモネをトンネルへと誘い込んで抹殺する彼女の作戦の元ネタ。
ちなみにこの映画は「コティングリー妖精事件」も題材になっているが、実はホラー映画ではないので幽魔獣のネーミング法則(ホラーorモンスター映画が由来)からは外れていたり。
- 中の人
声を演じる杉本女史はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となる。女王蜂のイリアンを演じたゆかな女史が雪城ほのか/キュアホワイト、遮光器土偶のピカリ眼を演じた沖佳苗女史が桃園ラブ/キュアピーチを、杉本女史も2年後のスマイルプリキュアにてゲスト出演している。
関連タグ
幻獣ピクシー拳ヒソ:3年前の作品に登場した妖精モチーフの怪人。こっちは妖精+卯。
ナリスマシ:前作に登場した成り済まし繋がりの怪人。モチーフは瓜+のっぺらぼう+道化師。
巨大戦でこちら側のロボに化けたという共通点もある。
タヌキツネギン:20年前に登場した怪人で、こちらも同じく戦隊イエローに母親の幻を見せて惑わし、その命を奪おうとした。
メタモル・モスミーノス:ロックマンX2のボスキャラ。漫画版では羽根の鱗粉で幻覚を見せて心を抉る卑劣な手を使った。
リュムナデスのカーサ:こちらも近しい人間の幻覚を見せて相手の命を奪おうとした外道。