ネッシーのウオボ渦
ねっしーのうおぼうず
「恐竜の生き残り」とも称される有名な未確認生物「ネッシー」の正体とされる幽魔獣。
長年プレシオサウルスの生き残りとされてきたネッシーらしく、長い首と泳ぐ事に特化した四肢の意匠が見られる他、尻尾や両足がカタツムリの頭部の様になっており、ずんぐりとしたその背中もまるでカタツムリの殻と思しき外見となっている。
また、そうした外見に似合わず芝居がかった大仰な口調で話すのも特徴。
戦闘力もかなりのもので、強靱な尻尾やムチのように伸ばせる長い舌、両手首から生やした鋭い針の様な剣で遠・近とも得意な間合いであり、更に撃ち落とされても弾けた欠片が相手を襲う火炎弾、そして口からのエネルギー波等、多彩な攻撃手段を持っている為に隙が無い。
そして長い舌で人間と無機物の影を奪い取る能力を持っており、影を奪われた者は瞬時に仮死状態に陥り、最終的には絶命してしまう。
だが強い日差しで濃く出ている影でないと奪えないので、わずかでも陰ると能力を発動できない。つまりウオボ渦が全力を出せるのは快晴の時に限られるわけだ。
そんなウオボ渦だが、特筆すべきは1万年前にゴセイナイトを破ったという大金星を上げていることだろう。当時のナイトはまだヒト型ではなかったせいもあるだろうが、それでも最強のヘッダーと称された彼に土をつけたのだからただ者ではない(ちなみにヒト型形態は幽魔獣を封印した後にゴセイパワーを受けて超進化した結果)。
前回ワライコ僧がゴセイジャーと戦い敗北していた頃、膜インはウオボ渦と密会していた。「今日も良い天気になりそうですねぇ~。そうは思いませんか、ネッシーのウオボ渦?」と他愛の無い世間話をする膜インに対してウオボ渦は……
「足元に濃く影は落ち、ヒト共は立ちすくむ。静かに… そして冷酷に……」
…と、詩的な言葉を並べ立てる。すると彼に信頼を寄せる膜インはウオボ渦の勝利が揺るがないと信じ切っているのか「あなたなら、必ず地球を吾輩達の物にしてくれるでしょう。ブフフハハハハハハッ……」と笑うのだった。
かくして行動を開始したウオボ渦は街へ繰り出すと、その場に居合わせたカップルの影を下で舐め取ってしまう。するとカップルは意識不明の重体に陥り、ゴセイジャーが駆け付けた時には1人の少年を除き、既に大勢の人間が彼によって影を奪われた後であった。
ムチの様に波打つ彼の舌の音から、ゴセイナイトは「あいつが再び姿を現したか……」とウオボ渦の出現を察する。すると上記の台詞と共にウオボ渦が出現。
自分に敗れた筈のゴセイナイトが生き残っていた事を嗤うと、ゴセイナイトは「私は、あのときの私とは違う!お前の事は1万年間一日たりとも忘れた日は無い!!」と闘志を燃やして立ち向かう。共に戦うゴセイジャーにウオボ渦の能力を知るゴセイナイトは迂闊に近付かない様に警告するが、先走ったブラックがロックラッシュを繰り出してしまう。
だがウオボ渦は飛んで来た岩の影を舐め取ると、岩はそのまま勢いを失い落下。
ウオボ渦の影を食べる能力が生物どころか無機物にまで有効と分かるや否や、能力を警戒したゴセイジャーは木陰に入って対処しようとするも「浅知恵が事態を改善する事は無い!」と嗤いながら強靭な尻尾による強打で木を吹き飛ばしてしまう。その隙にゴセイナイトが攻撃しようとするが、4人を庇う為にレッドがウオボ渦に組み付いたでゴセイナイトは手が出せない。
すると不意に空が曇って自身の能力が使えなくなったのを受け、「日の陰りは私に休息を告げる。日の下でまた会おう。フッフッフッフ……」と言い残して撤退。一方、その圧倒的実力を前にしたゴセイジャー達は危機感を募らせるが、ゴセイナイトは敵を倒す事より仲間を庇う彼らの弱さと甘さを指摘し、険悪な空気のままその場を去って行くのだった。
翌日、空が晴れたのを見計らって再度出現したウオボ渦は「フッフッフッフ…収穫の時、来たれり」と電車を襲撃するが、影を奪われた犠牲者が命を落とす前に倒そうとゴセイジャー達が立ち塞がる。当然ゴセイナイトも駆け付けるが、昨日の今日で連携や共闘の意思ができるはずもない。
日陰の無い場所に現れた彼らの無策さを「フン!知恵無き者は抗いを無駄と知らぬもの」と嗤うウオボ渦だったが、ゴセイジャーはスパークェイクで塵を舞い上げ、プレッシャワーで水を巻き上げて最後にツイストルネードで雲を作り、風で広げる事で空を曇らせ能力を封じようとする。だがウオボ渦はそれを無駄と一蹴し、発した光線で雲を吹っ飛ばしてしまった。
見兼ねたゴセイナイトが改めて参戦するも、指からの光線や長い舌、火炎攻撃で圧倒。立ち上がるゴセイジャーのゴセイダイナミックを受けても無傷という鉄壁の防御力を見せ、反撃で一気に吹っ飛ばしてしまう。それでも諦めず立ち向かう5人に対し、「全て纏めて我が餌食としよう!」と彼らの影を奪おうとする。
だが、それは自分達を犠牲にした5人の作戦であった。彼らの意図を理解したゴセイナイトは「私が護星の切り札だ!」と叫んでグランディオンヘッダーに変形。影を飲み込むまでのタイムラグを突かれたウオボ渦は舌を切断され、5人の影は元の持ち主の所へ戻ってしまう。
そしてゴセイナイトがレオンレイザーによる反撃を繰り出し、バルカンヘッダーを召喚してのナイトダイナミックで打ち破った。
「ゴセイナイト、お主に私は倒せぬ。相手が増えようと私の戦い方に変わりは無い」
直後にビービ虫によって巨大化を果たし、「フン!私に敵う者はいない」と相変わらずの余裕を見せつけるや、ゴセイグレートとゴセイグランドを口から発射するエネルギー波で合体解除に追い込む。
だが共闘して心を通わせたゴセイジャーとゴセイナイトが互いを認め合った事で奇跡が起き、2体はグランドゴセイグレートへと合体。
「太陽が燃え尽きる事があろうと、この私が負ける事などあり得ん……!」と驚愕しつつも圧倒され、最期はグランドグレートストライクを受けて撃破された。
「ヌアァッ!もっと光をぉッ……!!」
ここにゴセイナイトは雪辱を果たし、1万年越しの因縁に終止符が打たれたのであった。
名前は映画『ウォーターホース』と本エピソードのタイトルと同名の曲で有名な『オズの魔法使い』に渦巻きを掛けている(カタツムリの殻だけに)。
「魚坊主」も込められていると思われる。
ウォーターホースの舞台はネッシー伝説で有名なスコットランド地方であり、作中に登場するウォーターホースはケルピーと首長竜を混ぜたかのような外見をしていて、その繋がりで名前の由来に選ばれたと考えられる。
趣味の「気まぐれに写真に写る」事が人間達によって「ネッシー」として伝えられたと考えられるが、封印を解かれた際に現場には煙を吐き出すエルレイの匣が痕跡として残る為、真偽は不明。
エルレイの匣を通して膜イン達が長距離を移動する点を踏まえると、その移動に用いられた可能性もある。
声を演じた森田氏は4年前にも『轟轟戦隊ボウケンジャー』でリュウオーンの声でレギュラー出演していた。また、翌年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』でも再びリュウオーンの声を担当した。
UUウーリン:『激走戦隊カーレンジャー』の怪人で、同じく人間態を持たない追加戦士に因縁を持つ繫がり。
忍狼獣ファングール:『忍風戦隊ハリケンジャー』の怪人で、相手の影を喰らう能力を持つ。但し、犠牲者は凶暴化するだけで命に別状は無い。
スぺキオン星人ジェニオ:『特捜戦隊デカレンジャー』の怪人で、こちらも断末魔が同じ「もっと…光を…!!」だった。
5000℃のクラスニーゴ:一般怪人でありながら護星天使の仲間を倒した実力者つながり。こちらはハイド(ゴセイブルー)の相棒だったゴセイグリーンことマジスを死に追いやった。
ジョージ・クライ:中の人が同じで、詩的な言い回しを好む性格も一緒。
ゲッコー・モリア:漫画『ONEPIECE』に登場する海賊。こちらも相手の影を奪う能力を持ち、なおかつ影を奪われたものが瞬時に昏倒してしまうという点でも共通。
牛鬼:こちらも人間の影を舐める事でウオボ渦同様、人を死に至らしめる凶悪な妖怪。
デーボス軍:3年後の戦隊に登場する悪の組織。幹部のモチーフにオズの魔法使いのキャラクターが使われている。
ゴネーシ:『宇宙戦隊キュウレンジャー』のネッシーがモチーフの怪人で、現存する目撃写真のシルエットに因んだ作戦でホ座星系・惑星ベラの住民達に圧政を行っていた。
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VSネッシーのウオボ渦(天装戦隊ゴセイジャー)
今回は天装戦隊ゴセイジャーから、幽魔獣の一員、ネッシーのウオボ渦です。 追加戦士であるゴセイナイトをも苦戦させたことがある最強の幽魔獣です。 しかも、影を食べることができるというすごい能力まで持っているので、非常に厄介な敵でした。1,865文字pixiv小説作品