概要
外見はウマに似ているか、或いは魚の下半身を持ったウマと言った趣。
優しげな外見に相反して、人肉を好んで食べる凶暴な妖精である。
但し肝臓だけは食べないので、ケルピーの襲撃跡には肝臓だけが残されていると言う。
鉄の気を酷く嫌う。
水に関わる魔法を使いこなし、通常の人間には先ず太刀打ち出来ないとされる一方で、くつわを噛ませる事で魔力を封じ使役する事が出来ると言う伝承がある。但しあまり酷使するとケルピーに恨まれ、後々まで呪われる羽目になる。
残虐性や弱点の相似などから、日本の水怪・河童に対応する魔物とする研究者も居る。
石田英一郎は、夥しいエビデンスを上げ、水属性の精霊(欧州では水妖は「Nick」「Nixie」などと呼ばれる)が、かつて牛を好むと言われ、また歴史が下ると馬を愛で給うとされる信仰が中近東に発生し、汎ユーラシア的に伝播し、零落したとして「河童が馬に固執する件」とケルピーをその証拠とし、かつ「牛ケルピー」の伝承も紹介(石田『河童駒引考』岩波文庫148頁)している。
また、イギリスにはハイランド地方のアハ・イシュケ、オークニー諸島のナックラヴィー、マン島のグラシュティン(カーヴァル・ウシュタ)など、馬の姿をした水妖(フーア)の伝承が多数存在する。
スコットランド・アイルランド等で目撃されたネッシーを代表とする湖沼怪獣やウマウナギ、海洋で目撃されたシーサーペント等にいくつか共通点がある。現地の人間によっては同一視されている所もある。
また、北欧神話ではこれに良く似たニッカールがいる。(ただし、正体は意外にもあいつだったりする)
フィクション作品でのケルピー
「川馬」と表記される中位の水妖。
「馬の形をしたヒキガエル」とでも言うような姿をしている。
下位の水の精霊(ウインデイヌ)を操り、水の弾丸を飛ばしての攻撃、水の壁による防御、水で相手を包んで溺れさせるなどの技を使う。
獣鬼(トロール)、巨鬼(オーグル)の襲撃に便乗してイーノック村に出現。
魔法道具を使い慣れていないセルピコを苦戦させるが、シールケの呼んだ川の精霊が起こす洪水に巻き込まれた隙にかまいたちで首を刎ねられた。
「水棲馬」と書かれる。
魚の尾と水草のような鬣を持った馬型モンスターでダンジョン内の湖に生息する。
「アンヌ」と名付けられドワーフのセンシに懐いていたが、湖を渡るためセンシが背中に乗った途端本性を表し水中に引き込んで喰い殺そうとする。
結局ライオスとセンシに返り討ちにされ、脂はマルシルの手で馬油石鹸に加工され、可食部は焼き肉とシチューの具材にされた。
ハリー・ポッターシリーズ
上半身が馬で下半身が魚の水棲幻獣。人族に対しての反応は友好的。
湖や川での荷運びや、エルフの水中活動における護衛役として使役される。
一般的に陸上での行動を苦手とするが、反面、水中での索敵・追跡などが得意。
メガテンシリーズ
エフィーの行方不明の弟。人物名であり、幻獣ではない。
リディアが気に入っていて、彼女を自分のものにしようとしている。
人間名はケイン(エドガーが呼んでいる)。
詳細は水怪(Fate)を参照。
劇中にて、ファウンデーション王国周辺でケルピーが目撃されているという旨の噂が話題に出ており、映画を見た観客の間でケルピーの噂の正体はアスランのズゴックではないかという説が浮上している。