【警告】この記事には、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のネタバレが記載されています。
「アスラン・ザラ、ズゴック、出る!」
機体データ
概要
ターミナルに出向したアスラン・ザラが搭乗する潜入・諜報作戦用の機体。
ファウンデーション王国の卑怯な罠に嵌められて戦争犯罪者にされそうになった親友のキラやコンパスの構成員を救うべく、この機体で出撃した。
最早説明不要ながら、見た目は一見すると初代『機動戦士ガンダム』に登場したシャア専用ズゴックそのまんまな外見…なのだが、よく見ると腰部は完全に形状が変更され前腕に手甲が追加、頭部にはラムズゴックを彷彿とさせるブレードアンテナが備わっているなど、オリジナルのズゴックとは少し異なった外見になっている。
特筆すべき点はオリジナルと異なり宇宙でも活動が可能であること(そもそもこの機体が水陸両用機とは明言されていないし、本家のズゴックも宇宙で使われた前例はある)。
特別版(ソフト収録版)では少しデザインが変更されており、ややスマートなシルエットに変更。また、頭部のミサイルの射出口も減っておりいかにもSEEDらしいデザインになっている…と思われたが単にこのシーンのみSEED特有のヒロイックな作画にされていただけで他のシーンでは一切変更はなかった。
武装
対装甲斬牙爪
オリジナルのズゴックの腕部兵装であるアイアンネイルに相当する格闘兵装。
マニピュレーターの代わりに両腕に装着し、これで格闘戦を行う。
使用時に腕部クローが赤くなっていた事から、ザムザザーの超振動クラッシャーと同様に赤熱化させる機能を有していると思われる。
ミサイル
頭部から発射される。
重粒子力線砲/メガ粒子砲
腕部クローの中心に搭載。後述するが本武装の存在によりC.E.にもメガ粒子の概念がある可能性が浮上した。
M2X32E フォランテス
機体背面に装着された飛行用ユニット。
本機の機動力を高機動戦闘が可能なレベルまでに高める。
AIM-1913D 自律中距離空対空ミサイル スコルピオ
フォランテスのウイング基部に左右1基ずつ搭載されている4連装ロケットランチャー。
MA-M50E3F 高エネルギー長射程ビーム砲
フォランテスから本機の頭部を囲む形で2門搭載されたビーム砲。
MA-R259 ビームライザー
リフターのウイングに搭載。両端部から砲撃が可能な他、ビームサーベルを発振可能。
リフターのウイング基部が回転可能で、背後からの攻撃でもこれを回転させることで受け止めるという、器用なことが可能。
キャバリアーアイフリッド-0
メイリン・ホークが搭乗しているターミナル所属のキャバリアーアイフリッド。
ズゴックに被さる事で「アメイジングズゴック」へと強化する。キャバリアー側で操縦系統の切り替えや遠隔操作する事も可能で、その時はキャバリアー側の武装も使用できる。
さらに、SEEDシリーズではお馴染みのユニウス条約違反モノである(しかしユニウス条約は連合とザフトの間の条約であり、オーブは関与していない。更に言えばユニウス条約そのものが当の連合・ザフト両方から違反されまくっている時点で『今更』でしか無いが。)ミラージュコロイド・ステルスも搭載されており、劇中ではこの装備を使ってSEEDにてニコルがブリッツでやったように宇宙要塞アルテミスに侵入した。宇宙空間での運用もそうだが、もはやこのズゴック、無法者すぎる……。
劇中の活躍
ファウンデーション王国の計略に嵌められ、旗艦アークエンジェル、およびライジングフリーダムなど主力MSの殆どを失ったコンパスを救うべく参戦。ブラックナイトスコード シヴァと互角の戦いを演じ、流石のアスランも息切れしたとはいえ無傷で凌ぎ切った。
敵の撤退後はキャバリアーと合体し、マリュー・ラミアス以外のAAクルーとキラ・ヤマトの救出に成功する(マリューとシン・アスカはそれぞれムウ・ラ・フラガとヒルダ・ハーケンが救出)。
戦闘区域を離脱し、ムウのムラサメ改やヒルダのギャンシュトローム共々オーブ連合首長国・アカツキ島の秘密ドックに入った。
その後、ファウンデーション王国を追って宇宙へ上がったミレニアムに同行する形で艦載される。
大気圏離脱後、キャバリアー装備状態で一足早く発進し、ストライクフリーダム弐式を抱えて出撃する。この時はキャバリアー側でコントロールし、ミラージュコロイドを展開。ラクス・クライン救出のためアルテミス要塞に向かう。
アルテミス要塞に接近すると、アスランが陽動のためストライクフリーダム弐式で出撃。本機にはキラが搭乗(小説版より)し、ストライクフリーダム弐式迎撃のためアルテミスからブラックナイトスコード シヴァが発進する一瞬解除された陽電子リフレクターの隙を縫ってアルテミスへ潜入。キラやレドニル・キサカらを降ろすとコントロールは遠隔操作でカガリ・ユラ・アスハが行い、内部の戦艦などを攻撃する。キラ達がラクスを救出して合流すると即座に要塞を脱出、ストライクフリーダム弐式と合流して安全圏まで後退。ズゴックとストライクフリーダム弐式の間でパイロットを交代し、本機はラクスを降ろすためミレニアムへ一時帰投する。
その後、プラウドディフェンダーで出撃したラクスの護衛に就く形でキャバリアー共々本機も発進。メサイア跡で奮闘するストライクフリーダム弐式のもとへ向かう。本機の到着時には、ストライクフリーダム弐式はブラックナイトスコード カルラとシヴァに追い詰められ、さらに動力炉が超過駆動に至ってしまいフェイズシフトダウンを起こしていた。さらにはそこをシヴァの「VIG-M70C 近接短針投射システム」にロックオンされていたため、キャバリアーを切り離し間に入る形でストライクフリーダム弐式を庇い短針をモロに食らって大破・爆散した。
…しかし爆発の刹那、剥がれ落ちたズゴックの頭部装甲の隙間からは緑の眼光が輝き、爆炎と共に1機のMSが出現。飛来したリフターと合体し装甲を赤く染めたその姿はまさしく、正義の名を冠す伝説の機体であった。
真の概要
実は、『DESTINY』でアスランが搭乗していた機体の改修機であるZGMF-X191M2 インフィニットジャスティス弐式がその存在を隠匿するための仮初の姿がズゴックであり、外装から搭載装備、型式番号に至るまでその正体を隠すための偽装に過ぎない。
なぜインフィニットジャスティス弐式を隠匿しなければならなかったかについては明言されていないが、核動力MSの保有を禁止するユニウス条約が大きく関わっている可能性はかなり高かったと思われる。さらに、本編より前に発生したフリーダム強奪事件も深く影響している可能性もある。
また、ジャスティス系列の始祖であるZGMF-X09A ジャスティスの活躍によって世界中に知られており、ターミナルの隠密行動には適さないことも理由として考えられる。
頭頂部に一本突き出た大型アンテナは、中にいるインフィニットジャスティス弐式のそれがそのまま露出した物であり、他には足の裏も装甲でカバー出来ない部分はそのままインフィニットジャスティス弐式のそれになっている。
このため、ズゴックとしての活動時にもこの部分のみはヴァリアブルフェイズシフト装甲を起動していると考えられる。
外装に過ぎない割にその装甲は厚く、(フェイズシフトダウン寸前だったとは言え)VPS装甲を展開していたライジングフリーダムを針の筵にする威力を誇るシヴァの近接短針投射システムをモロに受けてもVPS装甲をアクティブしていない中身のインフィニットジャスティス弐式が無傷で済んでいる。
立体化を無視したデザイン
よくよく中身と見比べてみると、頭のアンテナ以外にも色々と飛び出ていないと本来はおかしい体形(特に肩部スラスターなど)のため、現実的に中身を入れることはまず不可能(あるいはズゴックがやたらと大柄になる)なデザイン。このため、どうやってズゴックの中にインフィニットジャスティス弐式がキレイに収まっているのか上映後にガンダムファン並びに視聴者たちから疑問の声が上がることとなった。
一応、無理やり収めることは理論上可能ではあるのだが、上記のイラストの様に収めた結果、あの素早い機動が出来るのかが疑問が残ってしまう(アスランだから出来た、と言ってしまえばおしまいだが)。
しかもズゴックの外装を脱ぎ捨てた時点でレールガンとシールドを装備していたので、この2つも外装内にあった事になる。
それもそのはず。そこまで考えられていなかったのだから。
そもそも、当初はジャスティスの「偽装用フルアーマー形態」としてデザインされていた。公開初日の製作陣の舞台挨拶で福田己津央監督は、元々カモフラージュする機体はアッガイだったが、既にビルドシリーズでやっているのでズゴックにしたと明かした(一応、ズゴックの上半身だけを被せたものなら後述する前例があったのだが)。
福田監督は、機体デザインを担当した大河原邦男氏に「ズゴックを被せて偽装を施す」と発注していたが、当初は脇などから中身のインフィニットジャスティス弐式が見えているデザインが出されていた。しかし立体化が容易い代わりにジャスティス本体が側面等から丸見えで、正体がバレバレだったと言う(大河原氏からは「もうちょっとずんぐりむっくりしていた」という言葉も出ている)。
それを見た福田監督は「そういうの(立体化前提等の事情)は関係なく完璧なズゴックにしてください」とデザインの修正を頼み込み、現在のデザインになったとのこと。とんでもねぇ依頼をする監督である。
なお自らのポリシーとして「立体化を前提とした破綻の無いデザイン」を作りたい大河原氏と「立体化の整合性を捨ててでも正体を隠したい」福田監督は当然ながら揉めに揉めたようで、結局頭頂部のアンテナを1本飛び出させること、足の裏はジャスティスそのままにするという、ガワラ氏の「最後の抵抗」を許す形で決着した模様(しかしこの最後の抵抗がかえってモデラーたちにさらなる試練を与えることになった様子)。
その関係かは不明だがズゴックのデザイン自体は大河原氏によるものだが、設定画は射尾卓弥氏による物である。
因みに前述の通り特別版の初登場シーンではデザインが変わっており、まだ無理矢理感はあるものの変更前に比べたらまあ確かに入ってそうな感じになっている。
このように整合性をガン無視したデザインでありながら、それでも実際にプラモで再現しようとするモデラーたちが数多くいる。ジャスティスの肩パーツを外すなどしてある程度の再現は出来たチャレンジャーはいた一方、ジャスティスを改良し余剰パーツなしで収納させるモデラーも出現した。
まさかの立体化
という訳なので、当初は立体化の予定は無いとされ、福田監督も「ズゴック(の立体化)は勘弁してほしい」との旨の発言をしていた。
しかし、大きな話題をさらったからか、2024年5月の静岡ホビーショーにてまさかのガンプラ化が決定、発売されることが告知された。
静岡ホビーショーでのバンダイの担当者インタビューでは、試写会を見てズゴックの大活躍を目の当たりにしてこれは出さなければならないと、一緒に見ていた上司とともに判断し、掛け合った末、すんなり商品化が決定したとのこと。
まだ試作段階のようで発売日は未定だが、公開されたズゴックの試作品は、なんかデカイ。
隣のデスティニーSpacⅡ+ゼウスシルエットと比べてみると明らかにデカイのだ。
他にも足首辺りに謎の分割線があったり、足の裏に別の足が造形されているため(ご丁寧にそれがハッキリ視認できるように本機の下面には鏡が敷かれていた)、もしかしたら本当にジャスティスが出てくる…かもしれない。
もっとも担当者インタビューでは、SEEDアクションシステムを載せるとの事なので、実際にジャスティスを仕込むのは厳しいと思われる。
但しバンダイの事である。流石に期待を膨らませ過ぎるのも良くないが、とんでもない事をやってのける可能性がある。
そして8月28日のホビーネクストフェイズでその全貌が明かされ、映画公開の翌年にあたる2025年2月に発売されることが決定した。
商品の仕様は、赤熱時のクローとフォランテス、半壊状態の頭部パーツが付属。SEEDアクションシステムで劇中の動きを再現可能となっている。
最大の特徴として、インフィニットジャスティス弐式を模した上半身と膝から下の内部フレームを搭載しており、別売りのHGCEインフィニットジャスティス弐式の一部を組み込むことができるトンデモ仕様になっている。
流石に全身を収めることは難しかったが、一部だけでも再現してみせた変態技術っぷりにはバンダイの執念を感じざるを得ない。まさにバンダイ脅威のメカニズムである。
この仕様についてはファンからも「むしろここまでよくできた」「バンダイは頑張った」等の賞賛や肯定的な意見が多かった。
まさかの非公式でも立体化
なんと有志のモデラーが未だ立体化の予定がないインフィニットジャスティス弐式を
一部をスクラッチをしてMGサイズで作成した上で3Dプリンターでズゴックを作成、
弍ンジャの各種関節に特別な可動域を設けたことでバンダイですら成し遂げなかった
ほぼ完全格納を実現してしまう。恐ろしい子!
腰の高さの問題は胴体と腰の間に簡易的な伸縮する支柱を設けて上半身を持ち上げ、
ズゴック側で弍ンジャの上半身を支えるという方法で実現した。
ネット上での反応
公開後、SNSではズゴックがトレンド上位に昇った。
なにせ登場時の展開がコンパス陣営壊滅の危機というシリアスな展開で、視聴者たちはアスランがピンチに駆けつけるまでは想像できただろうが「ズゴックに乗ってくる」と想像できた人間はそうそういなかっただろう。
単純にアスランがこれまで非常時を除きガンダムタイプに乗っていた事に加え、SEEDの水陸両用MSはグーン、ゾノ、アッシュと3種類も登場していた上に水陸両用機という特殊な機体のため「今更ジオン水泳部を出してくる事はないだろう」という固定観念に囚われやすい状況だった。そこにほぼ元ネタ準拠なデザインで主人公級機体として登場したのだ。
また、ズゴックの登場シーンから映画全体の雰囲気がガラリと変わる(このシーンを境に、メインの脚本が故・両澤女史から後藤リウ氏に変わっている)事で強烈な印象を残す機体であり、それをズゴックでやった、があまりにもシュールかつサプライズとして完璧だった。
ファーストガンダムオマージュのカットとBGM、キレッキレのポーズをキメながら本家顔負けの格闘戦をしかけ、直前にライジングフリーダムを倒したシヴァ相手に無傷で凌ぎ、それらを公開前予告映像でも出てきたシリアス顔のアスランが行うというまさかの状況であったのだ。
その後も発進シーンで「ジャスティス、出る!」(ちなみにこちらのセリフはイモータルジャスティスに乗るシン・アスカが発言した)を差し置いて「ズゴック、出る!」とアスランが言ったり、文字通り主人公級の機体に相応しい活躍を獲得し、さらに中身よりもズゴックで活躍したシーンの時間の方が長い可能性がある上に、「中身」での活躍シーンに関しても負けず劣らずやらかしたりと、頼もしいはずなのにツッコミ所満載の展開のラッシュを視聴者たちに見せつけた。
そんなわけで、本作の視聴者からアスランのことを「宇宙で最もFREEDOMな男」、「何をしても面白い男」、「一人、某ガンダムパロディ作品に参加していると勘違いしてる男」、「やってる事がエリザベスとヅラ」、「肝心な時にしか役に立たない男」、「フリーダムよりフリーダムな男」、「アスランを一番上手く扱えるのは公式」、「一人だけビルドファイターズをやっている」 などと揶揄される一因にした。さらには映画のラクスのキラへの思いを吐露したキャッチコピーを使った「私(ズゴック)の中にあなた(ジャスティス)はいます。」なんてネタまで出てくる始末。ズゴック抜きでも十分やりたい放題かましていた?気にするな。
ゲームへの登場
アーケードゲームの『機動戦士ガンダム アーセナルベース』にて「ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」の名義で実装。実装されたズゴックのモデルは何故か頭部のミサイル発射口が下に向いており、しかも出っ張ったデザインになっている(実際には発射口が上向きであり、凹んでいる)。
公式のデザインはいずれも凹んでいるため、ゲーム側のモデルが間違っていると思われる。ちなみに、ズゴックの足裏を見ると中心にインフィニットジャスティス弐式の足裏があるのがはっきり見える。デザインに忠実なのは素晴らしいのだが、誰がそこまでやれと言ったんだ。
噂
- FREEDOM本編において、ミレニアム隊一行がファウンデーション王国へ赴く際にシンとルナマリアに対してハーケン隊の3人がファウンデーション王国内で「ケルピー」という獣が出るという話を二人にする場面が存在するのだが、少し話が出ただけで本筋には一切絡まない。そして、この話をしている最中に、しれっとヒルダがルナマリアに抱き着くセクハラ行為をしたために視聴者たちは混乱を強いられることとなった。しかし、この「ケルピー」は実はこのズゴックのことでは?と一部のファンから考察がなされているが真相は未だに不明である。
余談
- SEED作品に登場する宇宙世紀オマージュのMSは皆、ザクウォーリアのように名前の後に他の単語が含まれているが、このズゴックだけは元ネタそのままの名前となっている。
- 更に、本機初登場時のBGM「援軍」には初代ガンダムの「颯爽たるシャア」のオマージュと思しきフレーズがある。通称「颯爽たるアスラン」。サントラのサブスク等での配信回数も、当初他の曲の約3倍と突出していた。更には、本家も行ったクラウチングからのスローモーションの立ち上がりを挿入するという徹底ぶりである。
- なお、当の「颯爽たるアスラン」こと「援軍」は初代チックなメロディから後半に「THE・SEED」な例のメロディラインが唐突に挿入されるため「詫びSEED」などと言われている(実態は颯爽たるシャアの後半に翔べ!ガンダムのメロディラインが入っている事へのオマージュと思われる)。ちなみに劇中での該当シーンは核ミサイルが爆発しアークエンジェルが爆風に巻き込まれたり、シンがラッキースケベをしていたりする場面となる。
- 突き出たアンテナはそのフォルムとパージ後に格闘武器になることから、派生機であるラムズゴックを彷彿とさせる。
- 最速上映に行った観客に衝撃を与えることになったズゴックのカモフラージュ(偽装)。劇場公開前までは、今回アスランが搭乗する機体についてネット上で様々な予想がなされていたが、いざ公開後に明かされた正解があまりにも斜め上過ぎるものだったため「こんなの分かるか」と総ツッコミされたとか。
- 劇中でメイリンが搭乗していた、追加装備のキャバリアーアイフリッドの元ネタは監督が演出家としてデビューした作品「機甲戦記ドラグナー」のドラグナー1型が装備していた追加装備「キャバリアー0型」から。更に新型バックパックはスターウォーズに登場するXウィングによく似ているとも。つまり本機はパロディのチャンポンである。
- 映画公開前の段階でシークレット扱いされた機体の一つであり、鑑賞したファンの一部はネタバレへの配慮から元ネタの旧ズゴックの存在をSNSなどでチラつかせ、映画公開後、ガンダムベースや一部の大型量販店等のネタに寛容なガンプラ売り場においてはライジングフリーダムガンダムやイモータルジャスティスガンダムの横に(宇宙世紀の)ズゴックを陳列する現象が発生した。前述したような事情で作中仕様の本機がキット化困難なこともあって、代用品として購入されている報告がSNS等で複数上がっている。
- 「ミノフスキー粒子が存在しないコズミック・イラでメガ粒子砲…?」と疑問に思う人も多いが、名前が同じだけで原理が違うならば問題はない。
- なぜこのような姿の偽装になったのかは不明だが、アスランとカガリが無人島で初めて出会った際、カガリのシャツの下に小さなカニが潜り込んだというエピソードがある。
- 短編小説『二人の逃避行』でも当時のことを回想しており、ファンの間では「アスランがこの思い出を元にカニモチーフの偽装を発注した」などのトンデモ考察が出回っている。
- 元ネタが元ネタだけに、外装にニューミレニアムシリーズの技術が関わっている可能性もある。実際に型式番号にZGMFも含まれている。
- 狙ったのかは定かではないが、「HGUC シャア専用ズゴック」のポーズはSEED DESTINY初代OPのアスランのポーズと似ているとも話題になった。
- テレビシリーズで放送されて昨年の10月からネット配信でリリースされていて、その過去作であるガンダムビルドシリーズの一作で、外装にドムのボディを使って偽装されていた、赤と白の炎のようなガンダムの方を思い起こしたファンも多いようである。寧ろテレビシリーズで放送されていた分、こっちの方が知名度や認知度は高いであろう。
- しかも、劇場版放映初日(1月26日)の前夜(25日)には、ガンダムチャンネルにてガンダムビルドファイターズトライの第一話が配信され、まさしくドムの中からビルドバーニングガンダムが登場するというタイムリー過ぎる回が配信されたのであった。
- それに加えて、ガンダムビルドファイターズの舞台となる時代がおよそ2030年代の近未来とされており、ビルドファイターズトライはその7年後の物語であるため、ビルドファイターズシリーズの世界でも『SEED FREEDOM』が現実世界と同じ時期に放映されていたとすれば、その放映時期はビルドファイターズトライどころかビルドファイターズ本編開始時点よりも前だったことになる。そのため、ビルドバーニングガンダムの製作者であるイオリ・セイは、この『SEED FREEDOM』のズゴックから着想を得て、ビルドバーニングガンダムにドムの外装を被せた可能性すらあるのである。ちなみに小説版『SEED FREEDOM』下巻の描写によればキャバリアーを搭載した姿のズゴックを「アメイジングズゴック」という名称で通しているようである。
- なおズゴックをモチーフにして別機体になる、という現象にも前例があり、新機動戦記ガンダムWの外伝作品G-UNITに登場するアーマーを被る可変機ガンダムアスクレプオス、ジムではビルドファイターズGMの逆襲に上半身だけオーバーボディのジムズゴックが存在する。
- いずれもガンダムSEEDでもメカデザイナーとして参加している阿久津潤一氏がデザインを担当しているのは……何かの縁であろう。
- 2024年2月9日にXで観客動員数130万人突破が発表され、CGチームからのお祝い動画が載せられたのだが、それが「『援軍』をBGMに巨大なピンクハロの口からズゴックが登場し、「20億突破!満員御礼」(外部リンク参照)と書かれた垂れ幕が落ちる」といったこれまたシュール過ぎる物であった。もはや公式からも完全にネタ扱いである。
- しかも登場の仕方が完全に某国民的アニメの「アレ」である。
- ちなみに、興行収入20億突破記念動画は「閃光のハサウェイ」でも行われている
- 2024年3月29日には観客動員数243万人が発表されたが、そのお祝い動画は上記の内容に加えて更にズゴックの外装を持ち上げてインフィニットジャスティス弐式が登場し、コクピットから「40億突破!満員御礼」の垂れ幕を持った何故か微妙な表情のアスランが登場するという更にカオスさが極まったものであった(外部参考リンク)。
- なおこのときインフィニットジャスティス弐式が肩が稼働するなど特殊な動きをしており、CGチームからの上述のズゴックの中身問題への一つの解決案として一部に注目が走っている。
- 同じく同日に公開された『FREEDOM』のCollaboration Music Videoでは二番の歌詞の「共にふるえたあの感動をもう1度みたくて」部分でアスランとズゴックの映像が組み込まれており、一部視聴者からは「もう一度みたいのは事実だけど、そこ感動パートか?!」と突っ込まれたりも(「感動の方向性が違う」とも)。
- ついでに言うと、MVの「リプレイ回数が最も多い部分」にもなっている。
- オンライン対戦ゲームガンダムバトルオペレーション2は2023年に実施されたアンケート結果を元にSteam版のみSEED FREEDOM公開に合わせて初のアナザー機であるフリーダムガンダムが実装されたのだが、その実装を記念した特別任務達成報酬には前述のラムズゴックが割り当てられていた。
- 一見何の繋がりも無い様に見えるこの組み合わせがまさかのヒントである事に気付いたユーザーは果たして居たのか…
グッズ化
機動戦士ガンダムSEEDシリーズ グランプリ2024にて
2024年3月24日に発表された「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ グランプリ2024」MS・MA部門では4位と大健闘。アスランが乗った機体では最高得票だった(ちなみにキャラクター部門ではアスランが4位であり、そこもそろっていた)。
また中身がガンダムとはいえ、一応非ガンダム系でもトップとなる。
なおアスランはやや困惑したような反応をしている。
関連イラスト
番外編
ズゴックの衝撃はシリーズの壁を越える。
関連タグ
マーズジャケット:SEEDシリーズで以前あった前例。ただしこちらは真っ当に「着込んでいる」形。また、これを装備した機体はグーンの上半身を被った事がある。
ザクウォーリア/グフイグナイテッド/ドムトルーパー:DESTINYにて本家のオマージュシーンを行った繋がり。
アッシュ:DESTINYに登場した、デザインにズゴックオマージュが見られると言われていた機体。
ドム/ビルドバーニングガンダム、ウォドムポッド/モビルドールメイ:公式アニメで以前にやった前例機体。
オーヴェロン:漫画作品「機動戦士ガンダムヴァルプルギス」に登場する機体。こちらも別のMSに偽装され、中身はガンダムである共通点を持つ。
クーロンガンダム:ある存在と接点を持ってから別のモビルファイターを隠す偽装を施していた機体。だがこちらは機械というよりナノマシンに近いもので造られていたため、変態に近い生物的なものになっている。
ダーマ:「Gのレコンギスタ」に登場する機体。内部に別のモビルスーツを格納しているという共通点を持つ。
にせZガンダム:コミックボンボンで連載された4コマ漫画「元祖!SDガンダム」内に登場するキャラクター。ズゴックがZガンダムに偽装した機体で、コンセプト的には、ある意味真逆な存在。ただし、形態的に無理がありすぎで、Zガンダムとは似ても似つかないが。
ガーベラ・テトラ:こちらもガンダムタイプのMSをジオン風に改装した赤い機体であるが、ズゴックと違って外装を丸ごと換装したために元の姿には戻れない。