『壊すには────……
ここには大切なものができすぎた』
概要じゃない、桂だ。
ストレートの長い黒髪が特徴で整った顔立ちをした細身の青年。反幕府勢力『攘夷党』の党首。
坂田銀時や高杉晋助とは、吉田松陽の元で共に学んでいた幼なじみであり、攘夷戦争時代の盟友。
「狂乱の貴公子」「攘夷志士の暁」「逃げの小太郎」の異名を持つ。その姓と長髪から銀時・高杉・坂本辰馬といった昔馴染みの面々からは「ヅラ」のあだ名で呼ばれるが、その都度「ヅラじゃない桂だ」と返すのが定番の口癖である。
初期では銀時に突っ込むシーンも見られたが、最近では逆に周りによくツッコまれている。しかしシリアス時など、銀時と同様に決めるときには決める人物。
人物像じゃない、桂だ。
銀時や坂本同様、会話をするときに人の話を聞いているのかいないのか、自分の思惑だけを淡々と話すことが多く、相手の逆鱗に触れることもしばしば。いかにも武士然とした堅い口調で話し、腕組みをしているシーンがよく見られる。
質素倹約を旨とし、そばを好物にするなど粗食である反面、俗世間に人一倍興味があり物欲も強い。しかし、根は優しく困っている人を見捨てられない性分。登場当初は倒幕を成そうと過激な活動を繰り返していたが、当人曰く「壊すには大事なものが増えすぎた」ため、現在は穏健派に転向している。ただし、今でも機会があれば銀時を自身の元へ戻そうと声をかけている。
映画「万事屋よ永遠なれ」では銀時が行方不明になった事で再び過激派に転向している(何故か格好まで某テロリストと同じにしている)。普段は爆弾を使用するが、剣の腕前もかなりのもの。高杉の行動を「江戸ごと破壊しかねない」と懸念し、やめるよう説得したことがあるが、高杉が春雨と手を組んだ事を知り、銀時と共に彼と決別した。
幼い頃から銀時や高杉の暴走を諫めまとめてきたリーダー格であり、現在も多くの志士達や囚人達を惹きつけまとめあげるなど、人々を魅了するカリスマ性の持ち主である。また相当な運動神経の持ち主で、剣術は銀時と肩を並べるレベルであり、紅桜篇では共に殿(しんがり)を務めた。猿飛あやめ曰く、「スピードは全く忍者に引けを取らない」とのこと。その能力は、真選組に追跡された時などに役立っている。
よくも悪くも表情の変化が他の人物よりは少なく、他の人と比べると取り乱すことが少ない。
ただし表情が取り乱していなくても行動が取り乱すことはある。
お尋ね者であるためよく変装しており、「宇宙キャプテン カツーラ」「配管工カツオ」「ヅラ子」などバリエーションも豊富だが、「○○じゃない桂だ」の口癖で自ら本名をバラしてしまうことも多い。ただし、変装している時に「桂」と呼ぶと「桂じゃない○○だ」と返すのが半ばお約束。
銀時と同様、経済的にはあまり余裕がないのか「何をするにもまずは金がいる」という理由でよく呼び込みのアルバイトなどをしてる描写もある。
「バイビー」「ニャンニャン」などセンスや言動が古臭いが、ごく稀に「超……じゃん」など砕けた口調になることも。
ノートパソコンを所持し、インターネットをやっている割にはテレビゲームにかなり疎く、いまだにファミコンを最新機種と信じている。
妄想癖があり、その妄想には松子という女性がよく登場する。
女性の好みのタイプは銀時曰く「人妻」。
真選組の襲撃に備えて常に懐に時限爆弾(再利用爆弾)や煙幕兼非常食の「んまい棒」を忍ばせている。爆弾は天人の戦車を破壊するほどの威力を見せたこともあるが、普段使っているものは足止め程度の効果しかないため、逃走用と戦闘用を使い分けていると思われる。また、なぜか様々な病原体に対する抗体を持っており、銀時曰く「昔から風邪一つひかない」らしい。
非常に動物好きで、謎の宇宙生物「エリザベス」をペット兼相棒にし溺愛している。犬や猫などの肉球が大好きらしい・・・まあ、作中で本当に猫になっちゃったこともあるんだけれども。
「忍者戦隊ゴニンジャー」を結成した際、赤い忍者服を着ていた神楽を「リーダー」と呼び、解散後もそう呼び続けている。星喰篇では互いに協力しあうほど親密な仲となる。真選組局長・近藤勲とはインターネット上や合コンなどで誰とは気づかずに意気投合している。モンハン篇ではゲーマー星人を倒すため、かぶき町野良猫篇では人間に戻るために協力し合ったことも。
人気投票回以降、柳生九兵衛と顔を合わせる度にキャラが被っていると一方的に突っかかっている。確かにクールボケという意味では、多少は被っていると捉えられなくはない。
おそらく作中でも屈指のボケキャラ(しかも天然ボケ)であり、彼と会話するキャラクターは(主にボケ担当が多い神楽や志村妙、猿飛あやめなどの女性陣ですら)ほぼ高確率でツッコミ役に回る(むしろ桂のほうがツッコミ役に回ることのほうが珍しい)。
名前のモデルは「桂小五郎」こと木戸孝允。恐らく同郷出身の第11・13・15代内閣総理大臣桂太郎も名前の由来と思われる(作中で「テストで『桂小太郎』と書いてバツにされました、などと苦情が来た俺の気持ちなど貴様にわかってたまるか!」と発言したこともある)。
人気投票での順位は第一回6位、第二回5位、第三回6位、第四回5位、第五回6位。
10周年企画「第1回表紙登場権争奪『銀魂』オールキャラ総選挙」では6位を獲得している。
(表紙における銀時の隣を決める選挙であったため、銀時は不参加。)
中の人ネタで『カツラン・ヅラ』がある。
スピンオフじゃない、桂だ。
『3年Z組銀八先生』では3年Z組の学級委員長として登場している。ピアノが得意。2巻の挿絵では風紀委員長の近藤と自らの長髪と近藤の髭をめぐって対立する描写が見られた。名前をネタにされるのは本編と同じ。そのため小説版2巻では、弁護士と1回目の会合を済ませているらしい。
『金魂』では「ヅラ子(ズラ子)」。西郷と共に「スナックお頭裸」を経営している。エリザベスは小型化している。
余談じゃない、桂だ
村田雄介によるジャンプ40周年集合ポスターでは万事屋の3人を除いて、エリザベス共々参戦できた唯一の脇役キャラとなっている。しかし、なぜか巨大なマヨネーズ瓶を背負った謎の姿で登場しており、後に公式ガイドブック『銀魂五年生』ではこのことについて新八が「微妙に勘違いされてる!!」と発言している。
『銀魂』の最終回が予定話数に間に合わなかった際に、報道番組ZIP!に対して、
「だから俺は言ったんだ!!あと5話で終わるのなんて無理だって!!それをZIP!め!!わざわざニュースにしやがって もう引き下がれんではないか!!」
と地面を叩き、吹き出しの枠外には「桝めェ!許せん」と、まさかのご指名で怒りをあらわにしていた。
人気投票編で本人が語ったところによれば、作品人気が伸びるのに伴い「実在の桂小五郎と紛らわしい」「テストでうっかり間違えた」と苦情が来るようになったらしい。その為かは不明だが、中盤以降に登場する実在の人物をモチーフにしたキャラクターは、元の人物から大きく捩った名前になっている場合が多い。
ちなみに、CV:石田彰の代表キャラクターの一人であり、イケメンで物語の根幹に関わるというCV:石田に恥じない立ち位置のキャラクターだが、作中キャラはおろかCV:石田の中でも突出したギャグキャラクターであり、石田氏も彼のギャグによって笑う事もあったという。
それらのこともあってか、石田彰氏も、自身の役の幅を広げたキャラクターとして、特別視しているキャラクターである。
外部出演じゃない、桂だ。
テイルズオブザレイズでは、銀魂とのコラボ第2弾で登場。
魔鏡技は「どこにも逃げんぞ!」。
関連イラストじゃない、桂だ。
現在じゃない桂だ。
上段左:通常時/上段右:変装バリエーション
過去じゃない桂だ。
左:幼少期(→仔攘夷)/右:攘夷戦争時代
関連タグじゃない、ヅラだ。あっ間違った桂だ。
アスラン・ザラ…中の人繋がりで頭髪をネタにされてる
渚カヲル…特に碇ゲンドウの中の人共々エヴァと銀魂双方に出ているためクロスオーバーでネタにされやすい。
キャベンディッシュ…中の人繋がり、掲載誌繋がり、実力のある残念なイケメン繋がり
エコロ…中の人繋がり、ぷよクエが銀魂とコラボした際にヅラのコスプレを披露した
他言語記事じゃない桂だ。
過去じゃないヅラだ。(以下ネタバレ注意じゃない桂だ。)
攘夷派志士の生き残り。貧しい家庭に生まれ、幼い頃に両親を病気で亡くした。その後は、屋敷を没収され、お婆と二人で暮らしていたが、時には路頭に迷ったこともあったという。お婆が死んでからは天涯孤独の身となり、幼くして桂家の当主となった。巷でも評判の賢い子として養子縁組の話もあったが、本人曰く「侍は自分で自分を育てるもの」と語っており、誰に頼るわけでもなくたった一人で炊事・掃除・洗濯など全ての家事をこなしていた。
そして、その才覚を認められて名門塾「講武館」に特待生として招かれる。同塾に通っていた高杉とはこの頃からの知り合いであり、仲が良いとは言えないながらも塾生との喧嘩の仲裁に入ろうとしたり、家族から飯抜きの罰を受けた高杉の元へおにぎりを持参する等(何故か具はツナマヨ)素行を気に掛けていた。やがて松陽と出会い、高杉と共に講武館を抜けて、松陽の塾で侍として成長していく。
「逃げの小太郎」という異名には、実はお婆の教えが強く影響している。お婆曰く「一軍を率いる将として最も大切な資質とは、戦場で最も臆病になること」であり、「どんな強者であろうと、将が首を取られたら戦は負けとなる。ゆえに誰より怯え誰より生き残る事が将の務めである」という。そうして臆病者の皮をまとっていたが、天涯孤独の身となってからは「あらゆる危機から逃げまどい一人生き残ったとしても、臆病なだけでは孤独からは逃げられない。夜は越えられない。」と悟り、共に夜を越える仲間達も護れるくらいに誰よりも臆病で誰よりも強い将になろうと誓った。
「ヅラ」
「だから俺と居る時は、お前はただのヅラでいろ」
「ただの 友(ヅラ) として、共に、戦おう」
第563訓にて上記の過去と共に、桂のお決まりの台詞「ヅラじゃない、桂だ!」の誕生の瞬間が描かれた。
長年ギャグだと思われていたニックネームには、深い意味が込められており(半分ギャグ)銀魂史上(ある意味)最大の驚きを読者に与えた。
余談だが第562~564訓(アニメ320話)では桂の本気を見ることができる。
彼の実力は伝説として語り継がれてはいたものの、明確な強さを表す戦闘シーンは少なかった。
故に、高杉同様その実力を疑う読者も多かった。
が、この猩覚との戦いで、今までのイメージを覆す野獣のような戦いを見せつけ、読者に大きな驚きを与え、その強さを再認させた。
まさに狂乱の貴公子
・・・ていうかコイツ、こんなかっこよかったっけ?
桂じゃないヅランプだ。(以下さらなるネタバレ注意じゃない桂だ…あっ間違えたヅランプだ)
虚一派や春雨、天導衆、解放軍らとの戦いがすべて終結してから2年後、戦災から復興していく、将軍亡きあとの江戸において、鼻の下にひげを生やし(これまでの桂を考えると付け髭かもしれないが)、ドナルド・ヅランプと名乗って国の初代総理大臣に就任していた。
一見ただの悪ふざけにしか見えない有様だがそれでも政界への進出は彼なりに本気であり、亡くなった二人の王への心意気も込め、就任挨拶で「これからはお上に思考や責任を丸投げするのではなく、国民一人ひとりが自分で意味や責任を考えて行動する、亡くなった王に恥じぬ国を作ろう」と語り、その理念を盛り込んだ憲法を作り、憲法書をジャンプやマガジンなどの付録として配布するなど、結構精力的に動いている。
なお、総理大臣として社会の表舞台に立ったことで、今度は彼自身が政権転覆を狙う不逞分子に狙われる身になってしまったが、それでもかつて幕府転覆を狙って活動してきた攘夷志士としての実力はふてぶてしいほどに健在であり、暗殺者に対しても「国を変えるというのはそんな生易しいものではないぞ」と、悠然と説教しつつお得意の爆弾で撃退さえしていた。
「もう天誅など古い。これからは…」
「ユーアー(お前らは)、ファイア~~~~ド(革命家クビだ)!!!」
・・・なお、こうして彼が総理大臣に就任できたのは、黒縄島で共同脱獄の際に交わした約束による、松平片栗虎のバックアップも大きかったのだが…
当の松平としては「絶対どこかでコケて死ぬだろ」と思っていた桂が総理大臣にまでなってしまったのは予想外であり、もはや松平が後見しているそよ姫にとっては立派な政敵であるため、何度も暗殺者をけしかけたりしている(上記で桂に撃退された暗殺者らも松平の手引きであり、松平が呼び出した新八の目の前でそこらへんを語りながら暗殺者と携帯で連絡していた際には、当然の如く新八からツッコミが飛びまくった)。
そして…
実は総理大臣の職に就いたのはそうした『表の世界における理想』のためだけでなく、その裏で蠢く天導衆の残党などの策動に目を光らせるためでもあったことが判明した。
虚一派との戦いで戦火を交え、のちに手を取り合い和平を結ぶことになったアルタナ解放軍の提督・紫雀とは、戦後に桂が政治の表舞台に進出する際にも、日本国内の松平とは別に星外勢力として支援や情報交換を受けており、その中で天導衆の残党が、彼らの求心力の最たるものであった「虚という不死身の存在」をテコに、彼の「不死」の特性を利用して(幹部個々人、集団含め)再起を図ろうとしていること、さらに宇宙全体を巻き込んだこの二年間の戦前・戦後の動乱で犠牲者も多数出て心を荒廃させた民衆が縋り付いて宇宙各地で勢力を増す、『鳳凰をシンボルとした新興宗教』のシンパによって、あちらこちらの星でテロが頻発していることを察知。この二者が「不死・蘇りを求める」という点で同根であることに気づき、紫雀とともに警戒を続けることとした。互いに、身に迫る危険やキナ臭さを肌で感じながら…。