概要
コミックスは第11~12巻に収録。TVアニメは第58-61話(全4話)。
武装組織・鬼兵隊およびその総督にして銀時のかつての盟友たる高杉晋助が本格登場したエピソードである。
これまでギャグ・コメディ漫画だと認識されていた銀魂だったのだが、この章でシリアスやバトル要素も一気に加わるようになり、銀魂という作品そのもののイメージを変えさせた章である。
その為、章の中でもかなり有名な方であり「此処からが銀魂の物語が本当に始まる章」とファンの中でそう呼ばれている。
TVアニメ版のほか、2010年に『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』のタイトルで映画版としてリメイクされている。
さらに2017年公開の実写版映画のエピソードとしても採用されており、「銀魂」メディアミックスにおける鉄板コンテンツとなっている。
漫画・TVアニメ・映画・実写版と、それぞれで演出や登場キャラクターが異なる部分があるので、見比べてみるのも一興である。
劇場版においては終盤の銀時と桂の春雨の集団相手への無双シーンがTV版とは比べものにならないクオリティでリメイクされており必見である。
あらすじ
ある月夜の晩、江戸の街で頻発する辻斬りに出くわし姿を消した桂。ひとり残されたエリザベスは万事屋に助けを求める。
神楽や新八が桂の捜索に乗り出す中、銀時は刀鍛冶の村田兄妹から「蔵から盗まれた刀を取り戻してほしい」という依頼を受ける。兄妹の父が打ったというその妖刀の名は「紅桜」。
一見関係が薄いように思われた2つの事件は、その晩に再び起きた辻斬りにより結びつき、思いもよらぬ真実へと繋がってゆく。
辻斬りに遭った桂はどこへ消えたのか?
妖刀「紅桜」に秘められた驚愕の事実とは?
そして背後で暗躍する鬼兵隊総督・高杉の思惑とは?
すべての謎の答えが明らかとなった時、数多の勢力を巻き込み銀時らの大立ち回りが幕を開ける…!
重宝される紅桜
このエピソードが上述のように重宝されている理由としては、長編の中ではコンパクトにまとまった話であること、初期の話であるためまだ登場人物も少なく原作未読でもわかりやすいこと、坂田銀時と桂小太郎が、高杉晋助が率いる鬼兵隊と作中初めて直接対決すること、真選組も登場しちょうど良い配置で人気キャラクターを揃えられること、クライマックスが空中決戦となっており見栄えがよくアクションが派手、あたりが挙げられるだろう。
役者が揃っており、尺もちょうど良く、原作未読でも話がわかりやすい、…等々の理由でかなり使いやすいのだろうが、企画が通るということはそもそも作者の空知英秋が気に入っているエピソードでもあるのだろう。