CV:石田彰
ドラマ版演者:岡田将生
概要
世間からは「昭和最後の名人」、席亭の主人連中からは在所に因んで「向島の師匠」と呼ばれ、八代目八雲として有楽亭の名を今に受け継ぐ孤高の落語家。
年齢的にも本来なら後進の落語家を育てなければならない立場だったのだが、(落語界の置かれた現状の厳しさを憂いていたのもあるが)『孤独でいてこそ、芸が磨かれる』というポリシーを貫いてきたため、これまで誰一人として弟子を取ってこなかった。彼に弟子入りを志願したものの、八雲に断られた人間の中には、後に作家となって共に落語の生きる道を模索するべく深く関わる事となる樋口栄助や、八雲が年に一回は京都で二人会をやっていた上方落語家の円屋萬歳の縁で知り合った息子の四代目 円屋萬月もいた。
だが、ある日寄席の前で松田に食い下がる与太郎をカタギではない事を一目で見抜くが、話を重ねるに連れてその風変わりな内面に面白さを覚え、道楽半分に内弟子としてその身を預かる。
ただ、八雲としては落語家としての弟子として引き取った認識は当初はなく、『犬っころ』と扱き下ろすなど、拾った捨て犬をペットとして飼ってるような感覚だった。そのため、与太郎を可愛がりはしても落語は一切教えておらず、その代わりは同居していた小夏がやっていた。
「おまいさん」「あすこ」などの下町言葉を常用する戦前の風雅を色濃く漂わせ、生家が芸事を生業としていたために、一通りの歌舞音曲にも深く通じる。
芸事の家に男として生まれた上に、脚を悪くした二重の悲運から、七代目の下へ弟子に出されることとなる。
そこで出会った、後の助六が見せる天賦の才に憧れつつも嫉妬し、孤独と苦悩に満ちた半生を送ったことから、極めて気難しく複雑な性格を持つ。
前座名は「菊比古」(きくひこ)。
第二部『八雲と助六篇』は、菊比古が「八雲」を名乗るまでの歳月が描かれている。
関連画像
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恵比寿家歌緑…石田氏が演じた落語家キャラ、こちらは上方落語の名人。
桂小太郎…『週刊少年ジャンプ』で連載されていた空知英秋の漫画『銀魂』の登場人物。性格は全く異なるが、アニメ版の声優が石田彰氏、実写版の俳優が岡田将生氏という共通点がある。ただし、少年時代を担当した声優と子役は、それぞれ異なっている。
六代目 三遊亭圓生…明治から昭和にかけて実在した落語家で、一説では八雲のモデルの一人と言われている。「普段からどんな時でも稽古を欠かさない芸に対するストイックさ」「美男子で女性ファンからの人気が非常に高かった」「正統派な落語を追求する姿勢の持ち主で、古典落語を得意な芸風とする一方で、創作落語はあまり好まない」「落語家としての実力は高く誰もが認める名人ではあるものの、その一方で本人の人間性には難があり、芸にせよ人にせよ好き嫌いが激しく、非常に気難しく繊細かつ神経質なため毒舌で、その上偏屈で頑固なので、敵を作りやすい」と共通点が多い。ただ、八雲との最大の相違点は「女系家族の中で肩身の狭い思いをしてきたので、女が嫌い」だったのに対し、圓生は「『色事師』という二つ名で呼ばれるほど、女癖が非常に悪い事で有名」という点がある。