概要
番数 | 246番目 |
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使用期間 | 1926年12月25日~1989年1月7日(62年14日間) |
天皇 | 第124代昭和天皇 |
勘申者 | 吉田増蔵 |
典拠 | 『書経』堯典「百姓昭明、協和萬邦」 |
他の候補 | 同和、元化、神化、神和、継明、順明、明保、寛安、元安、立成、定業、光文、章明、協中 |
嘉仁親王(大正天皇)の長子であった裕仁親王が天皇となり、後の昭和天皇の在位期間であった昭和元年(西暦1926年)12月25日から昭和64年(1989年)1月7日までの64年間(正確には62年と2週間)に建てられた元号。
日本や中国などで使用された元号の中ではもっとも長く続いた(還暦を迎えた元号は歴史上清朝の康熙・乾隆と日本の昭和のみ)。この時代を昭和時代という。
偶然にも元年と最終年はともに7日間である。
また、昭和天皇の誕生日である4月29日は「天皇誕生日」から「みどりの日」を経て「昭和の日」という祭日及び記念日となっている。
昭和
「昭和」という元号の典拠は『書経』堯典の「百姓昭明にして、萬邦を協和す」( わかりやすく約すと「民百姓を教化して、温和でかつ明らかな徳をもたせる。民百姓が明らかなよき徳をもつと、さらに拡充して、天下の国々を協調和合させる。ついには全世界の人々みな善人と化し、和らぎ合うに至る」という意味)よりとられている(なお同一の典拠から明和という元号が江戸時代に取られている)。 吉田増蔵(漢学者、宮内庁官僚、このほかに勅語や皇族の名前などを提案したりしている。なお、森鴎外と親交があり鴎外の死後和漢の蔵書を引き継いだ)が考案し、枢密院(日本に存在した天皇の諮問機関であり、議長・副議長、顧問官、書記官長、書記官および成年の親王よりなり、明治21年から昭和22年まで存在)で採択、決定された。
世相
昭和日本の前半は、昭和恐慌に端を発し、五・一五事件、二・二六事件のような軍事クーデター、第二次世界大戦とそれに続く占領期から独立回復(昭和27年4月のサンフランシスコ平和条約発効による)に至る、波乱と動乱の時代である。
戦前の日本(大日本帝国)はアメリカ合衆国と満洲・太平洋の覇権をめぐって対立を深めるが、当時の日本ではジャズやアメリカ映画(ディズニーアニメ含む)などのアメリカ文化が大変に親しまれていた。戦時中の国粋主義はその反動という一面がある。『はだしのゲン』の作者中沢啓治は、戦後ディズニー映画の『白雪姫』を鑑賞し、それが自身が生まれる2年前の1937年に公開されたものと知って驚いたというが、戦時中に生まれ育った中沢は、戦前にはディズニー映画が日本にも盛んに輸入され、上の世代に親しまれていた事を知らなかった。
アメリカ合衆国を中心とする連合国の占領下に入った戦後日本は、政治・経済・文化のいずれの面でもアメリカ合衆国の圧倒的影響下に置かれた。あたかも戦時中の鬼畜米英から180度転回したかのように見えるが、日本人は戦前からアメリカ大好きだったのだから、こうなるのは当然だったと言える。
昭和の後半は、平和憲法とアメリカ合衆国の庇護(日米同盟)のもと、経済発展に邁進した平和と繁栄の時代である。映画、テレビ番組、音楽、漫画、アニメ、ビデオゲームといった現代においても親しまれている大衆文化が隆盛したが、多くはアメリカ合衆国から流入した文化が発端となっている。
この時代を象徴する事柄は数多く、一種のノスタルジーとして昭和時代を懐かしむ人々も多い(昭和ノスタルジー)。しかし、昭和の後半だけでも高度経済成長期からオイルショック、安定成長期を経てバブル景気に差し掛かる30年の間に世相が著しく変化しており、昭和生まれ同士であってもジェネレーションギャップも生じるため、一括りにして語ることはできない。
pixivでのイメージ
開設当初から昭和後半生まれ以降の世代が多いとみられるpixivにおいては、昭和はもっぱら昭和中期の高度経済成長期以降のみを指す事が多い。
pixivにおいては、昭和時代をモチーフにした作品に付くタグとして使われる。
描き手本人にとって懐かしい年代を描いた作品から、描き手の生まれる前と思われる戦前~昭和30年代辺りを描いた作品まで様々。
創作におけるパロディ元号
「学園帝国俺はジュウベイ」などいくつかの漫画作品などには読み方は同じで文字を変えたパロディ元号が登場している。
昭和の実像
当時は人権や健康、安全性への意識がきわめて低く、コンプライアンスや自主規制もとにかく大らかだったため、末期および平成以降に生まれた世代にとって昭和はにわかに信じがたい事柄が多い。水曜日のダウンタウンでも取り上げられていた。詳細は昭和ノスタルジーの「昭和ノスタルジーの実像」の節へ。
- 路上などでの喫煙は当たり前で公共交通機関やオフィスでも吸いたい放題であり、昭和40年代までは教師が教室で喫煙する事もあった。テレビ番組中に出演者が喫煙しているシーンもあった。
- 自動車にはシートベルト着用の義務がなくバイクもヘルメットなしで運転する人もいた。
- 昭和に発行された日本タレント名鑑には芸能人の本名や自宅の住所などが思いっきり掲載されており、長者番付などでおおよその年収もまるわかり。
- 11PMなど深夜のお色気番組では女性の裸がモザイクなしで放送されるのも当たり前。
- 8時だョ!全員集合などのコント番組では今の時代ではクレームがきてもおかしくないハチャメチャな演出も多かった。
日本が「世界第二の経済大国」と言われるようになった昭和40年代になっても、先の大戦の記憶はまだまだ生々しく、戦争で心身に深い傷を負った人たちがそこここにいた。大きな駅の前にはアコーディオンやギターを奏でて寄付を募る傷痍軍人が立っていたし、タバコ屋やキオスクの売り子のおばちゃんは戦地で夫を失った戦争未亡人であることが珍しくなかった。当時の若者(団塊世代)の親は戦争体験者だったが、戦地のトラウマ(PTSD)から酒を飲んで暴れたり、戦地で手を染めた残虐行為を自慢げに語って子供から嫌われたりした父親もいた(武田鉄矢の父などがその例)。東京・九段南にある国立博物館である「昭和館」では、戦後の国民生活上の労苦を今に伝えている。
関連作品
(昭和30年代)三丁目の夕日 コクリコ坂から(原作は昭和50年代舞台) ゲゲゲの女房 昭和物語
(昭和全般) いのち(大河ドラマ)・・・昭和60年史を一人の女医の目線で描いた作品。
昭和特撮 昭和ライダー 昭和戦隊 昭和ゴジラ 昭和ガメラ(昭和ガメラ(怪獣))
関連タグ
レトロ(タグまとめ有り)
昭和ノスタルジー…熟年世代の幼少期への回顧。主に高度経済成長期が対象となる。
昭和レトロ…ピクシブ百科事典では平成生まれの若者による安定成長期対象のレトロ趣味について触れているが、高度成長期へのノスタルジーを指すことも多い。