元号
日本で年を数える際には「元号」を用いるが、その初めは「大化」である。
飛鳥時代、聖徳太子の遺志を継いだ中大兄皇子(後の天智天皇)が、蘇我氏の専横を阻止するためにこれを誅滅し、この事件を受けて新たに即位した孝徳天皇の元で新政が始まった(大化の改新)。
新政権は発足するとすぐに飛鳥寺の大槻の下に群臣を集め、孝徳天皇への忠誠を誓わせて、大化という元号を建てた。大化元年(西暦645年)のことである。
『書経』大誥の「肆にわれ大いにわが友邦の君を化誘す」が典拠と思われ、「余は大いにわが友邦諸国の君主たちを教え導くのである」という意味の、天子の広大な徳を人民に及ぼすことを宣明した元号である。
大化6年2月15日に白雉に改元された。
典拠
- 『書経』大誥「肆予大化誘我友邦君」
- 『孟子』尽心「浩生不害問曰、(中略)何謂善、何謂信。孟子曰。可欲之謂善、有諸己之謂信、充實之謂美。充實而有光輝之謂大、大而化之之謂聖、聖而不可知之之謂神」
- 『荀子』議兵「夫是之謂大化至一」天論「陰陽大化、風雨博施」
- 『呂氏春秋』大樂「能以一治其國者、姦邪去、賢者至、成大化」
- 『漢書』董仲舒傳「古者修教訓三官、務以德善化民、民已大化之後、天下常無一人之獄矣」匡衡傳「道德弘于京師、淑問揚乎疆外、然後大化可成、禮譲可興也」
- 『忠経』聖君「祿賢官能、式敷大化]
- 『潜夫論』本訓「法令刑賞者、(中略)未足以興大化而升太平也」
- 『晉書』樂志「於穆我皇、大化治、地平而天成」荀勗傳「凡居位者、務思蕭曹之心、以翼佐大化」
- 『宋書』臨川烈武王道規傳「鮑照河淸頌。朝神省方、大化抑而未許」樂志、魏王粲、兪兒舞歌「神武鷹揚、大化咸熙」
- 『北史』鄭羲傳「宋弁歌曰。文王政教兮、暉江昭寧、如大化光四表」
- 連珠(陸機)「大化旣治、百姓無匿於心」
- 櫂歌行(魏明帝)「王者布大化、文德以時、武功伐不随」
- 『魏志』劉馥傳「馥子靖上疏曰。闡弘大化、以綏未賓」
妖怪
大抵は赤くて丸い容貌をしているが、絵巻によって意外とバラエティに富んでいる。
蛙の妖怪であるとする説もある。
解説はなく、詳細不明の妖怪だが、極稀に「大化」だとか「赤へる」などと名前が明記されている。
関連サイト:萬暦大妲書