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元号

げんごう

日本の紀年法。元来中国を起源とし、東アジア諸国で使用され続けてきた。
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解説

元号」は、中国をはじめ中国文化の影響を受けた漢字文化圏において、特定の年代に年を単位として付けられる紀年法。中国やその周辺国においては、独自の元号を定めることは王朝の正当性を主張し、天子を奉ずる独立国家であることを意味していた。

元号の起源として、中国王朝において皇帝時間空間を支配する大権を持っているとされており、空間は「領土」の支配を意味し時間は「」すなわち「元号」の支配を意味していた。この考えが、一国を支配する正当性ともなり周辺諸国にも影響を与えた。

元号は天子皇帝天皇)の即位などに伴って改められ、これを「改元」という。元号は基本的に漢字二文字で表されるが、過去には漢字三文字や四文字、更には六文字の元号までも存在した。新たな元号を使用する最初の年は「1年」ではなく「元年」と数え、以降は2年、3年…と続いていく。ちなみに、歴史上最も長く続いた元号は日本昭和(62年2週間)で、次いで王朝の康熙(61年)、乾隆(60年)である。

元号の起源は、過去の中国の王朝・前漢武帝が紀元前115年頃に自らの治世の当初に遡って「建元」という元号を定めたのが、元号使用の始まりである。元号は20世紀までは本家本元の中国やその周辺国(日本朝鮮ベトナム)で使用されていたが、元号を使用する各王朝が革命や併合で消滅していったこともあって、21世紀の現在では、伝統的な元号を使用しているのは日本のみとなっている。

元号は、由緒ある典籍を典拠として、格調高く好ましい語句から、雅馴な字句を選び、国家の一大理想を表すようなものが用いられる。
そのため特に日本において唯一正確な紀年法である元号は、国家の基盤として重要であるだけではなく、たった二文字の中に、簡単には作り出せない深遠な夢とロマンをも有している。

諸外国の最後の元号

元号王朝皇帝備考
宣統清朝宣統帝(愛新覚羅溥儀)中国王朝最後の元号
隆熙大韓帝国隆熙帝(純宗)朝鮮最後の元号※日本統治時代を含めば昭和が最後
洪憲中華帝国洪憲帝(袁世凱)中国人最後の元号
康徳満州国康徳帝(愛新覚羅溥儀)中国大陸最後の元号
保大阮朝(ベトナム)保大帝(バオ・ダイ)ベトナム最後の元号


日本の元号

日本で最初の元号は、大化元年(645年)第36代・孝徳天皇が即位した際に定められた。大化6年(650年)に改元があって白雉といったが、次の斉明・天智の両朝には元号が建てられなかったのか記録がない。天武天皇の時代に元号を建てて朱鳥元年と定められ、第41代・持統天皇の時代まで用いられ続けた。また朱鳥が使われなくなってから文武天皇5年3月(701年)に大宝と元号が定められてより、日本国内では一度も絶えることなく元号が使用され続けている。

なお大化を元号の最初とするが、大化以前にも元号がなかったわけではない。第26代・継体天皇の時代に善記の元号があり、内々には既に用いられていたことがあるが、広くは行われなかった。公的に大化が建定されてより、全体で行われるようになったのである。

南北朝時代には、天皇と武家が対立したことによって朝廷皇室)が南朝と北朝に分かれて推戴されていたため、二つの元号がそれぞれの朝廷で並行して用いられていた。

改元について

平安時代の中頃までは、改元は概してしばしば行われたわけではなかったが、それより後は改元の行われることがすこぶる頻繁となった。一代に7、8度の改元に及んだことさえあり、はなはだしきは一年にもならずして改めたこともあった。
第78代・二条天皇は在位わずか7年であったのに、5回の改元があり、第87代・四条天皇は在位10年であったのに、6回の改元があった。
また、前帝の元号をそのまま用いて、一代中に改元のなかったのは、第47代・淳仁天皇(在位、天平宝字2年(756)~天平宝字8年(764年))・第109代・明正天皇(在位、寛永6年(1629年)~寛永20年(1643年))の二帝の時代のみである。

古来、改元には五つの理由があった。
1. 瑞祥改元 - 霊禽・奇獣・慶雲・珍宝などの出現に因った改元。
2. 災異凶変改元 - 天変地異・炎旱・火風炎、または兵革・疫病・飢饉・怪異などの事実に因る。
3. 革命改元 - 「辛酉の歳は、革命の運に当るが故に改元すべし」との説に基づく改元。
4. 革令改元 - 「甲子の歳は、革令の運に当るが故に、元を改めて天道に応ずべし」との説。
5. 代始改元 - 天皇の御代の初めに元号が改められることで、当然のことというべきである。

第50代・桓武天皇の延暦、第51代・平城天皇の大同、第52代・嵯峨天皇の弘仁、第53代・淳和天皇の天長のみは、一世一元の号であった。しかし日本において制度として一世一元が定められたのは、明治の制が最初である。

中国でもの太祖の英断一世一号と定め、にも引き継がれたことがある。
明治天皇が践祚の初めに一代一号の制を立てて明治と改元されたのは、あえて中国の制度に依拠したわけではないが、御代と元号が一致することが治国の大義にかなうこととし、これを永式とするよう定められたのである。

近世以前においては、改元のことがあるときにはまず年号勧者宣下があって、式部大輔・文章博士、およびその任に勝える公卿に、経史の中から好字を択んで勧文を選ばせた後、諸公卿を集めて仗議があり、候補の元号の文字について非難論陳する。その結果を上奏して、天皇の裁決をまつのである。

しかし近世以降、江戸幕府の権威が強くなるに至って、朝廷で一往の評決を経た元号を、さらに幕府に下してこれを諮問し、幕府の意見によって天皇が元号を決定になることとなった。

近代においては元号の改定は、枢密顧問に諮問した後に、これを天皇が裁可することとなった。
現在においては、複数の元号原案から懇談会で選ばれた元号を、宮内庁長官が天皇に上奏して、その上で閣議にかけられ決定され、天皇の決裁を受ける。

現代における元号の扱い

昭和初期の第二次世界大戦の敗戦に伴う連合軍占領下の法改正により、日本の元号は法的根拠を失ったが、同様に根拠のない西暦を使う習慣はあまり普及せず、「昭和」という元号は官民問わず使われ続けた。やがて昭和54年(1979年)に「元号法」が制定され、これによって元号の制定方法が定められた。この法律も一世一元の制を踏襲しており、平成の元号はこの法律を根拠に制定されたものである。

年号が平成に変わる頃からマスコミなど民間では西洋の紀年法である西暦の使用が増えていった。コンピューターもまた、元号の対応に問題があり、西暦を使用するケースが主流となりつつある。公文書に関しては和暦(元号)を義務付ける法令はないことから、近年では公的文書でも元号・西暦が併記するものが多くなっており、政府も平成31年(2019年)5月1日の新元号施行に際して公文書に書かれる年号(元号・西暦)表記を各省庁や地方自治体の判断にゆだねるとの決定を下している(平成30年(2018年)8月21日、日本経済新聞朝刊)。
日本人にとっては今でも元号の方が馴染み深く、大化の改新・応仁の乱・明治維新というような歴史認識を有し、その延長として個人の人生を明治の頃・昭和の頃・平成の何年と振り返ることから、単なる紀年法以上の意味合いを包含しているといえる。
また、銀行の預金システム内などではいまだに昭和の紀年法が使われている。

元号には新元号を定めるにあたり、いつからを元年とするかの定め方が複数あるが、日本の場合、近代においては天皇崩御の当日に改められており、旧元号の最終日と新元号の初日が同一となっていたが、平成改元の際は昭和天皇崩御(昭和64年(1989年)1月7日)の翌日(1月8日)より新元号に改められ、使用されることとなった。

なお、平成31年(2019年)の今上天皇陛下のご譲位にあたり、当初は平成30年(2018年)12月31日に譲位し、翌2019年1月1日に新元号を施行することが検討されたが、宮内庁より「正月行事が忙しい」との反対が寄せられたことにより、2019年4月1日に新元号を公表し、5月1日の新天皇即位とともに施行されることが決定。2019年4月1日に発表された新元号は「令和」であった。令和の詳細については、該当記事を参照。

元号選定手続きの条件

  • 国民の理想としてふさわしいようなよい意味であること
  • 漢字2文字であること
  • 書きやすいこと
  • 読みやすいこと
  • これまで元号または諡として用いられていないこと
  • 俗用されていないこと
  • 元号の頭文字が「明(M)、大(T)、昭(S)、平(H)、令(R)」以外のもの


主な元号と意味

大化 - 大いに我が友邦諸国の君長たちを教え導く。
慶応 - 瑞祥を告げる雲は、天子の光に応じて輝く。
明治 - 天地と徳を等しくする天子が、明るい方向に向かって天下を察し治める。
大正 - すべてとどこおりなく順調にはこんで正しさを得るのは、天道の自然である。
昭和 - 役人に政治を公平におこなわせ、次に諸国を仲善くさせ、天下の庶民は心やさしくなる。
平成 - 天下の水陸共に平穏となり、万物はそれぞれの成育を遂げる。
令和 - 初の国書に由来する元号。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味を込めたと説明。

その他の元号は日本の元号一覧を参照のこと。

元号に類似するもの

中華民国(台湾)で使用される「民国」は同国の建国紀元暦であるが、今日まで広く用いられている。
また、北朝鮮においては建国者・金日成の誕生日を起源とする「主体(チュチェ)」が用いられている。

関連タグ

歴史一世一元の制

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