定義
不特定多数の人々が、所定の運賃を支払えば自由に利用することができる交通機関のこと。
概要
路線バス、旅客列車、フェリー、航空便などあらかじめ時間を決めて運行する乗合交通機関や、顧客の要望に応じて(オンデマンドで)個別の旅客輸送を行うタクシーなどを指す。
大勢が一つの乗り物で移動することから、環境負荷や渋滞の低減にも役立つ。
社用車のように特定の人が使うものや、トラックや貨物列車や貨物船のように貨物輸送をするものは、公共交通機関に含まれない。送迎バスなどはたとえ大勢乗れたとしても公共交通機関ではないのだが、過疎地などではスクールバスの空いている時間や空席を公共交通機関として地域住民のために活用する取り組みもある。
欠点
鉄道駅やバス停までのアクセス、乗り換えなど、徒歩移動が含まれる場合も多く、いわゆる「ドアツードア」ではない(タクシーを除く)ので高齢者や病人には負担になる場合もある。
満員電車が大きなストレスとなる、事故や悪天候で遅延が発生したり、ダイヤが乱れる場合もある。また車内・機内・船内は閉鎖空間になりやすく感染症などのリスクも無いわけではない。
日本の公共交通機関
公共交通機関の運賃は公共料金と位置付けられ、規制の対象となる。なので路線バスなどは事業者の独断で好き勝手に値上げしたり路線を変更したりすることはできないのだが、航空運賃に関しては規制緩和され、国内航空運賃の設定が原則自由になった。
鉄道路線や路線バス路線は、海外では道路などのインフラと同様、人権である移動権を保障するための「公共サービス」として位置づけられている(運行費用は主に目的税などで賄っている)国もあるが、日本では運行費用を事業者が運賃などで自ら賄う独立採算制が原則。民間事業者は観光や不動産事業などの副業を展開して本業の赤字を補っている場合も多いが、市電や交通局のような公営事業者は副業に制約があるので、本業で何とかしなければならない(公営企業が累積赤字を抱えた場合地方債=借金で賄われる。税金が投じられるわけではない)。ただし、公営交通、民間事業者を問わず連続立体交差化事業や新駅設置などのインフラ整備に公的資金が投入されたり、コミュニティバスなど補助金で運行している路線もある。
公共交通機関の一覧
陸上
路面走行・車
軌道走行・鉄道
鉄軌道:在来線 新幹線 地下鉄 路面電車 馬車鉄道 LRT 夜行列車 寝台列車
その他:モノレール ケーブルカー 新交通システム リフト リニアモーターカー ロープウェー
水上・船
空中・航空機
関連タグ
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