解説
学生・生徒・園児が住む住宅地あるいは学校最寄り駅と学校の間、離れたキャンパス間を結ぶバス。運行主体は一般的に学校を運営している団体(学校法人や保護者会など)である。
一般路線バスとは免許制度が違うために別物とされるが、運行ルート・発着時刻は路線バス同様決められている。
通常はその学校の生徒、教員以外は利用できない。運行時刻、ルート、停車地も学校関係者以外には告知されていないがWebサイトなどで公開されている例もあるし、たまたま駅前でスクールバスのバス停を見かけたらそこに時刻表が貼ってあるなんてこともある。
なお通常の路線バス事業者が学校の最寄りの鉄道駅などから学校の間に学生・生徒向けのバスを運行する場合もある。この場合、運賃は路線バスと同額か若干割引が行われる。なお路線バスであるので運賃さえ支払えば学校関係者以外も乗車できる。
日本のスクールバス
学校自らがスクールバスを保有し、運行する例は私立学校や幼稚園に多くある。この場合ナンバープレートは自家用自動車を示す「白ナンバー」で内規で二種免許保有を定めている場合を除き、大型・中型一種免許で運転できる。
運転手も自前で雇用するか、派遣会社から派遣されてくる形を取り、整備に関する責任も学校が負う。
学校自らがバスを保有せずにスクールバスを運行する場合は、地元のバス会社やタクシー会社に道路運送法第3条2号に基づく特定バスとして委託する形を取る。車両は委託先の会社が保有する一般路線車や貸切専用車を使用し、見た目は普通の路線バスという場合もある。この場合運転手が保有する免許は大型・中型の二種免許である。
アメリカのスクールバス
スクールバスと聞いてまっさきにこちらを思い浮かべることが多いかもしれない。
元々人種差別解消のために1971年に「人種統合バス通学」(通称強制バス通学)を実施したのが始まりであった。現在は人種差別解消というより、長距離通学の困難な地域向け、交通事故予防や犯罪予防的な意味で行われている。
一方、自動車大国なアメリカらしく、通学にスクールバスではなく自家用車を使う子供もいる。アメリカではいわゆる鍵っ子は児童虐待として疑われかねないため、バスの到着時刻よりも前に両親が出勤する共働き家庭では親が出勤途中に学校で子どもを降ろして始業時間まで早朝学童保育に預けるのが一般的である。
車両
スクールバスは「スクールバス・イエロー」(黄色)でなければいけないと連邦統一安全規格によって決められ、トラックのシャーシにバスボディを架装する例が多い。
道路上での立場も自家用車とは比べ物にならないぐらい高く、中央分離帯がない道路でスクールバスと離合する場合、対向車は停止しなければならない、乗降扱い中はたとえ車線が複数あっても後続車は追い抜いてはならないなど厳しい規定がある。