概要
この在来線という言葉は、新幹線(軌間幅1435mmの標準軌)に対する他の鉄道路線という概念である。
特に新幹線の元となった線についてこう呼ばれることがあるが、広義では軌間幅1067mm(狭軌)の国鉄→JR路線総てを指す。
定義
狭義では営業運行上の新幹線特例法の適用を受けない路線を指し、おおむね広義と同様ではあるものの、新幹線から乗り入れるミニ新幹線(標準軌に一部改軌され、山形新幹線や秋田新幹線が走行する奥羽本線や田沢湖線)や、新幹線の回送線を利用した博多南線、上越線の支線扱いとなる季節路線の越後湯沢駅-ガーラ湯沢駅間などは新幹線のように扱われることもあるが、これらの路線の法令上の扱いは軌間幅1435mmで走る「在来線」にあたる(これらは路線上の扱いであり、新幹線車両を運行する場合車両に関しては新幹線の扱いとなる)。
なお新幹線は「主たる区間を200km/h以上で走行できる幹線鉄道」と定められ、踏切なしは必須、原則標準軌での敷設である(そのためミニ新幹線は標準軌になっていてもあくまで改軌しただけの在来線で、踏切も残り、法規制から高速化の上限は事実上160km/hである)。但し工事開始後にフル規格に昇格したものの、新幹線断面の路盤に1067mm狭軌を敷設し、狭軌電車が200km/h超で運行する計画であった「スーパー特急」(北陸新幹線・九州新幹線鹿児島ルート南端など)は「主たる区間を200km/h以上で走行できる」定義に当てはまるため、新幹線に該当する。
在来線の分類
また、在来線は幹線(主要地点間を連絡し鉄道網の骨格をなす重要な路線であり、鉄道以外では本線と呼ばれることがある)と地方交通線(幹線ではない鉄道、ただし主として旅客輸送量および貨物の量により決定したため本線の名称があってもこちらに分類される路線も存在する)に分けられ運賃も異なるが、
この分類は国鉄時代に行われたまま変更されていないため実態とは異なる面も存在する。
並行在来線
並行在来線とは整備新幹線(北海道新幹線、東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線)に並行する在来線のことである。
問題点としてはこれらの新幹線が開業した場合に並行する在来線には利用者が減少し、採算が取れない路線はJRから分離、あるいは廃止される点であり、整備新幹線の整備が地元住民にとっていいことばかりではないという実例である。
実際に北陸新幹線(長野新幹線)において信越本線の「碓氷峠」区間は廃止(なお観光路線として復活する可能性は残されている)されバス転換、それ以遠は第三セクター(しなの鉄道に軽井沢駅-篠ノ井駅間を譲渡、北陸新幹線の金沢延長後はしなの鉄道およびえちごトキめき鉄道に路線を譲渡)に分割(JR東日本に残されたのは高崎駅-横川駅間、篠ノ井駅-長野駅間、直江津駅-新潟駅間)されている。
但しらも自治体とJR各社の力関係によるものと思われる。
これによりJRの路線のみで行動可能な範囲が狭まり、路線の分割や第三セクター化による運賃の上昇をとめられず、さらには夜行列車等一般長距離列車および貨物列車運行などにも支障が出てくる状況である。
海外においては
海外、特にヨーロッパの場合当初の在来線と高速鉄道が分離していることはないため、あまりこれらの区別は行われていないとされる。
関連タグ
無人在来線爆弾 - 在来線車両のとんでもない活用法。現実にも事故ではあるが、名松線などで無人車両が暴走したこともある。