オルフェ・ラム・タオ「お前も自分の価値を証明してみせろ!」
イングリット・トラドール「……わかりました」
機体データ
形式番号 | NOG-M2D1/E |
---|---|
全高 | 21.10m |
重量 | 87.72t |
装甲材質 | フェムテク装甲 |
動力源 | ??? |
開発 | ファウンデーション王国 |
所属 | ファウンデーション王国 |
パイロット |
|
武装 |
|
概要
『FREEDOM』のラスボス機となるブラックナイトスコードの次世代型最新鋭モビルスーツ(MS)。正式名称を「Cal-re.A」、略して「レア」とも呼ばれる。
本機は他のブラックナイトスコード機とはカラーリングが異なり、白地に金縁と、「ブラックナイト(黒騎士)」の名称とは相反させた何処か皮肉めいたものとなっている。
コクピットは複座式となっており、ファウンデーション王国の宰相オルフェ・ラム・タオがメインパイロットとして基本操縦を、彼の秘書を務めるイングリット・トラドールがサブパイロットとして火器管制を担当する。
基礎性能は他のブラックナイトスコード機と大差なく(つまり当代最高峰)、近接特化型のシヴァや汎用型のルドラと比べて射撃重視の武装構成となっている。また、機体特性としては運動性と電子戦能力に特化しており、ブラックナイトスコードのMSに共通する無人化した兵器の遠隔操作に加え、複座のサブパイロットが艦隊相当の火力を有する大型ドラグーン「ジグラート」を遠隔操作できる。さらに本体のドラグーン・システムと併せ、敵に対して驚異的な弾幕を展開可能になっている。その制圧力は、C.E.74年初頭にてパイロット含めて最強とされたストライクフリーダムの改修機(ストライクフリーダム弐式)さえ圧倒するほどに高い。一方、アコードの能力を以てしても火器管制と機体操縦の両立は困難なため、複座式となっている。
機体構成
頭部
他のブラックナイトスコード系列と同じく赤色のモノアイであり、そこから放たれる一条のレーザーによりジグラートのミサイルのレーザー誘導を行う。
電子戦能力を持つ指揮官機の例に漏れず、他の系列機には無い長い頭部アンテナを持つ。
胸部
コックピットは胸部に存在し、その前方に超高インパルス砲「アドゥロ・オンジ」を内蔵する。
コックピット
全天周囲モニターを採用しており広い視野を有する。
前後式の複座形式となっており、前席が機体操縦、後席が火器管制を担当する。そのため、UIも前席と後席で大きく異なり、後席にはジグラート等に攻撃指示を出すことに特化した大型のタッチディスプレイが採用されている。
背部
ストライクフリーダムを彷彿とされる推進システムと武装プラットフォームを兼ねたウイングユニットを装備している。扇のようにまとめているストライクフリーダムとは異なり、こちらは左右それぞれに4枚の翼を数珠のように繋ぎ合わせる形式となっている。そのため、広げると横幅が大きくなり、通常時は中央の蝶番のような接続部により半分に折り畳まれている。
このウイングユニットには擬似反重力機関「レヴィテーター」が搭載されている。電場を翼やマントのように機体に纏うことによって機体の周囲に浮遊力場を発生させ、それに合わせて従来の推進装置を用いることにより自由自在に飛行することができる。
本機関を稼働させた本機の機動性や加速力は、ヴォワチュール・リュミエールを展開したストライクフリーダム弐式に追いつけるほど高い。稼働時に真紅の光の翼を発生させるが、外見が似ているヴォワチュール・リュミエールとは特性が異なっており、他の系列機のような分身能力も持たない。
通常時はレヴィテーターの電場の発生口がドラグーン・システム「サハスラブジャ」により塞がれているため、サハスラブジャを射出しなければ使用できない。この点はストライクフリーダム系列のヴォワチュール・リュミエールとよく似ている。
また、反重力機関を無重力空間で使うのは一見すると意味がないように見えるが、本機(及びシヴァ)とストライクフリーダム弐式が戦闘したのは月面付近である。つまり、月の引力を振り切りながら戦闘のための推力や機動性も必要になるのだが、本機は持ち前の反重力機関を使って引力を相殺するだけで済むと言うアドバンテージを得ている。
余談
- レヴィテーターは『FREEDOM』が初出の技術と思われがちだが、実は『SEED』時点にてアークエンジェル級に搭載していることが言及されている。詳細はブラックナイトスコード(MS)のレヴィテーターの項目を参照。
- 本機はドラグーンを射出した際にレヴィテーターを使用していたことから、ドラグーンのマウント中はレヴィテーターを使用できない可能性がある。重力下でドラグーンが邪魔になる点はストライクフリーダムと同じであるが、ドラグーン運用が前提であればそもそも主戦場が宇宙であり、さしたる問題ではない。
- ただし、ストライクフリーダムはドラグーンマウント時でも限定的ながらヴォワチュール・リュミエールを使用できるため、こちらはそれができないのであればウイングの完成度はあちらに劣ることになる。
- なお、他のブラックナイトスコードは飛行時にビームマントを展開している。
武装
OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル
一般的な携行火器。ルドラと共通。
本機はサハスラブジャ(後述)やジグラートに射撃を任せていることからそれらが使用不可能になるまで使用されなかった。
非使用時はリアスカートにマウントされる。
OWC-QZ18 対モビルスーツ強化刀
サイドスカート両側にマウントされた近接戦闘用の白い長剣。主に二刀流で使用される。
射撃を遠隔操作兵器に任せている本機のメイン武装であり、これを二刀流に構えていることが多い。
「OWC-QZ200 対モビルスーツ重斬刀」のようにソードストライカーやソードシルエットの対艦刀と同様の構造を持つ。また、型式番号的にルドラの重斬刀の前駆型であり、そちらを一回り小型化させたような形状となっている。ただし、小型化(=軽量化)の影響により切断力はあまり高くないのか、ストライクフリーダム弐式のVPS装甲製のガントレット+ビームシールドの防御を突破できていない。
余談
- HGCEの商品紹介では単に「対艦刀」とされていた。
- かつてのキラの愛機であるZGMF-X10A フリーダムの初期案「ガンダム10号」は両腰に折りたたみ式の長剣を持たせるデザインとされていた。この長剣はデザインの改稿により折りたたみ式のレールガン「クスフィアス」に変化した。結果的に、没になったフリーダムのデザインが盛り込まれていると言える。
OWC-Z199 超高インパルス砲 アドゥロ・オンジ
胸部に搭載された大口径の高出力ビーム砲。「アドゥロ・オンジ」とは東アフリカのルグバラ人の悪神「アドゥロ」の別名。
普段は胸部の装甲で覆われており、使用時は装甲を展開して砲口を露出する。ストライクフリーダムの「MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲」が参考と思われるが、こちらもライジングフリーダムやストライクフリーダム弐式と同じ「超高インパルス砲」となっている。
おそらくは本機単体の武装として最大威力を持つと思われるが、不意打ち気味に放った一発目はストライクフリーダム弐式のビームシールドに防がれ、二発目以降もマイティーストライクフリーダムのナノ粒子に無力化されたため、あまり活躍の場に恵まれなかった。
ガントレット
両前腕に装備したバックラーのような手甲であり、「OWC-M17 ロック・クロウ モルスス・モルティス」と「OTS-303 ビームシールド アムルタート」を内蔵している。
OWC-M17 ロック・クロウ モルスス・モルティス
ガントレット先端に2本生えた実体クロー。「モルスス・モルティス」はラテン語で「死の噛みつき」「死の一撃」を意味する。
リーチ的にも破壊力的にも強化刀の方が上であり、相手にした機体も実体兵器をほぼ無効化するVPS装甲だったため使用されなかった。
OTS-303 ビームシールド アムルタート
ガントレット中央に内蔵されたビームシールド発生器。「アムルタート」はサンスクリット語で「不死」を意味する。
ビームマントを装備していない本機にとって唯一の防御兵装となるが、劇中では使用していない(殆どの攻撃を強化刀にて受け止めるか運動性に任せて回避していた)。
内蔵箇所と形式からストライクフリーダムの「MX2200 ビームシールド」を参考にしたものと考えられる。
ビームシールドは対ビームコーティングが施された実体の通過を許すという弱点があり、フェムテク装甲にVPS装甲ほどの物理防御力はないため、ストライクフリーダムやデスティニーなどでは事実上黙認できた弱点が発生している(一応、ガントレット自体が実体シールドとして機能する場合、この弱点もある程度緩和されていると思われる)。
OTOS-815/J サハスラブジャ
ウイングユニットの武装プラットフォームに搭載されている計8基の遠隔操作兵器。「サハスラブジャ」はサンスクリット語で「千の手」あるいは「千の手を持つもの」、転じて「千手観音」を意味する。
端末の先端部に4門のビーム砲を内蔵しており、全8基合わせて32門になる(レジェンドの26門を上回る)。端末の左右から一対のウイングとその前縁にビームカッターを展開することができ、格闘機能も有する。なお、ウイングは格闘専用なためか常時展開していない。
その動作性能はパイロットの能力と相まって凄まじく、劇中ではストライクフリーダム弐式のスーパードラグーンを相手にして正面から一方的に勝ち合っている。さらに、本武装の攻撃に対してキラ・ヤマトはSEEDを発動しつつドラグーンを射出してヴォワチュール・リュミエールを最大展開する、あるいは地形を活用して射線を制限した上でドラグーンのバリアを使うという、取り得る限りの回避力向上手段を講じていた。
余談
- 本格的なドラグーン・システムでペットネームが付いているケースは非常に珍しい。コレ以外ではドラグーンか否か諸説あるデストロイの「シュトゥルムファウスト」くらいである。
- 本機のスラスター類の発光色は他の機体と同じく青白い中、サハスラブジャのスラスター類の発光色のみ赤いため、通常のスラスターではなくレヴィテーターの可能性もある。その場合、重力下でも使用できる可能性が浮上する(純粋なドラグーン兵器としては初めて重力下でも使用可能な武装ということになる)。
- 上述した地上ではドラグーンを射出できない=レヴィテーターを使用できない問題も解決する。
- ただし、レヴィテーターは浮遊機構で推進力を持たないため、別途推進機関を積んでいる必要がある。
- 端末中央部に砲門らしきものがあるものの、劇中では先端の4門しかビーム砲を使用していない。
- 砲門とされる形状は、ウイングユニット側のスラスターと思わしき32器の方が非常に似ている。仮に、これがすべて砲門だとすればウイングユニットに32箇所のビーム砲が搭載されていることになる可能性もある。
その他
頭部に2門、胸部に4門の対空防御機関砲らしき砲口が確認できるが、詳細は不明である。
ジグラート
形式番号 | AMO-01 |
---|---|
全高 | 132.80m |
重量 | 1034.06t |
動力源 | ??? |
開発 | ファウンデーション王国 |
所属 | ファウンデーション王国 |
機首中央をくり抜いたステルス爆撃機のような形状をした随伴式の大型ドラグーン。「ジグラート」とは、古代メソポタミアにおいて諸都市に建造されたと考えられている巨大な聖塔の名前である。
モビルスーツを搭載できるほどのサイズを持ち、大火力を備えた超巨大な機動兵装ポッド、あるいは小型戦艦と言える代物となっている。火器管制を担当するイングリットの遠隔操作で全方位に攻撃を行える。初登場時は、ジグラードの上部にカルラを搭乗させて月面まで曳航しており、サブフライトシステムとしての運用も含まれていると考えられる。なお、機体の左右にはにウイング状のパーツを持っているが、大気圏内で飛行可能かは不明。
他のドラグーンと同じく複数機の同時運用も可能であり、劇中では3機を随伴させる。この3機は、「A (Audrey:オードリー)」「B (Brigitte:ブリジット)」「C (Claudia:クラウディア)」というコールサインにより区別されている。
同じく追加武装プラットフォームであるミーティアとは異なり、核動力機と接続せずとも独立した運用が行えるものの、近接武装の類は一切搭載しておらず、肉薄された場合や対MS戦闘ではミーティア以上に大きな弱点となっている。
ただし、無数の対艦誘導ミサイルと大火力偏向ビームによる正確な曲射により、障害物に隠れながらの大火力支援が可能で、遠距離から火力支援しているため被弾しづらい上、障害物を盾にして正面からの被弾リスクを殆ど回避している。
これにより、大型兵装故の取り回しの悪さを克服しつつ、大小問わない目標への断続的な飽和攻撃が可能と、砲撃においてはミーティアの完全上位互換ともいえる性能を誇る。
武装
OWC-Z454S 超高インパルス砲 ザナハリィ
機体中央(くり抜かれた機首部分)に内蔵された大口径ビーム砲。「ザナハリィ」とはマダガスカルの神話における至高神の名前である。
ゲシュマイディッヒ・パンツァーかそれに類する技術によりビームを大きく曲げることができる。
OWC-G801 高エネルギー複列ビーム砲 ニヌルタ
古代バビロニアの豊穣・戦闘の神「ニヌルタ」の名前を冠するビーム砲。
劇中未使用なため名称以外は詳細不明。
OWC-M31 40㎜連装対空ビーム機銃
非常に珍しいビーム型のCIWS。
劇中未使用なため名称以外は詳細不明。
空対艦ミサイル ハルワタートVLS
機体各所に発射管が備えられた対艦ミサイル。「ハルワタート」とはゾロアスター教におけるアムシャ・スプンタの一柱の名前であり、「VLS」は「Vertical Launch System (垂直発射システム)」の略称である。
3連装発射管が両舷側部に10基ずつ、4連装発射管が両舷上面に8基ずつ存在し、その砲門数は計124門にも及ぶ。参考として、ミーティアのミサイル発射管は計77門、アークエンジェルのミサイル発射管は計40門であり、ミサイルの総火力は群を抜いていることがうかがえる。
VLSの名の通り、ミサイルは垂直方向に発射された後、火器管制システムにより定められた対象に向かって飛行する。大きな障害物であれば迂回するようにコースを指定できる他、弾速と誘導性能も非常に優れており、ヴォワチュール・リュミエールを稼働させたストライクフリーダム弐式を捉えることができる。
劇中での活躍
レクイエムの破壊を試みようとするストライクフリーダム弐式を撃墜すべくグルヴェイグから出撃、共に出撃したジグラートの1機の上に乗り、ストライクフリーダム弐式が戦っている月面へ向かう。
シヴァとストライクフリーダム弐式の交戦に参戦し、参戦と同時にドラグーンを射出してオールレンジ攻撃を仕掛ける。それに対してストライクフリーダム弐式側もドラグーンを射出して応戦してきたためその機動力をもって全ての砲撃を掻い潜り、キラ・ヤマトのSEED発動とヴォワチュール・リュミエールの機動力により同じくドラグーンの砲撃を回避してきたストライクフリーダム弐式に強化刀にて斬りかかる。これもビームシールドにて防がれ、その状態にて競り合っていたところに両機のドラグーンが駆けつけ、その砲撃を回避する形にて距離を取り直す。
オルフェ・ラム・タオ「旧式のモビルスーツで我らに挑むとはなあ!」
そのままドラグーン同士の対決に移行し、ドラグーンの性能差をもってストライクフリーダム弐式側のドラグーン全8基の内3基を一方的に破壊する(2基はビームを放つために足を止めた隙をついてすれ違いざまのビームカッターにより両断、1基は軌道を読んでビーム砲を直撃させた)。
キラ「モビルスーツの性能で強さが決まる訳じゃない!!」
残った5基のドラグーンをウイングに戻したストライクフリーダム弐式に対してドラグーンを差し向けるがその内の1基がレールガンにて撃ち落とされる。しかし、その際に生じた隙と前方から迫るシヴァの攻撃を防御することに気を取られた隙を突いて後方から迫り、強化刀にてその右翼2枚を中程から斬り落とす。
オルフェ「そうとも!だから我らに劣る貴様が勝つことはない!!」
そのまま月の重力に引かれて落下した後月面スレスレにて低空飛行するストライクフリーダム弐式に対して、上方からドラグーンによるビーム砲撃を降らす。
キラ「だけど僕にも武器がある!」
オルフェ「なんだそれは?」
キラ「ラクスの愛だ!!」
圧倒的機動力とドラグーンのバリアにより砲撃を凌がれたため、メサイア裏に隠していたジグラート3機から大量のミサイルを発射する。それに対してストライクフリーダム弐式側もドラグーンフルバーストにて迎撃を試みるが、
オルフェ「ふざけるなぁぁぁ!!」
全て撃ち落とすことはできず、残りは後退しながら回避する。この時、ドラグーン3基にて即座にバリアを展開し直そうとしたため、足が止まった展開直後のドラグーンに的確にドラグーンのビーム砲撃を当ててストライクフリーダム弐式のドラグーンを全て破壊する。
そのままミサイルとドラグーンの集中砲火を浴びせつつストライクフリーダム弐式に追いつき、頭部機関砲の牽制を物ともせずに接近する。左レールガンにて狙いを定めてきたところに背後からミサイルを直撃させて妨害すると同時に隙を作り出し、そこに強化刀にて斬りかかる。惜しくも右腕のガントレットにて往なされるがガントレット共々ビームシールド発生装置を破壊することに成功する。直後にドラグーンやミサイルにて追撃を行い、ビーム砲撃についてはビームシールドにて防がれるもシヴァの的確な連携もあって着実にダメージを蓄積させていく。
シヴァの近接戦をドラグーンにて援護するように立ち回り、シヴァの攻撃にて一瞬体勢を崩した隙に背後からミサイル6発を直撃させてウィングユニットを破損させ、その機動力の多くを占めるヴォワチュール・リュミエールの半分を奪った他、直撃の反動にてレールガンも手放させた。そこへ両手に強化刀を構えて斬りかかり猛攻を仕掛けるもビームシールドにて防がれる。猛攻を止めて一旦距離を開けた瞬間にレール砲にて反撃されかけるも横合いからのシヴァの一閃により難を逃れ、シヴァがレール砲の砲身を斬り落とした直後に間髪入れずにミサイルの追撃を直撃させる。
この直撃によりVPS装甲の耐衝撃限界を迎えたストライクフリーダム弐式が後退を開始し、残ったレールガンとレール砲にて牽制射撃を行ってきたがその全てを回避し、大量のミサイルを浴びせながら肉薄して対艦刀にて斬りかかる。強化刀の一撃はビームシールドにて防がれ、レール砲にて反撃されるが難なく回避、逆に超高インパルス砲にて更に反撃する。この一撃もビームシールドにて凌がれるが、そこに間髪入れずにミサイルを降らせてその爆風にて吹き飛ばし、メサイアの陽電子リフレクター発生装置の残骸に勢いよく叩きつける。これによりストライクフリーダム弐式は残ったウィングユニットを基部以外全損、さらにはVPS装甲の耐衝撃限界と動力炉のオーバーヒートによりフェイズシフトダウンを起こして膝をついた。
止めは追従してきたシヴァに譲るが、アスラン・ザラのズゴックが駆けつけて間に割って入ったことで失敗したため、代わりに全火力を集中させて止めを刺そうとするも、一足先にプラウドディフェンダーとのドッキングに成功してマイティーストライクフリーダムになってしまい、そのナノ粒子のバリアによって全て防がれてしまう。
オルフェ「そうまでして私を拒むのか...ならばその愚鈍な愛と共に滅びるがいい!!」
防がれたメカニズムが分からなかったこととプラウドディフェンダーから出てきたラクス・クラインの態度に業を煮やしたオルフェにより再度火力を集中させる(この時ジグラートが偏向ビームも撃ち始めた)も、全て防がれた上に反撃の広範囲電撃によりドラグーンが機能を停止して月面に落下する。さらに、ディスラプターによりメサイア裏に隠れていたジグラートも全て撃墜され、オールレンジ攻撃手段を全て失った。
残された射撃兵装である超高インパルス砲やビームライフルにて応戦するもナノ粒子のバリアを突破することができず強化刀を構えて突進を試みるが、同じくフツノミタマとビームサーベルを構えて突進してきたマイティーストライクフリーダムと競り合いにもつれ込む。
一度距離をあけた後に再び超高インパルス砲を放つもナノ粒子に無力化され、強化刀にて斬りかかって再度競り合いにもつれ込ませる。今度は強化刀にてビームシールドを封じつつ至近距離にて再度胸部ビーム砲を放つが、それでもナノ粒子を突破することはできず、逆にディスラプターの接射を食らって左腕と左翼を吹き飛ばされる。
オルフェ「人の愚かさゆえに我らは生まれた...平和だ平等だと口にしながら他者に変わることを要求し、決して自ら変わろうとしない!!」
キラ「そんなことはない!」
オルフェ「だからいつの時代も争いは絶えない!恨みを忘れず破滅に瀕しているというのに、目先の損得や思い込みに取り憑かれ足を引っ張り合う!皆愚か者だ!」
イングリット「オルフェ!」
オルフェ「導く者が必要なのだ!この分断と流血の歴史を終わらせる...それが我らの生まれた意味だ!」
最後はフツノミタマとビームサーベルを構え直して突進してきたマイティーストライクフリーダムを強化刀にて迎え撃つもビームシールドにてはじき返されて体勢を崩し、その隙にフツノミタマを右肩口に突き刺され、そのままコクピット付近まで切り裂かれて爆散した。
余談
- カルラとは、仏教における守護神である迦楼羅。インド神話における最高神の1柱であるヴィシュヌ神の乗り物としても知られる神鳥・ガルダ(ガルーダ)の別名。少し人生経験が豊かなオタクなら天空戦記シュラトなどで目にした人もいるのではないだろうか。
- ガルーダは賭けに負けて姉妹の奴隷となっていた母を奴隷の境遇から救い出すために生まれてきた存在である。アウラを慕いアウラの理想のために生きたオルフェとイングリットの機体の名として意味深長である。
- 過去のガンダムシリーズではガルダ級超大型輸送機の由来として採用されている。
- シヴァやルドラと同様に、綴りは「Cal-re.A」となっている。
- ストライクフリーダムを彷彿とさせる要素が多く、このことから劇中の半年前に起きた「フリーダム強奪事件」はファウンデーション王国が関与しており、この時にストライクフリーダムのデータを採取し、それを基に開発されたのではないかという考察がある。
- なお、シヴァもインフィニットジャスティスを、ルドラもデスティニーを彷彿とさせる要素が多く、何かしらの形で各機体の開発データを入手している節がある。
- ただし、シヴァはリフター「ファトゥム-01」、ルドラはヴォワチュールリュミエールが再現されていないのに対して、カルラは機動兵装ウイングまで再現されているという違いはある。
- アナザーガンダム(オルタナティブ作品)では貴重な非ガンダムタイプのラスボスである。
- さて、劇場版のラスボス機体なのだが上記の説明通り「二人乗り」である。それゆえに「オルフェお前一人でこの機体動かせないのかよ…」と微妙にオルフェ・ラム・タオのパイロット能力がディスられる原因になってしまっている。いや、「ラスボス機体なのでフルスペックで動かすにはアコードでも二人必要です」というのはブラックナイトスコードカルラの格を上げているし、所詮戦争なのだから戦いは数なのだが。
- 福田監督によれば能力面においては他のブラックナイトスコードとほぼ変わりがないらしく、複座になったことで他よりもはるかに多くの火器管制による火力の制御ができるようになった程度の差らしい。またこの派手なカラーリングも象徴に近いからとのこと。
- 結局最終的には「キラ&ラクス」搭乗のマイティーストライクフリーダムガンダムVS「オルフェ&イングリッド」搭乗のブラックナイトスコードカルラという「2VS2」の構図に持ち込まれ、「真の愛と信頼で結ばれていたキラとラクス」に、「イングリットの秘められた想いに気付くことなく彼女を小間使い兼戦闘要員としか見ていなかったオルフェ」が敗れることとなった。
- 3DCG制作デスクの藤田進夢はCGモデル制作時の秘話として、「重田さんと僕たちの勝手な想像で、やっぱりカルラって武装がとにかくストフリに似てるんです。なので、ストフリのフレームになるはずだったものが使われてるみたいな風に考えてけば、おのずとこうなってっかなみたいな感じでやってたんです」と述べている。
- マイティーストライクフリーダムに撃墜されるシーンは『SEED』でプロヴィデンスがフリーダムに撃墜されるシーンのオマージュとなっている。
- プロヴィデンスは『SEED』におけるラスボスMSなので、原点回帰とも言える。
- 『機動戦士ガンダムSEEDグランプリ2024』でのランキングは38位。映画のラスボスなこともありブラックナイトの機体としては唯一のTOP50内でありデストロイよりも順位は上だが、バクゥやラゴゥやザムザザーより下であり一部ではネタにされている。
- もっとも、バクゥやザムザザーは昔からコアな人気があり、ラゴゥは人気キャラアンドリュー・バルトフェルドの専用機という立場なため、ぽっと出としてはかなりの大健闘と言える。
立体物
2024年5月8日に静岡ホビーショーで2024年10月にHGCEで発売されることが発表され、10月26日に発売された。
関節フレームは他のブラックナイトスコードとほぼ共通で、両翼は専用パーツに差し替えることで展開状態を再現でき、光の翼のエフェクトパーツはシヴァやルドラのマントパーツと同じPET素材を使用している。
ドラグーンに装着できるビームサーベルが16本付属し、アクションベースの3㎜軸を差し込めるジョイントがあるため、それを用いることで射出状態を再現できる。
更にRGシナンジュのように装甲の色分けがパーツ分割で再現されているが、構成上一度組み立てると分解が非常に難しくなる箇所があるため、仮組を行う場合は注意する必要がある。
一方、シヴァと同様にビームシールドのエフェクトパーツは付属していない(本機の場合は使用場面が無いため仕方ない部分もある)。当然だがジグラートも付属していない。
また、ウイングユニットはバックパックのジョイント径が合うものならどのMSでも取り付けることができ、当然HGCEマイティーストライクフリーダムにも装着できる(プラウドディフェンダー同様に白と金の色合いなため結構似合う)。一方、カルラ側は襟周りが干渉するためプラウドディフェンダー(≒ラクスの愛)を装着できない。
ついにバ◯ダイからも(装着不能な構造という形で)拒絶されてしまうと言うのは何とも皮肉なことである。
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ブラックナイトスコード(MS) ファウンデーション王国
プロヴィデンス、レジェンド:TVシリーズにおけるSEEDシリーズのラスボス。キラと対決したドラグーンシステムを持つ機体と言う共通点がある。特に、前者はコクピットへの一撃などが似通っている。
ラゴゥ:コズミック・イラにおける複座式のMS繋がり。名前の由来がインドモチーフ(羅喉星)である他、男女が搭乗しキラと戦ったといった共通点がある。さらにたねきゃら劇場ではラクスと対面した事がある。
ガンダムハルート:男女二人がパイロット且つビット兵器を用いる劇場版限定機体。ただし、こちらは味方。
ガンダム・シュバルゼッテ:「名前に『黒』が入っているのに本体の大部分が真っ白」というカルラにピンポイントな共通点を持つ機体。こちらもドラグーンに相当する武装「GUNDビット」を持つ。
サザビー:劇場版限定機体且つ非ガンダムタイプのラスボス機としては、おそらくカルラの元ネタと思われ、固定武装のビーム砲や「パイロットだけをやっているわけにはいかない(パイロットだけが仕事ではない)」人物が搭乗する点も共通している。なお、機体カラーが白のカルラに対してこちらは赤であり、主人公の機体より性能を向上させた後発品であるカルラと主人公と対等な条件で戦うために同じ技術を使わせているサザビーは開発経緯も対照的なものとなっている。ちなみに、サザビーにはカルラと同じ複座式仕様のバリエーションも存在する。
ジオング、ゴトラタン:黒幕に代わるラスボスとして描かれる非ガンダムタイプ繋がり。
ビギナ・ロナ:白(銀)のカラーに金の縁取り、騎士のような外観に加え、背面のバスターランサーの配置など全体的なシルエットがよく似ていることから、公開当初から「よく似ている機体」と話題になっていた。なお、武装の傾向は射撃寄りのカルラに対してこちらは格闘寄りと真逆。
バルゴラ・グローリーS:キラの敵として立ちはだかったスパロボ主人公の最終搭乗機。共通素体に特殊武装を付けた物に加え、同じく砲撃戦を得意とする。
ガンダムシリーズラスボス機
ティフォエウスガンダム・キメラ→ブラックナイトスコードカルラ→ガンダムEX