オルフェ・ラム・タオ「お前も自分の価値を証明してみせろ!」
イングリット・トラドール「……わかりました」
機体データ
形式番号 | NOG-M2D1/E |
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全高 | 21.10m |
重量 | 87.72t |
装甲材質 | フェムテク装甲 |
動力源 | ??? |
開発 | ファウンデーション王国 |
所属 | ファウンデーション王国 |
パイロット | オルフェ・ラム・タオ&イングリット・トラドール |
武装 |
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概要
『FREEDOM』のラスボス機となるブラックナイトスコードの次世代型最新鋭モビルスーツ(MS)。正式名称を「Cal-re.A」、略して「レア」とも呼ばれる。
ブラックナイトスコードの機体はファウンデーション王国がプラント側の技術を取り入れつつも独自開発した機体だが、その中でも本機は頭部にこそ面影は残るものの、プラント側の影響を更に強く受けているのか他のブラックナイトスコード機と掛け離れた外見となっている。ザフト製モビルスーツ、特にストライクフリーダムに近い外見となっている。また、カラーリングも白地に金縁と、「ブラックナイト(黒騎士)」の名称とは相反させた何処か皮肉めいた物となっている。
ファウンデーション王国の宰相オルフェ・ラム・タオ自らがメインパイロットとして基本操縦を担当するのに対し、彼の秘書を務めるイングリット・トラドールはサブパイロットとして火器管制を担当し、2名で搭乗する形で運用される。
決闘用というコンセプトから近接特化型のシヴァ、どちらかと言えば近接寄りの汎用型のルドラに比べて射撃武装が充実しており、火力面ではそれらの機体を大きく凌駕する。一方、機体特性としては運動性と電子戦能力に特化しており、戦闘時はその特性を補うためにブラックナイトスコードのMSに共通する無人化した兵器の遠隔操作に加えて、複座のサブパイロットが大型ドラグーン「ジグラート」を遠隔操作により艦隊相当の火力を運用する。それと本体のドラグーン・システムと併せた無数とも表せる弾幕を展開可能になっている。
機体構成
頭部
他のブラックナイトスコード系列と同じく赤色のモノアイであり、そこから放たれる一条のレーザーによりジグラートのミサイルのレーザー誘導を行う。
電子戦能力を持つ指揮官機の例に漏れず、他の系列機には無い長い頭部アンテナを持つ。
胸部
コックピットは胸部に存在し、その前方に超高インパルス砲「アドゥロ・オンジ」が内蔵されている。
コックピット
前後式の複座形式となっており、前席が機体操縦、後席が火器管制を担当する形式となっている。そのため、UIも前席と後席で大きく異なり、後席にはジグラート等に攻撃支持を出すことに特化した大型のタッチディスプレイが採用されている。
全天球モニターを採用しており広い視野を有する。
背部
ストライクフリーダムを彷彿とされる推進システムと武装プラットフォームを兼ねたウイングユニットを装備している。扇のように要にて一つにまとめているストライクフリーダムとは異なり、左右それぞれ4枚の翼を数珠繋ぎ的に繋ぎ合わせる形式となっている。そのため、広げると横幅が大きくなり、普段は中央の蝶番のような接続部により半分に折り畳まれている。
このウイングユニットには擬似反重力機関「レヴィテーター」が搭載されている。電場を翼やマントのように機体に纏うことによって機体の周囲に浮遊力場を発生させ、それに合わせて従来の推進装置を用いることにより自由自在に飛行することができる。
本機関を稼働させた本機の機動性や加速力は、ヴォワチュール・リュミエールを展開したストライクフリーダム弐式のそれに追いつけるほど高い。電場は真紅の光の翼ような外見を取るものの、外見が似ているヴォワチュール・リュミエールとは特性は全く異なり、他の系列機のような分身能力も持たない。
ウイングユニットが武装プラットフォームを兼ねている都合により、通常時は電場の発生口をドラグーン・システム「サハスラブジャ」により塞いでいるためサハスラブジャを射出しなければ使用できない。この点はストライクフリーダム系列のヴォワチュール・リュミエールとよく似ている。
ちなみに、反重力機関を無重力空間で使うのは一見すると意味がないように見えるが、本機(及びシヴァ)とストライクフリーダム弐式が戦闘したのは月面付近である。つまり、月の引力を振り切りながら戦闘のための推力や機動性も必要になるのだが、本機は持ち前の反重力機関を使って引力を相殺するだけで済むと言うアドバンテージを得られている。
余談
- レヴィテーターは『FREEDOM』が初出の技術と思われがちだが、実は『SEED』時点にてアークエンジェル級に搭載されていることが言及されている。詳細はブラックナイトスコード(MS)のレヴィテーターの項目を参照。
- 本機はドラグーンを射出した際にレヴィテーターを使用していたことから、ドラグーンのマウント中はレヴィテーターを使用できない可能性がある。重力下でドラグーンが邪魔になる点はストライクフリーダムと同じであるが、ドラグーン運用が前提であればそもそも主戦場が宇宙であり、さしたる問題ではない。
- なお、他のブラックナイトスコードは飛行時にビームマントを展開している。
武装
OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル
ビームライフル。ルドラと共通の装備。
非使用時はリアスカートにマウントされる。
OWC-QZ18 対モビルスーツ強化刀
サイドスカート両側にマウントされた近接戦闘用の長剣。ソードストライカーやソードシルエットの対艦刀と同様の構造を持つ。ルドラの「OWC-QZ200 対MS重斬刀」を一回り小型化させたような形状だが、MSを容易に両断するほどの攻撃力を発揮する。小型化の影響で取り回しが良くなったため主に二刀流にて使用される。
余談
- HGCEの商品紹介では単に「対艦刀」とされていた。
- かつてのキラの愛機であるZGMF-X10A フリーダムの初期案「ガンダム10号」は両腰に折りたたみ式の長剣を持たせるデザインとされていた。この長剣はデザインの改稿により折りたたみ式のレールガン「クスフィアス」に変化した。結果的とは言え、没になったフリーダムのデザインも盛り込まれているとも言える。
OWC-Z199 超高インパルス砲 アドゥロ・オンジ
胸部に搭載されている大口径の高出力ビーム砲。「アドゥロ・オンジ」とは東アフリカのルグバラ人の悪神「アドゥロ」の別名。
普段は胸部の装甲で覆われており、使用時は装甲を展開して砲口を露出させる。ストライクフリーダムの「MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲」が参考と思われるが、こちらもライジングフリーダムやストライクフリーダム弐式と同じ「超高インパルス砲」となっている。
恐らくは本機単体の武装としては最大威力を持つと思われるが、不意打ち気味に放った一発目はストライクフリーダム弐式のビームシールドで防がれ、二発目以降もマイティーストライクフリーダムのナノ粒子に無力化されると、あまり活躍の場に恵まれなかった。
余談
通算5例目の超高インパルス砲になるが、その全てがペットネームを持っている。
ガントレット
両腕に装備した盾のような手甲であり、「OWC-M17 ロック・クロウ モルスス・モルティス」と「OTS-303 ビームシールド アムルタート」を内蔵している。
OWC-M17 ロック・クロウ モルスス・モルティス
ガントレット先端に2本生えた実体クロー。「モルスス・モルティス」はラテン語で「死の噛みつき」「死の一撃」を意味する。
リーチ的にも破壊力的にも強化刀の方が上であり、相手にした機体も実体兵器をほぼ無効化するヴァリアブルフェイズシフト装甲だったため使用されなかった。
OTS-303 ビームシールド アムルタート
ガントレット中央に内蔵されたビームシールド発生器。「アムルタート」はサンスクリット語で「不死」を意味する。
本機はビームマントも実体シールドも装備していないため、この装備で防御を行う必要がある。なお、デスティニーSpecⅡと同じく機動力に秀でているおり回避能力が高い上に強化刀にて切り結びも行えることから使用されなかった。
内蔵箇所とその形式からストライクフリーダムの「MX2200 ビームシールド」を参考にしたものと考えられる。
ビームシールドは対ビームコーティングを施された実体は透過するという弱点があり、フェムテク装甲はVPS装甲程の物理防御力はないため、ストライクフリーダムやデスティニーでは事実上黙認できた弱点が発生している。
OTOS-815/J サハスラブジャ
ウイングユニットの武装プラットフォームに搭載されている計8基の遠隔操作兵器。 「サハスラブジャ」はサンスクリット語で「千の手」あるいは「千の手を持つもの」、転じて「千手観音」を意味する。
端末1基につき4門のビーム砲を内蔵し、全基合わせて32門も有する。端末の左右から一対のビームカッターの展開も可能であり、特攻格闘兵器としても使用できる。
その動作性能はパイロットの能力も相まって凄まじく、ヴォワチュール・リュミエールを稼働させているデスティニーを捉えられるほどの動作性能を持つストライクフリーダムのスーパードラグーンさえ圧倒するほどに高い(つまり、C.E.の遠隔操作兵器で最も性能が高い可能性がある)。
余談
- 本格的なドラグーン・システムでペットネームが付いているのは非常に珍しい。コレ以外ではドラグーンか否か諸説あるデストロイの「シュトゥルムファウスト」くらいである。
- 本機のスラスター類の発光色は他の機体と同じく青白い中、サハスラブジャのスラスター類の発光色のみ赤いため、通常のスラスターではなくレヴィテーターの可能性もある。その場合、重力下でも使用できる可能性も浮上する(この場合純粋なドラグーン兵器としては初めて重力下でも使用可能な武装ということになる)。
- 端末中央部に砲門らしきものがあるものの、劇中では先端の4門しかビーム砲を使用していない。
- 砲門とされる形状は、ウイングユニット側のスラスターと思わしき32器の方が非常に似ている。仮に、これがすべて砲門だとすればウイングユニットに32箇所のビーム砲が搭載されていることになる可能性もある。
その他
頭部に2門、胸部に4門の対空防御機関砲らしき砲口が確認できるが、詳細は不明である。
AMO-01 ジグラート
本機の大きな特徴となる随伴式の大型ドラグーン。「ジグラート」とは、古代メソポタミアにおいて諸都市に建造されたと考えられている巨大な聖塔のことである。
モビルスーツを搭載できるほどのサイズを持ち、大火力を備えた超巨大な機動兵装ポッドや小型戦艦とも言える代物となっている。他のドラグーンと同じく複数機の同時運用も可能であり、劇中では3基を随伴させる。
無数とも言える膨大な物量を誇る対艦ミサイル発射管と、ゲシュマイディッヒ・パンツァーのような大口径の偏向ビーム砲を搭載し、火器管制を担当するイングリットの遠隔操作で全方位攻撃が行える。
また初登場時には、その上部に出撃したカルラを搭乗させる形でストライクフリーダム弐式とシヴァが戦闘していた月面まで曳航しているため、サブフライトシステムとして推進剤やエネルギーの浪費を防ぐことも視野に入れられている。なお、機体の左右にはにウイング状のパーツが目立つものの大気圏内で飛行可能かは不明である。
大型故に一般的なドラグーンに比べて機動性は大きく劣るが、同じく核動力機の追加武装プラットフォームであるミーティアとは異なり、核動力機とドッキングせずとも独立した運用が行える。さらに無数の誘導ミサイルと偏向ビームによる曲射を活かして障害物に隠れながらの大火力支援ができ、正面からの被弾リスクを丸ごと回避できる。大型故の取り回しの悪さを克服しつつ、大小問わない目標へ断続的に飽和火力を叩き込み続けられることが可能な点で全般的に勝っており、砲撃においてはミーティアの完全上位互換ともいえる性能を誇る。一方、ミーティアと異なり近接武装の類は一切搭載してない。
劇中での活躍
レクイエムの破壊を試みようとするストライクフリーダム弐式を撃墜すべくグルヴェイグから出撃、共に出撃したジグラートの1機の上に乗り、ストライクフリーダム弐式が戦っている月面へ向かう。
シヴァとストライクフリーダム弐式の交戦に参戦し、参戦と同時にドラグーンを射出してオールレンジ攻撃を仕掛ける。それに対してストライクフリーダム弐式側もドラグーンを射出して応戦してきたためその機動力をもって全ての砲撃を掻い潜り、キラ・ヤマトのSEED発動とヴォワチュール・リュミエールの機動力により同じくドラグーンの砲撃を回避してきたストライクフリーダム弐式に対艦刀にて斬りかかる。これもビームシールドにて防がれ、その状態にて競り合っていたところに両機のドラグーンが駆けつけ、その砲撃を回避する形にて距離を取り直す。
オルフェ・ラム・タオ「旧式のモビルスーツで我らに挑むとはなあ!」
そのままドラグーン同士の対決に移行し、ドラグーンの性能差をもってストライクフリーダム弐式側のドラグーン全8基の内3基を一方的に破壊する(2基はビームを放つために足を止めた隙をついてすれ違いざまのビームカッターにより両断、1基は軌道を読んでビーム砲を直撃させた)。
キラ「モビルスーツの性能で強さが決まる訳じゃない!!」
残った5基のドラグーンをウイングに戻したストライクフリーダム弐式に対してドラグーンを差し向けるがその内の1基がレールガンにて撃ち落とされる。しかし、その際に生じた隙と前方から迫るシヴァの攻撃を防御することに気を取られた隙を突いて後方から迫り、対艦刀にてその右翼2枚を中程から斬り落とす。
オルフェ「そうとも!だから我らに劣る貴様が勝つことはない!!」
そのまま月の重力に引かれて落下した後月面スレスレにて低空飛行するストライクフリーダム弐式に対して上方からドラグーンによるビーム砲撃を降らせる。
キラ「だけど僕にも武器がある!」
オルフェ「なんだそれは?」
キラ「ラクスの愛だ!!」
圧倒的機動力とドラグーンのバリアにより砲撃を凌がれたため、メサイア裏に隠していたジグラート3機から大量のミサイルを発射する。それに対してストライクフリーダム弐式側もドラグーンフルバーストにて迎撃を試みるが、
オルフェ「ふざけるなぁぁぁ!!」
全て撃ち落とすことはできず、残りは後退しながら回避する。この時、ドラグーン3基にて即座にバリアを展開し直そうとしたため、足が止まった展開直後のドラグーンに的確にドラグーンのビーム砲撃を当ててストライクフリーダム弐式のドラグーンを全て破壊する。
そのままミサイルとドラグーンの集中砲火を浴びせつつストライクフリーダム弐式に追いつき、頭部機関砲の牽制を物ともせずに接近する。左レールガンにて狙いを定めてきたところに背後からミサイルを直撃させて妨害すると同時に隙を作り出し、そこに対艦刀にて斬りかかる。惜しくも右腕のガントレットにて往なされるがガントレット共々ビームシールド発生装置を破壊することに成功する。直後にドラグーンやミサイルにて追撃を行い、ビーム砲撃についてはビームシールドにて防がれるもシヴァの的確な連携もあって着実にダメージを蓄積させていく。
シヴァの近接戦をドラグーンにて援護するように立ち回り、シヴァの攻撃にて一瞬体勢を崩した隙に背後からミサイル6発を直撃させてウィングユニットを破損させ、その機動力の多くを占めるヴォワチュール・リュミエールの半分を奪った他、直撃の反動にてレールガンも手放させた。そこへ両手に対艦刀を構えて斬りかかり猛攻を仕掛けるもビームシールドにて防がれる。猛攻を止めて一旦距離を開けた瞬間にレール砲にて反撃されかけるも横合いからのシヴァの一閃により難を逃れ、シヴァがレール砲の砲身を斬り落とした直後に間髪入れずにミサイルの追撃を与えて直撃させる。
この直撃によりVPS装甲の耐衝撃限界を迎えたストライクフリーダム弐式が後退を開始し、残ったレールガンとレール砲にて牽制射撃を行ってくるもその全てを回避し、大量のミサイルを浴びせながら肉薄して対艦刀にて斬りかかる。対艦刀の一撃はビームシールドにて防がれ、レール砲にて反撃されるが難なく回避、逆に腹部ビーム砲にて更に反撃する。この一撃もビームシールドにて凌がれるが、そこに間髪入れずにミサイルを降らせてその爆風にて吹き飛ばし、メサイアの陽電子リフレクター発生装置の残骸に勢いよく叩きつける。これによりストライクフリーダム弐式は残ったウィングユニットを基部以外全損、さらにはVPS装甲の耐衝撃限界と動力炉のオーバーヒートによりフェイズシフトダウンを起こして膝をついた。
止めは追従してきたシヴァに譲るが、アスラン・ザラのズゴックが駆けつけて間に割って入ったため失敗したため、代わりに全火力を集中させて止めを刺そうとするも、一足先にプラウドディフェンダーとのドッキングに成功してマイティーストライクフリーダムになってしまい、そのナノ粒子のバリアによって全て防がれてしまう。
オルフェ「そうまでして私を拒むのか...ならばその愚鈍な愛と共に滅びるがいい!!」
防がれたメカニズムが分からなかったこととプラウドディフェンダーから出てきたラクス・クラインの態度に業を煮やしたオルフェにより再度火力を集中させる(この時ジグラートが偏向ビームも撃ち始めた)も、全て防がれた上に反撃の広範囲電撃によりドラグーンが機能を停止して月面に落下する。さらに、ディスラプターによりメサイア裏に隠れていたジグラートも全て撃墜され、オールレンジ攻撃手段を全て失った。
残された射撃兵装である胸部ビーム砲やビームライフルにて応戦するもナノ粒子のバリアを突破することができず、対艦刀を構えて突進するが、同じくフツノミタマとビームサーベルを構えて突進してきたマイティーストライクフリーダムと競り合いにもつれ込む。
オルフェ「人の愚かさゆえに我らは生まれた。平和だ平等だと口にしながら他者に変わることを要求し、決して自ら変わろうとしない!!」
キラ「そんなことはない!」
「だからいつの時代も争いは絶えない!恨みを忘れず破滅に瀕しているというのに、目先の損得や思い込みに取り憑かれ足を引っ張り合う!皆愚か者だ!」
一度距離をあけた後に再び腹部ビーム砲を放つもナノ粒子に無力化され、対艦刀にて斬りかかり競り合いにもつれ込ませると同時に対艦刀にてビームシールドを封じつつ至近距離にて再度胸部ビーム砲を放つもナノ粒子の防御を突破することはできず、逆にディスラプターの接射によりフェムテク装甲を無視してカルラの左腕と左翼を吹き飛ばされる。
最後はフツノミタマとビームサーベルを構え直して突進してきたマイティーストライクフリーダムを対艦刀にて迎え撃つもビームシールドにて弾き飛ばされて体勢を崩し、その隙にフツノミタマを右肩口に突き刺され、そのままコクピット付近まで切り裂かれて爆散した。
余談
- カルラとは、仏教における守護神である迦楼羅。インド神話における最高神の1柱であるヴィシュヌ神の乗り物としても知られる神鳥・ガルダ(ガルーダ)の別名。少し人生経験が豊かなオタクなら天空戦記シュラトなどで目にした人もいるのではないだろうか。
- ガルーダは賭けに負けて姉妹の奴隷となっていた母を奴隷の境遇から救い出すために生まれてきた存在である。アウラを慕いアウラの理想のために生きたオルフェとイングリットの機体の名として意味深長である。
- 過去のガンダムシリーズではガルダ級超大型輸送機の由来として採用されている。
- シヴァやルドラと同様に、綴りは「Cal-re.A」となっている。
- ストライクフリーダムを彷彿とさせる要素が多く、このことから劇中の半年前に起きた「フリーダム強奪事件」はファウンデーション王国が関与しており、この時にストライクフリーダムのデータを採取し、それを基に開発されたのではないかという考察がある。
- なお、シヴァもインフィニットジャスティスを、ルドラもデスティニーを彷彿とさせる要素が多く、何かしらの形で各機体の開発データを入手している節がある。
- ただし、シヴァはリフター「ファトゥム-01」、ルドラはヴォワチュールリュミエールが再現されていないのに対して、カルラは機動兵装ウイングまで再現されていると言う違いはある。
- アナザーガンダム(オルタナティブ作品)では貴重な非ガンダムタイプのラスボスである。
- さて、劇場版のラスボス機体なのだが上記の説明通り「二人乗り」である。それゆえに「オルフェお前一人でこの機体動かせないのかよ…」と微妙にオルフェ・ラム・タオのパイロット能力がディスられる原因になってしまっている。いや、「ラスボス機体なのでフルスペックで動かすにはアコードでも二人必要です」というのはブラックナイトスコードカルラの格を上げているし、所詮戦争なのだから戦いは数なのだが。
- 福田監督によれば能力面においては他のブラックナイトスコードとほぼ変わりがないらしく、複座になったことで他よりもはるかに多くの火器管制による火力の制御ができるようになった程度の差らしい。またこの派手なカラーリングも象徴に近いからとのこと。
- 結局最終的には「キラ&ラクス」搭乗のマイティーストライクフリーダムガンダムVS「オルフェ&イングリッド」搭乗のブラックナイトスコードカルラという「2VS2」の構図に持ち込まれ、「真の愛と信頼で結ばれていたキラとラクス」に、「イングリットの秘められた想いに気付くことなく彼女を小間使い兼戦闘要員としか見ていなかったオルフェ」が敗れることとなった。
- 3DCG制作デスクの藤田進夢はCGモデル制作時の秘話として、「重田さんと僕たちの勝手な想像で、やっぱりカルラって武装がとにかくストフリに似てるんです。なので、ストフリのフレームになるはずだったものが使われてるみたいな風に考えてけば、おのずとこうなってっかなみたいな感じでやってたんです」と述べている。
- マイティーストライクフリーダムに撃墜されるシーンは『SEED』でプロヴィデンスがフリーダムに撃墜されるシーンのオマージュとなっている。
- プロヴィデンスは『SEED』におけるラスボスMSなので、原点回帰とも言える。
- 『機動戦士ガンダムSEEDグランプリ2024』でのランキングは38位。映画のラスボスなこともありブラックナイトの機体としては唯一のTOP50内でありデストロイよりも順位は上だがバクゥやラゴゥやザムザザー以下であり一部ではネタにされている。
立体物
2024年5月8日に静岡ホビーショーで2024年10月にHGCEで発売されることが発表され、10月26日に発売された。
関節フレームは他のブラックナイトスコードとほぼ共通で、両翼は専用パーツに差し替えることで展開状態を再現でき、光の翼のエフェクトパーツはシヴァやルドラのマントパーツと同じPET素材を使用している。
ドラグーンに装着できるビームサーベルが16本付属し、アクションベースの3㎜軸を差し込めるジョイントがあるため、それを用いることで射出状態を再現できる。
更にRGシナンジュのように装甲の色分けがパーツ分割で再現されているが、構成上一度組み立てると分解が非常に難しくなる箇所があるため、仮組を行う場合は注意する必要がある。
一方でシヴァと同様にビームシールドのエフェクトパーツは付属していない。
また当然だがジグラートも付属していない。
また、ウイングユニットはバックパックのジョイント径が合うものならどのMSでも取り付けることができ、当然HGCEマイティーストライクフリーダムにも装着できる(プラウドディフェンダー同様に金と白の色合いなため意外と似合う)。一方、カルラ側は襟周りが干渉するためプラウドディフェンダー(≒ラクスの愛)を装着できない。
ついにバ◯ダイからも(装着不能な構造という形で)拒絶されてしまうと言うのは何とも皮肉なことである。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ブラックナイトスコード(MS) ファウンデーション王国
プロヴィデンス、レジェンド:TVシリーズにおけるSEEDシリーズのラスボス。キラと対決したドラグーンシステムを持つ機体と言う共通点がある。特に、前者はコクピットへの一撃などが似通っている。
ラゴゥ:コズミック・イラにおける複座式のMS繋がり。名前の由来がインドモチーフ(羅喉星)である他、男女が搭乗しキラと戦ったといった共通点がある。さらにたねきゃら劇場ではラクスと対面した事がある。
ガンダムハルート:男女二人がパイロット且つビット兵器を用いる劇場版限定機体。ただし、こちらは味方。
ガンダム・シュバルゼッテ:「名前に『黒』が入っているのに本体の大部分が真っ白」というカルラにピンポイントな共通点を持つ機体。こちらもドラグーンに相当する武装「GUNDビット」を持つ。
サザビー:劇場版限定機体且つ非ガンダムタイプのラスボス機としては、おそらくカルラの元ネタと思われ、固定武装のビーム砲や「パイロットだけをやっているわけにはいかない(パイロットだけが仕事ではない)」人物が搭乗する点も共通している。なお、機体カラーが白のカルラに対してこちらは赤であり、主人公の機体より性能を向上させた後発品であるカルラと主人公と対等な条件で戦うために同じ技術を使わせているサザビーは開発経緯も対照的なものとなっている。ちなみに、サザビーにはカルラと同じ複座式仕様のバリエーションも存在する。
ジオング、ゴトラタン:黒幕に代わるラスボスとして描かれる非ガンダムタイプ繋がり。
ビギナ・ロナ:白(銀)のカラーに金の縁取り、騎士のような外観に加え、背面のバスターランサーの配置など全体的なシルエットがよく似ていることから、公開当初から「よく似ている機体」と話題になっていた。なお、武装の傾向は射撃寄りのカルラに対してこちらは格闘寄りと真逆。
バルゴラ・グローリーS:キラの敵として立ちはだかったスパロボ主人公の最終搭乗機。共通素体に特殊武装を付けた物に加え、同じく砲撃戦を得意とする。
ガンダムシリーズラスボス機
ティフォエウスガンダム・キメラ→ブラックナイトスコードカルラ→ガンダムEX