機体データ
型式番号 | ZGMF-X42S |
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所属 | ザフト |
開発 | プラント |
全高 | 18.08m |
重量 | 79.44t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力 | ハイパーデュートリオンエンジン |
パイロット | シン・アスカ |
概要
C.E.73年末にZGMF-X666S レジェンドと同時開発されたザフトの最新鋭モビルスーツ(MS)。プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルを中心とする開発陣がレジェンドと同様に、核エンジンとデュートリオンビーム送電システムのハイブリッド機関である「ハイパーデュートリオンエンジン」を実装し完成させた。ニュートロンジャマーキャンセラーを搭載しているためユニウス条約違反機に該当し、ザフト製MSとしては「サードステージシリーズ」相当であるが、型式番号のSでセカンドステージシリーズ扱いとすることで表向きにはその仕様を秘匿している。
本機は、ZGMF-X56S インパルスのシルエットバリエーションの1つ「ZGMF-X56S/Θ デスティニーインパルス」がインパルスの持つ3つのシルエット(フォース、ソード、ブラスト)を統合した結果、バッテリーでは機体の稼働時間に支障を来したこととインパルスシステムでは機体の耐久性が足りないと判断されたことから、完全新設計の同コンセプト機にしてデスティニーインパルスの問題点を解決した全領域対応型・万能タイプMSとして開発された。
C.E.73年時点のザフトにおける最新鋭技術が惜しみなく投入され、サードステージシリーズ用の技術は勿論のこと、ヴォワチュール・リュミエールを転用した新型ウイング、ストライクフリーダムの基本設計(原型とも)となる量産型フリーダム開発の際に考案されたフェイズシフト装甲製フレームなど、C.E.73年以降の「ガンダムタイプ」MSで主流となっていた、量産性度外視のカスタムメイド機として完成している。
当初はシン・アスカの搭乗に合わせたワンオフ機のみになる予定だった(本編のギルバート・デュランダルの会話より)が、当時のザフトで検討されていた精鋭部隊「コンクルーダーズ」の専用機としての導入も検討されていたため、シン機の他にも複数機が配備予定だった。しかし、パイロット候補も既に戦死し部隊の編成そのものが頓挫したため、結局シン専用の機体という形のまま戦線に投入された。
機体の高性能化を優先しニュートロンジャマーキャンセラーとミラージュコロイドのどちらも軍事利用するというユニウス条約を二重の意味で無視した機体となったが、これは開戦に伴い同条約が形骸化した事の現れでもあり(開戦時に加盟していた地球連合軍がプラントへ向けて核ミサイルでの攻撃を行った時点で形骸化している)、前駆型のインパルスを始めとするセカンドステージシリーズが第一次連合・プラント大戦期の核エンジンMS(ZGMF-Xシリーズ)の性能再現のために実用化したバッテリー機用の新規技術も取り入れ、さらなるパワーアップが果たされている。
ハイパーデュートリオンエンジンの基幹技術にはNJCと核エンジンが使われているため、本来ならZGMF-Xシリーズ同様、型式番号の末尾にはAがつくべきではあるが、(形骸化しているとはいえ)ユニウス条約に違反している事には変わりはない為、セカンドステージシリーズを表す『S』をつけることで、表向きはセカンドステージシリーズの機体とすることで隠蔽を図るという政治的要因が絡んでおり、実際にはサードステージシリーズまたはそれ以上のハイステージ相当のスペックを有する。
カタログスペックはレジェンドやストライクフリーダム、インフィニットジャスティスと並び、C.E.73時点では最高峰の機体であり、新たなザフトの剣として戦場に飛び込んでいく。
機体名は運命を意味する英単語「Destiny」を由来としたものだが、本機への命名はどちらかと言うとデュランダルの掲げるデスティニープランの旗印としての側面が強い。
武装
MMI-GAU26 17.5mmCIWS
両側頭部に内蔵された近接防御機関砲。レジェンドやインフィニットジャスティスに搭載されたものと同型。
本機唯一の実体弾兵装であり、数少ない固定武装でもある。先行のセカンドステージシリーズ機に装備された「MMI-GAU25A 20mmCIWS」よりも小径化されている。
劇中での使用は確認されていない。
MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル
インパルスの「MA-BAR72 高エネルギービームライフル」を改良したビームライフル。形状も類似している。
ハイパーデュートリオンエンジンに対応したエネルギー供給システムを採用し、高い出力・速射性能を有する。不使用時には尻部ラッチにマウントされる。
RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
ソードインパルスの「RQM60 フラッシュエッジビームブーメラン」の発展型であり、簡易ドラグーン式のブーメラン。ただし、連結機能はオミットされている。ビーム刃を延長する事でビームサーベルとしても使用可能(ビーム刃の延長はインフィニットジャスティスに対して一度使用しているが、シールドで防がれている)。
肩部に装備するにあたりソードインパルスのものより小型簡略化されており、連結して実体ブーメランとして使用する機能は廃されている。むしろフラッシュエッジの原型となるジャスティスの「RQM51 バッセル・ビームブーメラン」に近い。
投擲武装として運用される場合でも、対ビームコーティングシールドを容易に破断する威力を持ち、大抵のMSなら一撃で撃破する。しかし、インフィニットジャスティスの「MX2002 ビームキャリーシールド」の出力には通用しなかった。
また、ブーメランと携行式のビームサーベルを兼ねてしまった為、もし投擲中に破壊もしくは紛失してしまった場合、取り回しの良い携行式のビームサーベルを失うことになる。
ソードインパルスの「MMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀」やグフイグナイテッドの「MMI-558 テンペスト ビームソード」の発展型である大型ビームソード。
本体の出力向上の恩恵か、ソードインパルスのレーザーソードから高出力のビームソードに変更されている。エクスカリバーより威力は上がっているが、ビーム兵器となった為に防御が容易になったと言う欠点も持つ。
ビームの熱量で敵を溶断しつつ実体剣の持つ質量でダメージを拡大する対艦刀シリーズの特性を受け継ぎ、通常のMSの倍以上の機体サイズを持つデストロイを一刀両断する等、斬撃兵装としては破格の威力を有する。先端部分にビームを展開する事も可能であり、スティング搭乗のデストロイをこの装備で撃破している。
不使用時は刀身を2つに折り畳み、右背部のウェポンラックに収納する。
なお、これだけの長さの剣を扱うには機体の駆動部自体にも高い剛性と柔軟性が求められ、デスティニー以外の機体に使いこなす事は不可能とされる。
作中ではデストロイを大根の様に簡単に斬り裂いたり、オーブのムラサメを真っ二つに切り捨てる等の大活躍をしたが、大剣である故に大振りになる攻撃が災いし、ストライクフリーダム相手には一太刀も当てる事もかなわず、果ては白刃取りされて海に投げ捨てられるという失態を演じてしまった。
またインフィニットジャスティスとの戦いでは、フラッシュエッジ2のサーベルモードでは歯が立たなかったビームキャリーシールドをその実剣部分の重量とビームソード部分の超高出力さを遺憾なく発揮し、片手斬りで弾き飛ばす(防御を崩す)活躍を見せたが、直後のサーベル戦では完敗を喫している(1度目は腕を切り飛ばされる、2度目はアロンダイトの実体部分を切りつけられ折られている)。
この様に、性能が格下の機体や動きが鈍重な巨大MS・MA相手には猛威を振るったが、本機と互角の性能にして同サイズの2機相手には通用しなかった。
名称の由来は、円卓の騎士の長サー・ランスロットの愛剣アロンダイトから。
背部左ウェポンラックに装備された大型ビームランチャー。
アロンダイト同様、不使用時には2つ折り状態でマウントされる。発砲時はマウント部のクランクアームを展開し、マニピュレーターでグリップを保持する。展開時の全長は22mと本機の全高を上回る。
ハイパーデュートリオンエンジンより供給される膨大な電力により、ガナーウィザードの「M1500 オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲」やブラストインパルスの「M2000F ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲」を上回る出力を誇る。同時に射程や速射性能にも優れており、迎撃にも充分に対応可能。なお、砲身分割の技術には本体でも採用された基本構造体の細部化と連動が生かされている。
運用の仕方はオルトロスやケルベロスよりはランチャーストライカーの「320mm超高インパルス砲 アグニ」に近い。
使用されなかったCIWSを除けば、本機で唯一破壊されたことがない武装である。
『SEED』シリーズの兵器は北欧神話やインド神話、あるいは英語やドイツ語などから取られた大仰な名称がつけられていることがほとんどだが、この武装だけなぜか特徴そのまんまな投げやりとも取れる名称なことは度々ネタにされており、その結果ファンからの呼び名は「名無し砲」。理由ははっきりとしていないが、開発時期の関係上であるとされている。
左右の掌底部に内蔵された青白い光を放つ小型ビーム砲。密着状態で発砲する零距離攻撃のほか、ビーム砲やビームソードとして運用できるなど用途は幅広い。その威力は戦艦をも一撃で撃沈し得る。
詳細は項目を参照。
MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
両手の甲に篭手の様に装備されているビームシールド。
プラントと交流のあったロゴス系軍需企業「アクタイオン・インダストリー社」からもたらされた新機軸の防御システムで、アクタイオンが技術提携を行っていたユーラシア連邦で開発された「モノフェーズ光波シールド」技術の源流としている。
基本的にはビームの形状を菱形の盾のように展開しているが、展開領域は任意で調整することが可能で、シールドの形状を変えることで機体全体を保護する事のみならず、ビームガンやビームソードなどの攻撃としての使用もできる。展開中でも内側からの攻撃は素通りし、攻撃と防御を同時に行うことが可能である。従来の実体式シールドに比べてビームに対する防御機能は遥かに向上し、同時に総重量の軽減にも一役買っている。
デストロイの大出力ビームを完全に無効化するなど、ビーム兵器に対しては従来の対ビームコーティングシールドを凌駕する防御力を発揮する。一方で、ストライクフリーダムの「MA-M21KF 高エネルギービームライフル」の連結モードには幾度となく破られている。同じく実体弾にも有効だが、ビームシールド共通の弱点として対ビームコーティングされた物体には展開面を透過されてしまう弱点を持つ(ただし、本機は装甲にヴァリアブルフェイズシフト装甲を採用しているため、これにも対応可能)。
ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスに搭載されたものより最新型で、レジェンドの両手甲部に採用された他、デスティニーインパルスやドムトルーパーの両腕にも装備されている。
一部ゲーム作品では、ビームシールドではなく陽電子リフレクターが装備されていることもあった。
対ビームシールド
左腕に装備される対ビームコーティングシールド。インパルスの「MMI-RG59V 機動防盾」と同様、上下に伸縮する事で防御面積を変化させる方式を採用しているが、そもそも小型化しているためあちらほどの変化はみられない。また、理論上は強靭さを利用した投擲攻撃や投擲後撃ったビームを反射させるといった不意打ち的な攻撃も行うことができる。
本機はビームシールドに加え、VPS装甲の常時展開による物理攻撃に対しての高い防御力を備えており、このシールドは専らフェイルセーフ用の装備としての感が強い。実際、劇中での「盾」としての使用頻度は多くなく、第37話で脱走したアスランにビームライフルを破壊された時、また第43話で片腕を破壊された時にそれらの爆発から自機を守った事がある程度である。
本来ならビームシールドだけで十分防御力の高い本機には必要のない武装だが、一説では純粋なシールドではなく機関砲やビームソードを内装した『複合兵装防盾システム』として製作される予定だったらしい。
一部ゲーム作品ではビームシールドで十分と判断され、本装備はなかったことにされている。ファンからも本装備の存在意義を度々疑問視する声が上がっていたりなど散々な扱いである。なお後にビームシールドと実体シールド両方を装備する機体としてライジングフリーダムが登場したが、あちらはシールドその自体が飛び道具になる。
背部ウイングに搭載する、D.S.S.Dが開発した惑星間航行システムの持っていたエネルギーを光に変換する機能を採用した光子ロケットの一種。資料によって推進源にレーザーを用いたレーザー推進とも言われるが、いずれにせよ光圧が持つ作用を利用している点は変わらない。
使用時には美しい光の翼が発生し、本機の機動性を高める。
その出力は凄まじく、双方スラスター全開と言う状態でインフィニットジャスティスとの押し合いになった際は圧倒的にパワーで押し勝ち、インフィニットジャスティスを一度は月面に叩き落とした。
ウイングにはミラージュコロイド発生器も備えており、ミラージュコロイド・ステルスで培われた光線屈曲技術を応用し、空間に散布したミラージュコロイドへ自機の映像を投影し残像として形成する一種の立体映像(ホログラフィ)技術。
同時にミラージュコロイドは電磁場をキャリアする事が可能であるため、この機構が使用されると敵側では目視において特定機体を捕捉する事が困難となり、レーダーは複数の機体が出現したように振る舞い攪乱されてしまう…とされている。質量を持った残像の元ネタであるF91のオマージュといった側面が強い。
活躍
運命の始まり、思わぬ初陣(PHASE-35~37)
PHASE-35、ザフト軍ジブラルタル基地にてレジェンドと同時にロールアウト。プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルによってシン・アスカへと受領される。デュランダルはシンに対し軽く機体の説明をし(インパルスを超える運動性など)、シンは目を輝かせていた。
その夜、アスラン・ザラとメイリン・ホークがグフイグナイテッドに乗って脱走。この動きにいち早く気づいたレイ・ザ・バレルの報告によってデスティニーの調整をしていたシンは急遽発進することとなる。量産機であるグフとは比べ物にならない推力で追いつき、レジェンドに乗るレイは躊躇なく攻撃する中、シンはそれを援護しつつも投降を呼びかける。
2人を討つことに迷いがあったシンはアスランの必死な説得を聞く中でビームライフルを破壊されるが、レイの進言によってデュランダルが撃墜命令を出したため、シンは激しい葛藤の末「裏切った2人が悪い」と自分に言い聞かせ撃墜を覚悟。パルマフィオキーナでスレイヤーウィップを破壊、アロンダイトでシールドと左前腕・右腕を切断した上、最後はコクピット付近にアロンダイトを突き刺して海底に沈めた。
脱走犯とはいえ仲間を討った罪悪感に苛まれ喪失感で震えるが、レイの働きかけもあって何とか帰投する。この戦闘はシンの心に暗い影を落とすこととなった。
ヘブンズベース攻防戦(PHASE-38)
その後はミネルバ艦載機となり、ジブラルタルを出港。
当初は回答待ちのためミネルバ内で待機していたが、返答なしで攻撃を開始したロゴスの所業に激昂したシンは強く発進を要請。デュランダルとタリア・グラディスの承認でレイのレジェンドやルナマリア・ホークのフォースインパルスと共に出撃。
ウィンダムなどの多数のMS軍を撃破し、基地防衛にあたって5機出撃していたデストロイへの対処に回る。機体の機動性と攻撃力を存分に活かしてデストロイ2機を単機で撃墜。最後の1機となった個体もレジェンド・ソードインパルスとの連携攻撃で撃墜した。
オーブ攻防戦(PHASE-40~43・HDリマスターでは42まで)
初手は単機で発進。ムラサメを簡単にあしらい、カガリ・ユラ・アスハの駆るアカツキとも交戦。ビームを弾くヤタノカガミの特性を瞬時に理解して近接戦を選択、カガリを守ろうと近づいてきたムラサメを全滅させ、アカツキのシールドと左前腕を破壊。フラッシュエッジ2で撃墜寸前まで追い込むが、突如宇宙から飛来したストライクフリーダムに撃ち落され失敗。そのままストライクフリーダムとの戦闘に突入。アロンダイトを白刃取りされ、本体にクスィフィアス3を食らった隙に奪われ海に投げ捨てられる失態を演じてしまうも、光の翼を展開しビームライフルで猛攻を加える。しかし当てることは叶わぬまま、レイからの帰投指示を受ける。武装の使い過ぎでエネルギー不足を起こしていたことや近接格闘武装を失っていたこともあって渋々了承、一旦ミネルバへ帰艦し補給と整備を受ける。
整備終了後、レジェンドと共に再出撃しストライクフリーダムとの再戦に入る。連携攻撃もことごとく対応されるが、レジェンドが作った一瞬の隙を見逃さず長射程ビーム砲でロックオン。撃破寸前まで追い込むが、自身が殺したはずのアスランが乗るインフィニットジャスティスの介入により阻止される。アスランの生存にシンは驚愕しつつも接近戦を仕掛けるが、グリフォンビームブレイドでフラッシュエッジ2を使用不能にされた上シュペールラケルタにより持っていたアロンダイトごと片腕を落とされてしまう。直後撤退命令が出されたため帰投している。
ダイダロス攻防戦(PHASE-45・HDリマスターでは44)
ダイダロス基地に建造されていたレクイエム破壊のため出撃、レジェンドと共に陽動を担当。レクイエムのコントロールルームへ向かうブラストインパルスのフォローをしつつ多数のMS・MAを撃墜。基地から出てきた3機のデストロイもレジェンドと連携して撃破し、レクイエム内部に突入し連合艦を数隻撃沈している。
メサイア攻防戦(PHASE-48~FINAL PLUS・HDリマスターでは47~FINAL-PHASE)
メサイア攻防戦前、シンがメサイアにいるデュランダルに呼び出されたため、メサイアへ入港。
メサイア攻防戦にはネオジェネシス発射直後に参加し、レジェンドと共にストライクフリーダム・インフィニットジャスティスとの戦闘に入る。2対2の構図で互角の戦いを繰り広げるが、インフィニットジャスティスがレクイエムに向かった為、レイの指示によりデスティニーはこちらを追う。
やがてインフィニットジャスティスに追いつき、中破させられたルナマリアのインパルスを救い再び戦闘に入る。総推力を以てインフィニットジャスティスを月面に叩きつけ、その後も攻勢を崩さずアロンダイトを振りかざす。しかし、フラッシュエッジ2のグリップを攻撃されて使用不能にされた上アロンダイトを破壊される(どちらも残った部分は使い物にならないのだが、律儀にマウントしていた)。それでもビームライフルで応戦するが、自身の迷いをアスランに突かれたことでシンは更に葛藤。振り切ってパルマフィオキーナで突撃するが、間に入ったルナマリアのインパルスを見て、かつて守れなかったステラ・ルーシェとマユ・アスカを思い出し、更にフリーダムの幻覚を見たことでシンは錯乱、機体を止められない。その様子に激怒したアスランのインフィニットジャスティスによってその攻撃は止められた上、シュペールラケルタとシャイニングエッジで両腕と両翼を潰される。やけくそとばかりに突き出した右脚もグリフォンで切り落とされて月面に墜落、結果としてインフィニットジャスティスに傷一つ負わせることが出来ずに撃墜された。
撃墜された後、追って着陸したインパルスから降りたルナマリアによりシンは救出され、2機は機能を停止(インパルスは機体のバッテリーが切れた)、月面へ横たわったまま終戦を迎えた。その後シンとルナマリアはインフィニットジャスティスにより回収され、デスティニーとインパルスは月面に放棄されたのだった。
その後、放棄された機体はインパルス共々ターミナルが秘密裏に回収、オーブのモルゲンレーテ社に送り届けられた。そして…。
とある裁定者が定めた「運命」の守護者として敗北した赤き翼は、自身を駆る主の生きる「運命」を切り拓くため、希求に応えて再びその翼を開く。
コミックボンボン版(高山瑞穂によるコミカライズ)や『THE EDGE』では、最終決戦でインフィニットジャスティスのミーティアを高機動を活かしてパージにまで追い込んで機体の片腕を斬り落として追い詰めるといった展開にされており、高い評価を得ている。
原作と同様、最後は両腕と右脚を破壊されたが、
- 原作では→ 両腕をビームサーベル(リマスター版ではさらに、シールドに固定した状態のビームブーメラン)で、右脚を脚部ビームブレイドで斬られた
のに対し、
- コミックボンボン版では→ インフィニットジャスティスが切り離したファトゥム-01に気を取られているスキを突かれ、左腕を脚部ビームブレイドで、右腕と右脚を、急降下してきたファトゥム-01の機首ビームブレイドで斬られた
等の違いが見られた。
バリエーション
『SEED』シリーズ
大破したオリジナルのZGMF-X42S デスティニーを修復の上、近代化改修を施した機体。
主にエネルギー系統がアップデートされているが、本機とほぼ違いはない。
ZGMF-X42S-REVOLUTION デスティニー ハイネ・ヴェステンフルス専用機
デスティニーを主力にした特殊部隊「コンクルーダーズ」専用機の一つとしてハイネ・ヴェステンフルス専用に調整を施された同型機。ハイネの戦死により部隊編成自体が幻に終わっており、機体の去就も不明となっている(同部隊の実機製造数も定かではない。ハイネ機はザフトの兵器保管庫に存在するとされている)。VPS装甲色や光の翼の色がオレンジを基調としたものに変わっているのが最大の特徴。
元ネタはガンプラ30周年を記念して発売されたT.M.Revolutionとのコラボレーションアルバム「X42S-REVOLUTION初回生産限定盤 Type A」付属のプラモデル。
この機体の登場により、「デスティニーの扱いが更に悪くなった」と評する人もいる様だが、シリーズを通して「主題歌・キャラクターと作品に大きく関わってくれている西川氏の為に彼が演じたキャラクター専用のデスティニーガンダムを造った」とも言えるので、そう見れば逆に扱いが良いと言えるかもしれない。
そう見れば、フリーダム系統では無くデスティニーが採用された=しっかり『DESTINY』の主人公機として扱われているとポジティブに捉えられる事も出来るだろう。
そして『DESTINY』の放送から20年後に公開された劇場版で、メンタルが万全なシンの駆るデスティニーSpecⅡが圧倒的な活躍を見せた事で視聴者からコンクルーダーズの設定も顧みられた結果、「最終的にデュランダルはデスティニーとそれを使い熟せるパイロットが揃った部隊を用意しようとしていた」とんでもない事実が判明してしまい、コンクルーダーズの評価も覆った。シン専用機で無くなった事で格が落ちたのでは無く、むしろこれ程の機体がワンオフ機じゃない事こそがデスティニーの真の恐ろしさだったと言えるだろう(但し、恐らくパイロット毎に専用の調整となるので実質の専用機かもしれないが)。
改造ガンプラ
デスティニーガンダム炎
『ガンダムビルドファイターズ炎』に登場。使用者はコウエン・ユウセイ。
デスティニーをベースに彼が新たに制作したガンプラ。
彼の使用機体であったハイパーZガンダム炎が射撃戦と機動力を重視した改造だったのに対して、一対一の決闘及び格闘戦を重視した。
彼の機体共通の「炎カラー」とカレトヴルッフ(カレトヴルッフ炎)の装備は本機でも継続され、カレトヴルッフ炎はアロンダイトと長射程ビーム砲に組み込まれた。
ウイングガンダムゼロ炎までのメイン使用機体では一個前の三番目のポジションだが、ゼロ炎は雑誌連載時の最終回で登場したので一応は後半主人公機ポジションにあたる。
メタ的には本作時点ではHGCE未発売なこともあり可動のためビルドストライクも使用されている。
『ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ』に登場。無人実験機。
Ζガンダムをベースにデスティニーの要素を組み込んだガンプラで、ウイングバインダーやフロントスカートに要素が見られる。
『ガンダムビルドダイバーズ』に登場。使用者は主人公のリク。
ガンダムダブルオーダイバーエースの改修ガンプラで、元々のベースであるダブルオーガンダムにデスティニーの要素をふんだんに取り入れたガンプラである。
主に光の翼、バスターソード、ロングライフルなど、デスティニーの影響が多く見受けられる。
続編の『Re:RISE』に登場した改修機ガンダムダブルオースカイメビウスでは、バスターソードやロングライフルがオミットされている関係上、デスティニー要素は若干減ったが、新装備のアームドウイングバインダーにバスターソードとロングライフルの機能が集約されており、ソードモードには「メビウスアロンダイト」の名が冠されている。
『ガンダムビルドダイバーリゼ』に登場。使用者はガリュウ。
前述のダブルオースカイに憧れを持って製作されたガンプラで、あちらとは逆にデスティニーをベースにダブルオーの要素を取り込んでいく対のような存在となっている。
『ガンダムブレイカーモバイル』に登場。使用者はミヤマ・サナ→フドウ・リュウセイ。
デスティニーとガンダムXのミキシングガンプラで、サテライトキャノンなどを装備している。
改修機のガンダムアレウスではデスティニーのウイングユニットも装備されており、アルテミス系列では最もデスティニー要素が強い。
『ガンダムブレイカーバトローグ』に登場した更なる改修機ガンダムヘリオスではデスティニー要素は減ったが、頭部やライフル・パルマフィオキーナ等、このガンプラを象徴する要素の1つであることに変わりはない。
SDガンダム作品
元々の悪人面や本編での立ち位置からか物語の中ではライバル格、悪役および黒幕寄りの立場と完全な主人公側でない傾向にある(一応、主人公側のモチーフとして使用された可能性はある)。
『BB戦士三国伝 LEGEND BB』の登場キャラクター。
三国伝の概念としての演者はデスティニーガンダム。
光の欠片に眠る炎凰の神器の力で手にした曹操の新しい姿。カラーリングは曹操ガンダムの赤と金を引き継いでいる。
デスティニーの特徴的な顔は正体を隠すためと思われるマスクと解釈されている。
単身で四凶と戦おうとしていたが、劉備ガンダム(ストライク劉備ガンダム)の力は度重なる戦いの末に認めており共闘する。
邪竜騎士デスティニー
『新約SDガンダム外伝 救世騎士伝承』のEXの登場キャラクター。表記ブレではなく名前にガンダムはつかない様子。
嫉妬による心の隙を突かれ闇堕ちしたインパルス兄弟の末弟、騎士ブラストインパルスガンダムの今の姿。
彼のせいでデスティニーの名が悪に落ち、騎士インパルスは後にデスティニーではなく運命騎士(デスティニーナイト)を名乗ることになる。
このように名前が使われたのは敵での採用だが、主人公の運命騎士インパルスガンダムは顔に赤い縦線があり、サンダーストームプラズマドラグーンは顔が完全にデスティニーのもので翼や掌もデスティニーに近い要素など彼らのモチーフとしては使われていると思われる(モチーフの明言はされていない)。
SDガンダムワールド『三国創傑伝』及び、続編『ヒーローズ』の登場キャラクター。必殺技使用時にはデスティニーの如く、巨大な籠手「淵獄魔掌」を装備、背中の禍々しい翼を開き、殲獄破動という必殺技を放つ。
なお、前作での司馬懿担当は議長と同じ声の人が乗っていたサザビーだったりする(「だったらレジェンドの方が良いだろ」は禁句である)。
千利休ガンダムやマーリンガンダムといった姿が似たキャラも登場しておりこちらも一応はモチーフと言えるか。
外部作品への出演
ガンダムビルドファイターズトライ
イズナ・シモンが駆るガンプラとしてSEED HG版が登場。
外見はオリジナルのデスティニーと変わらないが、これは弟のイズナ・マモルが病院のベッドで説明書通りに作ったのみでカスタマイズが施されていない素組みの状態であった為。
ガンプラのクオリティによってパラメータが左右されるガンプラバトルでシモンはこのデスティニーを操縦し準々決勝まで勝ち上がる。
第7話ではカミキ・セカイの駆るビルドバーニングガンダムと熾烈な格闘戦を繰り広げる。セカイの拳法によって手持ち武装は全て失ったものの、シモンが元々ボクシングを得意としていたこともありパルマフィオキーナを駆使してビルドバーニングを窮地に追い込むが、最終的には閃光魔術蹴りで敗れた。なお、劇中で初めてビルドバーニングにダメージを与えたガンプラでもある。
前期OPにも登場し、DVDのパッケージにもシモンと一緒に大きく描かれている。
少々余談だが、マモルはその後最終回で行われたメイジン杯でデスティニーインパルスを製作しており、何かしら思い入れがある模様である。
ガンダムビルドダイバーズバトローグ
カザミが搭乗。作中イベントのルールによりランダム選出されたとのこと。
彼が師匠と仰ぐキャプテン・ジオンの乗るゴッドガンダムと対決し、ゴッドフィンガーに対しパルマフィオキーナで真正面から挑み、ダメージ過多により双方リタイアとなった。
ゲーム作品では
スーパーロボット大戦シリーズ
本シリーズではカタログスペック通りの強力な機体として登場する。
VPS装甲はビーム兵器以外の攻撃によるダメージを軽減する特殊能力として、ヴォワチュール・リュミエールは気力が一定値以上になることで発動する特殊能力「分身」(『UX』では高速回避)として再現。
上記の通り万能機なのだが、武装の関係かパイロットの性格かは不明だが、最強武装は格闘属性となっていることが多い。
パイロットであるシンの気力が上がりやすい上、「分身」と「EN回復』により敵陣で暴れ回るのが非常に得意な切り込み隊長と言える機体である。
合体攻撃もあるのでボス戦でも頼れる。
『スーパーロボット大戦UX』においては他作品との設定面・ストーリーの展開上における様々なクロスオーバーの結果、「ファフナー・マークデスティニー」とファンから呼称されている。
また、ガンダムシリーズはともかく、他のロボット作品との共演作品ではデスティニーの方がメインに扱われる事が多く、OP・ED・イベントムービー等がある作品では、『DESTINY』の機体が登場する時には全作品でデスティニーが登場しており、意外にもストライクフリーダムのムービーへの登場回数は1回のみである(スパロボとは別ジャンルのクロスオーバーゲームである『ACE:R』でもOPに登場している)。
スパロボのOPムービーへの登場時はムービーに登場するガンダムは限られている事が多いので、ガンダムシリーズの代表の一角として登場する事が多い。
連合vs.ZAFTⅡ
最高コスト中最も人を選ぶ機体。赤ロック距離が短く、ライフル弾数は5発。またブースト持続も悪い。おまけにコスト調整が難しい(この機体に限った話ではないが)のでガチ戦では敬遠されがちである。
ただしBD速度と抜刀前格、CSは折り紙付きの優秀さで、タイマンは強い。
ガンダムVSガンダムシリーズ
PSP版における最後の隠し機体として最上位コスト(3000)で参戦。
残像ダッシュが追加された。レバーを左右に入力することで誘導を切りながらブーストを使わずに移動でき、その時に横格闘を入力すると専用の格闘が出る。また、格闘CSで高エネルギー長射程ビーム砲から曲げうち可能なゲロビ照射可能になり射撃戦での対応力が上がった。
デスティニーガンダムはSEED勢最強の性能を持ち、火力は全機体中トップクラス。
引き続きコスト3000の機体として参戦。
高エネルギー長射程ビームは単発ダウン・曲げ撃ちゲロビと使い分け可能。フラッシュエッジ2は射程が短いが引っ掛けやすいサブ射撃のブーメランとして、パルマフィオキーナは特殊格闘で放つ掴み技として再現。
特殊射撃の光の翼は残像ダッシュを展開しながらの特殊移動武装、弾数制(しかも1)なので連発できないがレバー入力で移動方向を選べ、追加入力ごとに誘導切りが発生、しかもブースト消費無しと優秀な移動武装。
高い機動力から繰り出される攻めは非常に強力で、万能機らしい腰を据えた読み合いとその中での一瞬の虚を突いてからの残像ダッシュとブーメランで相手を捕え、そこからの格闘差し込みがこの機体の真骨頂である。
特に残像ダッシュは最上位コストならではの武装。その高機動性も合わさって低コストキラーと恐れられている。
使用上の留意点は切り込み性能が高すぎる点。
分断能力に長けるということは、逆に言えば相方をフリーにして負担を掛けるということでもある。元々使い勝手の良い遠距離用武装が少ないのでどうしても咄嗟のサポートが苦手。
また、デスティニーはあくまで格闘寄りの万能機。乱戦上等な彼らと違い、戦場を荒らされると戦い難くなる。
その力に増長し相方を蔑ろにせず、連携した戦いを心がけたい。
『FORCE』にて西川氏がOP曲を担当した事で、エクストラ機体としてコスト2500の万能機としてグフイグナイテッドと共にマキブに参戦。通称「ハイネデスティニー」。キャンペーンの報酬として登場したが、『FORCE』の初回封入特典のプロダクトコードを入力することで先行利用も可能。しかもボイスは新録との事。
コストの低下により、ビームブーメラン弱体化・残像ダッシュはレバー連続入力不可の敵に向かって突進するだけのものと、前線維持には心持たない性能。しかし対艦刀投げが可能・弾数が2発ゆえに連続使用可能な残像ダッシュなどシン機とは異なる独自の持ち味も有る為、有効に使って仕事をしていきたい他、格闘のモーションが、かなりスタイリッシュ。
立体物
ガンプラ
多くのブランドで発売されているが、劇中の扱いもありライバル機のストフリよりも発売が後回しにされる事が多い(逆に、従来の主人公機と同じ様にデスティニーが先になる事もある)が、それは逆にストフリから間が開けばそれだけ技術面での蓄積期間を設けての発売でもあるので後発のデスティニーの方が可動面や造形面で評価されていることが多い。
また、SEED HG、BB戦士、HGCE、MG(エクストリームブラストモード)では光の翼などのエフェクトパーツがデフォルトで付属しているのでプレイバリューも高い。
1/144 コレクションシリーズ
最初に発売されたデスティニーのガンプラで2005年5月発売。
これまでのコレクションシリーズのキット達と異なり色分けや可動が増えており、プロポーションも良く同シリーズの中では間違いなく良作に分類される。
ただし、その分定価が上がってしまったのと技術的にHGとの間隔が狭まり低価格以外にコレクションシリーズである必要性が薄くなったこともあり次作のストフリを以てシリーズは終了となる。
1/100
2005年7月発売。
シリーズ後期に発売されただけありプロポーションは設定画と劇中作画の中間といった所だが、武器の保持に若干難があった。
1/144 SEED HG
アニメ版放送終了後の2005年11月に発売。
後半メイン四機の中では最後発となったが、その分プロポーションと可動は当時としてはシリーズ中でもかなり良く、光の翼のエフェクトパーツや簡易型のアクションベースが付属しているのにもかかわらず2000円以下という非常にプレイバリューの高いキットで傑作として長年語り継がれていた。
カラーバリエーションとしてハイネ機がT.M.RevolutionのアルバムCD『X42S-REVOLUTION』の初回特典として封入された。
こちらは本体の成形色以外にエフェクトパーツもオレンジになっている。
BB戦士
2006年5月発売。
可動範囲が広く装備が一通り付属。光の翼のエフェクトパーツ、掌部ビーム砲交換用パーツ、スタンドが付属しHGに匹敵するプレイバリューを誇った。
マスターグレード
2007年10月発売。
ストフリに一年近く遅れをとったものの無事に発売された。
エフェクトの無い通常版以外に、光の翼やパルマフィオキーナのエフェクトパーツが付属したエクストリームブラスト版も同時に発売された。こちらは関節部分にクロームメッキ塗装が施されている。
2024年7月にはハイネ機がガンダムベース限定で発売された。
リアルグレード
2013年4月発売。
SEED DESTINY登場MSでは最初にリリースされた。
1/144スケールにMG並の技術を詰め込んだハイクオリティキット。今回の光の翼パーツはプレミアムバンダイでの受注となる(現在は予約終了)。
SDEXスタンダード
2017年3月発売。
BB戦士以来となるSD体型のプラモデル。
こちらはエフェクトのオミットや低価格に抑える為の簡略化された部分も目立つが可動とプロポーションは良く、塗装で化けるキットとなっている。
なお、本キットの説明書には、コミックボンボン版SEED DESTINYのシンの台詞が書かれている。
以前からゲーム作品でボンボン版の台詞が採用される事はあったが、アニメのコミカライズ作品がメイン商品であるガンプラにまで影響を与えた例は雑誌等の宣伝を除けばガンプラでは珍しいケースである。
HGCE
2019年5月発売。
発売開始年はSEED DESTINY本放送15周年というメモリアルイヤーでもあった。
HGUCと同ラインで待望のリメイクがなされ、SEED HGを凌駕する可動と洗練されたプロポーションが特徴。
デスティニー発売前の同シリーズではターンエーガンダムやV2ガンダムそしてストフリとエフェクトパーツがプレバン送りになる事が殆どということもあり、「デスティニーの光の翼もプレバンではないか?」と懸念されていたがちゃんとキットの中に光の翼のエフェクトパーツが付属しているほか、パルマフィオキーナのエフェクトパーツも付属している。
但し旧HGと違いエフェクトパーツが硬式になっていたり、ビームサーベルのエフェクトが付属しないなどの変更点がある(ビームサーベル状態は本編での使用回数が少ない為の措置かと思われる)。
同年7月では、数量限定商品としてハイネ機がリリース。さらに2024年にはSpecⅡがカラー変更で登場した。この他、一部ランナーがHGGBBガンダムヘリオスに流用されている。
傑作SEED HGから待望のリメイクだった事もあり、どちらも発売後しばらく入手困難が続いていた(特にハイネ機は数量限定品の為争奪戦が繰り広げられていた模様。だが、ハイネ機もクリアカラー版はガンダムベースで定期的に再販されている)。
通常版に関してはその後の再販回数増加に伴い品薄は解消されていた……のだが、少しカラーリングが変化した以外形状に大きな変更点の無いSpecⅡが劇場版で怒涛の大活躍を見せた事により再び全国各地で売り切れ報告が相次いでいる(劇中で見せた活躍から複数買いするユーザーも多かった事も要因と言える)。
アクションフィギュア
モビルスーツ イン アクション
2005年6月発売。
PVC製フィギュアで後述のROBOT魂の先代にあたる。
値段は当時のSEED HGとほぼ同じでエフェクト類はビームサーベル関係しか無いものの、手頃な価格で遊べる完成品アクションフィギュアとして重宝された。
ROBOT魂
2011年1月発売。
劇中を意識したプロポーションと各種エフェクトパーツが付属しプレイバリューは高いのだが、
関節可動範囲が総じて広いとはいえず、むしろ平均的なものを下回る。
肩関節は90度までしか上がらず、肘関節はなんと1軸関節。上がったとしても100度となっている。
特に股関節部は酷く、フロントアーマーが45度までしか上がらない上、サイドアーマーにも干渉し横にも逃がせないため、開脚や前方への可動がかなり制限される。なんならフロントアーマーよりリアアーマーの方が可動する始末。
このように造形やプロポーションには優れているものの、可動域の問題でかなり不評を受けており、買う際には留意が必要である。
METAL BUILD
2013年12月発売。
METAL BUILD特有のアレンジが、デスティニーではかなり施されている。
しかし、ロボット魂には付属した光の翼エフェクトが別売となっている。
非常に人気が高く、バリエーションが豊富であり、デスティニー定番のハイネ専用機カラーや光の翼エフェクトを同梱しマーキングを変更したフルパッケージver、全体的に暗かったノーマル版に比べて鮮やかになり艶消しになったSOUL REDver、「METAL BUILD FESTIVAL 2024」の開催を記念してグロスカラーやパール塗装を多用した(フルパッケージ) [METAL BUILD FESTIVAL 2024]verなどが存在する。
METALROBOT魂
2019年5月発売。
こちらはロボット魂版からサイズアップしダイキャストを使用したことで質感が上がっているが、ロボット魂版に付属した光の翼は今回も別売となっている。
しかしながら、ロボット魂版では各種1個ずつしか付属しなかった、ビームブーメランとビームサーベルエフェクトが2個ずつ付属する上、パルマフィオキーナのエフェクトも両手分付属する。
また、別売の光の翼には若干ながらのパースもかかっているアロンダイトと長射程高エネルギービーム砲のサイズアップ版が付属し、より迫力のあるディスプレイが可能となっている。
余談
- 主人公機が一方的に撃墜されて終了した作品は、過去のガンダムシリーズでは『機動戦士ガンダム』(小説版。富野監督直々の執筆)や『閃光のハサウェイ』、及び『鉄血のオルフェンズ』といった経緯の特殊な作品以外には存在せず、そのあまりの王道外れぶりにファンからは「ありえないストーリー」と捉えられてしまった。
- 尤も、「錯乱状態に陥り、あわや誤ってルナマリアを撃墜するところだった」のをアスランが止めた形になるので「最悪の悲劇を回避した結末」と受け止めるべきである。
- CIWSを除く武装は全て手持ち式(一部は腕部内蔵型)の為、両腕が破壊されると使用不能になる武装が非常に多い点が弱点となる。但し、元よりMSとはソレが当たり前で、同時期にロールアウトされた他のワンオフMSが内蔵火器に強力な武装を搭載している影響でそう見えるだけ(もっと言えば、両腕が破壊された状態で戦えたとしても「その状態で勝てるかどうかは別問題」で、実際にプロヴィデンスは遠距離の強力な装備を使える状況でも片腕が使えたフリーダムに腕が必要なビームサーベルで撃墜されている)であり、MSの点においては万能型と言うべき機体である(と言うか、歴代の主役ガンダムでもその指摘の例には漏れないのに、デスティニーだけ言われるのは普通に理不尽ではある)。
- 一方で、武装が大振りすぎる点は否定出来ず、対MA戦(特にデストロイ)では無類の強さを発揮するが、同等の性能を持つストライクフリーダムら相手ではより小回りの利く相手側に分があったと言わざるを得ないだろう。
- しかしデスティニーSpecⅡではその大振りの武装をもって性能面で上回るモビルスーツ4機を同時に相手をしつつ無傷で全機撃墜する(内一機はデスティニーが翻弄している隙に仲間が撃墜)成果を挙げており、今まで指摘されていた問題点は機体及びパイロットが万全であれば特に問題にはならない、というかそもそもコイツの腕を持っていける奴が片手で数えられる程度しかいない事が判明しており、同時に分が悪かったのは機体の相性よりもシンの精神面の問題が大きかった事も証明された。
- また、先代機のインパルスのV字アンテナが4本なのに対し、デスティニーは何故か2本に減っており、後継のガンダム乗り換えにあたって先代機よりV字アンテナの本数が減る点でも異端である。2本→2本や2本→4本、4本→4本の例はかなりあるが、インパルス(4本)→デスティニー(2本)の例はかなり稀。
- 似た例を挙げるならガンダムサンドロック改→ガンダムサンドロックカスタムがあるが、これは設定上は「同一機のパラレル」の設定であるため厳密には後継機ではない。
- V字アンテナに縛られないなら陸戦型ガンダム→ガンダムEz8(2本→1本)がある。
- ここ最近になってやっとアンテナが2本に減る仲間のガンダム・キャリバーンが現れたが、こちらは前半主人公機のガンダム・エアリアルより設計が古い機体であるため、減ったと言っていいのかは疑問が残る。
- T.M.RevolutionのCDとセットのハイネ仕様デスティニー登場後、西川貴教氏の戦友とも言うべきLUNA SEAもパーソナルカラーの黒色に染まったザクⅡのガンプラ付きCDを発売している。これにより【西のLuis-Mary(西川)】と【東のLUNA SEA】のどちらもパーソナルカラーのガンプラが発売されたこととなった。
- デスティニーのギミックは「大河原氏が今まで担当したガンダムの集大成」とも言われており、素体のままでは通常の人型であり、意外にもギミック要素は少ないが、演出面の影響が(良くも悪くも)出ており、サンライズ製作のスーパーロボットアニメのイメージが色濃く反映された結果である。なお「全機体のギミックを詰め込んだ機体」というコンセプト自体は、フリーダムの初期案でもあった。
- デスティニーのカメラアイ周辺が赤く縁取られているのは、シンの血涙を表現したもの。
- 第42話(リマスター版では第41話)で起こったエネルギー切れの描写は理論上有り得ないものだが、後に「戦闘におけるエネルギー消費量が激しすぎて、エネルギーを無制限に供給できるハイパーデュートリオンでも追い付けなくなったから」という設定が追加され、核だからと言ってドカドカ撃ちまくれるわけではない事が判明した(ゲームで言えばMP自動回復だからと言って大技を連発していれば息切れするようなもの)。
- 動力系統が改修され出力が向上したデスティニーSpecⅡも最大可動の直後はエネルギーの残量が半分を切っており、劇場版でこの設定が裏付けられる形となった。
- 福田監督が提示したデザインコンセプトが「全部載せ混ぜラーメンで如何にも強そうな奴」。
- デスティニーの光の翼は当然当時はキャラクターへのバッシングも苛烈だったことから「パクリ」だという批判も多かった。しかし実は、光の翼の原典であるV2ガンダムの初出である機動戦士Vガンダム29話「新しいスーツV2」の絵コンテを担当していたのは何を隠そう福田監督本人であり、しっかり原典に深く関わっている人物である。同監督は「過去に自分が制作に関わっているキャラクターのパロディ・オマージュ」は頻りにやっているため、少なくとも光の翼の引用に関しては平常運転だったりする(更に言うならあっちは本来出てはならない欠陥であり、コッチは撒き散らす為に意図的に出している仕様である)。
- ちなみに「光の翼」という単語はあっちでは作中で度々キャラクターの口から発せられているが、こっちは作中で誰も一言も発していない。
- デスティニーの光の翼は当然当時はキャラクターへのバッシングも苛烈だったことから「パクリ」だという批判も多かった。しかし実は、光の翼の原典であるV2ガンダムの初出である機動戦士Vガンダム29話「新しいスーツV2」の絵コンテを担当していたのは何を隠そう福田監督本人であり、しっかり原典に深く関わっている人物である。同監督は「過去に自分が制作に関わっているキャラクターのパロディ・オマージュ」は頻りにやっているため、少なくとも光の翼の引用に関しては平常運転だったりする(更に言うならあっちは本来出てはならない欠陥であり、コッチは撒き散らす為に意図的に出している仕様である)。
- 主人公機とは思えない扱いを本編ではされていたが、だからと言って完全に扱いが悪いかと言われるとそうでも無く、
- 上記の通りスパロボシリーズでは敵キャラとしての登場はストライクフリーダムよりも多いが、『DESTINY』の機体が登場する作品にて、他のロボットと戦うOPムービーが全作品で用意されている
- 『ガンダムビルドシリーズ』ではそのままの機体が登場及び活躍、オリジナルガンプラのモチーフに高確率で採用。
- 2023年のHDリマスターとスペシャルエディションのBru-rayボックスと特典のスリーブ・収納ボックスや『バトルスピリッツ』のコラボ時にガンダムシリーズの集合イラストが製作された時にはデスティニーが代表として扱われている(後者はカード収録もデスティニーの方が圧倒的に早く、ストライクフリーダムと同じレアリティで収録された際にもデスティニーの方がカードナンバリングが先になっている)。
- ガンダムシリーズのアニバーサリームービーでは、『DESTINY』の主人公機としてデスティニーが登場し、コア・ファイターをパルマフィオキーナで送り届ける。
- 『コンパチヒーローシリーズ』ではストライクフリーダムよりも参戦回数が多い(デスティニーは2作、ストライクフリーダムは1作)。
- 作品によってはデスティニーのみ参戦し、ストライクフリーダムの参戦は無し(無論、逆のパターンもあるがそれでもデスティニーの方が参戦率が高い)。
- 等、ガンダムシリーズ内でも完全に蚊帳の外にはなっておらず、特に他のロボット作品等が絡むとデスティニーの方が扱いが良かったりする。
関連動画
関連イラスト
関連タグ
登場作品
所属(組織・分類)
ザフト ザフト製MS・戦艦 ZGMFシリーズ サードステージシリーズ(セカンドステージシリーズ)
関連機体
前駆・後継
兄弟機(サードステージシリーズ)
母艦
その他関連機種
- ZGMF-X10A フリーダム:『SEED』に登場した似たような機体。
- GAT-X105+AQM/E-YM-1 パーフェクトストライク:『SEED』に登場した似たような機体。元を辿ればデスティニーはこれを参考にしていると言えなくもない。
その他
光の翼 質量を持った残像 シャイニングフィンガー ゴッドフィンガー サンライズの本気 全部乗せ
マークデスティニー:合体事故。