[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]
GENERATION
UNRESTRICTED
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DRIVE
ASSAULT
MODULE
(WEAPONRY)
概要
第一次連合・プラント大戦終結後、両陣営間で締結されたユニウス条約に沿って、ニューミレニアムシリーズと同時期にザフトが考案した新型モビルスーツ群。プロジェクトに沿って、5機のMSが作られた。
条約によりニュートロンジャマーキャンセラー使用が禁止された事で機体に核エンジンを積む事が不可能となってしまったため、セカンドステージシリーズでは全てバッテリー駆動方式へ差し戻された。ただし、前大戦時に開発された核駆動機体群「ZGMF-Xシリーズ」からはじまる一連の高性能機体のノウハウは既に蓄積されていたため、それらを反映したうえで次世代技術も取り入れた新型機として完成している。
さらに、上記のインパルス運用と兼ね合わせるためにセカンドステージ専用の母艦ミネルバが用意されている。
なお、本シリーズ登場によりZGMF-Xシリーズの呼称に「ファーストステージシリーズ」が追加されている(元と比べてドレッドノートが追加されている差異は存在するが)。
該当機種
- ZGMF-X23S セイバー(救世主)
- ZGMF-X24S カオス(混沌)
- ZGMF-X31S アビス(深淵)
- ZGMF-X56S インパルス(衝撃)
- ZGMF-X88S ガイア(地母神)
試作型
この2機はサードステージシリーズ相当の次世代MS群だが、条約違反のニュートロンジャマーキャンセラーを使用しているため、この事実を隠匿するため対外的にはセカンドステージシリーズに区分されている。
共通点
一部の機体を除き、セカンドステージシリーズは大まかに
●新型OS、ヴァリアブルフェイズシフト装甲、デュートリオンビーム送電システム、パワーエクステンダーを搭載
●ZGMF-Xシリーズの技術フィードバックがなされたガンダムタイプ
●何らかの可変・合体機構によって汎用性と局地戦能力を並立
といった共通項を有している。このうちヴァリアブルフェイズシフト装甲とパワーエクステンダーはオーブ連合首長国から流入した技術を拠り所にしており、デュートリオンビーム送電システムと合わせて、何れもMSのパワーリソースを確保するために導入されたものである。
また、フリーダムを筆頭とするZGMF-Xシリーズの流れを汲む機体群であるため、基本性能はそれらを引き継ぐ。頭部が走査性能に優れたデュアルアイ=ガンダムタイプであるのもその証左と言えるだろう。バッテリータイプへの差し戻しによってZGMF-Xシリーズで培われた多くの最新技術はバッテリー対応型に仕様変更がなされる事となるが、バッテリーそのものの技術進歩や複数のパワーリソース確保技術や、C.E.73年に開発された省エネルギー、新型変換機技術によってその多くは一定の性能を確保しつつも実装する事が可能だった。ただ基本性能はZGMF-Xシリーズの流れを汲んでいると言われるが、劇中の説明や資料などから単純なパワー、スピード等(機体にも選るだろうが)はZGMF-Xシリーズの方が優れている模様。また全体的出力と継続戦闘能力は最終的にあちらが勝る。総合性能ではZGMF-Xシリーズに劣るが、各分野においては後述のコンセプトによりセカンドステージの方に軍配が上がる。
また、ユニウス条約の影響下においてMS保有数が制限された都合上、単機あたりでの性能強化と単独で複数の戦局に対応する汎用性が求められたことから、かつてザフトが鹵獲運用したGAT-X303 イージスを参考に、多くの機体では可変ないし合体機構が導入された。
当初は可変型のセイバーと合体・換装型のインパルスが並行して開発されており、インパルスの空間戦・水中戦・地上戦に対応する能力をさらに補完する機体として、共通のコアスプレンダーシステムを内蔵した機体やシルエットの計画も立てられていた。
もっとも、コアと局地戦の兼ね合いが難しかったことから、それらはカオス・アビス・ガイアと個別の可変機として開発を変更、インパルスでは不可能な局地戦に対応する単独の機体として完成を見ている。
型式番号について
型式番号は機体用途ごとに二桁の数字を割り振り、コンセプトナンバーと開発番号を識別している(たとえば、56のインパルスなら5系列の6号機となる)
●2系列→航空機型(セイバー、カオス)
●3系列→水中戦型(アビス)
●4系列→不明(デスティニー)
●5系列→装備換装型(インパルス)
●6系列→不明(レジェンド)
●8系列→陸戦型(ガイア)
なお、型式番号の「ZGMF」はザフト無重力戦闘機(全領域機種)の機体系統「Zero - Gravity Maneuver Fighter」の略である。
その機体系統が示す通り、用途や主戦場を地上戦に特化しつつも、ディンやグーンなどの従来の機体では困難だった無重力下での高機動戦闘もこなせる性能を保有する。
※コズミック・イラにおけるガンダムタイプのご多分に漏れず、セカンドステージも頭部には機体識別用のレリーフが施されている(イタリア語での開発番号)。尚、このうちデスティニーとレジェンドは本来サードステージとして開発された機体を隠匿のためにセカンドステージとして割り当てており、コンセプトナンバーも欠番だったものを再利用した形となる。
コクピット
インパルスを除くセカンドステージシリーズの4機には共通した卵形のコクピットに統一されており、ニューミレニアムシリーズと同様のリニアシートかそれに類似したタイプが採用されているため、常に水平状態で入れるようになっている(初期GAT-Xシリーズの時点でこの構造は確立されている)。
インパルスのみコアスプレンダーのコクピットも兼用しているため、他の四機より手狭である。
但し、全ての機体が可変機構という共通のシステムを有しているため、操作系統や機器はある程度の共通化が図られており、細部の調整のみで機体ごとのセッティングが可能。よってMS及びMAやコアスプレンダー何れかの形態でも操作系統に変化は見られず、スムーズに可変できる。
ハッチは二重に重ねられており、上下に開閉される構造も共通となっている。
新技術
ヴァリアブルフェイズシフト装甲
新たに採用されたフェイズシフト装甲の発展改良型。ストライクルージュに搭載されているフェイズシフト装甲およびパワーエクステンダーが雛形とされる。
実弾を無効化する機能はそのままに、新たに装甲ごとの電圧調整が可能となっている。このため、装備や状況ごとに装甲に振る電力を最適化することでバッテリー消費を抑えることができ、装備ごとの電力変換効率向上と合わせて高い継戦能力を獲得するに至った。装甲への電力を抑えれば耐弾性はそれだけ落ちるが、その分を装備に回すことができるため、戦術の幅も大きく広がっている。
詳細は個別記事を参照。
デュートリオンビーム送電システム
セカンドステージシリーズに採用されたエネルギー供給システム。ザフトのソーラーセイル研究(より厳密にはジェネシス用レーザー推進技術)の研究をスピンオフして生まれたとされる。
一連のプロセスでニュートロンジャマーの影響は受けないらしい。ただし機体と母艦が相対したり充電完了に数十秒かかるのでその際に隙は発生してしまう。
詳細は個別記事を参照。
作中の活躍
C.E.73年10月2日、プラント・アーモリーワンに一般人を装って現れた地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」のスティング・オークレー、ステラ・ルーシェ、アウル・ニーダによるテロにより、開発された5機のうちカオス・ガイア・アビスの3機を奪われる。なお、インパルスは既にロールアウトしてミネルバに艦載済、セイバーは未だ開発中でアプリリウスにあったため奪取を免れている。ただし、解体予定だったプロトセイバーは別の部隊に盗まれている。
その後カオス・ガイア・アビスはファントムペインで、インパルスとセイバーは予定通りミネルバ隊で運用されることとなる。相対すれば同等の機体性能だったり環境卯的な要因で双方戦果を挙げられない中、さらに追い討ちをかけたのがキラ・ヤマトの駆るフリーダムの武力介入である。機体そのものは型落ちのZGMF-Xシリーズとはいえ、キラの高度な戦闘技術と核エンジンによるその性能は脅威であり、セカンドステージシリーズは苦戦を強いられる事となった。結果的にダーダネルス海峡ではインパルス・アビス・ガイアが一撃で一蹴された他、クレタ沖でもカオスが一撃で戦闘不能にされている。その上、セイバーを駆るアスラン・ザラとキラは元々親友関係であり、様々な不和によってアスランに迷いが生じた結果、セイバーは修復不能に陥るほどまでに破壊される末路を辿った。
後にエンジェルダウン作戦においてインパルスによりフリーダムは撃墜されるものの、キラの反応速度にフリーダムは僅かとはいえ追いつけていなかった上、ザフト全軍でアークエンジェルを人質に取ったも同然の状況に加え、それらの大軍とアークエンジェルの護衛に気を取られながら1人で戦うキラの心理的・戦術的な弱点に付け込んだ作戦(おまけに連戦から来る疲労もある)のお陰と言う側面が大きく、また初戦ではすれ違いざまの一太刀で腕を落とされ敗北、決戦でも早々に一太刀で腕と首を落とされ、1対1ならばそこで敗北が決定していたと言う有様であった(ミネルバからの援護により即座に戦線復帰した様にあらかじめシン・アスカがインパルスの換装等を視野に入れて戦っていた)。
また、それ以前にガイアはインパルスとセイバーの連携により奪還には成功しているものの、軍内のクライン派を通じて歌姫の騎士団の元に渡り、ファクトリーにおいてアンドリュー・バルトフェルド専用機に改造された。もっとも、その後は大量のニューミレニアムシリーズを単機で相手取り奮戦するなど、かなりの活躍を見せてもいるのだが。
この5機のうち、セイバーはフリーダムにより大破、カオスはムラサメ3機の連携により大破、アビスはブラストインパルスにより撃沈、インパルスはインフィニットジャスティスとの戦闘で中破、月面に放棄されるという最後を迎えており、無事に終戦を迎えられたのはガイアのみとなった。
なお、余談ではあるが、開発された5機の内、大破した三機(セイバー、カオス、アビス)は全機が地球で破壊されている(戦闘不能に追い込まれたというのもカウントするのであればガイアも含まれる)。
C.E.75年では放棄されたインパルスが回収の上、モルゲンレーテ社による近代化改修を受けてインパルスSpecⅡに生まれ変わり、ルナマリア・ホークによって運用された。なお、現存するはずのガイアの所在は不明となっている。
悲運のシリーズ
当シリーズはインパルス以外あまり優秀な成果を上げられなかった上半分以上が連合に強奪・それらも特別な戦果を挙げられなかったためか、後代の機体開発に技術が流用される事は(開発元のザフト・強奪した連合共に)ほとんどなかった。全くない訳ではないがそれはほぼインパルス一機で事足りるレベルで、並行して開発されたニューミレニアムシリーズの方がよほど次世代機の技術面に影響を及ぼしている。
そのため、SEEDシリーズでは珍しくMSVにも乏しくなっている。
その証拠にGAT-Xシリーズが第一期・第二期共に様々なバリエーション機が出て中には外伝などでコアな人気を得て立体化までされた機体まである一方、カオス・ガイア・アビスは発展型といえる機体が全く出ていない。
強いて言うのであればカオスの可変形態の試作機であるプロトカオスとガイアのデータを使って製造されたワイルドダガー程度である。
セイバーもあまり活躍していないにもかかわらずバリエーションが出たが、これはメタ的な事情で言うと1/100のガンプラが発売されたおかげだろう。
もっともこれは敵戦力を鹵獲しても得られる技術がほとんどなくなってしまったほど、連合・ザフト・オーブ全陣営のメカニック開発技術がピークに達した証拠とも言えるが…。