アビスガンダム
あびすがんだむ
型式番号 |
|
---|---|
所属 | ザフト→地球連合軍第81独立機動軍ファントムペイン |
開発 | プラント |
全高 | 17.84m |
重量 | 92.39t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | バッテリー(パワーエクステンダー搭載) |
パイロット |
ユニウス条約締結後、ザフトが開発した試作MS群「セカンドステージシリーズ」の1機。型式番号はZGMF-X31S。型式番号の「3」は水中戦型系統、「1」は開発ナンバー、「S」は「Second Stage(セカンドステージ)」を示す。
フォビドゥンブルーなど地球連合軍の水中戦用MSの対抗兵器として開発されたMSで、潜水艇型のMA(モビルアーマー)への変形機構を持つ。この経緯から本来はフォビドゥン系列の機体へ強襲して即時撤退という運用がメインだったのだが、地球連合軍にアビスが奪われたことで、フォビドゥンとの戦闘の機会が失われた上、パイロットのアウル・ニーダが好戦的な戦い方だったため、本来の運用方法がされることはなかった。
装甲には、ヴァリアブルフェイズシフト装甲が採用されており、デュートリオンビーム送電システムにより、戦闘継続時間の延長が可能である。
それ以前のザフト製水陸両用MSのUMFシリーズ(グーンやゾノ)が存在するが、これらの機体は基本的に水中のみでの運用を重視しており、揚陸作戦においての機動性に問題があった。アビスの基本形は従来のMSと同じ人型であるため、陸上での機動性も確保されている。更に宇宙空間での活動も可能であり、水陸両用MSとしての汎用性はグーンやゾノを大きく上回る。
重武装の機体を運用するため、出力はセカンドステージ5機中で最高。陸上ないし宇宙での戦闘では、機動性を重視しない火力支援用として運用を想定し、多数のビーム砲やリーチの長い格闘兵装を備えている。
元々はコアスプレンダー内蔵が予定されていたが、局地戦の際に合体対応が行えない事から見送られた。
よく見ると、ガンダムとしてはフロントスカートが存在しないという結構珍しいデザインである。
劇中ではあまり戦果を挙げられなかったためなのかもしくはガンプラが売れなかったメタ的事情故なのか、MSV豊富なSEEDシリーズでは珍しくバリエーション機には恵まれない。
MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
胸部内蔵の大出力ビーム砲。本機最強の装備であり、エネルギー変換効率の改善により前世代の核動力型MSにも劣らぬ出力を誇る。
ストライクフリーダムにも同型のものが搭載されている。
M107 バラエーナ改2連装ビーム砲
背部の可動式2連装ビーム砲塔。フリーダムに採用された「M100」の省電力化モデルだが威力は向上している。ビーム兵器であるため水中戦では使用出来ないが、浅水域からの対空攻撃に威力を発揮する。MA形態時は砲身が転回し、砲門が前方を向く形をとる。
MS形態では接続されたバックパックの形状から前方に倒すことが出来ず、射角に難が出る。そのためか、アビスの代名詞とも言える一斉発射のシーンでは砲身が後ろに倒れたままで使われてなかったりする。これは、実際に関連動画や立体物の参考画像でも確認できる。
ゲーム「Gジェネレーションクロスレイズ」では、MS形態での砲身は前方に倒れているため、問題なく使えるようになっている。
MX-RQB516 ビームランス
ビーム刃と実体刃を複合装備させた槍状装備。
機体の全高に匹敵するリーチを持ち、柄部分は対ビームコーティングがされており、ビームサーベルを受け止める事が可能となっている。水中で使用可能な格闘兵装として実体剣部を先端に備え、水中であっても地上と同様に槍としての使用を可能とする。MA形態時は実体剣部分が機体最前部に来る形で機体下部にマウントされる。本来、遠距離砲戦型のアビスが敵MSと接近戦になった場合、相手と広い間合いを取る事により戦闘を有利に進めるための装備である。
同様の装備として、ブラストインパルスの「MA-M80 デファイアントビームジャベリン」があるが、こちらはマティウス・アーセナリー社製であり開発元が異なる。
「MX-」という型式番号はサードステージシリーズ系が搭載しているビームシールド系列と同じため、同じ開発元だと考えられる。
両肩部シールド
「MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷」「MA-X223E 3連装ビーム砲」「M68 連装砲」を搭載した攻防一体の盾。MA形態時は、頭部を覆う形でユニットを密着させる事で水流抵抗減免のためのフェアリングとして機能すると同時に、前方及び側方の対ビーム防御を兼ねる。
尚、あくまでもアビスのパーツの一部という位置付けで、装備としての固有の名称はない。
C.E.の設定においては対ビーム用の振動鋼材技術とPS材の併用は困難とされているが、この部位の外装にはヴァリアブルフェイズシフト装甲と対ビームコーティングを施している特殊装甲が採用されている。この装備はアームを介して取り外し可能な構造となっている。
- MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷
グーンの「533mm7連装魚雷発射管」の発展型となる、両肩部シールド側面上部に4門内蔵された魚雷。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
魚雷は回転射出式で安定性が高く、自動追尾機能を有する。そのため、水中戦においては主兵装となる。
- MA-X223E 3連装ビーム砲
両肩部シールド裏面に左右計6門内蔵されたビーム砲。マティウス・アーセナリー社製。
両肩部シールドの可動域を使用できるため攻撃範囲が広く、拠点攻撃に使用できる。カリドゥス、バラエーナ改と同時使用も可能となっている。
- M68 連装砲
両肩部シールドに内蔵された2連装砲。
両肩シールドに装備される武装で砲門数は計4。実弾兵器として炸裂式の砲弾を装填しており威力は高い。水中でも使用可能となっている。MA形態時には変形機構上、砲門が進行方向と逆の真後ろに来る。この事を利用し、劇中では後方の敵機に対して発射するというトリッキーな用い方もなされた。…というより、元々アビスが強襲後即撤退という運用がメインであることを考えると、本来撤退時の迎撃用の武装と思われる。
アーモリーワンにて他のセカンドステージシリーズ同様地球連合軍のファントムペインに強奪され、アウル・ニーダの機体となる。
以後、ほかの強奪した2機と共にミネルバを追撃。ユニウスセブン破砕作業では火力支援を主に担当するが、イザーク・ジュールのザクファントムにビームランスを破壊された上、足を切り落とされ撤退した。
地球上では、水中戦において無類の強さを発揮し、インド洋での戦闘では、ミネルバに随伴していた潜水母艦ニーラゴンゴを撃沈。ダーダネルス海峡の戦闘では、損傷したミネルバに水中から迫ったが、戦闘に介入したフリーダムのレールガンで推進器を破壊され、戦線を離脱。
クレタ島沖の戦闘ではシン・アスカ駆るブラストインパルスと交戦し、水中から飛び出した際に放った3連装ビーム砲によってブラストシルエットを大破させたが、ビームが命中する直前にSEEDを発現させたシンがブラストシルエットを分離した事で直撃を免れており、爆風の中から投擲されたビームジャベリンでコックピットを串刺しにされ深淵へ沈み、爆散。アウルも戦死した。
- ダーダネルス海峡にて、本来なら実弾に耐性のある筈のVPS装甲であるにもかかわらず、フリーダムのレールガン(実弾)で推進器を破壊されたことに当時の視聴者の多くが突っ込んだが、後に関節や装甲の薄い部分を集中的に攻撃されると破損してしまうという理由付けがなされた。
- 前作の『SEED』でもプロヴィデンスのドラグーンの砲口部分にレールガンを撃ち込んで破壊するシーンが存在する。
- 背部の2連装の砲塔は、実弾兵装のMMI-M15E クスィフィアス改・レール砲を採用する案もあったが、実際には高エネルギービーム砲のバラエーナ改が採用されている。この経緯からか、一部の立体物ではバラエーナ改の箇所がクスィフィアス改と記載されていた。
- ストライクフリーダムのMMI-M15E クスィフィアス3・レール砲は、このクスフィアス改を「クスフィアス2」の扱いとして改良したレールガン、と言う命名なのだが、クスフィアス改が不採用になった事でクスフィアス3はクスフィアスからの改良型と言う位置づけとなっており、クスフィアス3の型番「MMI-M15E」はクスフィアス改のものをそのまま引き継いでいる。
コレクションシリーズとHG 1/144のみでの発売。
しかし発売時期が放送翌年の2005年からと非常に遅く、HGに至っては初登場が3ヶ月も後なセイバーに先を越される有様だった。
そしてまともに動くHG発売がようやく4月に実現したかと思いきや、月も変わらぬうちに上述通りシンに撃墜である。この事はリアタイでもしょっちゅうネタにされたほど。
コレクションシリーズは可動こそほとんどしないが、両腕を外すことで簡易ながらもモビルアーマー形態に変形が可能。
HGの方はギミック1式は揃っており、シールドの展開も劇中通りのものが一通りは可能で出来は良い。変形も3連装ビーム砲を外すだけでモビルアーマー形態にすることが出来る。
アビスのHGはDESTINYの立体物でも殊更再販率が低い傾向にあるため転売の餌食になりやすく、他のHGよりも高価格で出回ってしまっているケースが確認されている。
カプセルフィギュア「SDガンダムフルカラー」にラインナップ。パーツ組み替えで、MA形態への変形が可能。※現在、入手困難
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