マーレ・ストロード
まーれすとろーど
ザフト所属のコーディネイターで、成績優秀者の「赤服」を着用しているエリートパイロット。
かつては地球侵攻の水中部隊に所属し、『白鯨』と恐れられたジェーン・ヒューストンと幾度なく戦った実力者。当時の乗機は不明だが、ゾノかグーンかの何れかと思われる。
パトリック・ザラやサトーたちザラ派と同様にナチュラルを人一倍憎んでいて、その深さは自分たちと無関係な人間であろうとナチュラルとわかるや高圧的に接する程である。更にその憎悪はナチュラルを下等と見下している程度では留まらず、コーディネイターである自己のプライドが高すぎるあまりにリーカ・シェダーやコートニー・ヒエロニムスを始めとするナチュラルと友好的に振る舞うコーディネイターを「裏切り者」と貶し、同じ赤服のコーディネイターに対しても「自分こそ優生である」ことを信じて疑わず、「ナチュラルが滅亡した後のコーディネイターの理想郷」を妄想するなどコーディネイター優生思想の中でもかなり過激な思想を持つ危険人物でもある。果ては、被害妄想が異常なまでに激しく、障害になる者は同僚や仲間であろうと抹殺することが正義だと考えており、それを成すためにも自身の立場は揺るがないように残忍かつ狡猾に立ち回っている。正直、ザラ派に所属していてもおかしくない人物に思えるが、そのザラ派のことも下等に見ている節があると、どうしようも無い人物でもある。
セカンドステージシリーズ開発にて初登場し、ザフトの最新鋭機・アビスのテストパイロットを担当、インパルスのシン・アスカ、カオスのコートニー・ヒエロニムス、ガイアのリーカ・シェダーの4人チームで運用テストを行っている。
インパルスのテストパイロットを熱望していたが、議長によってインパルスのパイロットに選ばれたのはシン・アスカであり、彼に対して激しい嫉妬心を抱いている。インパルスのパイロットの座に対して『優秀な自分のためにある』と異常なまでに固執しており、要するに「俺のほうが優れているのに、議長たちは節穴だ」と言う稚拙な嫉妬である。
一方で、水中戦型のアビスの性能の高さに誇りを持っており、自身の才能と合わさることでかつて自身を苦しめたフォビドゥンブルーを今度こそ蹂躙して活躍しているなどといった妄信に浸り、日夜問わず自分の優秀さに囚われている。
そして、シンへの嫉妬のストレスはナチュラルのジャーナリストであるジェス・リブルたち民間人にぶつけている。
運用テスト中もシンへの嫉妬を拗らせ続けてインパルスの正規パイロットの座を虎視眈々と狙い、テスト中の事故を装ってトラップを用いてシンを謀殺しようと画策したが、結局ジェスが代わりにトラップに引っかかって死にかけたり、シンと共にジェスが巻き込まれた際にもアウトフレームに活路を見出したことで失敗に終わった。挙げ句のはてには、ジェスたち民間人を危険に巻き込んだ事態に対して罪悪感を抱くどころか、
ナチュラルが死ぬのならばそれでも良い
と独白する邪悪さを見せている。
結局、インパルスの正規パイロットの座もシンが選ばれてしまい、自身はアビスの正規パイロットを任される事になる。アーモリーワンにあるセカンドステージシリーズの格納庫で、先にミネルバへ搬送されたインパルスの事を思い出していつものようにシンに対して嫉妬していた時にファントムペインによる『ガンダム強奪事件』に巻き込まれてしまい、ステラ・ルーシェに銃で撃たれ瀕死の重傷を負わされた(アニメ版では顔が映っていないものの撃たれているのが確認出来る)。さらに、自機であったアビスはアウル・ニーダに奪われてしまった。人の機体を奪おうとした者に待ち受けていたのは「機体を奪われる」と言う、まさに皮肉なオチであった。
だからナチュラルは嫌いなんだ……!
例の事件から奇跡的に回復して蘇るが……目的達成のためなら手段を選ばない性格は相変わらずな上、前述の『ガンダム強奪事件』によってナチュラルへの憎しみが悪化している。さらに、デスティニーインパルス(1号機)の正規パイロットに選ばれてたことで、念願のインパルスの座を越えてさらに上位の機体を与えられたと歓喜してプライドや傲慢さも悪化している。その憎悪とプライドが肥大化し続けた事で、サーペントテールの叢雲劾と組んでマーシャンの調査任務に当たった際には、地球連合軍の艦艇と遭遇しただけの緊急性が無い場面にもかかわらず独断で無警告の攻撃を行って撃沈する暴挙へ走っていた。
調査対象であるマーシャンのディアゴを追い、傭兵のカイト・マディガンがMSコレクションのために個人所有していたコロニー内に侵入、ディアゴに対していきなり投降を要求し抵抗すれば殺すと恫喝し激昂したディアゴと交戦。そこにイルド・ジョラールが介入して彼が差し向けたバチルスウィルスで操るMSを次々と破壊する、更にジェスたちに対してナチュラルへの憎悪を爆発させて任務の障害の排除を口実に無差別攻撃を敢行するも、プロトセイバーから送信されたバチルスウィルスによって、自機のデスティニーシルエットが外された上に、そのシルエット装備をアストレイ アウトフレームDに奪われてしまう。それでも、なおナチュラルに敗けることを認められずに攻撃を止めようとしなかったが、劾の警告によってやむなく撤退する。
なお、彼が与えられて喜んでいたデスティニーインパルスであるが、実際には『バッテリーだと燃費が異常に悪い』という欠陥機であり、後継機が作られた経緯を持つ。
そして、その後継機に選ばれたのはよりによって激しく嫉妬してたシンである。
またしてもマーレはシンに上の機体を与えられる屈辱を味わっているが、その点に関して後々知ったのかは不明。
このような人間性であるため、ザフト内部でパイロットとしての実力は認められてはいても人望や信頼は皆無に等しく、デスティニーインパルスでの任務に傭兵のサーペントテールが付けられる始末。
戦後の動向は不明。ザフトに残留していたか不明だが、残留していたとしてもロードアストレイZのテストパイロットの座には選ばれなかったことになる。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY 機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV ザフト
関連人物
- アウル・ニーダ:マーレが搭乗する予定だったアビスを奪ったエクステンデッドの少年。
- ステラ・ルーシェ:マーレに重傷を負わせたエクステンデッドの少女。
- シン・アスカ:機動戦士ガンダムSEED DESTINYの主人公。インパルスのパイロットに選ばれたためマーレから物凄く逆恨みされてしまう。
- イザーク・ジュール:前作機動戦士ガンダムSEEDに置ける同類だった人物。彼も序盤は選民思想と身勝手な憎しみから、民間人を乗せた避難船を轟沈させる虐殺行為を行ってしまい、その後もナチュラルへの憎悪で行動していた。
- オペレーション・スピットブレイクにおけるフリーダムとの戦闘、パナマ基地での無抵抗の兵士に対する虐殺行為、ディアッカ・エルスマンの説得を経て考えを軟化させていき、戦後に上述した避難船の事件の真相を知ったことで考えを改めた経緯を持ち、シンと同様に明暗を分けた人物と評価出来る。
- ディアッカ・エルスマン:こちらも前作機動戦士ガンダムSEEDに置ける同類だった人物。イザークと同様に序盤は選民思想だったが、アークエンジェルに捕虜となった際のやり取りを通して大切な人を失う哀しみはナチュラルもコーディネイターも変わらないと考えを改めた経緯を持ち、シンと同様に明暗を分けた人物と評価出来る。
- ジェス・リブル:「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY」の主人公。ナチュラルだったのが、災いしてマーレからの八つ当たりを受けてしまう他、彼の行動で死にかけた。
- リーカ・シェダー、コートニー・ヒエロニムス︰セカンドステージシリーズ開発での同僚。ナチュラルと友好的に振る舞う彼らを「裏切り者」と蔑んでいる。
- パトリック・ザラ/サトー:ザラ派に所属するコーディネイター。前者は最高評議会議長(と国防委員長の兼務)、後者はザフトのサトー隊隊長。
- アッシュ・グレイ:ほぼ同類のザフト兵。ただし、こちらは「合法的な殺戮ができる」と言う狂気的な思想で行動している。
- アグネス・ギーベンラート:劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の世界平和監視機構コンパスの隊員。マーレとは別の意味で性格に問題ある人物で、シンやルナマリアたちのことを「前議長のお気に入り」と呼んで実力を下方評価し、コンパスの次期主力機イモータルジャスティスは自分に相応しいと機体の譲渡を要求したり、自分の愛を拒否したキラを殺しかけたりなど、似たような部分が見られる。
- 一方で、愛想を振りまいて誑しまわることには長けていたのか、ヴィーノ・デュプレを始めとしたコンパスに所属する整備士からは人気があり、一応の人望はあった。また、シンに面と向かってイモータルジャスティスの譲渡について直談判を行うなど、卑劣な手を用いていたマーレとは違う部分が多い。
- ハリ・ジャガンナート:劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」におけるザフトの国防委員長。マーレや嘗ての国防委員長だったパトリック・ザラと同様にコーディネイター優生思想を持っていたことから、劇中ではクーデターを起こす。
- ひょっとしたら、マーレもジャガンナート派に与してクーデターに参加していたかもしれない。
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ガンダム seed destiny outlaw 23話
バイトが忙しくてなかなか書く暇がない。最後に登場した機体は、次回戦うと思います。2,329文字pixiv小説作品