機体データ
型式番号 |
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所属 | ザフト→地球連合軍第81独立機動軍ファントムペイン |
開発 | プラント |
全高 | 17.43m |
重量 | 91.61t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | バッテリー(パワーエクステンダー搭載) |
パイロット |
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概要
ユニウス条約締結後、ザフトが開発した次世代試作MS群「セカンドステージシリーズ」の1機。型式番号はZGMF-X24S。型式番号の「2」は航空機系統、「4」は開発ナンバー、「S」は「Second Stage(セカンドステージ)」を示す。
宇宙での高機動戦闘を主眼に置いており、MA形態への可変機構と、多彩な武装を備えた強襲用の機体である。
装甲には、ヴァリアブルフェイズシフト装甲が採用されており、デュートリオンビーム送電システムにより、戦闘継続時間の延長が可能である。
特徴的な変形機構を持ちMA形態時は胴を折る様な形で変形する。これには、MA形態でも腕部を使用できビームライフル等の携行火器の使用に対して特に大きな制限がないというメリットがある。また、ビームクロー等近・中近距離用の武装も使用可能で、敵の規模や距離に適した火器を自在に選択出来る。さらに、大出力のビーム砲「カリドゥス改」が使用可能であり、高い加速力と破壊力を活かした一撃離脱戦法を得意とする。
ドラグーン・システムを発展させた「機動兵装ポッド」は、MS・MA両形態で使用可能であり、オールレンジ攻撃による攻撃方法の選択肢が広い。また、このポッドそのものも大気圏内での飛行が可能であり、強力な推進力を活かした機動力を誇っている。
武装
MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
頭部に4門内蔵されたCIWS(近接防空システム)。
MMI-GAU25A 20mmCIWS
胸部に2門装備されているCIWS。
MA-BAR721 高エネルギービームライフル
中距離用の射撃武装で専用ビームライフル。基本構造は他のセカンドステージシリーズのビームライフルとほぼ同じだが、MA形態での高速戦闘用に耐え得るように改良したもの。
MA-M941 ヴァジュラ・ビームサーベル
両腰バインダーのビームサーベルラックにマウントしている斬撃武器。カオスはMA形態時も腕部に制限が無いために、形態を問わず使用できる。
フリーダムやジャスティスで採用された「MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル」を改良した後継モデル。ユニウス条約の締結によるミラージュコロイド技術を応用した従来のビームサーベルの使用禁止になることを踏まえて研究が行われていた、代替となる新技術を採用する形でセカンドステージシリーズのMS用に開発された。アビス以外では共通の装備とされており、フォースインパルス(フォースシルエット)・セイバー(両肩)・ガイア(両腰)にも採用されている。
その技術発展は目覚ましく、バッテリー機の武装でありながら核エンジン機のジャスティスやフリーダムに搭載されていたラケルタ・ビームサーベルを凌駕する出力を持つ。一方でラケルタにあった連結形態の「アンビテクストラス・ハルバード」モードは存在しないので、手数の多さでは少し劣る(一部資料ではアンビデクストラス・ハルバードモードも存在するとされているが不明)。
なおユニウス条約では最終的に、両陣営にビームサーベル関連技術は許可されている(あまりにも不利益になりすぎるため)。
ちなみにビームサーベルラックから下のバインダー部分はプロペラントタンク。航空(航宙)燃料の類にあまり触れないSEED系では珍しい設定。
MGX-2235Bカリドゥス改 複相ビーム砲
背部センサーに蓋をされる形で内蔵されている高出力ビーム砲。使用時にはセンサー部がスライドし砲口を露出させる。アビスの胸部に内蔵されたMGX-2235カリドゥスを高速戦闘仕様に改修した装備。本機の兵装中最大級の威力を誇るが、設置箇所の関係から使用はMA形態時に限られる。カリドゥスはラテン語で「猛火」の意。
EQFU-5X 機動兵装ポッド
ドラグーン・システムの発展兵器。ドラグーン・システムと同様に使用の際には量子通信で相当量のエネルギーを消耗する。最大の特徴としてパイロットが特別な空間認識能力を持たずとも使用出来るようになっている。また、2基の高推力スラスターによって本機は大気圏内飛行が可能であり、その推力を用いれば重力下では無線誘導兵器として運用することも可能。ただし、どちらもこの装備の高推力に依存しているので、どちらかでの運用を行えば、もう片方は諦める必要がある。
HDリマスター以前のリアルタイム放送時では重力下で飛行しながら分離もできると言う作画ミスが発生していた(後述の余談を参照)。
詳細は機動兵装ポッドを参照。
MA-XM434 ビームクロー
両膝、爪先のクローから出力されるビームクロー。MA形態時の接近戦用兵装として使用する他、MS形態時は蹴撃に連動して使用される。イージスのビームサーベル発生装置と類似している。
MMI-RG330 巡航機動防盾
左腕にマウントされる対ビームコーティング仕様の防御兵装。他のセカンドステージシリーズが装備するシールドと比べやや小型でMAでの高機動戦闘を考慮した設計となっており、「巡航機動」という名称となっているのはこの為である。他にも機関砲を内蔵しており、牽制やミサイル等の迎撃にも使用される。MA形態時も腕部にマウントされたままであり、シールドとしての防御と機関砲の射撃はMS・MA双方の形態で同様に使用できる。
- MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲
シールド表側に2門装備されている第1次連合・プラント大戦当時のザフト製ガンダムやゲイツの頭部に採用されたものと同じ対空迎撃用機関砲。
劇中の活躍
進水式前のアーモリーワンでファントムペインのスティングによって強奪され、守備隊と交戦したのが初陣。やはり持ち前の機動力を活かし、シン・アスカのインパルスを翻弄するなどコンセプトが正しかったことを皮肉にも証明した。
しかしスティング本人が、イザーク・ジュールやアスラン・ザラといったエースパイロットを相手にすることもあったからか思うように成果が挙げられず、アスランのセイバーにいたってはインド洋での交戦はネオのウィンダムと二人がかりで互角。
最後の出撃となったベルリン市街地では、アークエンジェルに身を寄せていたムラサメ隊と交戦して撃墜されている(名誉のためにいっておくと、スティング本人もステラに関する記憶を消されて情緒不安定になっていたことも理由である)。
バリエーション
XMF-P192P プロトカオス
カオスのプロトタイプとなるモビルアーマー(MA)。
ザフトでMAに対する有効性を検証するために開発された実験機で、MS形態を有していない。
詳細はプロトカオスを参照。
カオスインパルス
宇宙での高機動戦闘を主眼においたシルエット「カオスシルエット」を装着したインパルス。
立体物
コレクションシリーズ、HG、1/100シリーズにラインナップ。劇中で使用した武器が同梱する。
コレクションシリーズは「50円」(下記参照)とネタにされがちながら、機動兵装ポットが外せるギミックが存在する。
HGでは、MA形態への変形ができる他、機動兵装ポットのビーム突撃砲やミサイルハッチの展開が可能になっている。またパーツ分割による色分けが同時期のHGキットの中でも優秀であり、シールも少なくまとまっている。
1/100では、HGに付属しなかった各種ビームエフェクトが付属しており、ビームクローを再現できる唯一の立体物となっている。またHGではMA形態に変形する際に一部パーツを外す必要があったが、それを差し替えなしの完全変形できるようになっている上、ロック機構も一部搭載されている。
アクションフィギュア「M.I.A」シリーズにラインナップ。劇中で使用した武器が同梱し、MA形態への変形が可能。
カプセルフィギュア「SDガンダムフルカラー」にラインナップ。パーツ組み替えでMA形態への変形が可能。※現在、入手困難
余談
- 機動兵装ポッド1
「インド洋の死闘」において、しれっと大気圏内の空中戦でポッドを分離、何事も無かったように攻撃を行っている。元々1/100キットが発売された際の説明では「機動兵装ポッドの推力を重力下での飛行に充てているので、空中では分離不可」とされていた。ところがアニメ本編で使ってしまった後は関係各位で「可能なモノ」と解釈されたのか、『SEED DESTINY オフィシャルファイル メカ編』の描き下ろしイラストでは空中で分離させていたりもする。ある意味現場のライブ感でパワーアップしてしまった例なのかもしれない。
その後、リマスター版で作画が書き直された際に該当のシーンも修正され、機動兵装ポッドを分離せずに戦闘している。
- 機動兵装ポッド2
1/100キットが発売された際の説明では(パイロットをある程度普遍化…… そうは言ってもそれ相応の技量を必要とするが)とありパイロットも適性のあるスティングが選ばれた事になっている。ストフリのドラグーンが第二世代となりついでに第二世代と定義された。そのため第二世代ドラグーンの定義が曖昧である。
- 投げ売り
カオスのガンプラは地球連合に強奪された三機では切り込み隊長ということもあってか、最初に1/100で発売された。
しかしDESTINY序盤放送当時は、無印とは打って変わってDESTINY全体のガンプラが売れなかった。その象徴の一つに一部店舗でカオスのコレクションシリーズが50円で投げ売りされる事例が話題になった。当時の様子をまとめたサイトがこちら。時期を見てわかる通り、この頃はまだファントムペインは誰も退場していないタイミングである。
50円のインパクトのせいで何かと誤解されがちだが、売れなかったのはカオスに限ったことではなく序盤はDESTINYのガンプラ市場全体が冷え切ってた状況であり、ほぼ同時期に発売された1/60フォースインパルスガンダムも同じくらい悲惨なことになっていた。
このためか、リアルタイムではセカンドステージシリーズの1/100はインパルスとカオスで打ち止めを食らう羽目となり、皮肉にも強奪三機では唯一1/100化された機体となってしまった(無印はストライクは本体は使いまわしにもかかわらず全ストライカーパック装備が1/100化された上、ブリッツも想定外だった1/100化が決定し第1期GAT-Xシリーズ全てが立体化に至るほど大成功を収めたのだから、当時のバンダイホビー事業部の阿鼻叫喚も凄まじかったことだろう)。
原因としては、無印では超人的活躍をしたストライクを筆頭に戦闘シーンが多かったのに対し、DESTINY序盤は全体的にどのモビルスーツも戦果的にはパッとしなかった上、ブレイク・ザ・ワールド以降はネオ・ロアノーク役の子安武人の裏番組とのバッティング問題(詳しくは該当項目を参照)からファントムペインを出しづらくなり戦闘シーンそのものが激減した事が考えられる。
これだけでもまずいのに、2クールに入ってようやくファントムペインが再登板されたかと思いきや、今度はフリーダム復活によって後の歌姫の騎士団勢の出番が急増、それに伴い戦闘シーンだけでなくファントムペインの出番そのものまで大幅に削られる仕打ちを受けてしまった。これでガンプラを売れと言う方が無理がある。
序盤の大不振により一旦打ち止めとなった1/100は負債回収のためか、後半にストライクフリーダムとデスティニーが出るまで延々と金型流用が容易なザクウォーリア(ファントム)のカラーバリエーション機が発売され続ける事態となった。ちなみにインパルスの方もブラストのみ出なかった。
- 過小評価と過大評価
次世代MSとしての活躍としては上述の通りに散々たるものなのは間違いない。しかし、劇中でやっていることを精査すると「地球降下以降は常に不利な環境を強いられる」「ネオのウィンダムと共にアスランのセイバーを足止めする」「空戦を得意とする量産型を相手に苦戦し、三位一体の連携で撃墜される」と言うことがわかる。
少なくとも条件的に有利であろうアスランのセイバーやシンのインパルスによる撃墜は無く、むしろアスランは足止めされて身動きが取れない程度にはセイバーを抑えこまれており、僚機のアビスやウィンダムがミネルバへ攻撃するために一役買っている。最期はムラサメの3機編成に撃墜されてしまうが、ムラサメは空中戦の適正だけで言えばカオスよりも上の機体で3機共に連携しており、持ち前のVPS装甲ではムラサメのビーム兵器を防ぎきれない。
以上のことから、「仕事はしっかりこなしているが途轍もなく地味な仕事ばかりで華がなく、最期の雑兵にやられる瞬間ばかりが記憶に残った」と言うことだろう。
関連動画
関連タグ
登場作品
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY
所属(組織・分類)
プラント ザフト 地球連合 地球連合軍 大西洋連邦 ファントムペイン
ザフト製MS・戦艦 ZGMFシリーズ セカンドステージシリーズ
関連機体
兄弟機(セカンドステージシリーズ)
バリエーション機
その他関連機種
- メビウス・ゼロ︰有線式でありカオスより装備数が多いが、ほぼ同じ機構を持つ。特にカオスの試作機であるプロトカオスがこの機体をコンセプトにしたのか酷似している。
- イージス︰脚部にビームの近接格闘武器を持ち、可変後も使用できるという共通点がある。
- ハンブラビ︰脚部の変形位置こそ異なるが、変形自体が簡易かつ腕部の自由度が高いという共通点がある。
- ビグロ
関連人物
スティング・オークレー:ファントムペイン所属のエクステンデッドで、カオスのパイロット。
コートニー・ヒエロニムス:強奪される前のテストパイロット。
その他