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ハンブラビ

はんぶらび

ハンブラビは、テレビアニメおよびアニメーション映画『機動戦士Zガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)。メカニックデザインは永野護。
目次 [非表示]

かなりいい勘をしているだが、ヤザンとハンブラビの組み合わせから逃げられるかな?」

機体データ編集

型式番号RX-139
所属ティターンズ
開発ティターンズ・ゼダンの門工廠
生産形態少数生産機
全高19.9m
頭頂高19.9m
全長(MA時)17.9m
全幅(MA時)15.9m
本体重量34.6t
全備重量56.9t
出力1,540kW
推力59,800kg
センサー有効半径10,020m
装甲材質ガンダリウム合金
固定武装ビーム・サーベル×2、ビーム・ライフル×2、クロー×2、テールランス
携行武装フェダーイン・ライフル、海ヘビ、クモの巣など

機体概要編集

型式番号RX-139。地球連邦軍の軍閥組織ティターンズの量産先行型可変モビルスーツ(TMS)。開発はラグランジュポイントL3の宇宙要塞『ゼダンの門』にて行われ、基礎設計にはパプテマス・シロッコ大尉(劇場版では大佐)が関わっている。


変形機構が複雑かつ量産に不向きであったガブスレイの後継を兼ねて開発された機体で、同機の失敗を踏まえて脚部を背面へ折り畳む程度にまで変形機構を簡略化。加えてムーバブルフレームマグネットコーティングの採用によって、変形完了までの時間を約0.5秒にまで短縮している。これはモビルアーマー形態は長距離移動や一撃離脱戦法、モビルスーツ形態は通常戦闘といった使い分けをしていた従来の可変機とは異なる、砲撃後に即変形し一気に接近する、などの可変することによる変則的な戦闘を行うためのものである。


また、水生生物を思わせるその外装に5基のモノアイを有しており、これによって高い索敵能力を発揮する。反面、可変機構を採用したためか装甲はやや脆く、スラスター出力も同時期の標準機と大差ないが、前者は性能の高い耐ビーム・コーティングで補われ、後者は搭載されているロケットモーターの燃焼効率は同世代の機体と比較して高く、ウェイブライダー形態のΖガンダム(ハンブラビの倍以上の推力を持ち、ハンブラビの方が重い)を追い抜く程の高速性を発揮している。


結果として生産性や整備性に優れており、複雑な可変MSの整備に苦労していた現場の整備員には高く評価されており、単純化された変形機構はモビルアーマー形態、モビルスーツ形態双方で武装を使いまわすことができるなど運用時の取り回しにも優れ隙の少ない機体として完成しているが、変形を利用した戦闘に求められる技量の高さから生産は少数の試作機のみに止まり、量産化されることはなかった。


なお、設計に際してシロッコはバイオセンサーを本機に搭載したとも言われており、初搭乗後にヤザン・ゲーブル大尉はそれを「得体の知れない力を感じる」と述べている(TV版では「(ヤザンが)今まで楽をしてきたからだ」とシロッコは回答をはぐらかしたが、小説版でははっきりとバイオセンサーの存在を明言している)。


武装編集

変則的な運動性や機動性を最大限に生かすために固定兵装は全体的にドッグファイト向きな装備構成をしており、登場回によっては現場判断で携行火器が追加されるというガンダムシリーズではかなり珍しい光景を披露している。


背部ビーム・ライフル編集

その名の通り背面に固定装備されたメガ粒子砲。出力は2.6MW

本来であればビーム・キャノンやメガ粒子砲と呼ばれるような装備ではあるが、コスト削減を目的にビーム・ライフルの機構を流用したためにこの名称が採用されている。


ビーム・ライフル編集

ハイザックマラサイの携行するボウワ社のBR-87Aを使用。先述の現場判断で追加された手持ち火器で、ダンケル・ラムサス機が使用している。


フェダーイン・ライフル編集

ガブスレイの主兵装であるアルバート社製のロングレンジビームライフル。出力6.6MW


通常のライフル射撃に加えて、後端に装備されたエミッターからビームサーベルを展開できる他、緊急時には銃床部分をクローアームとして格闘戦に転用することも可能。

こちらも現場判断で持ち出された装備(ヤザン機が1度だけ使用)であり本来の装備ではないものの、本機が使用する武装の中では最大の射程を誇ることもあってか、ゲーム作品では主兵装として設定されることが多く、作品によっては変形後も使用可能になっていたりする。


ビーム・サーベル編集

出力0.5MW。両前腕に1基づつ装備される。収納時にはビーム・ガンとしても運用可能。


腕部クロー編集

その名の通り前腕に装備された折りたたみ式の鈎爪。Zガンダムのフライング・アーマーやスタビライザーを損傷させる程、実用性が高い。MA形態ではランディング・ギアとしても使用される。


海ヘビ編集

グフのヒートロッドの流れを組む特殊兵装。ワイヤーを飛ばして敵機を捕縛し、高圧電流を流し込んで電子機器の破壊やパイロットを殺傷する。ヤザンは本兵装との相性が大変良く、後年別のMSでも本兵装を奥の手として持ち出した他、ジオン残党軍所属のマラサイがトリントン基地襲撃時にバイアラン・カスタム相手に使用しているのが確認されている。


クモの巣編集

『MA形態でも腕を使用可能』というハンブラビ独特の利点と組み合わせた戦法。3機のハンブラビの間にクモの巣状にワイヤーを展開、敵機を捕縛し3機分の電撃を浴びせる。海ヘビとは別に使用されており、固定兵装かどうかは不明。


テールランス編集

MA形態時のスタビライザー兼用の刺突兵器。劇中ではレコア・ロンドメタスに対して使用されコックピットハッチを破壊したが、この時に折りたたまれていたランスがメタスの股間部を突き破るという、かなり意味深な使われ方をしている。TV版においてレコアはジャブローで捕らわれた際に辱めを受けたと語っている事を考えるとそれの暗喩ともとれるが…


掌部ビーム砲編集

出力不明。劇中ではバイオセンサー発動時のZガンダムから離脱する際に使用、ゲーム「エゥーゴVSティターンズ」シリーズに実装された。同作におけるハンブラビのメイン射撃のひとつだが、海ヘビとの選択であるため、双方の併用はできなかった。ちなみにエゥーゴVSティターンズでのハンブラビは、フェダーイン・ライフルを使用しない。



ロストヒーローズ(ニンテンドー3DS・PlayStation Portable用RPG)編集

ビギンズ・キューブに登場し、Zガンダムとメタスを蜘蛛の巣で捕縛し苦しめた。だが、そこへ駆けつけに来たνガンダム始めヒーロー一行と戦闘になる。戦闘後、蜘蛛男が彼の増援に来てその後後を託すかのようにハンブラビは爆散した。その後デザート・キューブでもザコ敵としても登場し、サブクエでも同じくそこでマグマ・ドーパントアイスエイジ・ドーパントを引連れてZにリベンジするが、図鑑的にはあくまでビギンズ・キューブのボスという形で登録されている。

戦う時に注意したいのが、クモの巣や海ヘビの攻撃で高確率で麻痺状態にされてしまうため、油断すると何も出来ぬ内にあっという間にゲームオーバーになってしまうのでそこに注意して戦いたい。


関連動画編集


バリエーション機編集

ハンブラビ Mk.Ib バンパイア編集

型式番号RX-139

ムック『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』に登場。

ハンブラビの性能向上を目指した試作機で、実験的にティターンズへ配備された。

内部ジェネレーターの高出力化に伴ってウイングバインダー周りが大型化、さらに頭部レドーム内へのバルカン砲とオプティカルシーカーの増設によって頭部も大型化しており、ハンブラビの特徴をさらに強調したようなシルエットの機体になっている。

また、MA形態時にフェダーイン・ライフルを装着するためのウェポンラックが背部に設けられ、テールランスも延長された。さらに、バスターカノンと呼ばれる武装も追加されているが、こちらの詳細は不明。


Gパーツ[フルドド]編集

型式番号FF-X29A

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。

ガンダムTR-1の支援ユニットとして開発された航宙機。フルドドを2機合体させたMA形態はハンブラビのMA形態に繋がる形態と機能を持つため、「TRハンブラビ」という俗称を持つ。

詳細はガンダムTR-1を参照。


ラクシャサ編集

型式番号RX-136-1

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に登場。

ハンブラビと同様にゼ・ダンの門工廠にて開発された大型モビルアーマー。

本来は可変機として開発されていたが、強度の問題から可変機構を採用することがかなわず、ハンブラビのMA形態の仕様を参考に、非可変機として完成した。

旧ジオン公国軍のビグロのコンセプトの延長線上に位置する機体であり、それらと同様に高速での一撃離脱戦法を主観に置いている。

本来であればアレキサンドリア級等の大型艦艇に搭載しての運用が基本となっているが、パイロットであるバーダーのたっての希望により、彼の乗艦であるサラミス改級「トブルク」の艦艇部に強引に接合することで運用された。

機体はブロック構造を採用しており、各部の換装・整備が容易となっていることから、その巨体に反して整備性は高い。

コックピットは機首部分にあり、緊急時にはこれを切り離し脱出艇として使用可能となっている。この脱出艇自体、モビルスーツに匹敵するサイズを誇り、また複数のモビルスーツを牽引したまま長距離の移動を可能としている。

ガンダリウム合金によって高い耐弾性を誇るほか、Iフィールド・ジェネレーターを搭載したことによってよりビーム攻撃に対する防御にも備えている。

全2機が生産され、1号機はIフィールドは重量の問題から機体前面にしか展開することが出来ないという欠点を有しており、コンペイトウでの戦闘でガンダム[ケストレル]によって撃墜され、後に建造された2号機はIフィールドの欠点を改善し、機体上部の武装を改めた上で運用されたが、コロニーレーザー争奪戦にて失われた。

パイロットはユーイン・バーダー。


ノンブラビ編集

型式番号ARZ-139

雑誌・Web企画『A.O.Z Re-Boot』に登場。

グリプス戦役後、火星のジオン残党軍「レジオン」が、合流してきたティターンズ残党から接収・運用したハンブラビ。

レジオンの内紛とも言える「オメガ逃亡事件」に伴い火星での飛行が原則として禁止され、飛行能力を有するこの機体もまた、そのコンセプトを大きく改められている。

詳細はノンブラビを参照。


ガンダムTR-6[ハンブラビⅡ]編集

型式番号ARZ-124HB II

『A.O.Z Re-Boot』に登場。

コアユニットであるプリムローズⅡにGパーツであるフルドドⅡを装着し、TR-6[ハイゼンスレイⅡ]でも使用されているテール・バインダーやビームキャノンを装着したモビルアーマー形態。

ハンブラビのMA形態に対応した形態であり、「ガンダム」の名を冠しているが、TR-6の規格による便宜上の名称であり、これ自体の構成部品に四肢や頭部は含まれていない。

レジオンによって再生産されており、ハイドロジェットパック等の水中用装備を追加した「アクア・ハンブラビⅡ」という形態もある。

強化パーツであるGパーツとしての機能を有しており、バーザム等に装着させることで水中戦仕様へと強化することが出来る。

詳細はガンダムTR-6も参照。


ハンブラ-B編集

型式番号CRX-139

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』に登場。

宇宙戦国時代に入ってから、地球連邦軍内の「キュクロープス」がハンブラビを再設計して生産した機体。

性能の低下傾向にある小型モビルスーツをサポートするサブフライトシステム兼用のMAとして設計されており、MS形態への変形機構は省略されている。

機体各部のモノアイも、キュクロープス独自のセンサーに換装されている。


ハンブラビ+編集

漫画『Gの影忍』に登場。

「十文字」が駆る、ハンブラビを原型としたMS忍者(モビルニンジャ)。

胸部・肩部の外装が頭部と一体化しており、頭部を取り外して巨大な十字手裏剣として投擲することが可能。胴体には2つ目の頭部が内蔵されており、装備したレーダーによって頭部手裏剣の誘導を行う。

また、背部のビーム・ライフルやテールランスといった一部装備はオミットされている他、作中ではMA形態への変形も行っていない。

第2次ネオ・ジオン抗争前夜、ハウンド・フォックスと組んでGの影忍と交戦するが、吹き矢によって腕部関節を固定され、頭部手裏剣を受け止められずに破壊されている。


ハンブラビスバン編集

型式番号RX-139BAN

漫画『ガンダムビルドファイターズAR』に登場するガンプラ。

ルワン・ダラーラアビゴルバインに代わって第8回世界大会用に制作した新型。

第7回大会でレナート兄弟に敗北した経験から、パワーではなくスピードを重視したハンブラビをベースに選んでいる。

ルワンの運動神経を活かすために頭部が胴体から分離したオリジナルの物に変更されているほか、装甲の穴抜きを行って機体を軽量化し、主翼を前進翼に変更したことで安定性と引き換えに高い空戦能力を実現している。

武装もハンブラビとほぼ同じだが、新たにハンブラビの主翼を使ったウイングトマホークが追加され、蓄積されたプラフスキー粒子を放出しながら投擲する「神鳥投斧(セェーン・クワーン)」が必殺技。

その機体形状は、ルワンも観たという「“ヘビー”な名作」ロボットアニメを想起させる。


立体物編集

ガンプラでは、旧キット(1/144)およびHGUC(2012年発売)が存在し、差し替えなしでMA形態に完全変形する。ただし、両方とも両肩パーツが固定であるため上腕の自由度が低く、腕を真上に上げられない。

また、ハンブラビスバンもプレバン限定ながらHGUC版のバリエーションキットとして販売されており、こちらでは両肩パーツが胴体とは独立していることから、腕が真上に上げられる。


完成済み可動モデルシリーズ「MS In Action」では2005年に発売。MA形態に完全変形。海ヘビやフェダーイン・ライフル、第35話で使用したダミーバルーンのカプセルなどが付属する。


ガシャポンのスーパーディフォルメガンダムワールドやSDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。前者は海ヘビが着脱可能、後者は海ヘビを装備した固定モデルとなっている。※現在、入手困難


余談編集

デザイン担当の永野護氏はMSと認識されるギリギリのラインでデザインし、ラフ段階ではクラックスという名だった。


当初はメタスとして採用されるはずだったが、あまりにも特異な姿であったためかティターンズのMSという設定に変更され後半の31話から登場した。


永野氏は作中の描写とは違い、MA形態で宇宙戦艦の動力部にすれ違いざまに二回攻撃を叩き込む「船落とし」というコンセプトでデザインしたという。後にそれに準じた姿の赤く塗装されたハンブラビのイラストを発表している。


ちなみに、ナムコ(現バンダイナムコ)のアーケードゲームイシターの復活』に登場する敵キャラクター・ブルーバット(青いコウモリ)に、この「ハンブラビ」という別名が付いていることが、エンディングクレジットで明記されている。キャラクターの見た目から製作者の遠藤雅伸氏が付けたもので、特に作品との繋がりはない。


関連イラスト編集

ハンブラビハンブラビ


関連項目編集

機動戦士Ζガンダム

ヤザン・ゲーブル ギャプラン アッシマー ガブスレイ バウンド・ドック メッサーラ

ガンダムエピオン…可変機構がほぼ・・・というか全く同じと言っていいほど似ている。

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