ストーリー
前作で悪魔ドルアーガを倒し、最上階にてカイを救出したギルだったが、ドルアーガの魔力で修復されていた塔は元の廃墟に戻ってしまい、モンスターは更に凶暴化、部屋の構成は変質するなど、容易に出口にはたどり着けなくなってしまった。出口を目指し、平和を保っていたブルークリスタルロッドの光を地上に戻すため、ギルとカイの冒険が始まる…。
内容
ロールプレイングアクションとして大人気を博した前作『ドルアーガの塔』から更に進み、本作はスコアを廃し純粋なRPGを志向した、当時どころかアーケードゲーム全体を見渡しても極めて異端なゲームへと進化。アーケードゲーム史上初のパスワードによるコンティニューが可能で、キャラクターの成長はパスワード使用時に反映されるシステムになっている。
今作のカイは数多くの魔法を使い「囚われのヒロイン」だった前作とは比較にならない程の活躍を見せる。逆にギルは弱体化している上、プレイ中に放置されて部屋を出る時だけ「コールギル」の魔法で呼ばれるような光景が見られ、カイに使い走りさせられているかのような印象すら受ける。とはいえ、ギルの力なしには切り抜けられない場面も存在し、二人の協力なくして魔塔からの脱出は不可能である。
ただ、初期のギルとカイは相当に弱く、前作のようにルームスタート時にHPやMPの回復もない上、ギルかカイどちらか片方が死んでしまうと即ゲームオーバーというシビアなゲーム性である(特にカイはバリアなしで敵に触れると即死)。MPの回復や上位魔法の解禁はパスワードコンティニュー時のみという仕様のため、本作はNEW GAMEからのパスワード無しノーコンティニュークリアは不可能。上級者は2コインクリアを実現しているが、難易度は高い。また逆に、強いパスワードを使えば1コインで長時間プレイできてしまうため、ゲームセンターの要であるインカム効率が極端に悪化し、ゲーセンから早々と撤去されるケースも散見された(ちなみに、本作は男女カップルでのプレイを想定していたそうだが、当時まだゲーセンにカップルで入れるような環境ではなかったため、その意味でも目論見通りにはいかなかったようである)。
総じて、グラフィックやサウンド、各所に織り込まれた細かい要素など、RPGとしての出来栄えは前作以上だが、コインオペレートのアーケードゲームとRPGというゲームシステムの相性が悪過ぎたこと、ゲームバランスがお世辞にも良いとは言えなかったことから、高評価を得ることはできなかった。先進的過ぎて技術が追い付かなかった悲運のゲームと言える。
構成
本作では全部で128の部屋があり、それぞれに名前が付けられている他、部屋の名前に沿ったギミックなどが仕込まれている。また、扉と鍵が複数ある部屋もあり、それぞれ対応するもので開き、次に行くルームも異なる。この扉の行き先などは非常に複雑なため、マッピングは必須である。
なお、ローパーが出現する部屋では専用のBGMが鳴るが、ローパーに似つかわしくない優しい曲調で人気が高い。
敵
前作に出てきたスライムやローパー、マジシャンなどに加え、徘徊する大男のバンパイヤ族、素早く飛び回る蝙蝠のバット族、這い回る蛇のスネーク族など、新たな魔物も登場。ナイト族も同種内での上級種が増えている。シリーズの強敵として知られるランドアーチンやアキンドナイトなどもこの作品が初出である。
余談
『ドルアーガオンライン THE STORY OF AON』のクエストの一つ「女神の凱旋」は本作をモチーフにしており、本作に登場するほぼ全ての部屋(最上階の「TOP OF THE TOWER」と塔の外の「MAIN GATE」を除く126部屋)を踏破することになる。それぞれの部屋の構造や扉の位置などが可能な限り再現されているなど、本作へのリスペクトを感じさせる構成になっている。
関連タグ
同シリーズの別作品(時系列順)
カイの冒険→ドルアーガの塔→イシターの復活→ザ・ブルークリスタルロッド