概要
大河ユーフレイトのそばに位置する小王国バビリムの守護神で、愛と戦を司る女神。
かつてブルークリスタルロッドに悪魔ドルアーガを封印した当人である。
バビリム国を襲う受難に立ち向かうギルとカイを常に見守り、様々な助言を与えてくれる。
名前の由来はメソポタミア神話の性愛と戦の神、イナンナ(イシュタル)から。
経歴
『ドルアーガの塔』では、最上階の60階で女神の幻影として登場。また、57階にもイシターらしき姿の人物が登場するが、これはサッカバスが化けた偽者であり、これに触れると偽のロッドを渡されミスになる。しかも、これを踏まえて60階のイシターの幻影を剣で刺してしまうとZAPという厳しいペナルティが与えられてしまう。これらについては作中で一切の説明もヒントもないため、多くのプレイヤーが最終盤で理不尽な思いをした。
PCエンジン版では、フロアの前に宝箱取得のヒントとなるお告げを授ける…が、中には分かりにくいものもあり、無茶にも思えるお告げを言い渡されることも…。
『イシターの復活』ではギルとカイを見守ってくれるが、見守ってくれるだけで特に何もしない。
『カイの冒険』ではOPにてカイに勇気を身軽さに変えるティアラを与える。
また、ステージ間のデモにて助言を与えたり、攻略とは関係ないネタコメントを残したりする(カイの姿が『源平討魔伝』の要石にそっくり、というネタなどが有名)。
『ザ・ブルークリスタルロッド』では基本的に主人公達の味方として登場するが、ストーリーによってはまるで違う役割を担うことになる。
『ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ』でもギルとカイを助け導く立場に変わりはない。ただ、この作品ではセーブ以外の方法で電源を切ると、ペナルティとしてイシターの説教を聞く羽目になる。しかも停電のような不可抗力やディスクの読み込み不良でも説教を喰らい、回数が重なると非常に長くなる他、ボタン連打を防ぐためのクイズまで入るようになるため、本作でイシターへの印象が悪化した人もいる。
『ドルアーガオンライン THE STORY OF AON』でもギルに黄金の鎧を授ける他、様々な場面で登場し、英雄たちを助ける。天界においては女神ワルキューレの良き相談相手であった場面なども描かれた。また、アイテム「碧貝」「星貝」(それぞれ青、赤の巻貝)を使うことで、クエストの宝箱(青箱、赤箱)を出すためのヒントとなるイシターのお告げを聞くことができる。
加えて、イシターに髪色以外は瓜二つなイナーナ姫が登場する。
『namco×CAPCOM』ではノンプレイヤーキャラとして登場。
パーティ一行に様々な助言を与える。それに加え、ワルキューレの主という設定も追加された。
余談
ドルアーガの塔本編ではギルが神に力を求めて祈った結果、神王アヌより黄金の鎧を授けられたという設定になっているのに対し、カイの冒険では、イシターがティアラ以外のろくな装備を授けてくれない事をネタにされることが多い。しかし、それはバックストーリーや設定上れっきとした理由があってのことである。
イシターは、戦の神としてかつてドルアーガをロッドに封じた当人であり、復活したドルアーガの魔手に苦しむ人々を何とか助けてあげたいと思っていた。
しかし、野望を満たすべく戦乱を巻き起こしたスーマール帝国や、帝国の侵略やドルアーガ復活による恐怖に怯えて神への心身を失い荒廃していく地上の人間たちを見て愛想をつかし、地上を見放してしまった神々の王アヌの意向には、イシターといえども逆らえなかった。
そのため、表立って動くことができないイシターがしてやれることは、巫女であるカイに魔法のティアラを授けることくらいだったのである。
ティアラ一丁という身軽な装備で登っていかざるを得なかった点については「イシターの巫女は戦うことを禁じられているため」とされており、ゲームシステム上の理由付けにもなっている。
続編の「イシターの復活」やナムカプ本編とかではそんなタブーもなかったかのようにカイが戦いまくってるのだが……まあ気にすんな。