概要
ドルアーガの塔を第1弾とするバビロニアンキャッスルサーガシリーズの3作目
時系列上ではサーガの序章にあたる。
バビリム王国に仕える巫女カイが、復活した悪魔ドルアーガから王国の至宝ブルークリスタルロッドを奪還するため、女神イシターから授かった勇気を身軽さに変えるティアラの力を身にまとってドルアーガの塔に挑み、そして敗れ、囚われてしまうまでを描く。
ストーリー
これは、ティアラの力を信じ、たった一人でドルアーガの塔に挑んだカイの、愛と勇気のお話……
ブルークリスタルロッドを狙ってバビリム王国を滅ぼし、天に届く高い塔を作らせていたスーマール帝国はアヌ神の怒りに触れ、兵士の魂もろともロッドに封印されてしまう。
しかし高く伸びる塔の影によってロッドの光が弱まり、悪魔ドルアーガが復活。
壊された塔を復活させてロッドを奪うと、塔の中へ立てこもってしまう。
光の加護を失った王国は大いに荒れ果て、身勝手な人間に愛想をつかしたアヌ神に見捨てられた地上は、悪魔ドルアーガの成すがままにされていた。
王国に仕える巫女カイは、アヌ神の塔破壊の巻き添えを食らって重症を負ってしまった、恋人のバビリム王国王子・ギルガメスを献身的に介護しながら、神々に祈りを捧げ続けていた。
神に見放されても決して神々への祈りを忘れることのないカイの姿に心打たれた女神イシターは、勇気を身軽さに変える魔法のティアラをカイに授けて、ブルークリスタルロッドの奪還を命じる。
……こうしてカイは、単身ドルアーガの塔へと挑むのだった……
ゲーム概要
カイができる行動は、移動とジャンプのみ。
ジャンプを駆使して敵の攻撃をかわし、制限時間内に宝箱からアイテムを手に入れ、落ちている鍵を拾って次のフロアへと進む。
1作目(ドルアーガの塔)のように宝箱の出現条件に頭を悩ませる必要はなくなったものの、その反面、アクション性に特化された作りとなっている。
常に慣性を伴うアクションを完璧に制御できない限りクリアは容易ではなく、いかにカイを自在に制御できるようになるかが、このゲームの全てである。
60階という長丁場でかつ家庭用ゲームにもかかわらず、途中再開のパスワードも用意されてないため、
最上階への道のりは遠く、そして険しい。
60階到達後は、カイがドルアーガに囚われ石化する。
(そのままの姿ではなく、石ころのような形になり、その上にティアラが落ちている。)
EDを迎えた後、ナムコキャラが敵としてゲスト出演する全40階のスペシャルステージが始まる。スペシャルなだけあって難易度は最高で、たとえEDに到達したプレイヤーでも一筋縄ではクリアできないほど。
このスペシャルステージを含めた全100階を全てクリアーすると、スタッフから第2のEDとして謝辞が送られ、ゲームは終了する。
……クリアするころには、きっと彼女の頭はたんこぶだらけになっていることだろう。
なお、ドルアーガの塔に繋げるため仕方ないのだが、ストーリー的にバッドエンドしかないゲームは当時数少なく、制作者にも「カイがかわいそう」というお便りが何通か届いたそうだ。
(他にはエニックスの地球戦士ライーザ、クリスタルソフトのアスピックくらい)
開発背景
本作におけるゲームシステムは、かつてアタリからリリースされた「メイジャーハボック(メジャーハボック)」というアーケードゲームから流用されており、慣性の強いジャンプ、天井に頭をぶつけてしゃがみこみ、敵の攻撃を回避するなどの要素が取り入れられている。
本作の開発時のコードネームは「マイナーハボック」であり、スタッフクレジットのスペシャルサンクスに
アタリ メイジャーハボック 開発チーム
と刻まれている。
ホイミスライム
スペシャルステージのどこかに、ホイミスライムそっくりな敵キャラクターがいる。
単なるパロディかオマージュなのかどうかは分からないが、前述のスペシャルサンクスには
ドラゴンクエスト ホイミスライム
とある。
ちなみにこの敵の正式名称はアキンドクラゲで、イシターの復活のラストステージに登場する敵アキンドナイト同様、制作スタッフをモデルとしたキャラである。
関連タグ
同シリーズの別作品(時系列順)
カイの冒険→ドルアーガの塔→イシターの復活→ザ・ブルークリスタルロッド