概要
機動戦士Ζガンダムの外伝作品群「ADVANCE OF Ζ」シリーズの第二弾。
著者は神野淳一。メカニックデザインは間垣リョウタ、片貝文洋、藤岡建機、NAOKI。キャラクターデザインは中島利洋による。
コミカライズは秋葉悠が担当していたが、作者の都合から休載となっている。
本作は、『30バンチ事件』の証拠映像を偶然手に入れてティターンズから追われる身となった主人公ヴァン・アシリアイノとその幼馴染であるマクガイア兄妹がそれぞれ敵味方に分かれて物語が展開される。
本編の一部を模型写真と共に電撃ホビーマガジンに掲載し、本編の完全版をWebサイトへアップロードするというメディア展開を行っており、模型雑誌連載特有の誌幅の制約に囚われない文章表現が特徴。本編の掲載期間は一話あたり三ヶ月(現在は公開終了)。
前作と異なり反地球連邦勢力側から物語が語られており、主に地上での戦闘を描いた「地上編」と宇宙での戦闘を描いた「宇宙編」(後に「エゥーゴの蒼翼」という副題が与えられた)に大別され、番外編「審判のメイス」も展開された。
また、「ティターンズの旗のもとに」とは世界観を共通するのみで、互いに独立した物語となっている一方で、T3部隊で培われた技術をフィードバックしたカスタムMSが登場したり、T3部隊によるアッシマーのテストが行われていた事が語られるなど、「ティターンズの~」から反映された描写が見受けられる。
メカニックに関してはTRシリーズ程のインパクトは無いものの、一部デザインや設定などはGPシリーズやMSVからのフィードバックを受け、後の時代の様々な兵器へ繋がっていくかのような意匠、設定がちりばめられている。
また、作中においてバーザムの活躍が光る作品として一部から評価されている。
あらすじ
宇宙世紀0085年、連邦軍士官候補生のヴァン、アーネスト、その妹ダニカの3人の運命は、ヴァンが偶然30バンチ事件の記録データを入手してしまったために暗転する。
ティターンズに拘束されたヴァンは反連邦組織ケラウノスと通じていたダニカの手引きで救助され、ともにティターンズと戦うことを決意する。 一方、妹と友人がテロ組織に加入するという不祥事に直面した名門子弟のアーネストには、ティターンズに志願して二人を討つしか選択の余地がなかった。
彼は二人を追いかける過程で強化人間の少女ロスヴァイセと出会う。
―――これは“刻”に翻弄されながらも、それに立ち向かう人々の物語。
主な登場人物
ケラウノス
- ヴァン・アシリアイノ
地球連邦軍の士官学校へ通う士官候補生。本作の主人公
休暇を利用して帰省した際、ジャーナリストであった父親の知り合いから30バンチ事件の証拠映像を渡された事がきっかけでティターンズから追われる身となり、反地球連邦活動へ参加する事になる。
ダニカ、アーネストとは兄弟のような間柄であり、二人からは弟のように扱いを受けていた。
ティターンズへ入隊したアーネストと刃を交える事に苦悩する穏やかな性格の持ち主で、あまり好戦的とは言えない。
パイロットとしては新兵同然であったが、重力下でダミーバルーンを用いるというトリッキーな戦法を駆使するなど、次第にエースとしての頭角を現すようになる。
また、高いG耐性を持ち、ワグテイルやガンダム[ケストレル]など戦闘機動時に高Gが発生するような高機動型モビルスーツを操る。
- ダニカ・マクガイア
ヴァン同様に地球連邦軍の士官学校に通う士官候補生。沈着冷静な性格で、幼少時の経験から感情をあまり表に出さない。
実兄であるアーネストとは折り合いは良くないが、同い年であるヴァンに対しては姉のように接する。
ティターンズからヴァンを逃がす事を条件にパイロットとして反地球連邦運動に参加するが、それ以前から環境保護のデモ活動などにも参加していた。
料理はジャーマンポテト以外作れない。
戦闘ではハイザックやネモ・ディフェンサー等で後方支援、索敵を担当。
- フォルカー・メルクス
反地球連邦組織「ケラウノス」リーダー。組織の名を頂くザンジバル級機動巡洋艦艦長。元ジオン軍少佐。ゲルマン系。
一年戦争時の撤退戦で足を失い、部下のルシアンに隊長の座を譲り終戦後も地球に残り、以降北欧で酒びたりの生活を送っていたが、彼を訪ねてきたルシアンの説得で反地球連邦活動に身を投じる。
普段は艦長としての任に専念するが、人手が足りない時は自らMSに乗り戦場へ赴く事もある。
一年戦争当時の搭乗機はグフカスタム。
- ルシアン・ベント
ケラウノスのMS部隊の隊長。元ジオン軍中尉。アングロサクソン系。
フォルカーとは一年戦争当時からの付き合い。一年戦争終結後も故国へ帰らず、地球で結婚して娘を授かっている。
腕利きのMSパイロットであり、砲戦用MSであるジム・キャノンⅡで格闘戦もこなす。
ヴァンやダニカにとっては公私共によく面倒を見てくれる良き上司。
ノーマルスーツのヘルメットには、愛機であるジム・キャノンⅡと同じダズル迷彩のペイントを施している。
一年戦争当時の搭乗機はドム・トローペン。
- ロープス・スグル・アキヤマ
ケラウノスの主任整備士。
ロックミュージシャンのような風貌で、寒いオヤジギャグを連発する。
リストラに遭った元地球連邦軍の整備兵であり、軍在籍時の階級は軍曹。妻子を養う為にアナハイム・エレクトロニクスの紹介でケラウノスに所属する事になった。
ヴァンに思いついたことは端末ではなくペンで紙に書いてみるようアドバイスする。
- アレット・バレ
ケラウノスの通信オペレーター。
ダニカを環境保護活動に誘った張本人でもあり、ケラウノスが整備で動けない時には近隣で開かれたデモ活動にも参加している。
- パンターニ
元地球連邦軍大尉。
ケラウノス白兵戦部隊の隊長。スキンヘッドが特徴。MS重視・歩兵軽視傾向が進む連邦軍の中において、白兵戦を用いた施設制圧を展開する。
宇宙へ上がってからは白兵戦部隊の隊長を勤める一方でサラミス改級「デルフォイ」およびアイリッシュ級「アレイオーン」の副長も兼任した。
一年戦争時、バーダー隊と共にフォルカー達と戦うが友軍によって命の危機に見舞われ、敵であったフォルカーに命を救われた過去を持つ。
エゥーゴ
- ソウイチ・オビノ
元ティターンズ少尉。
ライネスの部下として30バンチ事件の記録映像回収およびケラウノス追撃の任にあたっていたが、ルシアンに撃墜され病院送りとなる。
その後、ライネスに30バンチ事件の記録映像のコピーを託された事をきっかけにエゥーゴに参加。
エゥーゴのドック艦「ロサ・ギガンティア」でガンダム[ケストレル]等のテストパイロットを務めるが、ケストレルの高Gに耐え切れず「欠陥機」の烙印を押している。
真面目な性格の持ち主で、ティターンズを外から正すべく戦う。
同僚のエーヴィを憎からず思っている。
- エーヴィ・アルヴァ
階級は軍曹(エゥーゴは軍隊ではないが、軍曹相当の給与を貰っているという意味で名乗っている)。
アナハイム・エレクトロニクス系列企業の令嬢で一年戦争中は月面で不自由なく育ったが、地球圏の実情を憂いエゥーゴへ志願し、ラビアンローズ級ドック艦「ロサ・ギガンティア」で[グリンブルスティ]やメタスのテストパイロットを務めていた。
明るく人見知りをしない性格で、オビノに何かと突っかかる。
テスト飛行中の事故により、グリンブルスティがケストレルに改修されるきっかけを作っている。
- クリスティアン・カーク
サラミス改級「デルフォイ」艦長(後にアイリッシュ級「アレイオーン」へ乗り換えている)。階級は少佐。外見は勇ましいが、理詰めの作戦を得意とする指揮官。
ヴァン達が通う士官学校の教官であり、ヴァン、アーネスト、ダニカ、オビノにとっては恩師に当たる。
元々ティターンズに対して懐疑的であり、密かにカラバに内通していた。その後、本格的にティターンズに反発してエゥーゴに参加する。
一年戦争経験者であり、元はサラミス級の操舵手だったがその後モビルスーツパイロットへ転向。鹵獲したザクでゲリラ戦を展開し、一年戦争末期にはジムに乗り換え星一号作戦に参加。「ソーラ・レイ」によるレビル艦隊消滅を目の当たりにしている。
「審判のメイス」にも「デルフォイ」の艦長として登場。MS隊隊長のエスターにアプローチをかけてるが断られている。
- ドクター・アルヴィース
元オークランド研究所の技術者。ガンダム[ケストレル]開発主任。白衣と眼鏡が特徴。
ドクター・ロキとは同僚であった。試作機を運用しながらも異なる系統のモビルスーツを同時に整備するローブスを「宇宙世紀最高のメカマン」と評した。
アルヴィースはあだ名である。
- ヨーン・ユルヤナ
番外編「分岐」および「審判のメイス」の主人公。
一年戦争緒戦のジオン公国軍のコロニー落としから逃れるために地球に避難するが、出身コロニーが壊滅したためそのまま地球に住み着く。その村もティターンズに襲撃されたが、ケラウノスによって命を救われ、その際にカラバに志願した義勇兵。
ニューギニアでワグテイルを受領し、ガウ改級「アトバラナ」で各地を転戦し、キリマンジャロ基地での戦闘でアイリスと出会う。当初はアトバラナの操舵手であるエリー少尉に好意を抱いていたが、後にアイリスとメールによる文通を経て恋人同士となる。
第1次ネオ・ジオン戦争後はサラミス改級「デルフォイ」に配属され、ワグテイルを乗りこなしていた腕を見込まれガンダム[グリンブルスティ]のパイロットとなる。
童貞。
- アイリス・アリスン
番外編「分岐」および「審判のメイス」のヒロイン。
元はキリマンジャロ基地に勤務するティターンズ兵士。ヨーンの乗るワグテイルとの戦闘中にサイコガンダムの無差別攻撃に遭い、共に遭難。その後ヨーンと共にカラバに救出され、そのまま投降。連邦軍へ移籍している。
当初はコロニー落としによって両親を失ったことに加えてティターンズの掲げる地球至上主義を叩き込まれていたことによってスペースノイドを宇宙のゴミ呼ばわりしていたが、ヨーンと和解した事をきっかけにその考えを改めるようになる。
第1次ネオ・ジオン戦争の際に宇宙へ上がり、サラミス改級「デルフォイ」のMS隊に所属する。乗機はグリプス戦役の時は近代化改修を施したザク・キャノン、第1次ネオ・ジオン戦争後はジムⅢ・ディフェンサー。
銀髪美少女。
- JFK
番外編の「審判のメイス」の登場人物。
JFKはジャンクフリー・キッドの略で、グリンブルスティの整備主任を務めるゴツイ体つきの男性。かつてはジオンのMSパイロットだったらしく、作業用MSとして扱っている旧ザクでガザCをハンマー1つで撃退できるくらいの操縦センスもある。
ティターンズ
- アーネスト・マクガイア
本作におけるもう一人の主人公であり、ダニカの兄。宇宙世紀以前から続く名門軍人家系の長男で、現当主。
幼少期から文武両道に長け、友人や同僚からの信頼も篤い。
ダニカの実兄だが、反りが合わずむしろヴァンを弟のように可愛がり面倒を見てきた。
自らの正義を信じティターンズに志願するが、その直後にヴァンとダニカが反連邦活動へ参加し逃亡した事を知らされその追跡の任に就く。ただし二人の逃走の真相については知らされていない。
強化人間の少女ロスヴァイセと出逢い、周囲からロリコン趣味と見られながらも、互いに想いを寄せていく事になる。
- ロスヴァイセ
オークランド研究所で調整された強化人間の少女。階級は軍曹。
感応波レベルが期待値に達しておらず、また感情障害を持つ為に研究所では「UF(UnFinished Cyber Newtype、未完成品)」と呼ばれていた。
感情障害とは別にコミュニケーションが苦手で、ティターンズ所属当初はアーネストや、彼女付きの技術者に依存する形で他の小隊メンバーとコミュニケーションを取っていたが、次第に部隊とも打ち解けアーネストへ好意を寄せていく。
心肺を強化されている事もあり高G環境にも対応出来るが、強化前は心肺の弱い少女であった。
- ジゼル・アンジェリク・アルベール
へヴィ・フォーク級ニコシア艦長。階級は少佐。
強引な手段を用いるティターンズにおいて非道な行いは好まない性格の持ち主であるが、必要とあれば躊躇わない冷徹さを持ち合わせる女性。
ヴァンの手に渡った30バンチ事件の証拠映像の回収任務に就くが、それによってティターンズ本部からマークされる。
ライネスとは士官学校時代の同期で、一年戦争、デラーズ紛争を経てティターンズで再会した。
宇宙に上がってからはサラミス改級「エレトリア」の艦長となる。
- ヒューイット・ライネス
ティターンズ所属の大尉。
一年戦争を生き抜いた生粋のエース。実直な性格の職業軍人だが、第二次大戦機好きが高じてパイロットを目指した元戦闘機乗り。
ケラウノス追跡任務でアーネストの上官となるが、ヴァンから回収した30バンチ事件の証拠映像を密かに録画していた事で、ティターンズ本部からマークされる事になる。
アルベールとは士官学校時代の同期であり、航空機墜落事故でお互いに生き残った仲。
- エセルバート・ヒンカピー
アーネストの同僚のティターンズ少尉。
ライネスの部下でアーネストの同僚。偵察、索敵能力に長け直接戦闘に参加することは少なく、後方支援に徹する。
如何なる時もジョークを欠かさない能天気な性格の持ち主でロスヴァイセの兄貴分を自称するが、その情報収集・処理能力は高い。
グリプス戦役時には既に旧式化しているザク・フリッパーを近代化改修して乗り続ける。
- ユーイン・バーダー
グリプスから地球へ派遣されたティターンズ主流派。階級は少佐。
30バンチ事件の真相を知るアルベールとライネスの監視役として派遣された。
「エンジョイ&エキサイティング」を掲げる良識の欠片も無いサディストで、味方を犠牲にする事すらいとわず、享楽的に戦う事から「愉快犯」と呼ばれるが、彼と同じ性質を持つ部下からの信頼は篤い。
一年戦争時から戦い続けるエースパイロットであり、デラーズ紛争では連邦が鹵獲したビグロを用い、シーマ艦隊を口封じの為に攻撃している。
フォルカーの足を奪った張本人だが、その際に自らも腕を失い義手となっており、炎天下の熱帯地方で接合部が焼けてしまう事に悩まされる一面も見せる。
- ドクター・ロキ
オークランド研究所に所属するロスヴァイセ付きの技術者。小柄な中年男性。
当時のニュータイプ研究者としては珍しく薬物投与やマインドコントロールには否定的。
「ガンダムはその時代において求められる戦術を体言するべく技術の粋を集めて作られた試作機」であると語る。
本名は別に存在するが、同僚にとっては東洋式の発音が難しいらしく「ロキ」のニックネームで呼ばれており、それに因んでか彼が関わったオークランド研の成果物(モビルスーツ、強化人間等)は北欧神話からコードネームを引用している。
- ニシザワ
ティターンズ中佐。アレキサンドリア級テルアビブを中心としたテルアビブ分遣艦隊指令であり、同艦の艦長。
バスク・オム直属の部下だが、むしろジャミトフ・ハイマンと近しい間柄らしく、彼の掲げる思想の第一の理解者と自負している。
- エスター・マッキャンベル
ティターンズ少尉。
ニシザワの計らいでアーネストとの「縁談」の為にサラミス改級「エレトリア」に補充要員として配属されたバーザムパイロットの一人。金髪の美人。
階級が上と言う事もあり、同じ経緯で配属されたハリス、ブラシウらのリーダー格を勤めるが、グリプスⅡによるサイド2・18バンチへの砲撃を目の当たりにし、エゥーゴへ投降している。
グリプス戦役後はサラミス改級「デルフォイ」のMS部隊隊長に就任し、アイリスやヨーンの上官となる。乗機はアイリスと同じジムⅢ・ディフェンサー。
元々男運が悪かったらしく、最初に付き合った彼氏はナルシストでその後はマザコンだったらしい。そしてアーネストの一件がトドメとなり、男に縁が無いと悟った彼女は男断ちをするものの、同艦艦長であるクリスティアン少佐からアプローチされる。
- メイジー・ハリス
ティターンズ曹長。
ニシザワの計らいでアーネストとの「縁談」の為にサラミス改級「エレトリア」に補充要員として配属されたバーザムパイロットの一人。
赤毛のショートカットがスポーティーな印象を与え、ロスヴァイセとアーネストの仲を心配する一面を覗かせる。
三人の中で唯一最後までティターンズとして戦い抜いた。
- プリシア・ブラシウ
ティターンズ軍曹。
ニシザワの計らいでアーネストとの「縁談」の為にサラミス改級「エレトリア」に補充要員として配属されたバーザムパイロットの一人。
主にメガ・ランチャーを装備したバーザムで部隊の後方支援を担当する。
栗色の髪と細い肢体を持ち、ヒンカピーから熱烈なアプローチを受ける。
地球連邦軍
- ボング
准将。アーネストの父の友人で、ニューヤークの連邦宇宙軍学校の校長。
ティターンズにはあまりよい感情は持っていないが、アーネストのために推薦状を書いている。
グリプス戦役ではエゥーゴへ協力し、Gディフェンサー等をダニカの居る「アレイオーン」へ優先的に配備させるよう力添えしている。
- ハビエル
伍長。
一年戦争当時、砂漠の真ん中で孤立していた所を、同じく孤立したハウプマンに一時休戦を申し出、北米の砂漠地帯からの脱出を協力して試みたが……。
ジオン公国軍
- ライナー・ハウプマン
ジオン軍海兵隊に所属する中尉。優秀な対物狙撃兵であり、その腕前は連邦軍からもマークされる程の物であった。
一年戦争当時、砂漠の真ん中で孤立していた所を同じく孤立したハビエルの一時休戦を受け入れ、北米の砂漠地帯からの脱出を協力して試みたが……。
ネオ・ジオン/カメラード
- アルノー・ワイゼンベルガー
番外編「審判のメイス」に登場。
ムサイ級「フュールド」艦長。モビルスーツ戦ではシュツルム・ディアスを乗機とする。
アクシズの騎士と呼ばれたネオ・ジオンの精鋭だが、グレミー・トトの反乱に巻き込まれる事なく第1次ネオ・ジオン戦争を生き延び、オーラフ、ハンスらと共に彗星「C/UC0089」を地球へ衝突させる「審判のメイス」作戦を決行する。
- オーラフ・デール
番外編「審判のメイス」に登場。
ムサイ級「ヴィスマール」艦長。アルノーの同志であり、ゲルググJをベースとしたリゲルグのパイロットでもある。
ジオン軍兵士として一年戦争末期に学徒兵として軍へ配属される(この頃からゲルググに搭乗している)。グリプス戦役ではエゥーゴに参加していたが、その後ネオ・ジオンへ移籍している。旧ジオンの同志から「星の屑作戦」のオファーはあったらしいが参加しなかった。
四度続いた戦争・紛争において死に場所を得られず、死に場所を探して渡り歩くような存在となった。それと同時にジオンにとって最大の敵であるガンダムと戦うことを望んでいる。玉砕覚悟の「審判のメイス」作戦に賛同した。
なお、乗艦であるヴィスマールのクルー達もまた、一年戦争後から彼と行動を共にしている。
- ハンス・シュミット
番外編「審判のメイス」に登場。
サラミス改級「ウエストサハラ」艦長。極左テロ組織「カメラード」の首魁であり、ネオ・ジオンに取り入りハンマ・ハンマを譲り受けている。この時にハマーン・カーンと
その正体は、サイド1・30バンチの連邦軍基地に勤務していた連邦軍兵士であり、30バンチ事件で妻子を殺された過去を持った復讐者。30バンチ事件の遺族会と共に「カメラード」を組織するが、遺族会中に彗星「C/UC0089」の開拓権を持つ企業の関係者が居た事から、本来地球への衝突コースを取っていた同彗星を再び地球へ衝突させる「審判のメイス」作戦を立案する。
30バンチ事件を引き起こした地球連邦、そして地球に対する憎しみが強く、ガンダムが「英雄」であるならば何故30バンチ事件の時に現れなかったのかと激昂し、ヨーンと刃を交える。
なお、「ハンス・シュミット」の名は偽名であり、本名は作中で明かされていない。
登場メカ
アドバンス・オブ・Zを参照。
専門用語
- ケラウノス
旧ジオンのザンジバル級巡洋艦「ケラウノス」を母艦とする反地球連邦組織。正式な組織名ではなく、母艦の名称を以って通称としている。
ケラウノスの名称は、ギリシャ神話にてゼウスがティターン神族(=ティターンズ)に振るった武器「雷霆」に由来する。
元ジオン軍人、地球連邦軍人による混成部隊であり、アナハイム・エレクトロニクスをスポンサーとするが、資材・人員が不足しており、ヴァンとダニカが合流するまで動かせるモビルスーツも2機のみという状況だった。
- シャーマン・フレーム
オークランド研究所にて開発された、ガンダム[ケストレル]などに搭載されている準サイコミュに相当するインターフェース。
感応波の弱い普通の人間(所謂オールドタイプ)であっても、日常的にサンプリングしておいたパイロットの感応波のパターンを感知する事で、危機回避や攻撃動作など擬似的にパイロットの思考を機体に反映させる、後のインテンション・オートマチックに近いシステム。
元々感応波が期待値に達しない強化人間用に開発された物であり、劇中でシステムが初めて作動した際はヴァンをして「機体が勝手に動いた」と言わしめている。