「エグゾスに失敗を許す心は無い!」(第37話)
概要
第37話「恐怖の大宇宙ハイウェイ計画」から登場する悪の皇帝。一人称は「余」。
ダップの故郷であるハザード星の正義の星座伝説と対を成す悪の星座伝説の力を持つ悪の支配者で、スピード違反当たり前、交通事故起こし放題な「恐怖の大宇宙ハイウェイ」建設を目論む宇宙の地上げ屋。ダップは過去に一度彼を見たことがあるらしく、ボーゾック以上の脅威として警戒していた。
ボーゾックに属しておらず、暴走族でもないが彼等やシグナルマン、ラジエッタと同じく地球を「チーキュ」と呼ぶ。
その力は非常に強大で、左手からは作戦に失敗したボーゾックをお仕置きする電撃を放つほか、クルマジックパワーの源である5つの車型星座を飲み込んでしまうほどの計り知れないスケールを持ち、本性を表せば地球は愚かバリバリアンが野球ボール程度の大きさでしかない。なお大きさは自由に変えることが可能で、劇中では流星を握り潰して若返りパックを作ったり(第38話)、恒星がBB弾程度の大きさになる程超巨大化を果たしている。
その最大能力は、宇宙に満ちる邪悪なエネルギーを吸収することで何度でも生き返ることができるという点で、邪悪なエネルギーさえあれば何度でも再生が可能。
恐らくは宇宙人というよりも、悪の星座そのものが意思を持って具現化した存在と思われる。実際、宇宙空間に星座が実体化するように出現したり、体内がブラックホールのようになっている。
1+1を3と答えたり、『支配者』を歯医者と思ってるレベルのバカ者ぞろいなボーゾックとは異なり非常に知略に長けている一方、宇宙の悪人達向け雑誌『宇宙ランド』を発行したり、宇宙宅配便を普通に使う等庶民的な面もある。
一方のボーゾックは終盤まで「ボーゾックのファンで色々物をくれる気前のいいオッサン」=要はスポンサー程度の認識しかなかった。
肩書に皇帝とあるが、特に国を持っている様子はない。だがゾンネットの故郷であるファンベル星もボーゾックと関係ない場所で被害を受けている事から、独自の侵略ルートを持っている模様。
劇中での活躍
自身の目的である大宇宙ハイウェイ建造予定地にハザード星や地球を始めとした惑星が点在していることを邪魔に想い、ボーゾックに「占い師スゾグエ」名義で「ハで始まる星を滅ぼすといい事がある」という年賀状を送り、ハザード星を間接的に滅ぼした。次にボーゾックを地球へ送ろうとしたが、偶然にもボーゾックは勝手に地球へ行ったので静観を決め込んだ。
しかしいつまでたっても地球が滅びないことに業を煮やし、吸い込んだ者を洗脳する五色のガスでシグナルマンの故郷であるポリス星全域を洗脳し、シグナルマンをこの騒動はカーレンジャーが元凶と誤認させ敵対・ボーゾックと組ませる作戦を慣行(これについてダップは「ボーゾックの作戦にしては偏差値が高すぎるだっぷ」と訝しんでいた)。
作戦が失敗しボーゾックがスランプに陥ったタイミングで彼等の前に姿を現し、宇宙ランドの付録である巨大ロボット、ノリシロン-12や応募者全員サービスの景品である陸・海・空の覇者を与え、ボーゾックの侵略に手を貸すことになった。更にふとした疑問からそれまでボーゾックが関心のなかったカーレンジャーの力の源の正体がハザード星人のダップであることを突き止め、クルマジックパワーを利用した作戦まで考案した。
作戦はことごとく失敗していったものの、上記の出来事がきっかけで100万年に一度発生するという酒樽座の流す酒で全ての車型星座を守る守護星座が酔っ払う現象を利用し、5つの車型星座を飲み込んで封印。カーレンジャーの変身を解除させ、クルマジックパワーを消失させた。
同時に展開されていたノリシロン-最終を使った作戦は失敗してしまうが、変身不可能になったカーレンジャーをボーゾックたちが倒したのを見届けた。だがバリバリアンに戻ってきたボーゾックが見たものは……
ゴミ捨て場となったバリバリアンだった。
「ボーゾックよ、ご苦労であった。今日からバリバリアンは宇宙のゴミ捨て場となったのだ。カーレンジャーがいなくなった今、もはやボーゾックに用はない」
ガイナモ「俺達を利用するだけ利用して、後は捨てる気かよ!?俺達をゴミと一緒にするなぁ!!」
「お前達はゴミだ。ゴミの再利用をしてやる。そのままチーキュに突っ込み、燃え上がる炎のエネルギーでチーキュを花火にしてこい!ふははははは!!」
バリバリアンをゴミ捨て場にしたエグゾスはボーゾックまで用済みと見なして「ゴミ」呼ばわりした後、ゴミに火をつけて炎上させ、彼らもろとも地球にぶつけて花火にしようと企んだ。
しかし落下したバリバリアンはボーゾック達に鎮火させられ、サイレンダーが身を挺して受け止めたため失敗。VRVマスターに助けられたカーレンジャーが変身能力が無くとも『心はカーレンジャー』として立ち向かおうと不時着場所に駆けつけ交戦となる。だがそれを制止したのは事件を聞きつけ地球に戻ってきたバニティーミラー・ファンベルトであった。実はあのエグゾスの巨体でボーゾックをゴミと断言したことでこの一件は全宇宙に広まってしまい彼女の耳にまで届いてしまったのだ。真の敵はエグゾスだと説得されたボーゾックが離反してしまう。
そんな中、なかなか花火にならない地球に業を煮やし自ら地球破壊を企てたが、カーレンジャー達が操作したバリバリアンで腹部に突撃されて大爆発を起こしクルマジックパワーの解放を許してしまうが、宇宙の邪悪なエネルギーを吸収し最終形態エグゾス・スーパーストロングにパワーアップ。
当初はガイナモが芋長の芋羊羹を食べて巨大化しエグゾスに挑もうとしたが、発明家グラッチが持ってきていた芋羊羹の賞味期限(平成8年=1996年12月31日。本エピソード放送日は約1ヶ月後の1997年=平成9年)2月7日)が切れて腐っており、腹痛を起こしそのまま元の大きさに戻ってしまう(まさかこれが重大な伏線になろうとは…)。
結局VRVロボと戦闘になるが右腕の剣や口からのビーム、両手のエネルギー波でカーレンジャーを圧倒。接近戦でVRVロボを完封し、ビクトリーツイスターをも平然と素手で受け止めビームでVRVロボに致命傷を与える。そのまま最後の力を振り絞って歩いてきたVRVロボの自爆にも耐えきった。
その自爆でできたわずかな隙を突いて合体したRVロボに対してもビームで攻撃し、それをかわすと同時に放った「激走斬り・ハイパークラッシャー」で腹に風穴を開けられたが、傷口に邪悪なエネルギーを吸収して回復。そのままRVロボを秒殺してしまった。
しかし、ガイナモが先述のことを思い出した機転で賞味期限が切れて腐った芋長の芋羊羹を食べさせられてしまった事で腹を下し、邪悪なエネルギーがすべて漏れ出し、元の姿に戻った上に縮小してしまう。
これにより戦いは等身大戦となり、火炎弾でカーレンジャーを攻撃したもののオートパニッシャーで反撃され、最終技「カーレンジャークルマジックアタック」を受け爆散、「悪の大宇宙ハイウェイ計画がああああああ!!」という断末魔と共に消滅した(それと同時に建設中の大宇宙ハイウェイも崩れ去った)。
余談
名前の由来はおそらく"exhaust"(エグゾースト)。車関連ではエンジンの排気や排気筒を意味する英単語であり、名は体を表すが如く体に無数の排気筒が生えている。また、本来の意味として"(資源等を)使い尽くす"、"(土地等を)不毛にする"などもあり、彼の立ち位置に相応しい名前と言えよう。
最終決戦では腐った芋羊羹が原因で弱体化し、「カーレンジャークルマジックアタック」もほとんど走りによる突撃な技で倒されるという何とも情けない最期であるとの声もあるが、逆に腐った芋羊羹によるどんでん返しがなければ圧倒的な力でねじ伏せられカーレンジャーが完敗していたことから「戦隊シリーズ最強のラスボス(の一人)」であると評価されていたりする。また、ボーゾックをバリバリアンごと燃えるゴミとして地球にぶつけて処分しようとした彼が、ガイナモの機転によって本来生ゴミとして捨てられる運命だったであろう腐った芋羊羹を食わされて形勢逆転されるという末路はある意味では皮肉かつ因果応報と言える。
初登場は第35話であるが、DDドンモが使っていた通販は内容が明らかにまともな物ではなくどこか彼が悪者向けに発行している『宇宙ランド』と共通し、リッチハイカー教授が浴びて変異させた邪悪エネルギーも彼に由来する存在の可能性が高く、地味に伏線が張られていたとも言える。総括すれば、全体的に知能があまり高くないボーゾックを巨大な犯罪組織に変えたのはエグゾスの暗躍があってのものと推測できる。
エグゾスのシンボルであるマークは、皮肉にもある車系作品に登場する正義の軍団のマークに酷似している。
声を演じた小林氏は12年前の『星雲仮面マシンマン』、11年前の『兄弟拳バイクロッサー』でナレーションを務め、昨年の『超力戦隊オーレンジャー』ではバラガードの声を演じていた。エグゾス役以降は特撮には関わっておらず、2011年6月28日に76歳で亡くなったため、今作が最後の特撮出演となった。
なお、威厳のある悪役でありながら、彼もボーゾック同様に地球を『チーキュ』と呼んでいる。
パワーレンジャー・ターボ
最終回直前の第44話にて、ゴールドゴイルとして登場。本作ではカーレンジャー本編と違いラスボスではなく、ディバトックス配下のモンスターという設定である(最後に登場するモンスターではあるが)。
最初からスーパーストロング形態で登場し、カーレンジャー本編と同じく圧倒的な力でをターボメガゾード、レスキューメガゾードをたやすく撃破。しかしレッドレンジャーT.Jのアイデアにより、口に撃ち込まれたフォーミュラー・モビライザーを体内で自爆させられ、倒されてしまった。何か物を食べさせられ倒されるという点はカーレンジャー本編の最期と共通している。
ただし前述のとおり本作ではただの一モンスターに過ぎず敵組織は健在なため、二体のメガゾードを失ったうえ退避中に基地の場所も知られてしまったパワーレンジャーは絶体絶命の危機に陥ることとなる。
関連タグ
他作品の関連キャラ
スーパー戦隊
銀河超獣バルガイヤー、ラゲム、絶対神ン・マ、無間龍:こちらもシリーズ最強候補に挙がるラスボス。バルガイヤーとラゲムに至っては戦隊側の戦力だけでは倒せず、「外的要因によって辛うじて撃破できた」という点が類似する。
宇蟲王ダグデド・ドゥジャルダン:令和の戦隊『王様戦隊キングオージャー』に登場する、遊びの為に星を「掃除」しまくるというエグゾス陛下と似たようなことをなさっているお方。本性が天文学的サイズなのも同じ。
宇宙暴走族ヘルメドー:電磁戦隊メガレンジャーVSカーレンジャーに登場する「暴走天国」と言う彼の「大宇宙ハイウェイ」とよく似た目的を持つ実質後継者のような存在、ただし耐久力と戦闘力はエグゾスより低い。
百面神官カオス:同じくある配下を用済みと見なして切り捨てたことが後々になって自身の破滅に繋がることとなった17年後のスーパー戦隊の悪役。こちらは最高幹部。
雉野つよし/激走鬼:26年後に登場したメンバーで紆余曲折あってカーレンジャーを歪めた怪人に変貌した。また公式サイトの彼の解説にはエグゾスのことを思わせる説明が表記されている。
スーパー戦隊以外
スパイドン:作中エピソードの一つ(第11話)に賞味期限切れの柏餅(しかも一昨日の)を食べてしまったのが原因で腹痛と便意を催し、スターピース争奪戦の勝負に負けてしまったというエグゾスを彷彿とさせるものがある。