『超力変身!』
「オーレッド!」
「オーグリーン!」
「オーブルー!」
「オーイエロー!」
「オーピンク!」
「超力戦隊オーレンジャー!」
説明
超力戦隊オーレンジャーとはスーパー戦隊シリーズの作品及び、劇中に登場するヒーローである。
1995年3月から放送された。
スーパー戦隊シリーズ第19作目ながら、秘密戦隊ゴレンジャーに合わせて、20周年を祝った作品。モチーフは古代文明と図形であり、★■▼〓●王が各メンバーの苗字やメカや武器にまで、これらのマークが使用されている。
平成の戦隊では唯一の軍人戦隊(初期のメンバーが全員、職業軍人)であり、戦闘機に乗るシーンも見られる。
これらは原点回帰の意味があり「全員が職業軍人だったゴレンジャー」、「顔のシンボルマークから武器を取り出す」といった所にも反映されている。
前作は紅一点がリーダー、前々作はリーダー不在、という設定とは異なり、本作では明確にオーレッドを隊長に固定。古典的で王道のヒーロー像を目指そうという心意気があった。
暫く続いたファンタジー戦隊とは異なり、巨大ロボも純粋なメカニックとして登場している(ガンマジンは例外)。
しかし放送が開始した1995年上旬、阪神淡路大震災/地下鉄サリン事件という、フィクションが現実化したような出来事が発生してしまう。これの影響を受け、第1・2話におけるハードな戦争描写から徐々にコミカルな要素へと路線変更されていくことになった。製作サイドでも路線変更への迷いがあったらしい(その最たるものがガンマジンと言えなくない)。
しかしハードすぎる世界観から明るい方向へ路線変更したことでそれまで構築されてきた世界観やオーレンジャーのヒーロー性そのものが崩壊しかねないような演出が乱発され、軍人戦隊の要素は解体されていく事に(この流れは次回作でさらにエグイ形で生かされることになる)。とはいうものの、戦闘が激化していくにつれて次々と新型装備や巨大ロボが導入するシチュエーションは、子どもたちに興味を引き寄せる良い材料となった。
コミカル路線の流れは最終回数話前まで続いたが、最終章4話は初期のハード路線へと様変わりし、毎回がクライマックスな展開となった。完全に地球を敵に征服された戦隊は2024年現在本作のみであり、最終的に奪還したものの一時期的にせよ地球を征服させられた戦隊として名の残ることとなってしまった。その最終4部作も辻褄の合わない部分があるなど、視聴者としては疑問の残るものとなっている。
初期の路線変更と設定の辻褄の合いなさが影響したのか視聴率は良くなかったものの、総売上額は戦隊史上最高の151億円という好成績を叩き出した。さらにさとう珠緒がブレイク。以降、戦隊ヒロインがアイドルの登竜門となった。
あらすじ
地球侵略を企むマシン帝国バラノイア。人類最大の危機を救えるのは、超文明のパワーを身につけた彼らしかいない…!(OPナレーションより)
六億年前に存在した超古代文明。その副産物である機械生命体が突如反乱し暴動が鎮圧してから幾壮年。
月面にその拠点を置くマシン帝国・バラノイアは地球支配を果たすべく再び人類に宣戦布告を行う。全面降伏に応じない人類に対して世界の各都市に壊滅的打撃を与えたバラノイアの次の標的は日本に向けられた。
だが人類はこの脅威に屈することなく国際空軍(U・A)のメンバーからの選抜チーム、
「UAOH=オーレンジャー」を編成。超古代文明が残した「超力」を武器にバラノイアに立ち向かう。
人間と機械の戦いは、6億年前の英雄キングレンジャー/リキや、謎の魔神ガンマジンの参戦、そしてバラノイア内部の内紛と世代交代を経て、より激しさを増していった。
年代設定
設定年代は放送時期の1995年ではなく、ノストラダムスの大予言で騒がれた1999年となっている。しかし、カーレンジャーなど後輩戦隊との共演では辻褄が合わなくなってしまう為、後の作品では放送当時の時期に戦っていたと言うことを示唆する描写がある。
『未来戦隊タイムレンジャー』第51話はスーパー戦隊の活躍した各時代へ直接飛ぶという流れになっており、オーレンジャーが戦っていた時代は1995年という扱いになっている。
※また、映像中のカレンダーにも1995年のものが映っているが、これがミスなのか意図的なのかは不明。もしかすると、作中でも設定変更していた…のかもしれない(ただしそのようなことは一言も公表していないが)?
これは同じく99年を舞台とした特警ウインスペクターも同様で、続編である特捜エクシードラフトは92年の設定である為、大きな混乱が生じている。
この矛盾については、長谷川裕一『さらに凄い科学で守ります!』で、「特撮世界では1999が2度あった」という説が提唱され、解決(?)された。
勿論、すごかが的解釈であってオフィシャルなものではない。
※ボンバーグレートが太陽に突っ込む際、三浦が分析したUAOHのコンピューター上には「1999年」とはっきり記されている。
スーパー戦隊においては基本シリーズでの話のつながりはなく、共演はあくまでパラレルでの世界観が強いので、辻褄が合わないことに関してはそこまで気にする必要は無い。
むしろ後述する地質年代設定がえらい事になっている。
地質年代設定
6億年前という年代設定は、他作品の古代文明と比較しても極端に古く、恐竜が繁栄した中生代(6500万年前~2億5000万年前)、バージェス動物群で有名なカンブリア紀(4億8500万年~5億4000万年前)より古い。
この時代に確認されている生物は、こんなやつらである。
強引に解釈すれば視聴者が想像する範疇を超えた高度な文明を持った異星人(もしくは異次元人)が数億年前に地球に根を下ろした世界線と思われる。
登場人物
呼称表
が/に | 吾郎 | 昌平 | 裕司 | 樹里 | 桃 |
---|---|---|---|---|---|
星野吾郎 | 俺/自分 | 昌平 | 裕司 | 樹里 | 桃 |
四日市昌平 | 隊長 | 俺 | 裕司 | 樹里 | 桃 |
三田裕司 | 隊長 | 昌平 | 俺 | 樹里 | 桃 |
二条樹里 | 隊長 | 昌平 | 裕司 | 私 | 桃 |
丸尾桃 | 隊長 | 昌平 | 裕司 | 樹里 | あたし |
オーレンジャー
封印を解いた者の願いを叶えてくれる魔神。
結局ゴーカイジャーで出番はなかった。
オーレンジャーの関係者
三浦尚之(参謀長)
マシン帝国バラノイア
武器
遠距離戦用の武器となるビームガン。
近接戦用の武器となる棍棒。
キングブラスターとバトルスティックを合体させて完成するビームガン。
その威力はその威力はキングブラスターの3倍!
5人の武器とキングスマッシャーを合体した必殺砲。キングスマッシャーの5倍の威力を持つ。
第25話で登場。レッドパンチャーの腕に似たビーム砲で、5人のハイパーストレージクリスタルをセットする事で発射が可能となる。
「海賊戦隊ゴーカイジャー」ではこれを基にドン・ドッゴイヤーがゴーカイガレオンバスターを製作した。
合同技
- 超力ダイナマイトアタック
5人が合体して光の玉になって敵に突撃する。
- 超力バリア
5人がスクラムを組むことで超力のバリアーを発生させる。
- ビッグバン掃除機
ビッグバンバスターの姿勢で掃除機を構えてバラハングリーのカビを吸い取った…それって必殺技なのか…?
- 超力フラッシュ
5人が集まることでマシン獣を怯ませる閃光を放つ。
メカニック
5体の超力モビルが合体して誕生する1号ロボ。
ヘッドチェンジによって使える能力や技が変化するのが特徴。
レッド専用ボクシングロボット。
ちなみに誕生したのはオーレンジャーロボより前。
上記2体が合体したロボット。
キングレンジャー専用要塞ロボ。
ブロッカーマシン5体の合体。
後のゴローダーGTである。
オーレンジャー5人に配備されたマシンで、カウルにはそれぞれのモチーフである図形が描かれている。
国際空軍(UAOH)に配備された戦闘機で、超力砲を装備している。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 登場マシン獣 |
---|---|---|
第1話 | 襲来!!1999 | バラドリル |
第2話 | 集結!!超力戦隊 | バラソーサー |
第3話 | 危機超力の秘密 | バラバニッシュ |
第4話 | 怪奇!!鉄人パパ | バラクラッシャー |
第5話 | 激愛!!炎の兄弟 | バラカクタス1号、バラカクタス2号 |
第6話 | 強敵_頭脳マシン | バラブレイン、バラセパレート |
第7話 | 完成!!超力ロボ | 〃 |
第8話 | 激突!!超巨大戦 | バラミサイラー |
第9話 | 突然!!裏切り者 | バラダーツ |
第10話 | 参上泥棒だヨン | バラハッカー |
第11話 | 服従愛の冷蔵庫 | バラプリンター |
第12話 | 爆発!!赤ちゃん | バラベイビー |
第13話 | 幻想神様の犬 | バラマグマ |
第14話 | 大好きピノキオ | バラピノキラー |
第15話 | 友よ熱く眠れ!! | バラリベンジャー |
第16話 | 腕白!!未来っ子 | バラデビル |
第17話 | 強奪変身ブレス | バラバキューム |
第18話 | 父の異常な愛情 | バラアイビー |
第19話 | 新ロボ赤い衝撃 | バラビルダー |
第20話 | 鉄拳100連発!! | バラボクサー |
第21話 | 嵐を呼ぶケン玉 | バラケンダマ |
第22話 | 合体(秘)司令 | バラマジロ |
第23話 | 最後の水着… | バラクローズ |
第24話 | 笑う懐かし男!! | バラカッカ |
第25話 | お祭り一発勝負 | バラハングリー |
第26話 | 6億歳少年戦士 | バラゴブリン |
第27話 | キング颯爽登場 | バラゴブリン、バラキング、カメラトリック |
第28話 | 見よ奇跡の要塞 | バラキング、バラケリス |
第29話 | 踊る!侵略塾!! | バラタランチュラ |
第30話 | 地球がグースカ | バラグースカ |
第31話 | 宅配ダイエット | バラジャグチ |
第32話 | 学校の怖い悪夢 | バラナイトメア |
第33話 | 5大ロボ大暴れ | バラドリル、バラソーサー、バラバニッシュ、バラクラッシャー、バラミサイラー、バラダーツ、バラプリンター、バラマグマ、バラバキューム、バラアイビー |
第34話 | 皇帝最後の挑戦 | 皇帝バッカスフンド |
第35話 | 過激な爆弾野郎 | バラマンモス |
第36話 | オナラに直撃!! | バラスカンク |
第37話 | 拙者ガンマジン | バラポリス |
第38話 | 魔神はつらいよ | 〃 |
第39話 | 皇子決闘に死す | バラゴールド、カメラトリック |
第40話 | 出現!謎の姫!! | バラゴールド、マルチーワ、カイザーブルドント |
第41話 | 危険なふたり!! | ボンバー・ザ・グレート |
第42話 | 戦隊公開処刑!! | バラハンター |
第43話 | 切り札は七変化 | バラペテン |
第44話 | 地上最強の美女 | バラガード |
第45話 | 壊滅!!超力基地 | バラミクロン |
第46話 | 地球最期の日!! | 〃 |
第47話 | 立て輝け甦れ!! | カイザーブルドント、マルチーワ |
第48話 | 愛の勇者たち | 〃 |
音楽
主題歌
作詞:八手三郎/作曲:小杉保夫/編曲:米光亮/歌:速水けんたろう
OPテーマ。
作詞:八手三郎/作曲:小杉保夫/編曲:まきのさぶろう/歌:速水けんたろう
EDテーマ。
作詞・作曲:KYOKO/編曲:京田誠一(コーラス編曲:永井誠)/歌:速水けんたろう
最終話ED。劇中では主に挿入歌として使用されていたが、元々はこの曲が主題歌となる予定であった。
以上の経緯からオーレンジャーを代表する曲として後年の作品でゲスト出演した際にはインスト版が使用される事が多い。
挿入歌
- 超力合体!!オーレンジャーロボ
作詞:八手三郎/作曲:渡辺宙明/編曲:京田誠一/歌:速水けんたろう、森の木児童合唱団
- 輝きの舞い
作詞:八手三郎/作曲・編曲・歌:佐々木真里
- アクション!オーレンジャー
作詞:八手三郎/作曲:小杉保夫/編曲:京田誠一/歌:速水けんたろう
- アチャ・コチャ・チャチャチャ
作詞:八手三郎/作曲・編曲:つのごうじ/歌:アチャ(肝付兼太)、コチャ(安達忍)
- 真っ赤な闘魂! レッドパンチャー!!
作詞:八手三郎/作曲:小杉保夫/編曲:京田誠一/歌:影山ヒロノブ
- オーレンジャー・スピリット
作詞:里乃塚玲央/作曲:瑞木薫/編曲:京田誠一/歌:速水けんたろう
- VICTORY FIGHT〜勝利をつかめ! オーレンジャー〜
作詞:横山武/作曲:樫原伸彦/編曲:佐々木真里/歌:影山ヒロノブ
上記のほか様々なヒット曲が使用されることがあったため、以下に記す。
曲 | アーティスト | 使用話 |
---|---|---|
Overnight Sensation 〜時代はあなたに委ねてる〜 | TRF | 第21話 |
エロティカ・セブン | サザンオールスターズ | 第23話 |
勝手にシンドバッド | サザンオールスターズ | 第23話 |
いとしのエリー | サザンオールスターズ | 第23話 |
Body Feels EXIT | 安室奈美恵 | 第45話 |
関連作品
劇場版
1995年4月15日公開。東映スーパーヒーローフェアの一編として上映された本作の単独作品。
Vシネマ
1996年3月8日発売。本作と前作『忍者戦隊カクレンジャー』とのクロスオーバー作品。
1997年3月14日発売。本作と次作『激走戦隊カーレンジャー』とのクロスオーバー作品。
他作品テレビシリーズ
第31話・第32話に星野吾郎と丸尾桃が登場。
スピンオフ
2024年11月10日よりTTFCにて配信予定。『王様戦隊キングオージャー』のスピンオフドラマ。
本作からリキ/キングレンジャーとドリンが登場。なお、演者は当時とは異なり、高岩芯泰氏と其原有沙氏がそれぞれ演じている。
余談
- 後楽園ゆうえんちのヒーローショーでは、正月に「復活!伝説の戦士ゴレンジャー!!」と題して秘密戦隊ゴレンジャーと共演した。
- 主題歌で○○戦隊△△の○○戦隊の部分が歌われていない戦隊という面は電子戦隊デンジマン以来となる。
- 15年程前から「オーグリーンは死にました」という都市伝説がある。
- 2023年8月24日の最終回をもって公式配信が終了した忍者戦隊カクレンジャーに続いて、超力戦隊オーレンジャーもその翌週である2023年8月31日より、公式配信が東映特撮YouTubeOfficialにてスタートしたのだが、動画の内容はオーレンジャーなのに、動画の説明文(あらすじ)がカクレンジャーのままになっているという妙な事になっていたが9月15日の第5話以降の配信を持って本来の説明文に修正された。
関連イラスト
関連タグ
ジャッカー電撃隊:視聴率低下による路線変更など、共通点が存在する。しかもこちらは1クール短縮される悲劇が起きてしまった。
忍者戦隊カクレンジャー → 本作 → 激走戦隊カーレンジャー