「汝、アチャを愛せ!」
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「アチャ~!アイ・ラブ・ユ~♥」
登場話数:第11話「服従 愛の冷蔵庫」
概要
マシン帝国バラノイアが開発したマシン獣の一体。
暗い紫色のボディに、巨大なオレンジ色のモノアイを備えた出で立ちが特徴で、このモノアイに特定の機械を映し出すことで、それを目にした人間に機械を愛するように仕向ける能力を備えている。この能力による洗脳効果は極めて高く、体内の「一目惚れ回路」を切断されない限りは効果が解けないほどであるが、一方では人間のみならず、意思を持ったマシンに対しても有効であるため、このことが後述の通り思わぬ事態を招く結果ともなった。
また、モノアイには高性能なレーダーとしての機能も備わっており、これによって敵を捕捉し、右手からのレーザーや腹部の機関銃で追い詰める戦法を得意としている。右手の砲口からは他にもミサイルを発射することが可能である。
作中での動向
機械の恩恵を受けながらも、その機械に対する愛が足りないと憤るヒステリアの意を受け、人類に「機械への愛」を啓蒙すべく地上へ送り出されたバラプリンターは、「汝、〇〇を愛せ」の文言とともに、持ち前の洗脳能力を駆使して人々を次々機械の虜へと変えていった。
その被害者の一人の息子である聡少年から、母親が変になったと聞き及んだ昌平は、結婚式場に現れたバラプリンターの作戦行動を阻み、後から駆けつけた吾郎達と共に立ち向かうも、迂闊にモノアイを見てしまえば自らもまた洗脳されてしまうというハンデに苦戦を強いられ、一時撤退を余儀なくされてしまう。
こうして作戦の第一段階は成功裡に終わったとはいえ、これを無邪気に喜ぶブルドントに対し、ヒステリアはこれくらいのことで喜ぶようでは人並みと、その真の狙いが全人類を「機械の中の機械」「最高にして万能の機械」であるバッカスフンドの虜にすることであると示唆してみせるのであった。
その狙いをバラプリンターに伝達すべく、今度はアチャが地上へと派遣されるのであるが・・・ここで思わぬ誤算が生じることとなる。バラノイアの目論見を阻止すべく再び立ち塞がった昌平が機転を利かせ、敢えてアチャにやられるふりをした上で、
「お前は強いだけじゃなく、バラノイア一頭が良くて、カッコ良くて、最高のマシンだ!人々がお前の虜になってしまったら、この世は終わりだ!」
と持ち上げてみせたことで、あろうことか気を良くしたアチャはバラプリンターに、人々を自分の虜にするよう仕向けてしまったのである。結果、人々から持て囃される格好となったアチャはすっかり調子に乗ることとなるのだが・・・それもこれも「アチャならばこの程度で収まる」であろうという、昌平の目算が裏にあった。
とはいえ、これが多少の時間稼ぎにしかならないことは昌平にも分かっており、その彼の挑発に乗る形でバラプリンターは資材置場へとこれを追い詰めるに至ったのだが、いざ洗脳能力を発揮しようとしたその瞬間、巨大な鏡に自らの姿を映されてしまい、それを目にしたバラプリンターに洗脳の効果が出てしまうという、さらなる誤算が発生してしまう。
この昌平の奇策によって、すっかりアチャの虜となってしまったバラプリンターは、記事冒頭に示した台詞とともにアチャを散々に追い回すというドタバタ劇を展開。調子に乗った報いを思わぬ形で受けることとなった相方を見るに見かね、コチャの手で一目惚れ回路が切断されバラプリンターは正気に戻るも、それは人々にかかっていた洗脳効果が解けることも意味しており、ここに作戦は半ば自滅に近い形で頓挫を迎えることとなる。
そして洗脳能力というハンデが消失したことで、オーレンジャーも本格的にバラプリンターへと攻勢を仕掛けることとなり、彼等にけしかけたバーロ兵も一掃され、バラプリンター自身もオーグリーンの爆裂ミラージュナックルと電光・超力クラッシャーの連続攻撃に怯んだ末に、ジャイアントローラーによって敗北。
巨大戦でもミサイルで応戦しながらも、ホーンヘッドへとチェンジしたオーレンジャーロボのタウラスダイブと超力タウラスサンダーに圧倒され、そのままクラウンファイナルクラッシュで引導を渡されたのであった。
備考
デザインは原田吉郎が担当。特徴的なモノアイは、制作サイドから「シャッターをカシャッと開閉したい」といった旨の注文があったのを受けてのことで、この他にも初期のコンセプトであったスチームパンクの要素を、背中から伸びるパイプなどで表現したものとなっている。また、別途描き起こされたモノアイのパターン案からは、仮称として「バラアイボール」の名が付けられていたことが確認できる。
CV担当の立木は、本作が東映特撮への初参加となった。後年、ナレーションやシステム音声など、仮面ライダーシリーズにおいては多彩な形での参加が目立つ立木であるが、スーパー戦隊シリーズへの出演は2023年現在、このバラプリンターのみとなっている。
関連タグ
ドーラガンロック、冥獣コカトリス:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、鏡]が敗因となった戦隊怪人達。このうち後者は「敵の挑発に乗って自身の能力を反射・直撃させられた」という点で、バラプリンターとの共通項を有するのに対し、前者は「鏡自体に備わっている致命的な効果による」という点で相違している
レンアイワルド:『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場する敵怪人の一体。対象が不特定ではあるものの、人間や機械の恋愛のハードルを下げ、目にした相手を愛するように仕向けるという、バラプリンターと近似した能力の持ち主である