「ぐやじ~!こうなったら泣かせてみせよう赤ちゃんを!」
登場話数:第12話「爆発!! 赤ちゃん」
概要
マシン帝国バラノイアが開発したマシン獣の一体。
緑色のとんがり帽子を被った道化師のような出で立ちと、腰から頭頂部にかけて三角形を描くようなフォルムが外見上の特徴。「ベイビー」の名に違わず、そのカラーリングもピンクや緑など、幼児の玩具に良く見られるようなパステル系のものとされている。
頭頂部には水晶玉のような部位が備わっており、そこから放つ光線は赤ん坊に作用し、その泣き声を甚大な破壊力を発揮する超音波へと変えてしまう。のみならず、自身も首元のスピーカーより同様に超音波を放つことが可能で、いずれもボディに備わったメーターの操作により、その威力を調整することもできる。
戦闘においてはこれ以外にも、ガラガラを連結させたような形状の棍棒と、タンバリン型の武器、哺乳瓶爆弾等を駆使し、さらに口を大きく開く・・・というよりは頭部の上半分を上方へと伸長させることで、その内部から光線を発射することもできる。
デザインは阿部統が担当。「バラノイア的にロボコンを解釈したら」といったコンセプトの元、彼なりのロボコンに対するオマージュが込められている一体であるという。造形段階では「その方が面白かったから」と特徴的な黄色い垂れ目に黒目が追加されており、これについては阿部も「確かにそっちの方がストレート」と評している。
演者の田の中は、スーパー戦隊シリーズへは本作が唯一の参加となるが、東映特撮としては広義の括りとはなるものの、「月曜ドラマランド」版の『ゲゲゲの鬼太郎』にて、アニメ版と同様に目玉おやじ役で出演経験を持つ。
作中での動向
「人間はみな赤ちゃんをかわいいと思うように、脳みそにインプットされている」
この研究結果から、人間達が赤ん坊に裏切られれば大パニックを起こすとの結論に至ったバッカスフンドにより、地上に送り込まれたバラベイビーは頭頂部からの光線を赤ん坊達に浴びせることで、その泣き声を超音波へと変えていった。
かくして被害を受けた赤ん坊達の泣き声により、地上では次々と被害が発生していくこととなるが・・・その赤ん坊の中には、吾郎の知りあいの息子である「コウちゃん」も含まれており、たまたま休日を過ごしていた吾郎がコウちゃんを預かったことで、バラノイアによる異変がオーレンジャーにも察知されることとなる。
そしてそれと同タイミングで、なおも赤ん坊を襲おうとしていたバラベイビーは駆けつけたオーレンジャーにその動きを阻まれるも、バーロ兵を差し向けるとともに自らも超音波や棍棒による攻撃で応戦。さらに近くにコウちゃん親子が居合わせているのを見て取るや、コウちゃんに再び光線を浴びせて泣き声を上げさせ、その威力をメーター操作で全開にして被害を拡大させてみせたのであった。
人間なら誰しもが可愛がる赤ん坊に裏切られる絶望を人類に与えることで、ゆくゆくはその恐怖心から誰もが子供を産むのを止めて滅亡してしまう・・・そんなバッカスフンドの目論見はしかし、そう首尾良くは運ばないことを程なくして思い知らされることとなる。
というのも甚大な被害が発生しているにもかかわらず、人々は赤ん坊を憎むどころか、むしろ泣かせないように必死に頑張っており、そんな人間達の愛の「妙ちきりん」さにはバッカスフンド達も当惑を禁じえないのであった。
この不測の事態を前に、バッカスフンドは何としても赤ん坊を泣かせるべく作戦変更に及び、その意を受けたバラベイビーも病院に収容されていたコウちゃんを誘拐しコンビナートへ連れ出すと、彼の泣き声によって周囲一帯を爆破させることで東京を壊滅させようと目論む。対するオーレンジャーもコウちゃんを救出すべく、レッド(=吾郎)が単身彼の元へと急ぎ、バラベイビー達からの妨害を受けながらも他の4人のアシスト、そしてコウちゃんの母親からのアドバイスもあって何とか救出に成功、最悪の事態は回避されるに至った。
こうして作戦がまたしても頓挫したのを受け、再度オーレンジャーとの直接対決に臨んだバラベイビーであったが、けしかけたタコンパスはキングスマッシャーで一掃され、自身も超音波攻撃やタンバリンからの光線で一時的に優位に立ちながらも、レッドの「秘剣・超力ライザー」に怯んだところにビッグバンバスターを撃ち込まれて敗北を喫してしまう。
直後の巨大戦では、右腕に装備された剣を武器にオーレンジャーロボに立ち向かい、哺乳瓶爆弾や開いた顔の内部からの光線で苦戦させるも、スーパークラウンソードで光線を跳ね返されて逆にダメージを負った末に、そのままクラウンファイナルクラッシュで止めを刺されたのであった。
関連タグ
コンドルギン:『地球戦隊ファイブマン』に登場する敵怪人の一体。こちらも同じく赤ん坊にちなんだ作戦を展開した
ソウジキジゲン:『鳥人戦隊ジェットマン』に登場する敵怪人の一体。アプローチは異なるものの、こちらも自らの能力によって少子高齢化を促進させる作戦を展開した
オカーナ星人エイミー:『特捜戦隊デカレンジャー』の登場キャラクターの一人。バラベイビーと同じく、TVシリーズの第12話に登場したという点で共通しているが、こちらは本人が赤ちゃんであるという点で相違している
デーボ・キャワイーン:『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場する敵怪人の一体。こちらも赤ん坊にちなんだ戦隊怪人であるが、赤ん坊に働きかける作戦を展開したバラベイビーとは逆に、こちらは親の方に能力を行使するという相違点を有する
兄弟拳バイクロッサー 特警ウインスペクター:いずれも本作のメインライターである杉村升が参加した東映特撮で、両作共に杉村の筆による赤ちゃんにまつわるエピソードが存在する(前者は第16話「赤ちゃんにするぞ」、後者は第1話「赤ちゃん暴走!」がこれに該当する)
西初恵:バラベイビーが登場する第12話にて、コウちゃんの母親役として出演