『地球戦隊!』
『ファイブマン!!』
『地球戦隊ファイブマン』とはスーパー戦隊シリーズの作品、及び劇中に登場するヒーローである。
概要
1990年3月から放送されたスーパ-戦隊シリーズ第14作目の作品。シリーズ初の兄弟戦隊であると共に、全員が教師(前作の生徒に対し、本作は教師)であるという特徴がある。
シリーズ中唯一、男女で変身アイテムが違うのも特徴となっている(男性が通例通りブレス、女性がコンパクト)。また次回予告は4パターンあり、第2、第3話は本作品のナレーターが担当していたが、第4話以降はマンネリ化を避けるためか序盤・中盤・終盤で変わるようになった。序盤はドンゴロスが担当、中盤では「5くん人形」が交替で、終盤ではファイブマンが交替で、それぞれ担当していた。
前年の社会情勢を受けて、デザインや設定を明確に子供向けへ回帰(逆に言うと大友を排除)したと推察されるが、商業的に不振で基地ロボの売れ残りが話題になっていた他、視聴率の最高迷によりジャッカー電撃隊以来の打ち切りの危機にさらされていた。
しかしハード路線にシフトした後半戦の盛り上がりにより持ち直し、結果的には大団円の末に全48話で完結した。主人公が兄弟である以上に教師でもあることと、エンディングテーマ「ファイブマン、愛のテーマ」の歌詞に込められたメッセージ性の強さから、今日では「教育ヒーロー」「隠れた名作」として再評価される傾向にある。
あらすじ
地球から遠く離れた惑星シドンに入植していた地球人の星川博士一家は、シドン星人と共に8年間、緑地化活動を続けていた。
だがある日、彼等は突如現れた銀帝軍ゾーンの襲撃を受ける。2人のシドン星人も惨殺され、星川夫妻は5人の子供達をアーサーG6に託し、地球へと逃がした。
それから20年後の1990年、星川兄弟はニュータウン小学校の教師として教鞭を振るっていた。
しかしかつてシドンを襲ったゾーンが地球へと侵攻を開始し、ニュータウン小学校も破壊されてしまう。だがこの事態を予測していた星川兄弟は、両親の仇でもある銀帝軍ゾーンと戦う為の準備を整えていた。それが地球戦隊ファイブマンである。
登場人物
ファイブマン
呼称表
ここでは、出生順にまとめた。
が\に | 学 | 健 | 数美 | レミ | 文矢 |
---|---|---|---|---|---|
学(第1子) | 俺 | 健 | 数美 | レミ | 文矢 |
健(第2子) | 兄貴 | 俺 | 数美 | レミ | 文矢 |
数美(第3子) | 学兄さん | 健兄さん | 私 | レミ | 文矢 |
レミ(双子の姉) | 学兄貴 | 健兄貴 | 姉さん/お姉ちゃん | あたし | 文矢 |
文矢(双子の弟) | 学兄貴 | 健兄貴 | 姉さん | レミ | 俺 |
星川家の長男。小学校教師としては理科を担当。
本作には長官役が存在しない。私設防衛組織ファイブマンの中心人物で完璧超人である。
星川家の二男。小学校教師としては体育を担当、熱血体育教師。
星川家の三男。レミの双子の弟。小学校教師としては国語を担当。
星川家の長女。小学校教師としては算数を担当。フェンシングの達人。
星川家の二女。文矢の双子の姉。小学校教師としては音楽を担当。カンフーの達人。
銀帝軍ゾーン
これまでに999の惑星を滅ぼしてきた大軍団。
地球を1000個に滅ぼす惑星として侵略を開始する。
ファイブマンの関係者
星川兄弟が子供のころから一緒にいたお世話ロボットで、家族の一員。エンディングはアルバム形式になっているが、そのエンディングで流れる「家族」写真でも親代わりとして、共に写っていた。
有事の際には必殺武器・アースカノンに変形してファイブマンの戦いを支援したり、パイロット代理を務めたりする。この時代には追加戦士・番外戦士という発想が無かったが、それぐらいの存在感がある。
兄弟の父親。地球の技術を用いて、シドン星の緑地化活動を行っていた。しばらくは生死も不明であったが、後にスターファイブを製作していた事が判明する。一部では光速エスパーとも呼ばれているとか。
兄弟の母親。31話では銀帝軍ゾーンによって「ニセの母親」が送り込まれて混乱した事もあったが、星川学は「20年経過しても老けていないのは怪しい」と疑問を抱いて偽者だと見破った。
最終回付近でも再登場するが、盛り上がってるんだし、そっちでは疑問を抱いてはいけない。
重傷を負って星川博士に助けられたが、その直後にスターファイブを強奪してしまった。後に星川学と和解し、死の間際に夫妻の住む惑星の場所を伝える。
ちなみに、スターファイブの中の人の顔出し出演でもある。
その他
武器
該当項目参照。
該当項目参照。
該当項目参照。
イエロー、ピンク、ブラック、ブルー、レッドの順に敵に個人武器攻撃を浴びせて行く技。
ハイパーファイブキック
ファイブレッドが兄弟たちをジャンプ台にして放つキック。
ドッジボールをヒントに開発された必殺武器で、4人がパスをして行く事でエネルギーをチャージし、レッドでフィニッシュを決める。パスごとに4人のパーソナルカラーに変化し、フィニッシュ時にプロテクターが装備される。
ファイブアーマー2段打ち
ブルーに投げられたブラックのパワーカッター、ブラックに投げられたブルーのツインアレイを浴びせるコンボ技。
ツインアクション
ブラックの背後からイエローが現れ、奇襲を仕掛ける。
ツインフィニッシュ
ブラックとイエローが同時に放つ飛び蹴り。
メカニック
ジェットアルファ・ランドガンマ・キャリアベータが合体して完成する1号ロボ。
超次元ソードを駆使した必殺技で巨大化した銀河闘士にとどめを刺す。
星川夫妻が地球帰還のために開発したが、グンサーによって強奪された2号ロボ。
この事がきっかけでファイブマンは両親が生きている事を知る。
ファイブロボとスターファイブが合体して誕生した最強ロボ。
必殺技はスーパーベクトルパンチ。
ファイブマンの基地マグマベースがスーパーファイブロボと合体した超巨大ロボ。
前作のターボビルダーに続く巨大基地ロボである。
ホークアロー
ファイブマンが搭乗するスーパーバイク。最高時速330km/hで、カウルに装備したホークカノンが武器。
各話リスト
音楽
主題歌
作詞:売野雅勇/作曲:小杉保夫/編曲:山本健司/歌:鈴木けんじ
OPテーマ。
作詞:売野雅勇/作曲:小杉保夫/編曲:松下一也/歌:鈴木けんじ
EDテーマ。
挿入歌
- 熱いビートでファイブマン
作詞:高田ひろお/作曲:小杉保夫/編曲:吉田明彦/歌:鈴木けんじ
- おれたちウラヒーロー
作詞:高田ひろお/作曲:FULTA/編曲:石田勝範/歌:Y.F ZOMBIE COMPANY
- ジャンケンジャンプ!ファイブマン
作詞:そのべかずのり/作曲:池毅/編曲:石田勝範/歌:鈴木けんじ
- 五つの心でファイブロボ
作詞:八手三郎/作曲:小杉保夫/編曲:吉田明彦/歌:影山ヒロノブ
『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』では、歴代レッドメカの戦闘シーンでインストゥルメンタル版が使用された。
- カンフー・ダンス
作詞:そのべかずのり/作曲・編曲:吉田明彦/歌:CHIEMY
- スーパー・アーサー
作詞:曽田博久/作曲:小杉保夫/編曲:石田勝範/歌:松本梨香
松本梨香氏が三大特撮の楽曲を担当したのは実はこれが初であり、のちに「ウルトラマンネオス」、「仮面ライダー龍騎」に参加して三大特撮を制覇した。
- ブラザー・ブラッド
作詞:長石多可男、そのべかずのり/作曲:池毅/編曲:吉田明彦/歌:鈴木けんじ
- ハンド・イン・ハンド
作詞:そのべかずのり/作曲:小杉保夫/編曲:石田勝範/歌:CHIEMY
- 地球はほがらかじま
作詞:高田ひろお/作曲:小坂明子/編曲:松下一也/歌:鈴木智太、森の木児童合唱団
- 兄弟ロボだぜ! スターファイブ
作詞:八手三郎/作曲:小杉保夫/編曲:松下一也/歌:高原兄
- ニュータウン小学校校歌
作詞:渡辺勝也/作曲:広沢麻美
関連タグ
銀河戦隊ギンガマン:いわゆる「悪の戦隊」の起源となった、ゾーンの準幹部。
高速戦隊ターボレンジャー→地球戦隊ファイブマン→鳥人戦隊ジェットマン
救急戦隊ゴーゴーファイブ:2代目兄弟戦隊。
魔法戦隊マジレンジャー:3代目兄弟戦隊(厳密には家族戦隊)。
海賊戦隊ゴーカイジャー:第49話で星川レミが登場。バスコから奪還した大いなる力を使っていいのか悩むゴーカイジャーの前に現れ、改めて大いなる力を託した。
手裏剣戦隊ニンニンジャー:四代目兄弟戦隊……と言いたいところだが正確には従兄弟戦隊。
電磁戦隊メガレンジャー:現役時代は高校生だったが後日談で戦隊レッドが母校の教師になった。
機界戦隊ゼンカイジャー:同じく『王道路線を休ませる為の色物作品』の前に放送された作品
ウルトラマン80:本作の10年前に放送された変身教師ヒーロー特撮作品。大人の事情で教師路線に変更が見られたことも同じだが本作は最後まで教師設定を貫き、生徒たちに見送られながらの旅立ちとあちらでは果たせなかったことを描けた。
超音戦士ボーグマン:教師がヒーローに変身するアニメ。
地獄先生ぬ~べ~:少年ジャンプに連載されていた怪奇漫画でテレビ朝日系でアニメが日本テレビ系で実写がそれぞれ放送された(ただし、実写版は大人の事情で高校生に引き上げられた)
らんま1/2:アニメ版である『らんま1/2熱闘編』がファイブマン放送時の裏番組として放送されていて人気もあった為、ファイブマンの視聴率の最高迷の理由の1つとなった。実際福岡県など番組編成でらんまが裏番組でなかった地域はファイブマンは大人気で評判も良かったと言われている。
勇者エクスカイザー:同年制作・同局放送の作品。主人公の名字が星川であることや最終回では子供に見送られながら、ヒーローが宇宙に旅立ったことも同じ。
鳥山明:漫画家。『ドラゴンボール』執筆当時に放送されていた本作を実子が視聴していたのをキッカケに自身も観てからは息子以上にハマるまでになり、東京旅行の際に後楽園ゆうえんちでファイブマンのショーを観に行ったり、同時期放送の同じく東映制作の特撮ドラマ『特警ウインスペクター』と共に毎週の視聴を楽しみにしていると週刊少年ジャンプの作者の巻末コメントや別の漫画作品で当時公言していた。また、そこから発想を得て誕生したのが「ギニュー特戦隊」と言われている。