シュバリエ「ハッハッハ・・・! お前たちも缶詰にしてやる! ファイブマンの缶詰が5つ揃った時、我がパーティーは地球最後の晩餐会となるのだ!」
CV:河合義雄
登場話数:第34話「人間カン詰」
概要
その名の通り、「サメギン」と「アリジゴクギン」の2体(※1)の合身により生み出された個体で、左半身のアリジゴクギンの頭部が胸に、そしてその上に被るように右半身のサメギンの頭部が配されているという、合身銀河闘士の中でも他とは異なる形でアンバランスさを感じさせる出で立ちが特徴である。
生み出したシュバリエをして「陸のジョーズ」と謂わしめるだけあり、地中を背鰭のみを地上に出した状態で高速で自在に潜行する能力を有している。その姿はさながら海面から背鰭を出して泳ぐ鮫のようであり、戦闘ではこの特性を駆使した敵を死角から翻弄せしめる戦法を得意とし、地上に出した背鰭を発光させての体当たりは、ファイブマンのホークアローの突撃さえも弾き返し、大破に追い込むほどの威力を発揮する。地中のみならず地上に出た際の動きも俊敏であり、口からは怪光線を吐くこともできる。
これだけでも十分に厄介なサメジゴクギンであるが、それらに加えて捕らえた人間を蟻地獄状の穴へと引きずり込むことで、「人間缶詰」なる食品としてしまう能力までも有している。この人間缶詰は3日経つと発酵しシュバリエ曰く、「この世で最高の食い物」になるとされる。缶詰にはモチーフと同じくサメとアリジゴクが合わさったかのような赤色のマークが施されており、通常は銀色でギンガマンが回収しているが、ファイブマンの場合はそれぞれのカラーリングとなっており(※2)シュバリエが自ら回収している。
なあ、当人のポリシーなのか、作中ではファイブマン以外は全員若い女性をターゲットとしており、その点を見抜いたレミからは「エッチ」と評されていたりもする。
(※1 合身前の2体の姿も、シュバリエがファイブマンに作戦の概要を説明する際に示したイラストという形で登場している)
(※2 作中で缶詰にされなかったレッドとイエローのものはシュバリエのファイブマンの缶詰が5つ揃った際の「地球最後の晩餐会」のイメージ映像として登場している。なお、レッドのものは缶詰の色が赤色であるため、マークの色は白色になっている)
作中での動向
度重なる失敗によりガロア艦長が失脚、便所掃除係へと降格させられるという憂き目に遭う中、それとは対照的に華麗なる復帰を果たしたシュバリエの下で、バルガイヤーの内部もより優雅なものへと転じていった。
が、そんな「最高の環境」に満足することなく、配下達に「この世で最高の食い物」を振る舞おうと画策したシュバリエは、その準備のため密かにサメジゴクギンを地球へと送り込んでいたのである。
そのサメジゴクギンは手始めにテニスコートを襲撃し、女性達を次々地中に引きずり込んで缶詰へと変えていくと、そこに駆けつけた星川兄弟のうち、引きずり込まれようとしていた女性を助けようとしていた数美までも人間缶詰にしてしまう。
数美が閉じ込められた缶詰を手にし、意気揚々と「地球最後の晩餐会」を開かんとする自らの目論見を披露したシュバリエに対し、憤慨した学達も変身して立ち向かうが、そんな彼等をサメジゴクギンは地中からの攻撃で散々に翻弄、シュバリエの援護も得てブルーまでも自らの能力の餌食にしようと迫るが、レッドの攻撃によりダメージを受けたため一旦その場を退いた。
無論これでサメジゴクギンが引き下がるはずもなく、ジョギング中の女性達を襲って彼女達も缶詰に変えると、再び現れたファイブマンに対しても彼等の攻撃をものともせず、先程仕留め残ったブルー、そしてイエローを庇ったブラックまでも次々缶詰とするなどなおも猛威を振るった。
地中に潜ったまま優位を確保しているサメジゴクギンに対し、有効手を見出せず焦燥する学とレミであったが、ここでレミが「ファイブマン以外は女の子しか狙わない」という点に気付いたことで、2人はレミを囮役とした陽動作戦を展開。案の定、レミに釣られてまんまと採石場まで誘き出されたサメジゴクギンは、そこで待ち構えていた学の操作するクレーン車に一本釣りされ、変身したレッドのVソードによって手痛いダメージを負ってしまう。
結果、これと連動して缶詰とされていた人間達も全員元に戻ってしまい、失態を演じたサメジゴクギンはシュバリエによって助けられた後、彼やギンガマンと戦うレッドとイエローに再度襲いかかろうとするも、そこにブルー達が駆けつけたことで失敗に終わり、5人揃ったファイブマンのスーパーファイブボールで今度は自らが散々に翻弄された末に、レッドのフィニッシュによって止めを刺されるに至った。
ゴルリン29号によって吸収・巨大化した後は、黒ゴルリンとのタッグでファイブロボと相まみえ、等身大時と同様に地中からの攻撃でこれを大いに苦しめてみせたが、対するファイブマンもスターキャリアを出動させて反撃に転ずると、それとの連携で繰り出した「兄弟ロボフライングアタック」によってサメジゴクギンも敢え無く撃破されたのであった。
備考
デザインは大畑晃一が担当。リアリティよりも見た目のインパクト、ドギツさをより狙う形で左半身のアリジゴクを紫色としている他、怖そうな感じを演出すべくサメの側の体表をウロコで覆っており、前述したアンバランスなモチーフの配置も、両方悪そうな見た目のモチーフであるがゆえに顔を両方残したいという思いがあってのことであるという。この凶悪さについては「武闘派ヤクザの渡瀬恒彦と渡哲也の合体」と例えてもおり、大畑自身も気に入っている方であると後年のインタビューにて評している。
他方で、これをデザインした頃は「やけっぱちっぽくなってる可能性が高い」と後に振り返っており、同時に「ただ半分にぶった切ってくっつけたりすると怪獣としての威厳が保てないのではないか」という思いもあったことを示唆している。
関連タグ
ジュウオウシャーク、魔進ザビューン、ドンムラサメ:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、サメモチーフのキャラクター達。地中をサメのように自在に移動できるという点でも共通点を持ち合わせている一方、サメジゴクギンとは異なり戦隊側、もしくは第3勢力に属しているという点で相違している
ダンゴボーマ、ツリバカツオリーブ、マシュマロ邪面:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する敵怪人達で、人間を食品化する能力の持ち主という点でサメジゴクギンとの共通項を有している
オンブオバケ:『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』に登場する敵怪人の一体。こちらも「美女に目が無い」という習性を利用した陽動作戦に引っ掛かり、戦隊側に形勢逆転を許してしまったという点で共通している
熱果獣パイナプラー:『ビーファイターカブト』に登場する敵怪人の一体。サメジゴクギンと同様に人間を缶詰にする能力を持つ一方、その目的については大きく相違したものとなっている