概要
所謂合成怪人のカテゴリに含まれる存在だが、一般的なそれらと一線を画す要素として、「素体の2体の銀河闘士を、文字通り半分ずつに分けた上でその半身同士をそのまま接合した姿」と言う点が挙げられる。
表裏一体のゴリワシギン、モチーフ同士が融合したテラノTVギンやバラドルギンなどの例外も存在はするものの、この要素に起因した左右で大きくフォルムの異なる出で立ちは、いずれも他の合成怪人にはない強烈なインパクトを見る者に与えるものとなっている。
合身銀河闘士は、異なる2体の銀河闘士を「フランケンカプセル」と呼ばれる装置に入れることで生み出され、合身の際には両者の頭脳までも合体することから、その意志も統一されている(ただし、試作第1号で合身が不完全なカニアリギン、合身に失敗してしまったゴリワシギンは、それぞれ意思が併存した状態となっている)。
一方で、見た目こそ半身同士が単純にくっついただけであるが、能力までも半々になったそれがそのまま合わさっている訳ではなく、元となった2体分の能力をそのまま引き継いでいる。そのため、合身銀河闘士の殆どは「一体でありながら2倍の力を発揮する」強力な存在となっており、ファイブマンに対しても度々苦戦を強いてみせている。
生成に必要なフランケンカプセルを、ガロア艦長の命を受けたドルドラが開発したという経緯からも分かるように、合身銀河闘士は元々ゾーンに復帰した初代艦長シュバリエへの対抗手段という意味合いがあった。その後程なくして、シュバリエの方でも独自に合身銀河闘士を生み出す技術を確立しており、ガロアの優位性も一時的なものに留まると共に、両者間の熾烈な競争にもさらなる拍車をかける要因となった。
一覧
※太字は作中で素体が明らかとなっている個体(素体に関してはこちらを参照)。
ガロア艦長配下
銀河博士ドルドラ配下
銀河商人ドンゴロス配下
初代艦長シュバリエ配下
名前 | モチーフ | CV | 登場話数 |
---|---|---|---|
イカタマギン | イカ、卵 | 依田英助 | 第30話 |
ワニカエルギン | ワニ、カエル | 岸野一彦 | 第32話 |
サメジゴクギン | 鮫、アリジゴク | 河合義雄 | 第34話 |
ヒョウコブラルギン | 豹、コブラ | 岸野一彦 | 第35話 |
ヒルアゲハギン | 蛭、アゲハチョウ | 徳丸完 | 第42話 |
その他
備考
「2体の怪人を半分にぶった切ってくっつける」という合身銀河闘士のデザインコンセプトは、企画者104の方から出たアイディアであると、後年本作のキャラクターデザイナーの一人であった大畑晃一が証言している。コンセプトが確立するまでの段階では、大畑の方でもいくつか違う方向性のものも描いていたようだが、最終的に前述したコンセプトの方が「子供が見た時に面白いだろう」という判断により、そちらが正式に採用される格好となったという。
大畑と共にキャラクターデザイナーとして参加していた篠原保も、「とにかく馴染ませてはいけない」「徹底的に真ん中で真っ二つにしてくれ」というオーダーがあったと語っており、作業量としては1体で2体分の怪人を考案するも同然な合身銀河闘士のデザイン作業については、「もうホントに・・・殺す気か!」と当時思っていたことを、やはり後年になって述懐している。
デザインにおいては前述したコンセプトの他にも、質感やフォルムなど左右の「対比」も強く意識され、ここでも異なるモチーフを馴染ませないという方向性が徹底されている。
銀河闘士の時点でも、デザインコンセプトに対する解釈において微妙な差異があった大畑と篠原であるが、合身銀河闘士においてもやはりそうした両者のアプローチの違いが所々に表れていたりする。
篠原が手掛けた個体が、当初コンセプトに忠実な形で分割の境目を正中線上に配し、その境目についても特別な処理が見られなかったのに対し、大畑の担当した個体の多くは、分割のラインをあえて微妙に崩したり、境目においても片方の半身の意匠の一部を反対側に入り込ませるといった処理がなされているのが特徴となっている。また、大畑の担当分には境目に金属の留め具が配されたものも散見されるが、これは手術によって生み出された存在であるのをアピールすると共に、何もないと違和感が出るという判断によるものである。
もっとも、こうしたアプローチの違いは相互に影響を与えていった節もあるようで、ある程度後の方になると篠原の手掛けた個体の中にも、継ぎ目に留め具を配したり境目を若干崩したものが出てきたり、逆に大畑の方でも留め具の要素を排し有機的に半身同士を繋ぎ合わせた個体を考案するなど、それぞれ前述したデザインコンセプトに沿いながらも、様々な試行錯誤に及んでいたことが窺える。
関連タグ
メカシンカ、バイオ次元獣、トリノイド:スーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、合成怪人のカテゴリに類する敵怪人達。
ベーダー怪物、合成怪獣:やはりスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する敵怪人達であるが、こちらは「左右非対称を意識したフォルム」というコンセプトを掲げている点で、合身銀河闘士との共通項を有する。