『ダイナマン!!』
「ダイナレッド!」
「ダイナブラック!」
「ダイナブルー!」
「ダイナイエロー!」
「ダイナピンク!」
『爆発!科学戦隊ダイナマン!!』
概要
スーパー戦隊シリーズ第7作目の作品。タイトルからわかるように、とにかく爆発シーンが多いことで知られる。
スーパー戦隊シリーズにおける西部警察ポジション。戦闘シーンで誰かが攻撃するたびに背後で何かが爆発するレベル。
変身後の名乗りシーンでも、1人ずつ名乗りをあげるたびにコスチュームカラーとおなじ色の爆炎があがり、最後に5人揃って「ダイナマン!」と名乗ったと同時にテレビ画面を覆い尽くさんばかりの大爆発が起こる。オープニング曲でも「爆発」のキーワードを連呼する。
というか、オープニングでは最初に挨拶代わりと言わんばかりに爆発してから「科学戦隊ダイナマン」のタイトルが出て、『ダイナマン!!』のタイトルコール。続く主題歌はイントロの時点から既に爆発しまくりで、爆音混じりのイントロになってしまっている始末である。
撮影に使われた火薬の量は歴代最高である。
なんでそんなに爆発推しなのかというと「魂の爆発」がテーマであったかららしい。
また、出渕裕によるスタイリッシュな敵陣営のデザインでも知られている。
これ以降美形悪役路線が定番となり、オーレンジャーで顔出し悪役が無くなるまで続いた。
テレビ朝日側の編成の都合で、第9話からは放送時間が急遽25分へと短縮され、本編が約17分という制限下でのドラマ作りをメガレンジャー序盤までの14年間に渡り余儀なくされるが、これによりシリーズ特有のスピーディーな展開に繋がることになった。
あらすじ
地底世界を統べるジャシンカ帝国の帝王アトンは地上侵略を開始した。
それに立ち向かうのは一人の科学者と、彼の下に集う五人の夢見る若者達……
科学戦隊ダイナマンの雄姿であった。
登場人物
呼称表
が\に | 弾 | 星川 | 島 | 南郷 | レイ |
---|---|---|---|---|---|
弾北斗 | 俺/僕 | 星川 | 島 | 南郷 | レイ |
星川竜 | 弾 | 拙者 | 島 | 南郷 | レイ |
島洋介 | 弾さん | 竜さん | 俺 | 南郷 | レイ |
南郷耕作 | 弾さん | 星川さん | 島 | 俺 | レイ |
立花レイ | 弾さん | 星川さん | 島さん | 南郷さん | 私 |
※当時男性メンバーは苗字で呼ばれることが多かったが、島は星川に対して「竜さん」と名前で呼んでいる。
ダイナマン
リーダー。モトクロスライダーでもあり無公害水素エンジン開発に取り組む。
伊賀忍者の子孫で宇宙の研究を行う。水浴びをしている最中のキメラの服を盗むというヒーローらしからぬ行いをやったことがある。
ダイナマン第1話では中の人繋がりでゴーグルファイブのゴーグルブラックの変身ポーズをとっていた。
(2人とも同じ春田純一氏が演じていた)
18歳で人工えらの開発に取り組む海洋学者の卵。
動物と話せる機械の発明を目指す。
海賊戦隊ゴーカイジャーの劇場版、199ヒーロー大決戦にも登場した。
有尾人一族ジャシンカ帝国
「尻尾が多い者が地位が高い」という価値観を持つ、地底に住む種族。
ジャシンカの帝王。十本尻尾になって地上を征服しようと企む。
帝国最大の科学者にして武人という、ジャシンカの大黒柱。「軍神」と呼ばれるその戦闘力は絶大。
元は5本尻尾だったが、1話でダイナレッドに切り落とされ4本尻尾となり彼を恨む。当初は短慮なバカ王子キャラだったが、ゼノビアの手により一旦失脚して後大きな成長を遂げる。
メギドの従妹。メギドとは顔を合わせれば喧嘩ばかりしている仲だったが、終盤にアトンから跡を託されたメギドを認め彼の妻となる。
かつてジャシンカに反逆し、千年洞窟に封印された女将軍。復活してアトンに忠誠を誓うも、内心ではジャシンカを支配するという野望を依然として抱き続けている。
その他
ダイナマンの司令官的存在の科学者。日頃は街の発明おじさんとして子供達が集う「夢野発明センター」を主宰している。
ジャシンカの脅威に対抗すべくダイナマンの5人を揃え、ダイジュピターやダイナロボを私財で準備した。その理由と、意外な正体が終盤で明かされる。
ジャシンカにもダイナマンにも与せず、ある目的の為に暗躍する謎の男。
技/共通武器
- ダイナロッド
銃やスティックに変形する万能武器。
火炎やショックビーム、水流、電撃、ショックビームなど本当になんでも出る。
- マッハダッシュ/ダイナジャンプスカイハイ
ブーツからエネルギーをジェット噴射する事で高速移動や飛行が可能。
五人が合体して巨大な光の玉となり、敵に突撃して大爆砕してしまう大技。
バズーカ等の必殺武器を持たないダイナマンの持つダイナミックな必殺技。
スーパーダイナマイトの通用しないメカシンカの出現に伴い、強化版のニュースーパーダイナマイトが登場した。繋ぎとして5人同時にキックを放つダイナキックが使用される事も。
ダイナマンの代名詞が爆発とされるのもこの技の存在があってこそ。
メカシンカに対抗するため、ダイナマンが試行錯誤の特訓の末編み出した新たな必殺技。
5人が文字通り血反吐を吐くほどの模索を重ねても新技はできなかったが、見かねて乱入してきた夢野総司令との戦闘で偶然やってのけた錐もみジャンプがヒントとなり完成した。つまり純粋な努力と根性によって編み出されたある意味珍しい技。
爆発のエネルギーをジャンプ時の回転で運動エネルギーに変えて吸収、空中で合流して火の玉となり突撃・爆砕する。
食らった方は何が起きたのか理解する前に爆死する威力に加え、逃げようとした敵を執拗に追い回して爆砕するというホーミング性能を併せ持つ。
- ストロボ戦法
ストロボの点滅のように敵を撹乱する戦法。
- フェードバックセミシグレ
セミシンカの超音波セミシグレへの攻略法として編み出した。
5人がセミシンカを取り囲み、パラボラで音波を反射する。
1回のみの技かと思いきや機界戦隊ゼンカイジャーでまさかの再登場を果たした。
- マッハダッシュマシンガン攻撃
光の玉に化身し、空中の敵に突撃する技。
- ロッドスパーク
ダイナロッドを扇のように構えてエネルギー波を放つ。
- フライングアタック
5人同時に飛び上がり、ダイナロッドを構えて敵に突っ込む。
- イナズマスパーク
5人が敵を取り囲み、ダイナロッドを地面に突き立てて電撃を浴びせる。
- 毒ガス返し
空中で円陣を組んだ5人が回転して毒ガスを吹き飛ばす。
メカニック
ダイナマッハ、ダイナモビル、ダイナギャリーを格納する巨大空母。武装は両翼下から発射されるミサイル。
ダイナロボの頭部となる戦闘機。
ダイナロボの胴、腕となる巨大装甲車。飛行も可能。
ダイナロボの脚部となる巨大トレーラー。
ダイナマッハ、ダイナモビル、ダイナギャリーが合体した巨大ロボット。必殺技は科学剣・稲妻重力落とし。
- ダイナファルコン
最高速度300km/hを誇るレッド専用バイク。
ミサイル砲を装備。
- ダイナマシーン
最高速度260km/hを誇る4WDマシーン。
レッド以外のメンバーが搭乗。
各話リスト
音楽
主題歌
- 科学戦隊ダイナマン(OPテーマ)
作詞:小池一夫/作曲・編曲:京建輔/歌:MoJo、こおろぎ'73
- 夢をかなえてダイナマン(EDテーマ)
作詞:小池一夫/作曲・編曲:京建輔/歌:MoJo、こおろぎ'73
挿入歌
- 待っていたんだダイナマン
作詞:砂原十吾/作曲・編曲:京建輔/歌:MoJo、こおろぎ'73
- 炎の戦士 〜FIRE CREW〜
作詞:さがらよしあき/作曲:富田伊知郎/編曲:吉村浩二/歌:MoJo
- 俺のハートは夢じかけ
作詞:八手三郎 / 作曲・編曲:京建輔 / 歌:MoJo
『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』では、昭和に活躍した「技の戦士」のテーマソングとして使用された。
- 白昼(まひる)の嵐 〜BOMBER TWIST〜
作詞:さがらよしあき/作曲:富田伊知郎/編曲:吉村浩二/歌:MoJo
- スーパーダイナマイト
作詞:曽田博久/作曲・編曲:京建輔/歌:MoJo
- ゴーゴーダイナロボ
作詞:八手三郎/作曲・編曲:京建輔/歌:MoJo
- エンドレスウェイ
作詞:さがらよしあき/作曲:富田伊知郎/編曲:吉村浩二/歌:MoJo、こおろぎ'73
関連作品
1983年3月12日公開。東映まんがまつり内にて上映された本作の劇場版作品。後に再編集した短縮版が、TVシリーズ第32話「消えたパワーガン」として放送された。
2011年6月11日公開。本作から立花レイ/ダイナピンクが登場。
初期案は野球戦隊?
ダイナマンはさながらプロ野球メットとユニフォームを合わせたデザインをしているが、これは初期案が『野球戦隊』をコンセプトにしていた為。
『野球戦隊ブイリーガー』になる予定だったというのは少々語弊があるようで、VLEAGER(ブイリーガーまたはVリーガーとも)というのはあくまでもデザイン段階で検討されていたヒーローの名称であり、胸にもVLEAGERのロゴがデザインされていた(この時点では野球要素が更に強く、腕にグローブの意匠が見られていたが、大まかなシルエット自体は現在のダイナマンに近い)。
東映の鈴木武幸P(現在は東映を退社)によるとこうした変更はスポーツ性を取り入れる為にユニフォームをモデルにしたはいいものの、かっこよさでは敵わないと判断した為と語っている他、『野球戦隊』の細かな企画案は存在しないと証言している。
なので、野球は戦隊名ではなく、あくまでもモチーフと考えるのが妥当か。
第1回撮影会で使用されたNG版スーツは胸のロゴが『ダイナマン』に変更されたものである。
そして作品のコンセプトも『夢』や『爆発』に変更、野球戦隊の要素はスーツに名残を残すのみとなった。
なお、企画段階の時点でジャシンカの身分制度は決定していたようで、その過程でカー将軍やメギド王子の原型となったと思しき『大臣』のデザインも描かれている。
(出典:双葉社より2004年7月30日に刊行・安藤幹夫編『ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全 東映スーパー戦隊大全2』P12、P90、P91より)
余談
- とにかく爆発の多いことで有名なダイナマンだが、OPだけでも爆発が30回以上もあるとか(なんとイントロの時点で10回を越えている)・・・。同じく爆発の多い西部警察と組み合わせたMADも多い。
- そのため火薬戦隊ダイナマンという通称がある。
- ダイナギャリーはダイナマッハとダイナモビルを積載して走行できるが、本編にそのシーンはなくOPで見られるのみである。
- 南郷耕作を演じた時田優と、立花レイを演じた萩原佐代子は後に結婚した。地球戦隊ファイブマンの小林良平・早瀬恵子夫妻に続く2組目の戦隊夫婦である。
- 王女キメラ役の香野麻里は現在は引退しているが、夫は先々代のスーパー戦隊の2代目赤役の五代高之。
- メギド王子役の林健樹(はやしけんじゅ)はテレビドラマ『Gメン'75』にて「草鹿宏」(くさか ひろし)名義でデビュー。最終回放映後に実業家としても活動、一度は俳優業を引退したが2015年に演劇活動再開。
- 「聖戦士ダンバイン」の後半から黒騎士が登場したのと、「科学戦隊ダイナマン」の後半からダークナイトが登場したのは、同じ1983年である。両方とも出渕裕参加作品。
- OPにおける「ダイナマン‼」のタイトルコールは、OP・EDをMojoと共に担当したこおろぎ73による。
- なお、後の海賊戦隊ゴーカイジャーでゴーカイチェンジされた際には名乗り口上時の爆発でゴーミンを一掃しており、変身時の爆発に当たり判定が存在していることが明らかになった(ただし、放映時期と作中の時間軸的に背後の爆発の当たり判定の件はこっちの方が先)。本放映の数年前に空想科学読本にて柳田理科雄に「その爆発で敵を倒せよ!」と指摘されている。
- なおゴーカイジャーTV本編ではスーパーダイナマイトが全部不発で終わっていたり、最終回でダイナマンに変身した際には爆発…ではなく影分身で決めていたりと爆発技に関してはあんまりな扱いを受けている。その代わり、ロボ戦で大いなる力のゴーカイ・スーパーダイナマイトでザンギャック艦隊を蹴散らすという大活躍、等身大戦でも199ヒーロー大決戦、ov『36段ゴーカイチェンジ!!』で前述した斬新な攻撃方法で活躍した。
- ゴーカイジャー本編終了後は、『スーパー戦隊最強バトル!!』にてマーベラスが変身し、なんとダイナレッド単騎でのスーパーダイナマイトを披露。その後、『機界戦隊ゼンカイジャー』ではバラフィナーレや召喚されたダイナブルーが新爆発技を披露し、『ドンブラゼンカイ』ではアバターチェンジした暴太郎戦隊ドンブラザーズがニュースーパーダイナマイトを披露しカシワモチワルドの柏餅の洗脳から世界を解放する大活躍を果たすなど、ようやく大爆発出来たといえるだろう。
関連イラスト
関連タグ
ダイマックス英語スペルにすると一字違いになる。
海賊戦隊ゴーカイジャー:劇場版で立花レイが登場。星川竜役の春田純一氏も出演したが、春田氏はゴーグルファイブの黒田官平としての出演。
獣電戦隊キョウリュウジャー:立風館ソウジの父親を春田氏、母親を萩原女史が演じた。
爆上戦隊ブンブンジャー:第23話は恒例の野球回でこの回の変身シーンで爆発演出を入れここでの名乗りは『爆上野球戦隊! ブンブンジャー!!』と名乗ったためおそらく今回はこの演出をリスペクトされたと考えられる。
主なゲスト出演者
鶴田忍(第18話)⇒スペクトルマン(三吉役)、ウルトラマン80や大河ドラマ、連続テレビ小説に出演。
西尾徳〈第22話〉
ストロング金剛(現:ストロング小林)〈第35話〉⇒次作でモンスター役。
大戦隊ゴーグルファイブ ← 本作 → 超電子バイオマン