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概要編集

1971年1月から1972年3月にかけて、フジテレビ系列局他にて放送された。フジテレビでの放送日時は土曜19時-19時30分であったが、フジテレビ系列局でも放送日時を差し替えた放送局が存在したほか、他系列局だったはずの広島ホームテレビでは、フジテレビと同時ネットで放送されている。


地球侵略を企てる宇宙猿人ゴリとネビュラ71遊星から来たサイボーグ戦士・スペクトルマンとの戦いを描いている。

当初の番組名は『宇宙猿人ゴリ』であり、なんと悪役が番組タイトルを飾っているという前代未聞の作品であった。実際、序盤は悪役のゴリの方がフィーチャーされている。だがその後に『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』(第21話から)からはスペクトルマンこと蒲生譲二や周囲の人々にスポットが当たりはじめ、完全に『スペクトルマン』(第40話から)へと変わっていったが、タイトル変更後もゴリの行動は終始見ものとなっているので必見。

内容及びタイトル変更に関しては、下記参照。

まごうことない悪役とはいえ、「あまりの頭脳を危険視されて母星を追放された」悲哀ある過去や、部下のラーを大事にする一面も見せるゴリと、あくまで組織人として冷徹な正義を要求されるスペクトルマンといった深みあるキャラクター造形はその後の特撮でも多くリスペクトされた。


裏番組だった『巨人の星』を(すでに人気に陰りが見えていたとはいえ)途中から視聴率で上回り、全63話にわたって放映された人気作品。当時は仮面ライダーウルトラマン並みの知名度があり、ピープロオリジナル特撮ヒーローの魁となった。

その人気から、1970年代前半における、第二次怪獣ブームの先駆的作品にもなっている。


現在も本作をオマージュする作品は少なくない。


スペクトルマンへの変身時は必ずどこかに隠れるのだが、もしも変身を見られた場合はネビュラ71遊星により破壊されてしまう・・・


ストーリー編集

惑星Eから追放された天才科学者:宇宙猿人ゴリは放浪の果てに太陽系第三惑星地球を発見。大自然に囲まれた美しい地球に感激するも、先住民たる人類は公害で地球を汚染している現状を知り激怒。ゴリは愚かな人類を滅ぼし自らが地球の支配者になることを決意した。

公害を利用して生み出した怪獣によって人類撲滅を図るゴリとその腹心ラーであったが、ネビュラ71遊星からやってきたサイボーグエージェント・スペクトルマンが立ちはだかった!

登場キャラクター編集

スペクトルマン編集

ネヴュラの星の正義の勇士

ネビュラ71遊星から地球に派遣されたエージェント。地球では蒲生譲二と名乗り、公害調査局第8分室・通称「公害Gメン」(後に怪獣Gメンとなる)に所属している。

彼がスペクトルマンに変身するにあたって変身アイテム等は無いが、上司の許可を取らねば変身できない為、変身する際にネビュラ71遊星を呼び出し「変身願います!」と要請を出すのが特徴。この際にネビュラが変身は妥当ではないと判断した場合は要請をあっさり却下される事もある

また、ネビュラ71遊星からの命令は絶対なのでどんな非情な命令であっても”組織人”であるスペクトルマンに拒否権はない。

最初は未熟な面が目立ったがゴリとの戦いや地球での交流を経て成長していった。

キャラクターとしてのスペクトルマンに関しては、蒲生譲二を参照。


宇宙猿人ゴリとラー編集

宇宙一地球を愛した二人

ゴリの声を当てているのは小林清志加藤精三・西山連でラーは上西弘次

ガイシテス太陽系・惑星Eのゴリはその生まれついての独裁者であり、星の独占を謀ったために精神改造刑に処されるところだったが、ラーに救われ円盤形宇宙船で脱出。

放浪の末に地球にたどり着いた彼は緑にあふれた美しい地球をいたく気に入ったのだが、先住民である人類は地球がどれほどの価値があるかも知らずに身勝手な公害で地球を汚染していた。

その現状を知り憤激したゴリは、人類を撲滅し自らが地球の支配者になるべく数多の怪獣を制作し、スペクトルマンと熾烈な戦いを繰り広げた。


各話リスト編集

宇宙猿人ゴリ時代編集

話数サブタイトル登場怪獣
1ゴリ・地球を狙う!ヘドロン
2公害怪獣ヘドロンを倒せ!ヘドロン
3青ミドロの恐怖ミドロンゼロン
4ラー地球人をさぐるゼロン
5恐怖の公害人間!!巨大ラーラー2号
6美くしい地球のために!!ラー2号
7黒の恐怖ゴキノザウルス
8決斗!!ゴキノザウルスゴキノザウルス
9恐怖のネズバートンネズバートン
10怪獣列車を阻止せよ!!ネズバートン
11巨大怪獣ダストマン出現!!ダストマン
12よみがえる恐怖!!ダストマン
13ヘドロン大逆襲(前編)ネオヘドロン
14ヘドロン大逆襲(后編)ネオヘドロン
15大地震東京を襲う!!モグネチュードン
16モグネチュードンの反撃!!モグネチュードン
17空とぶ鯨サンダーゲイサンダーゲイ
18怪獣島に潜入せよ!!サンダーゲイ
19吸血怪獣バクラー現わる!!バクラーインベーダー人間
20怪獣バクラーの巣をつぶせ!!バクラー、インベーダー人間、原始生物

宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン時代編集

話数サブタイトル登場怪獣
21謎のズノウ星人対ギラギンドズノウ星人ギラギンド
22二刀流怪獣ギラギンド大あばれ!ズノウ星人、ギラギンド
23交通事故怪獣クルマニクラス!!クルマニクラスバロンザウルス
24危うし!!クルマニクラスクルマニクラス、バロンザウルス
25マグラー、サタンキング二大作戦!!マグラーサタンキング
26二大怪獣東京大決戦!!マグラー、サタンキング
27大激戦!!七大怪獣シルバーロボモッグス、再生サタンキング、再生ゴキノザウルス、再生モグネチュードン、再生バロンザウルス、再生ネズバートン
28サラマンダー恐怖の襲撃!!サラマンダー
29兇悪怪獣サラマンダーを殺せ!!サラマンダー
30タッグマッチ怪獣恐怖の上陸ザリガニンドスピンコブラー
31あの灯台を救え!!ザリガニンド、スピンコブラー
32よみがえる三つ首竜!!三つ首竜
33SOS!!海底油田三つ首竜
34ムーンサンダーの怒り!!ムーンサンダー
35スペクトルマンが死んだ!?ムーンサンダー
36死斗!!Gメン対怪獣ベガロンベガロン
37ゴリの円盤基地爆破大作戦!!ベガロン、マイナス人間
38スフィンクス前進せよ!!スフィンクスエジプト怪人スフィンクス怪獣
39怪獣地区突破作戦!!クモ怪獣

スペクトルマン時代編集

話数サブタイトル登場怪獣
40草笛を吹く怪獣メタノドンマグマザウルス
41ガス怪獣暁に死す!!メタノドン、マグマザウルス
42宇宙から来た太陽マスクテングドンカバゴン太陽マスク
43怪獣カバゴンの出現!!カバゴン、太陽マスク
44宇宙の通り魔キュドラー星人キュドラーパル遊星人
45パル遊星人よ永遠なれ!!キュドラー、パル遊星人
46死者からの招待状ガマ星人ガマガエル怪獣
47ガマ星人攻撃開始!!ガマ星人、ガマガエル怪獣
48ボビーよ怪獣になるな!!ボビー
49悲しき天才怪獣ノーマンノーマン
50イゴール星人を倒せ!!イゴール星人ブラックドラゴンにせスペクトルマン
51コバルト怪獣の謎イゴール星人、ブラックドラゴン、にせスペクトルマン
52怪獣マウントドラゴン輸送大作戦!!マウントドラゴン
53恐怖の鉄の爪草人間巨大草人間コンピューター怪獣
54打倒せよ!!コンピューター怪獣草人間、巨大草人間、コンピューター怪獣
55スペクトルマン暗殺指令!!キラー星人マーダラー三兄弟流星仮面
56宇宙の殺し屋流星仮面キラー星人、マーダラー三兄弟、流星仮面
57魔女グレートサタンの復活サタン星人グレートサタンゴルダ
58まぼろしの怪獣ゴルダサタン星人、グレートサタン、ゴルダ
59地獄の使者ジェノス星人ジェノス星人ドクロン
60怪獣ドクロン死の踊りジェノス星人、ドクロン
61恐怖の怪獣ショーミゲル星人ミゲル星人ガムロキートット
62最後の死斗だ猿人ゴリ!!ディサイドマン、モッグス二代目
63さようならスペクトルマンディサイドマン

第58話と第59話の間には第9話と第10話が再放送されている。


内容編集

本作は、ピープロらしく、円谷プロの怪獣もの番組とは異なる作風や設定が特徴である。


『宇宙にある惑星に変身許可を願い出る』という変身方法は、当時の変身ヒーローとしては画期的なアイデアであった。

これは後年における、『衛星などの宇宙に浮かぶ外部メカに、変身許可を得て変身するヒーロー』の元祖となっており、前半期のメタルヒーローシリーズや、仮面ライダーメテオ仮面ライダーゼロワンが該当する(ただし、その手の仮面ライダーはスペクトルマンとは異なり、衛星からの許可以前に変身アイテムが必要なのだが)。


また、当時に社会問題として取り上げられていた『公害』をテーマにしているのも、大きな特徴の一つ。公害そのものをストーリーに組み込み、怪奇SF色の強い作風になっていた。

初期話数においてゴリが繰り出す怪獣は、ヘドロアオミドロゴキブリゴミ問題鼠害や鳩害地震シロアリ問題と、多くが公害を元にしたものである。

人間側も防衛隊の類ではなく、「公害Gメン」という、あくまでも公害を取り締まる機関が怪獣問題に対処するのが特徴。


しかし、「悪役がタイトル」の他、公害問題を取り上げた事もスポンサーの反感を買ってしまった。結果、タイトルおよび内容の変更を余儀なくされ、21話からタイトルが変更された。


『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』編集

タイトルを変更後、スタッフは正当派とも言える対怪獣バトルものに路線変更。公害を題材とする事から離れてしまった。

しかし、1エピソード内に2体の怪獣を登場させて、怪獣同士のバトルを見せたり、その2体がが協力してスペクトルマンと戦うといった、本作独自の作風も見られるように。

公害Gメンも、36話より本格的な対怪獣防衛組織「怪獣Gメン」に発展。

スペクトルマンも、ネビュラからスペクトルガンや剣と盾などを与えられ(それぞれ一話限りではあったが)、それまでにない戦い方を見せている。


『スペクトルマン』編集

40話より、ヒーローの名前をメインタイトルとしてさらに変更。

内容も更に変化し、怪獣よりも、ゴリにより『地球に呼び寄せられた悪の宇宙人と、スペクトルマンとが戦う」という内容に。

当時の『仮面ライダー』の人気も意識し、スペクトルマンが等身大のままで戦闘するシーンも増えている。

しかし、公害テーマが無くなり、幾度も内容変更されたため、単なる『怪獣や宇宙人と戦う、オーソドックスな特撮ヒーローもの』になってしまった事も否めず、ゴリも初期に比べると存在感が薄くなってしまった。

ではあるが、この時期になると、スペクトルマン=蒲生譲二が、正体を明かせないゆえの孤独な戦いを軸に、重厚なストーリーが展開。ゴリの地球侵略も、「子供を利用する」、「知恵遅れの青年を天才にした後、怪獣化する」「死体を殺人鬼にして蘇生させ、街中で人々を惨殺」といった、悪質かつ凶悪なものに。

ゴリや、ゴリと手を組んだ悪の宇宙人の陰謀に、罪無き人々が巻き込まれ、犠牲になるといった過酷な内容のストーリーが描かれていった。


しかし最終回には、本来の悪役であるゴリとラーがフィーチャーされた。ゴリの決定版怪獣であり、ほぼスペクトルマンと同じ能力を持つ「ディサイドマン」、そしてラーとの最終決戦を経て、ゴリとスペクトルマンの戦いは、壮絶な最期を迎える事となる。




漫画編集

週刊少年チャンピオン 1971年20号~38号連載 一峰大二

冒険王 1971年2月号~1972年5月号連載 一峰大二

別冊冒険王 1971年春季号~1972年春季号 一峰大二

たのしい幼稚園 1971年4月号~1972年5月号 一峰大二


帰ってきたスペクトルマン 特撮エース Vol.17(2006年9月1日発行)  一峰大二


漫画版は、TV版を元にしたストーリーと、漫画独自のオリジナルストーリーとが存在。

TV版を元にしたストーリーでも、完全に同じではなく、一峰氏による独自解釈がなされている。

また、TV版最終回は一エピソードとして描かれており、漫画版は独自の最終回が描かれた(TV版では薄れてしまった、公害問題を色濃く反映させている)。


パイロット版編集



新スペクトルマン編集

スペクトルマン30周年記念CD-ROMに収録された新作企画。

スペクトルマンが去って30年後の地球が舞台。

スペクトルマン・ファースト(旧スペクトルマン)の指令で地球に派遣された3人のスペクトルマン(スペクトルマン・レイスペクトルマン・サニースペクトルマン・シーマ)の活躍を描く。


余談編集

EDである「ネビュラの星」の歌詞が昭和の特撮番組にしては歌詞がかなり物騒である。というのも「スペクトルマン怪獣を殺せ」「にくい怪獣ぶっ殺せー」などのあの赤い通り魔の主題歌にすら入っていない歌詞がダイレクトに歌われている為である。

物騒な歌詞ではあるが、フルでは印象が変わり、主人公であるスペクトルマンが怪獣に対して追悼の意を表した歌詞となっている。



アニメ『プラネット・ウィズ』には、本作に登場するネビュラをモデルとした思われる組織が登場している。


また、60~70年代にオカルト系の書籍を数多く出していた作家・中岡俊哉氏は、自身の著作である児童向け怪獣もの書籍「新・世界の怪獣」にて、劇中にスペクトルマンの名前を出している。

(少年が宇宙人を見て「スペクトルマンみたいだ!」「おれ、スペクトルマンを見たぞ」と言うシーンがあった)。



探偵物語』第9話「惑星から来た少年」には、劇中作品としてスペクトルマンが登場した(下記参照)。


「探偵物語」第九話「惑星から来た少年」劇中劇の「スペクトルマン」編集

上記の通り、「探偵物語」の1エピソードにもスペクトルマンが登場する。


『……ある日、工藤の探偵事務所に、「まこと」という少年が現れる。

まこと少年はTVの「スペクトルマン」の存在を信じ、劇中に登場するスペクトルマンの敵「暗黒バラモン星人」に姉が誘拐されたと思い込み、工藤に捜査依頼をした。

最初はまことの作り話と思い相手にしなかった工藤だが、少年のあまりの真剣さに引かれて捜査を開始。やがて、誘拐事件が事実だと知る……』


劇中では、劇中劇としてスペクトルマンが登場し、その撮影現場に工藤と少年が訪れるシーンがある。

その際、倉庫には同じピープロ製作の「風雲ライオン丸」の地虫忍者のマスク、「鉄人タイガーセブン」の地震原人らしき着ぐるみも置かれていた。

この劇中劇のスペクトルマンは、劇中のTV番組内にのみ登場。実際の作品世界と全く異なり「アンドロメダ王女を守り、バラモン星人と戦う」シーンが映っていた。


敵方のキャラクターは、ゴリとラーはもちろん、本家スペクトルマンからは登場しておらず、「暗黒バラモン星人」というオリジナルの敵が登場する。

劇中の設定では「鳥類と爬虫類と哺乳類の合いの子で、宇宙の暗殺者」。

着ぐるみは、同じくピープロ製作の「快傑ライオン丸」のデボノバの胴体に、「鉄人タイガーセブン」の飛竜原人の頭部をくっつけたものである。

詳細は、当該項目を参照。


関連イラスト編集

スペクトルマンVS天才怪獣ノーマンネズバードン

クルマニクラススペクトルマン


主なゲスト出演者編集

  • 江藤博利(第17話・第18話)※第62話・第63話にも別役で出演。

⇒のち『ずうとるび』メンバー。

⇒のち『星雲仮面マシンマン』で主役。

⇒のち『超人バロム・1』で主役、アニメ版でもバロムワンを演じた。

⇒『必殺仕業人』の出戻り銀次役、映画『釣りバカ日誌』シリーズの堀田常務役や大河ドラマ・連続テレビ小説など数多くのドラマに出演。

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