もしかして:冒険王ビィト
概要
いわゆる今で言う所のテレビマガジン(講談社)、てれびくん(小学館)辺りに該当する漫画雑誌だが、その路線が確立されだしたのは1972年以降。それ以前は少年(光文社)、少年画報(少年画報社)、ぼくら(講談社)、少年ブック(集英社)辺りと同系列の雑誌だった。1949年に創刊された当初は「少年少女冒険王」という誌名で冒険ものの作品を多く掲載し、初期には誌名のサブタイトルに『痛快・漫画と読物』とある様に漫画だけでなく小説も連載されていた。
1956年2月号から『冒険王』に誌名変更。
1960年代後半、週刊誌の台頭で競合誌の休刊が相次ぐ中、漫画のラインナップや作家の複数作品掛け持ち連載など試行錯誤を続け、秋田書店自身ももう一つの月刊漫画雑誌『月刊少年チャンピオン』を創刊。
1970年代からは『仮面ライダー』の連載を始めたのをきっかけに子供向けのアニメや特撮番組を中心とした記事やコミカライズを掲載することとなる。70年代は東映特撮のコミカライズを多く持ち、当時の東映特撮番組のOPには大概「連載 冒険王」の文字が記されている。しかし、後続の競合誌と違って漫画雑誌としての体裁も保っている。
1978年、テレビ特撮が低迷期を迎え、競合誌が対応に追われる中、折しも創刊30年目を迎えたこともあり、かつての漫画主体の路線回帰を図った。だがそれも翌1979年、小学館のコロコロコミックの登場により、売り上げを大きく奪われる事となり、打開策としてオリジナル漫画作品の本数を減らし、『テレビマガジン』『てれびくん』『テレビランド』と同様全面的にTV番組などの情報を中心とする内容に切り替え。1982年からは表紙に「テレビと映画のチャンピオン」という副題がつけられた。それでも売れ行きは芳しくなく、1983年5月号より『TVアニメマガジン』に改題したが、競合誌の『テレビマガジン』に酷似した誌名のせいか、売れ行きがさらに悪化、1984年6月号を以って休刊した。
冒険王掲載の漫画作品は、現在は秋田文庫から単行本化されているものも多く、週刊少年チャンピオンの漫画と並んでコンビニコミックス化されているものもある。
主要な掲載作品
- 沙漠の魔王(福島鉄次)
- イガグリくん(福井英一)
- 水戸黄門(太田じろう)
- 夕やけ番長(原作:梶原一騎、漫画:荘司としお)
- 魔神ガロン(手塚治虫)
- アラーの使者(原作:川内康範、漫画:九里一平)
- 潜水艦スーパー99(松本零士)
- 魔神バンダー(原作:東連山、漫画:井上智)
- どろろ第2部(手塚治虫)
- サイボーグ009(石ノ森章太郎)
- サンダー大王(横山光輝)
- スペクトルマン(原作:うしおそうじ、漫画:一峰大二)
- 仮面ライダーシリーズ(原作:石ノ森章太郎、漫画:初代~ストロンガー-すがやみつる、スカイ・スーパー1-石川森彦、ZX-金山静雄)
- 変身忍者嵐(原作:石ノ森章太郎、漫画:ケンイシカワ)
- 超人バロム・1(原作:さいとう・たかを、漫画:古城武司 )
- ライオン丸シリーズ(原作:うしおそうじ、漫画:一峰大二)
- デビルマン(原作:永井豪、漫画:蛭田充)※アニメ版のコミカライズであり、原作のスピンオフではない
- マジンガーシリーズ(原作:永井豪、漫画:桜多吾作)※アニメに比べて陰鬱な描写が多い。詳細はこことここを各自参照)
- ゲッターロボG(原作:永井豪、漫画:ケンイシカワ御大)※ゲッターロボサーガ第2章
- 鋼鉄ジーグ(原作:永井豪、漫画:松本めぐむ)
- アストロガンガー(原作:ナック、漫画:浅井まさのぶ)
- レインボーマン(原作:川内康範、漫画:小畑しゅんじ)
- スーパーロボットレッドバロン(漫画:時里信一)
- 新造人間キャシャーン(原作:吉田竜夫、漫画:浅井まさのぶ)
- 破裏拳ポリマー(原作:吉田竜夫、漫画:浅井まさのぶ)
- 宇宙の騎士テッカマン(原作:吉田竜夫、漫画:浅井まさのぶ)
- 電人ザボーガー(原案:小池一夫、漫画:一峰大二)
- チャージマン研!(原作:ナック、漫画:みやぞえ郁雄)
- 宇宙戦艦ヤマト(原案:西崎義展、漫画:松本零士)※1990年代に松本が原作権を主張して係争となった後、西崎義展が原作者とされている。
- 勇者ライディーン(原作:鈴木良武、漫画:古城武司)
- アクマイザー3(原作:石ノ森章太郎、漫画:山田ゴロ)
- 超神ビビューン(原作:石ノ森章太郎、漫画:山田ゴロ)
- 宇宙鉄人キョーダイン(原作・石ノ森章太郎、漫画:時里信一)
- 大空魔竜ガイキング(原作:中谷国夫、漫画:古城武司)
- ブロッカー軍団IVマシーンブラスター(漫画:一峰大二)
- バトルホーク(永井豪、ケンイシカワ)
- 惑星ロボダンガードA(松本零士)
- 快傑ズバット(原作・石ノ森章太郎、漫画:すがやみつる)
- 大鉄人17(原作・石ノ森章太郎、漫画:岡崎優 )
- デンセンマン(北見けんいち)
- 超人戦隊バラタック(池原しげと)
- 無敵超人ザンボット3(原作:鈴木良武、富野由悠季、漫画:岩田廉太郎)
- 無敵鋼人ダイターン3(原作:矢立肇、富野由悠季、漫画:岡崎優)
- スパイダーマン(漫画:すがやみつる)※東映版スパイダーマンのコミカライズ
- バトルフィーバーJ(原作:八手三郎、漫画:古城武司)※バトルフィーバーロボが登場する、唯一のコミカライズ。
- 電子戦隊デンジマン(原作:八手三郎、漫画:浅井まさのぶ)
- 太陽戦隊サンバルカン
- 大戦隊ゴーグルファイブ
- 科学戦隊ダイナマン(原作:八手三郎、漫画:大谷章)
- 超電子バイオマン(原作:八手三郎、漫画:岡崎優)
- 機動戦士ガンダム(原作:矢立肇、富野由悠季、漫画:岡崎優)
- 伝説巨神イデオン(原作:矢立肇、富野由悠季、漫画:古城武司)※テレビシリーズのコミカライズ
- 無敵ロボトライダーG7(原作:矢立肇、漫画:木村知生)
- 太陽の使者鉄人28号(原作:横山光輝、漫画:岸森伴)
- 最強ロボダイオージャ
- 六神合体ゴッドマーズ(原作:横山光輝、漫画:岸本修)
- 太陽の牙ダグラム(原作:高橋良輔、星山博之、漫画:岡崎優)
- まんが水戸黄門(漫画:増田ジュン)
- 戦闘メカザブングル(原作:富野由悠季、漫画:愛沢ひろし)
- 宇宙刑事ギャバン(原作:八手三郎、漫画:石川森彦)
- 宇宙刑事シャリバン(原作:八手三郎、漫画:石川森彦)
- 超時空要塞マクロス(原作:スタジオぬえ、漫画:増田ジュン)※雑誌休刊に伴い打ち切り
- 超時空世紀オーガス(原作:スタジオぬえ、漫画:増田ジュン)
- 未来警察ウラシマン
- 聖戦士ダンバイン(原作:富野由悠季、漫画:杉山たかゆき)※雑誌休刊に伴い打ち切り
- 装甲騎兵ボトムズ(原作:高橋良輔、漫画:岡崎優)
- プラレス3四郎
- イタダキマン(漫画:のなかみのる)
- 銀河漂流バイファム(原作:神田武幸、漫画:シュン・タロー)
- 特装機兵ドルバック(漫画:かもはらなおき)
- 機甲創世記モスピーダ(漫画:のなかみのる)
- 巨神ゴーグ(原作:安彦良和、漫画:のなかみのる)
- 重戦機エルガイム(原作:富野由悠季、漫画:杉山たかゆき)※雑誌休刊に伴い打ち切り