曖昧さ回避
人物
富野由悠季監督とともにサンライズのリアルロボットアニメを代表するアニメーション監督。
自動車販売会社勤務を経て1964年に虫プロへ入社。虫プロ時代は手塚治虫原作のアニメ作品の脚本、演出を担当した。
1969年の『どろろ』を担当した後に虫プロを退社して、CM制作会社グループダートへ移籍。その後、虫プロ出身者がアニメ制作会社サンライズを立ち上げると、『ゼロテスター』以後は同社作品を中心に携わっている。
1979年版『サイボーグ009』の監督を務めており、同作はアニメ版009シリーズの中でも根強い人気を博した。
1981年から『太陽の牙ダグラム』にてロボットアニメ制作を開始。
しかし、当初はロボットアニメ初挑戦と言う事も有って勝手が分からず、神田武幸氏との共同制作であった。
高橋自身は主に原作を担当し、重厚でリアリティ溢れるストーリーを生み出した。「主役機の戦いが大局に影響を与えない」「政治家や軍人、財界やマスコミの働きが歴史を動かす」と言った通常のロボットアニメではまずやらない設定も、高橋がロボットアニメのイロハを知らなかったが故の産物と言えよう。
そしてダグラムで培った経験と反省点を踏まえて生み出されたのが『装甲騎兵ボトムズ』。リアルロボットアニメの金字塔とされる名作である。
主役メカである『ロボット』をあくまで大量生産の兵器・物語の小道具の一つとして捉えた演出や硬派な作劇を特徴としている。
またローラーダッシュ、土木工事の杭打ち機をモチーフにしたパイルバンカー、片眼鏡(モノクル)・ヘッドマウント式の照準スコープ、蛇腹状に変形する剣、ロボットに搭載される音声ナビゲート式のコンピューターとそれとの対話による戦闘演出など、現在でも用いられている革新的なギミックをロボットアニメに持ち込んだ。
『勇者王ガオガイガー』では、紆余曲折の末に初のプロデューサー職を担当。
「ロボットアニメ冬の時代」と言われていた当時の時勢に危機感を覚え、勇者のメインターゲットである子供世代・ロボットアニメを愛してきた大人世代双方に訴える作品作りに奔走した。
特に彼が集めたスタッフは、マニアックな方向への暴走傾向が強かった為、子供向けに成るよう軌道修正するのが主な仕事であったと発言している(子供向けという制約がなくなった『FINAL』では、口出しをやめ現場スタッフにお任せしたとのこと)。
業界屈指の時代劇マニアであり監督作の『幕末機関説いろはにほへと』の他、『るろうに剣心』や『SAMURAI7』等の時代劇アニメの演出協力も行なっている。
またリアルロボットアニメの他にもギャグ系・ほのぼの系のアニメも手がけており、『ママは小学四年生』『赤ずきんチャチャ』『アニマル横町』といった女児向けアニメにも関わっている。