解説
1984年10月から1985年3月まで日本テレビ系列局の一部ほかにて全25話が放送された。
1986年にビデオシリーズの3本めとして、OVA『鉄の紋章』が発売された。
”クレセント銀河”(内部に”イラスタント銀河”と呼ばれる小銀河を含んでいるので”クレセント大銀河”と呼称される事も)と呼ばれる銀河系の一惑星『アースト』を舞台に、突如アーストの地に降り立った謎多き征服王マーダルの勢力によりすべてを失った、アーストを3000年間統治してきたボーダー王家の遺児”ジョジョ”ことジョルディ・ボーダーが、アーストに伝わる伝説の鉄巨人ガリアンと呼ばれる巨大ロボットを発見し、自分の出自を知ったことで謎の目的のために圧政を敷くマーダルからアーストを解放するために戦いを挑む...というのが大体のストーリー。
登場人物
- ジョルディ・ボーダー(ジョジョ)(CV:菊池英博)
- チュルル(CV:渕崎ゆり子)
- アズベス(CV:小林修)
- レッド・ウインドゥ(CV:千葉繁)
- ヒルムカ(CV:平野文)
- ダルタス(CV:筈見純)
- ローナ(CV:横尾まり)
- ドン・スラーゼン(CV:兼本新吾/ゲーム代役:楠見尚己)
- スミオン(CV:佐藤正治)
- ジルムセン・ランベル(CV:屋良有作)
- マーダル(CV:加藤精三/ゲーム代役:柴田秀勝)
- ハイ・シャルタット(CV:速水奨)
- ローダン(CV:阪脩)
- プロッツ(CV:石森達幸)
- ザバ(CV:玄田哲章)
- シュラブ(CV:峰恵研)
- イーツ(橋本晃一)
- リーベン(CV:金沢寿一)
- ディッカ(CV:小山梓)
- ビルセン(CV:坂口正平)
- ナレーター(CV:小林修)
メカニック(機甲兵)
TVシリーズ
機甲兵
機甲猟兵
人馬兵
飛行兵
水機兵
重射兵
重歩哨機
OVA「鉄の紋章」
スタッフ
原案:矢立肇
原作・監督:高橋良輔
キャラクターデザイン:塩山紀生
美術監督:宮前光春
音楽:冬木透
音響監督:浦上靖夫
主題歌
OP
作詞 三浦徳子、KING REGUYTH
作曲・編曲 井上大輔
歌 EUROX
ED
作詞 - 三浦徳子、KING REGUYTH
作曲・編曲 井上大輔
歌 EUROX
サブタイトル
話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督(全話に塩山紀生) |
---|---|---|---|---|
第1話 | 伝説の始まり | 鳥海尽三 | 谷田部勝義 | 中村旭良 |
第2話 | ガリアンの目覚め | 五武冬史 | 知吹愛弓 | 二宮常雄 |
第3話 | 白い谷の闘い | 吉川惣司 | 康村正一 | 谷口守泰 |
第4話 | チュルルを追って | 鳥海尽三 | 津田義三 | 中村旭良 |
第5話 | 無重力の谷 | 五武冬史 | 加瀬充子 | 八幡正 |
第6話 | 地底に眠る秘密 | 吉川惣司 | 谷田部勝義 | 谷口守泰 |
第7話 | ローダン軍接近 | 鳥海尽三 | 池田成 | 吉田徹、貴志夫美子 |
第8話 | マーダルの告発 | 五武冬史 | 知吹愛弓 | 二宮常雄 |
第9話 | 裁かれるヒルムカ | 吉川惣司 | 津田義三 | 中村旭良 |
第10話 | 火を吹く重装改 | 鳥海尽三 | 加瀬充子 | 八幡正 |
第11話 | 騎士と勇者 | 五武冬史 | 谷田部勝義 | 谷口守泰 |
第12話 | マーダルの正体 | 吉川惣司 | 池田成 | 中村旭良 |
第13話 | ジョジョの悩み | 吉川惣司 | 知吹愛弓 | 谷口守泰 |
第14話 | ああ、ものいわぬ母 | 鳥海尽三 | 津田義三 | 八幡正 |
第15話 | 鉄の城脱出 | 鳥海尽三 | 加瀬充子 | 貴志夫美子、吉田徹 |
第16話 | マーダル出陣 | 五武冬史 | 谷田部勝義 | 中村旭良 |
第17話 | 運命の対決 | 五武冬史 | 池田成 | 二宮常雄 |
第18話 | アズベスの最期 | 五武冬史 | 知吹愛弓 | 八幡正 |
第19話 | 白い谷崩壊 | 吉川惣司 | 加瀬充子 | 谷口守泰 |
第20話 | そびえたつ野望 | 吉川惣司 | 谷田部勝義 | 中村旭良 |
第21話 | 動乱の都 | 鳥海尽三 | 池田成 | 八幡正 |
第22話 | フェリア再生 | 鳥海尽三 | 知吹愛弓 | 谷口守泰 |
第23話 | 惑星ランプレート | 五武冬史 | 加瀬充子 | 中村旭良 |
第24話 | 幻想の崩壊 | 吉川惣司 | 谷田部勝義 | 八幡正 |
第25話 | 伝説の光芒 | 五武冬史 | 池田成 | 谷口守泰、吉田徹 |
余談
世界観
ロボットSFアニメと伝えなければ初見でファンタジーアニメだと勘違いされることがある。
それほどの設定があるほど中世のファンタジー世界に寄せている。
例を挙げれば味方の戦力がガリアンを除くと歩兵や騎馬兵しかおらず扱う武器も剣・盾・弓で、巨大な兵器と言えば精々投石器や大型バリスタくらいだったり、後半になってようやく味方が扱えるようになった機械兵器でも牽引式の火砲であったりといった具合。マーダルの追討から逃れる旅をしていた頃のアズべスが赤子のジョルディにヤギの乳を飲ませたり、人家や城や砦は石や木材や土壁造りで集落の中にはテントで生活している所もあり、照明器具は松明や焚火など徹底している。
中世ファンタジー風世界において異物と言える巨大ロボット『機甲兵』も、曲線の多い巨大な甲冑やユニコーンやナーガといった幻獣を模しており、明らかにオーバーテクノロジーであるにもかかわらず不思議と世界観とマッチしているデザインをしている。これらの要素は前年に放送された、同じく中世ファンタジー風世界観と巨大ロボットを要素にもつ富野監督の『聖戦士ダンバイン』と共に、後に続くファンタジー系ロボットアニメの始祖的作品となった。
仮題
本作の仮題は「雄星伝アンディーボーグ」で、この仮題がガリアン幻の後半の展開を連想した。
シリアスの中のお遊び
ダンバインと同様、本作でもお遊びがあった。
- 「見よ!あの空の星を」:マーダルの台詞の一つ。加藤精三の持ち役である「巨人の星」の星一徹の台詞。ここではマーダルがこの台詞とともに故郷の星を指差し、本作終盤の伏線となった。
- 「皆の者、出陣じゃ!」:アズベスの台詞の一つ。小林修の代表作、海外作品ローハイドの吹き替えからのオマージュで、この台本を渡された時、小林は照れくさかったそうだった。
打ち切りについてのなんだかんだ
本作は、早期に短縮打ち切りが決まり、マーダル軍の降伏で完結したが、全1年の放送だったら、何とジョルディとマーダルが和解。クレセント銀河を統治する『高度文明連合』に立ち向かう展開になる予定だったそうで、対決者が一転して共闘という史上初の仰天展開になる予定だった。
なお打ち切りに関しては、関連商品の売れ行きが思わしくなかったためとされる一方、メインスタッフの塩山紀生が、「1年は無理だが半年なら面倒を見る事が出来る」と言ってしまったために放送期間が短縮された、とも言われる。
スパロボ参戦について
相方とも言えるダンバインとは異なり、古今様々なロボット作品をクロスオーバーさせたSRPG『スーパーロボット大戦』への参戦は、ニンテンドー3DSの『スーパーロボット大戦BX』まで待たされた。実はスパロボシリーズのプロデューサー・寺田貴信Pのお気に入り作品の1つであり、長年温存していた肝入り参戦作品だった模様。
『ジョジョ』と言えば
『ジョジョ』と言えば大抵の人は荒木飛呂彦氏の漫画シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』がまず思いつくと思うが、実は”ジョジョ”という呼称はこちらが先。(主人公ジョルディ・ボーダーの身分を隠すための偽名。)なので寺田Pやリアルタイムでガリアンを視聴した人の中には「ジョジョと言えばこっち」という人も。
関連動画
関連イラスト
関連タグ
日本テレビ系平日夕方アニメ・特撮枠(放送枠)
NG騎士ラムネ&40 天空のエスカフローネ 魔法騎士レイアース
同じく「剣と魔法のファンタジー風の世界観」と「巨大ロボット」が組み合わさった作品群。
ガリアンとダンバインがこれらに与えた影響は決して少なくないだろう。