投石器
とうせきき
石は人類が獲得した最初の「弾(プロジェクタイル)」、遠距離攻撃の弾体である。当初は手に握って投げつけていたが、時代が進むと何らかの道具を使って石を放つようになった。
人類が発明した飛び道具、それも「弾を放つための道具」としては最も古いとされるのが投石器である。
「石を弾として発射する飛び道具」という意味でいっしょくたにされがちだが、以下の3つはいずれもメカニクスが異なるのに注意。
投石紐(スリング)
最も原始的な投石器。
ヒモ(とはいえ一般的に想起される細長い円筒形の物ではなく幅の有る帯や襷に近い物である。)に石を挟んでグルグルと振り回し、遠心力を付けて投げ飛ばす代物である。
これは石器時代には既に発明されており、旧約聖書にはダビデがこれを用いて巨人ゴリアテを倒したことが記されており、古代地中海ではロードス島やバレアレス諸島の民が投石専門の傭兵として重用されていた。
無論石以外の物も投げる事は可能で、専用の金属板(スリングブレット)を投げる場合も有った。
弓矢よりも製造コスト・矢弾の調達コスト・習熟難易度において優れており、弓矢が製造技術によって威力と飛距離が追いつくまでは主力兵器であり続けた。
もっとも、弾を番えた紐を振り回しで加速し、適切なタイミングで手を緩めて弾を放つという動作は独特の技術であり、ある程度の訓練・経験は必要でもあった。
この投石紐を木の棒にくくりつけ、動作を簡便にした「スタッフ・スリング」(杖つき投石紐)というものも発明されている。
現代でも、無音・無臭・安価というメリットから害獣の撃退に用いられる地域があり、非正規戦や非対称戦ではいまだ現役である。
カタパルト
中国やヨーロッパなどでは、城をぶち壊すために徐々に大型の投石機が作られた。木を組み立てて巨大な土台を作り、岩を飛ばして城壁を打ち崩すのである。
メカニクスは投石紐とは異なる。
詳しくはリンク先で。
ゴブリンスレイヤー:上記のメリットに加え、ゴブリンに奪われても脅威度がさほど上がらないという理由から主人公が好んで使う他、複数の呪文使いがサブウエポンとして装備。
MASTERキートン:主人公平賀=キートン・太一が現地調達した材料で投石器を作り上げたり、ダビデ像の贋作鑑定の際には投石紐でゴリアテを倒した場面を再現している。