概要
所謂「杭打ち機」のイメージを武装化した架空兵器。原理は様々だが、大型の杭を高速で突き出して目標を貫く武器と描写されることが多い。
杭が弾丸として飛んで行くのではなく、至近距離での格闘戦で、専ら敵機のコクピットや動力部などの重要部分を貫いて無力化したり、分厚い装甲を貫徹してダメージを与えられるという利点が顕著にアピールされる。
稀に「杭を飛ばす」タイプでもパイルバンカーと称していたり、任意で飛ばす飛ばさないを切り替えられるものもある。元祖とされる『装甲騎兵ボトムズ』も実は飛ばせるタイプだった。
アニメ『装甲騎兵ボトムズ』に登場して以降、巨大ロボットの接近戦用武器として高い人気を獲得している。
特に『スーパーロボット大戦』シリーズの「アルトアイゼン」の必殺兵器として組み込まれたことからブームと成った。
他にも様々なゲームやアニメ等で登場するが、「扱いにくいけど当たったら強いよ!」なネタ武器もとい浪漫武器という扱いが定番。
近年では生身の人間が持ち歩いて扱う武装として登場する事も少なくないが、当然ながら現実的ではない。「身の丈以上の大剣」と同カテゴリーの迫力重視な武器とも言える。
メカ少女に装備させ、杭を打ち出すという武骨さとのギャップを狙ったイラストも多い。
ナニの象徴だとか深読みしないこと。
名前の由来は不明で、「パイル(Piles)」は英語で「杭」のことであるため外見通りだと言えるのだが、同音異義語がいくつかあり、「バンカー」と繋げて(無理に)文法が通る様にすると「Pile:財産、大金」「Banker/Bunker:貯蔵庫」、つまり「金庫」みたいな意味になってしまう。
恐らくトーチカの一種である「バンカー」、もしくは、そのバンカーの破壊を目的にした爆弾「バンカーバスター」から来ているものと思われるのだが、どういった経緯でこのフレーズの組み合わせになったのかは、ハッキリした設定資料は見当たらないというのが現状である。
実用性について
兵器として考えた場合、やはりロマン兵器としか評価のしようがない。
まず根本的に「ハイパワーで杭を突き出す構造」に意味が無い。
例えば火薬で杭を撃ち出す場合、発射する仕組みとして見た銃砲との違いは「杭が途中で止まるか、弾としてそのまま飛んでいくか」だけで、パイルバンカーの効果は銃火器を接射したのと変わらないため、「射程を極端に短く制限した銃」という下位互換に陥ってしまう。
また、装薬式にせよ電磁加速などの手段を用いるにせよ、同じ目標を撃ち抜くなら同じエネルギーが必要とされるため、パイルバンカーなら銃より多弾数や省エネに…という理屈も成立しにくい。
連続使用という点でも、杭が飛んで行かない様に途中で止める、つまり高速で飛び出した杭の衝撃を射出機自身が受け止める機構が必要になり、一度打ち出した杭を引き戻す作業が必要に成る等、色々と煩わしい。
また傾斜装甲に当たる等して跳弾を起こす様な場面では杭が射出機から離れない事が災いして、杭が曲がるか、射出機や自分の腕などが折れるというリスクまで生じる。
加えて「メロウリンク」の様な生身の場合は、装甲を撃ち抜けるだけの圧力で生じる反作用に人間が耐えられるよう、無反動砲のような余計な構造を積まねばならない。
第二次世界大戦時の対戦車ライフルでさえ伏せ撃ちで30cmずり下がる程の反動があったなどと言われるが、この反動を「遠距離から安全に撃って」受ける銃火器と、「敵の目前で」受けるパイルバンカーでは危険度が段違いになる。
冒頭と重ねてになるが、総合的に、威力、有効射程、使用制限と、どの分野においても銃火器の方が上回る為、利用価値は見た目だけと言わざるを得ないのである。
この為、原典たる装甲騎兵ボトムズに続くパイルバンカー採用作品とともに、バリエーション豊かな「パイルバンカーが必要な理由」は創作され続けている。
「なんらかの理由で銃器が存在しない、使ってはいけない」「接近戦が必須となる理由が生じた世界である」「弾丸は効かず、長く重い槍状の物体でなければ貫けない敵」「侵徹体が貴重品なので飛ばせない」などなど…
個別の詳細については、下記「主な装備機」の項目を参照いただきたい。
主な装備機
中盤より登場したベルゼルガの装備として、この手の武器の嚆矢と成った。
装甲越しに中のパイロットを突き殺すのを目的としたエグい武器である。
ATはそのサイズの制約によって、なけなしの装甲付コクピットブロックに腕と下半身を直付けしているというのが基本的な構造である。このため、コクピットスペースである大きい胴体及び頭部なら、正確に狙わずとも打ち抜けば内部の搭乗者を殺傷し継戦能力を奪えるので有効な武装として扱われている。
このほかにも、機体の脆弱さと燃料の発火性などから格闘戦時に敵機の爆発で生じる道連れのリスクを避けるため、パイロットのみを殺傷するのにメリットがあるという扱いも見られた。
また、ゲーム作品オリジナルだが「マッスルシリンダー(人工筋肉)式パイルバンカー」も存在する。これなら実用性の問題はほとんど発生しない。素直に手に槍を持てば良い様な気がしないでもないが…。
実はTV本編で然程の活躍を見せた訳ではなく、飽くまで「少し変わった近接武器」程度の扱いであったが、同時期の外伝作品である「青の騎士ベルゼルガ物語」においては主人公機の象徴的な武装として「扱いが難しいが、当たりさえすれば一撃必殺の兵器」として扱われており、終盤では独自の設定の追加によって本来の姿とはかけ離れた超兵器と化している。
本作以降、パイルバンカーの「大きなリスクを伴うが当てれば一撃必殺」の性質が定着していく。
それが見た目も威力も上回っていそうなビーム兵器が多用される様な作品であっても、である。
前述の通り近接武器の一つに過ぎなかったパイルバンカーに、必殺武器としての性格を持たせたのが機甲猟兵メロウリンクである。本作はボトムズの外伝に当たる作品で、生身でATに立ち向かう「機甲猟兵」である主人公が用いる対ATライフルにパイルバンカーが装着されている。ライフルでの狙撃、対AT地雷やそれを応用したトラップ等を巧みに用いて主人公は標的であるATを追い詰めて行き、そしてトドメの一撃にパイルバンカーを放つという展開が本作の基本であった。デザインを担当した大河原邦男氏によれば、当初パイルバンカーは設定に無かったが、制作中「銃だけでATを倒すのは無理が有るのでは」との声が上がり、派手な倒し方を模索した結果採用されたとのことである。
その他、ATのローラーダッシュ時に地面へ杭を打ち込み姿勢を制御する目的で脚部にパイルバンカーを装備することがある。
これらは「ターンピック」と呼称され、武器としてのパイルバンカーとは区別されている。
登場した順番としては、パイルバンカーよりもこのターンピックの方が先だったりする。
『どんな装甲であろうとも打ち貫くのみ』
リボルバー銃とパイルバンカーという二大浪漫武器を合体させたステキ武器。
アルトアイゼンと、その後継機アルトアイゼン・リーゼが装備する。前者は「リボルビング・ステーク」、後者は「リボルビング・バンカー」と名付けられているが「ステーク(stake)」も「杭」という意味である。
RRRの主役機であるフリッケライ・ガイストにも装備されており、
第2次スーパーロボット大戦OGではファン待望の合体攻撃が追加された。火薬方式を用いており使用後の弾丸の排莢及びリロードはリーゼ自身の左腕で行う必要がある為、左腕が潰されると再使用が不可能になる。
長年にわたり設定が明かされていなかったが、後年になってシナリオライターから「この弾薬に込められているのは実は火薬ではなくビーム」「あんな短い所にステークの伸縮機能が入ってる訳が無い」という発言があった。
つまりこの武器は「火薬の力で敵に杭を突き刺す」のでは無く、「既に突き刺した杭を通じて敵内部にビームによる衝撃を叩き込む」仕様。言うなれば、パイルバンカーと言うよりはガンブレードに近い。さらに遡れば、古くは『ロボットバトルV』と言う作品にも「銃口を敵に突き刺した後に弾丸を発射する格闘兵器」と言う物が存在した。
ただし、寺田プロデューサーすらその設定を知らなかったらしく、メディアミックス作品では「弾切れでリボルビング・バンカーが作動せず敵機に突き刺さらない」という描写も存在した。
主人公機のガンダムバルバトスと、1期終盤に登場するグレイズ・アインが装備する。
バルバトスのメイスはパイルバンカーを兼ね備えており、投擲武器としても使用できる。
この作品の機体の装甲は非常に堅牢である為、それを貫通し、文字通りの有効打とするべく装着されている。
これを用いて主人公は敵のコクピットを串刺しにして、子供から大人までミンチよりひでえ状態にしていった。
グレイズ・アインは両腕で1発づつの使い捨て方式となっている。
パイルを撃ち込まれて戦死した恩師の乗機にパイルをブチ込んで返礼するという意趣返しで視聴者を戦慄させた。
固有名は「200mm戦闘抗射出機」。最終決戦仕様において、左腕に装備した。
固有名は「アームパイル」。初期装備から、左腕に装備していた。
主役機のダイ・ガードが装備する。物語が進むにつれて「ノットバスター」「ノットパニッシャー」「グレートノットパニッシャー」と強化されていった。
作中に登場する怪物「ヘテロダイン」の弱点であるフラクタル・ノットと呼ばれる部分を確実に破壊する為に開発された「対フラクタル・ノット兵器」と称される装備。
ダイ・ガードを運用する21世紀警備保障は民間企業であり、火薬式の装備はネットランチャーぐらいしか所持できないため、火砲ではなくパイルバンカー型の装備にして体裁を整えたという形になっている。
ノットパニッシャーの発射方式も火薬ではなく、大型のフライホイールを叩き込んで回転動力を杭の推進力に変換して撃っている。
第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇では、本機のメインパイロットである赤木俊介が前述のベルゼルガのパイルバンカーを見てノットバスターと勘違いするシナリオがある。
アーマードコアシリーズ
『3』以降、「射突式ブレード」の名で登場。
リーチがほとんど皆無に等しく、攻撃までに「溜め」時間がある。更に同作品のレーザーブレードには存在する、ある程度の自動ホーミングすら存在しない。
『V』からは杭の先端に付けたHEAT弾を直接叩き込む「ヒートパイル」が登場し、最も威力が高いタイプでは総ダメージ5万越えのものもある。
『ACⅥ』においてはゲームシステム・作中設定の両面に「動的防弾制御」という概念が追加され、ACによる近接射撃及び格闘戦の実用性・重要度が増加。パイルバンカーも従来作より格段に操作性が高まった上に弾数無制限、チャージの有無によって攻撃性能が変化するなど自由度の高い仕様になった。
AC6ではPB-033M ASHMEADが唯一の機種であり、看板機体「ナイトフォール」の装備としてシリーズ初のハイエンドCG化を果たし、作品発表初期から数多くの傭兵達を興奮せしめた。
以上の理由から各作品とも非常に扱いにくいが、一撃の威力は規格外というロマン駄々漏れすぎる武器。しかも作品によっては多段ヒットする為、総威力は桁違いと成る。
ファンからの愛称はとっつき。
機甲兵団J-PHOENIXシリーズ
豊富に存在する近接兵器のカテゴリーで登場し、通常のパイルバンカーの他にEN属性の2種が存在する。
アーマード・コアと比べると多段ヒットしない(あくまでも敵1機につきで、攻撃範囲ならば複数の敵機にヒットする)ため威力が低いものの、技前モーションが早い上に攻撃移行するとレンジ内の敵を捕縛する効果を付与されており、他の敵からモーションを崩されない限り確実に攻撃を通せると、格ゲーの投げ技めいた性能に成っている。
また『バーストタクティクス』以降の同シリーズは、HPを外装と内装の2種に細分化され、パイルバンカーは内装HP攻撃に特化した武装となり、そのダメージは一撃で8~9割を奪うのは当たり前の破壊力になっている。
その為ロマンは控え目だが扱い易いと、パイルバンカーでは異質な性能となっている。
R-TYPEシリーズ
ケンロクエン等のR-9DP系列機に搭載され、「パイルバンカー」「パイルバンカー帯電式」「パイルバンカー帯電式H型」の名で登場。
強力だがリーチは短い。というか戦闘機で接近戦とか公式が病気の域。
もちろんロマン武器。
ちなみに「帯電式」と名乗っているものの、これは射出速度の速さ故に空気中の微粒子との摩擦が起きて静電気が発生する為であり、狙って盛り込んだ正式な機能ではない模様。
シミュレーションゲームのR-TYPE TACTICSでもその威力の高さは健在で、リーチの短さや母機の移動力の低さ等の制約はあるものの、戦艦クラスの大型ユニットを一撃で葬り去る程の威力を秘めている。
「アームパイク」「ヘヴィパイク」「ラベージパイク」の名前で登場。
「~エアバースト」より支給されている重火力兵装の補助武器。
非常に重い、攻撃判定は狭い、使用にはチャージが必要、チャージし過ぎるとオーバーヒートしてしまい、一定時間使えなくなってしまうといった特徴を持つ、かなり癖の強い扱いにくい武器。
しかし、上位モデルのチャージ攻撃は、最上級の装甲を持つ機体や頑丈な施設でさえも一撃で大破させる桁違いの威力を持つ、例によっての浪漫武器である。
「アルムブラスト」「ブラストロッド」の名前で登場。
正確には杭を撃ち出すパイルバンカーではなく、杭状のアンカーから気体爆薬を噴出させ、点火する事で断続的に爆発を起こして目標を破砕する多用途兵器。
爆薬の噴出パターンや噴出量、点火時期などを調整する事で、様々な用途に使用出来る。
脚部下部に搭載されたものはアンカーを地面に突き刺して使用する事でビルなどに大穴を開けることもでき、侵入路を作る、連続的に掘削して塹壕を掘るなどマルチに使える万能兵器である。
ウィンチで壁面を登る際に連続使用することで爆風のエアクッションを作り、壁を滑るように駆け上がることまで可能。
小説版だと「漏斗状に散布して深い穴を穿つこともできる」という言及があるため、パイルバンカー的に「貫く」ような使い方もできなくはない模様。
膝部に搭載されたものは格闘に使用する他に、相手に突き刺して燃料電池に使用する液体酸素を噴出して凍結させる事も可能。
イレギュラーな使用方法としては、空中での姿勢制御や脚部破損時に移動手段として使用している。
ブラストロッドは外装式のアルムブラストで、パンツァーファウスト型の本体を腕部に装着し、背部の燃料電池(壱七式改型)と有線で接続して使用する。
本体に格納された杭を伸ばし気体爆薬を噴出・点火する事で使用する。
障害物の除去以外に暴徒などを衝撃で無力化する低殺傷兵器としても使用されている。
F-22ラプターとの交戦の際には大量の機体爆薬を空中に散布して点火する事で目くらましとして使用している。
作品によって扱いの差が激しいのだが、概ね共通しているのは「出が遅い」「単発威力・装甲破壊値が大きい」「コンボ補正が緩い」と言った特徴である。大ダメージを狙うなら決して悪い武装ではないが、下手に雑魚相手に使うとタコ殴りにされかねないのでボス向け。
また、フォースクラッシュ(所謂超必殺技)には相手を掴んだままブースターを噴かせ猛スピードで壁に激突する瞬間に杭を打ち出すタイラントブレイカー、相手を打ち上げた後に真上に構え相手の重力落下を利用するインペリアルストライク(その強化版であるインペリアルファイナル)など、総じてコンボ構成が難しくハイリスクハイリターンなパイルバンカーのロマンを極めた武装も登場する。
登場メカの一つ「メタルギア・サヘラントロプス」に搭載されている。
右腕部に装備されており格闘戦を想定した武装であるが劇中で使用された事は一切無く実質ただのお飾り程度という不遇な扱いを受けている。
ミスター・プレアデスこと日高昴の持つホビーロボットが装備している。
彼は単語の最後を伸ばさず発音する癖がある為「パイルバンカ」と発音する。
本機体には切り札として両腕にパイルバンカーを装備している。
設計に関してロマンよりも合理性や現実的な実現性を優先する彼にしては珍しいロマン武装だが、これはリアルロボット好きな彼が上記のボトムズのフォロワーでもある為。後述する様にホビーロボットの大会で飛び道具を使う訳にはいかないが火力を用意したいという事情もあると思われる。
トルク重視な設計で杭を打ち出すパワーを稼ぎ、長く設計された腕と上半身の捻りにより、射出距離は9.2ff、杭の到達速度は0.0325秒という高速度に達する。
そして物語のクライマックスではもう一機、パイルバンカーを装備したロボットが登場し、主人公たちの切り札となる。
どちらのロボットも立場上飛び道具を使う訳にはいかない者達が用意出来る最大火力を誇る武装として登場している。
尤もM45の方は障害物を粉砕するなど劇中ではかなりの高威力を発揮しており、ホビーロボットには過ぎた凶器な気もするが。
主役機「ビッグオー」の代名詞とも言える必殺武器「サドン・インパクト」がパイルバンカーっぽい挙動になっている。
腕に内蔵されたストライク・パイルを急激に前方へスライドさせることで、拳打と共に圧縮空気で衝撃を叩き込む。
クリーンヒットすれば巨大ロボットの胴体に風穴をあけるほど威力は凄まじく、衝撃波のみを飛ばして遠くの標的を攻撃すると言った応用も可能。
あくまで杭は衝撃発生機構でしかないので、一般的なパイルバンカーとは趣が違うが。
カスタマイズパーツとして『パイルバンカーユニット』があり、主にレブラプターが搭載できる。
アニメ1作目ではゴドスが装着しており、また実在の重機よろしく土木工事にも使われている。
デフォルトでパイルバンカーを搭載している機体はゾイドジェネシスのムラサメライガーで、地面に打ち込んで急激な方向転換を行える他、攻撃にも使えるとされており、ボトムズで言えばパイルバンカーとターンピックの性質を兼ね備えた装備と言える。
前述の通り、本来パイルバンカーは実用性の無い武器だが、マッドサンダーのドリル・マグネーザーは「曲がっても再生可能」とされており、更にパイルバンカーを装備する代表的なゾイドであるレブラプターも高い生命力で損傷を自己修復できる為、多少曲がっても再生する事で問題点を克服しているのかもしれない。
ジェネシスは通常の兵器が効かないバイオゾイドを倒すには特殊な金属が必要とされ、「格闘武器しか効かない」「貴重品なので飛ばせない」という理屈で銃器が封じられているタイプの世界でもある。
フロントミッションシリーズ
格闘武器カテゴリの一つとして「3rd」から登場。他2種の格闘武器(ナックルとロッド)の衝撃属性とは違い貫通属性を持っている為、格闘特化機体にそれらと併せて装備し、相手の属性耐性に応じて使用する武器を変える事で効果的にダメージを与えられる。
「4th」のオープニングムービーでは敵機体を一撃で沈黙させるシーンがあり、他作品と同様のハイパワーなイメージが湧くが、実際のゲーム内でのスペックはシリーズを通して「威力と命中率のバランスが良い」というかなり堅実な武器である。
巨大ロボット以外で使用される作品
首領クリークが使用。
バレットの装備武器として登場
神羅ビル2階のアイテム屋の奥の左の宝箱から入手可能。
ただし、手に入るのはメテオ後の2回目であり、序盤の1回目の段階では入手出来ない。
ちなみにもう1つの宝箱にはティファ専用の「マスターフィスト」が入っている。
「第七聖典」の名前で登場。シエルが所有する武器の1つ。
当人の身の丈ほどの大きさがあり、死徒が内在する『再生』と『転生』の概念ごと相手を打ち砕き、二度と復活出来ない様にしてしまう、対死徒用概念兵装。
吸血鬼退治には「心臓に杭を打つという概念」が重要であるため、杭であることに意味があるタイプのパイルバンカーである。
メルティブラッドでも超必殺技(アークドライブ)として設定されている。
リーズバイフェが、シエルと同じ「聖堂教会」に属する聖女で、「正式外典ガマリエル」というパイルバンカー型の“聖槍(鍵槍)”を武器とする。形状はベルゼルガのものに近い。
コントラバスの様な形をしているが、第七聖典と同じ対死徒用概念兵装であり、清らかな音律をもって邪なるもの全てを浄化する力を持つ“魔を弾く城塞”。
よって本来はそこから発せられる音律が最大の能力なのだが、武器としては専ら盾の付いたパイルバンカーという扱い。
あと本人のパンチ力が「2t」(最高記録16t)とか、身体能力も人間離れしている為、物理的な破壊力も相当なものとなっている。
アルカナハートシリーズ
ゼニア・ヴァロフがイディナローク(ロシア語で一角獣)という名前のパイルバンカーを使用。非戦闘時はヴァイオリンのケースに偽装している。
全ッ然ハートフルじゃないが、気にしてはいけない。
本作のブルー戦士であるアバレブルーの専用武器「トリケラバンカー」として登場。トリケラトプスを模した盾と一体型になっている。
突き刺した敵を遠心力で投げ飛ばす「トリケラローリングフィニッシュ」が必殺技。
他メンバーのダイノウェポンと合体させる事で、必殺武器「ダイノボンバー」が完成する。
モンスターハンターシリーズ
本シリーズでは多くの武器が実装されているが、その中でチャージアックス、穿龍棍、ガンランス、ヘビィボウガンの4種に搭載されている。
チャージアックスはモンスターハンター4で初登場した大きな盾と剣、それらを合体させた斧の2つの形態を使い分けられる武器。
無印までは可変機構を活かした武器という事だけであったが、アッパーバージョンである4Gにおいて、剣形態に盾での攻撃が追加され、その攻撃モーションは盾の先端にある刃を突き出すように作動させて打ち付けるものとなっている。
更にそこからこの武器の最大の大技である高出力属性解放斬りに繋ぐ事が出来る。
まさに浪漫に浪漫を重ねた武器として仕上がったのである。
ヘビィボウガンではXXにて追加された専用狩技「射突型裂孔弾」が該当。
ヘビィボウガンを中折れにし、弾射出機構が備わるストック側に、切断属性を持つ、ハンターの背丈程もある巨大な鉄杭を装填。装薬の炸裂で射出圧縮と杭の赤熱を起こして鉄杭の威力を増幅させ、最後にボウガン本体の機構を用いて弾を撃つように射突させて攻撃する。
防御力の低いガンナー装備で短射程かつ隙が大きい攻撃を仕掛けるリスキーな代物だが、威力は絶大。
穿龍棍はオンラインゲームモンスターハンターフロンティアに登場する。
一言で言えば「パイルバンカーを内蔵したトンファー」という此方も浪漫に浪漫を重ねた様なものである。
扱うにはG級昇格という最大関門を超えなければならないが、その性能は「モンハンの世界でデビルメイクライをやっている様なもの」という感想を抱く程の強力武器種である。
トンファーと聞いて真っ先に思い浮かべるであろうアレもモーションとして組み込まれている。(※ただしドロップキック)
ガンランスは武器自体はモンスターハンター2から登場。
モンスターハンターワールドでアクションが刷新され、コンボの最終段で『竜杭砲(りゅうこうほう)』という鉄杭を突き出す技が追加された。
ただでさえ大柄なガンランスの先端から巨大な杭が出現し、相手に突き刺さした後は切り離されて持続ダメージを与えた末に爆裂するというもので、再装填時にはランス部分が大きく開くというメカニカルな動きも見せてくれる。
弾数は一発のみであり、再び使うには弾薬と共に装填作業を行う必要がある。
ワールドのアップデート版であるMHWアイスボーンでは、自動炸裂しない代わりに一定時間の持続的な誘爆を起こす杭を突き刺す「起爆竜杭」も使えるようになった。
パイルマンが両腕のパイルによる高速突進を行う。撃破後に入手できる特殊武器「パイルドライブ」はパイルと化した右腕を突き出し、猛ダッシュしながら強力な突貫攻撃を繰り出す。
『メルルのアトリエ』でライアス・フォールケンが籠手に仕込まれた小型パイルバンカーを武器として使用。
また、『シャリーのアトリエ』ではミルカ・クロッツェが銃型のパイルバンカーをメイン武器にしている。
両作ともMPを消費するスキルで敵の待ち時間を押し戻す効果を持ち、ミルカの一部の技に至ってはファンネルさながらに多方向から敵を攻撃する演出もある。
サプリメント「ウィザーズトゥーム」にて魔動機術(マギテック技能)に「パイルシューター」「オメガシューター」が追加された。
マギスフィアを変形させ、高威力のクサビ(刃武器扱い)、または鉄球(打撃武器扱い)を撃ち出す事が出来る。
全ての戦士系技能で命中判定を行えるが、飛距離は無いため近接攻撃専用。
撃ち出せるのは、魔法一回につき一度だけである
2ndにて箒用オプションパーツ「ヴラドシステム」として登場。
射撃攻撃タイプの箒に装着可能で、通常では攻撃できない射程0Sq(同一マス)に攻撃可能となるが、攻撃判定の達成値が少し引かれてしまう。
サプリメントで登場した「パニッシャーパイル」を更に使用する事で達成値を足し、属性を変更する事が出来る
ヤーナム旧市街にいる古狩人デュラの愛用武器「パイルハンマー」が該当。
工房の異端「火薬庫」の手になる異形の仕掛け武器。デュラを倒すか彼と和解する事により狩人も購入、使用が可能。
アーマードコアと同じフロムソフトウェアのゲームという事も有ってか、やはり『とっつき』の愛称で親しまれている。
変形前はリーチの短めな片手剣として扱い、変形後は刃先による刺突攻撃を行うがこの武器の真価は変形後の溜め攻撃である。
溜めに3秒近く掛かり、リーチも短く、発射後は変形前に戻ってしまうものの正に一撃必殺の破壊力を誇り、大抵のモブ敵やオンラインでの敵対プレイヤーは即死させ、ボスでさえHPをゴッソリ削り取る威力と、正に『とっつき』の愛称に恥じない浪漫武器である。
そもそもこのゲームの武器の多くは開発者の哲学、使用者の満足感、または自分が人間である事を確認することを目的に、実用性を度外視して凝った仕掛けが施されているのだが、この武器はその中でも変わり種として扱われている。
変わった使い方としてヒートパイルと言う運用方法がある。油壺をぶつけた敵に炎派生にしたパイルハンマーで変形タメR2を当てる事で高火力を叩き出すと言ったもの。これによる攻撃はボスの弱点などに上手く当てさえすれば想像を絶するダメージを叩き出す。
以下はゲーム中での説明文。
複雑な機構により、ごく太い杭を叩きつける用に打ち出す
一撃必殺の武器であり、隙も大きく、使用難度は高い
もっとも、その使い難さこそが「火薬庫」の所以であるようだ
御城プロジェクト(旧版)
丸亀城の両腕に装備する石垣の先端部から杭が飛び出す様に成っている。そして必殺技がその名も蓬莱パイルバンカー。広い攻撃範囲と高い能力値で戦場全域の敵に大ダメージを与えるという圧倒的効果。REでは別の技に変更された。
スノードロップがパイルバンカーに似た装備をする。
ファンタジーな武器を使用する花騎士(キャラクター)が多い中、異彩を放っている。スキル「サテライトフラワーカノン」はバンカーで地面を抉った後、大量の花弁を召喚し空からビームを放ち、敵全体に通常攻撃の2.2倍のダメージを与える。演出も非常に派手。
仮面ライダークローズチャージと仮面ライダーグリスの2人が使用する武器「ツインブレイカー」として登場。
2種類のモードが存在し、パイルバンカーの形状をしたアタックモードは杭部分のレイジングパレルを高速回転させる事で打撃攻撃を繰り出し、二連装ビームガンの形状をしたビームモードは砲身のレイジングビーマーからビーム・エネルギー散弾を放射する。どちらのモードもフルボトルやスクラッシュゼリー等を装填して必殺技を発動する事が可能で、装填した本数や種類によって繰り出される必殺技も変化する。
サーヴァントの1人、ダ・ヴィンチちゃんがEX技として使用する。
上記で述べたビッグオーと同じ要領で拳打と共に急速に圧縮空気を叩き込む。
また最近ではメリュジーヌが剣をパイルバンカー代わりに使用した攻撃を行う様に成った。
使徒サキエルが手のひらから突き出す光る槍が「光のパイル」と呼ばれている。国連軍の重戦闘機や、EVA初号機の右目を貫いた。なおこの名称はセガサターン用ゲームソフト『スーパーロボット大戦F』が初出である。
焔ビトの鎮魂をするにあたって秋樽桜備が使用している場面が存在する。
自身の使用可能な武器の一つとして登場する。
ステージ7をノーマルでAランク以上クリアorプレイ回数90回により解放される。
遠距離型のパイルバンカー
パイルバンカーの破壊力はそのままに、杭を撃ちっぱなしにする事で遠距離攻撃を行うタイプ。
相手を串刺しにする威力があるが、連射が効かない事が多い。こうなってくると銃器や弓矢のような武器との境界は曖昧で、劇中でパイルバンカーと名乗っていないものも多い。
前述の通り、元祖ベルゼルガも杭を飛び道具として放つシーンがある(ただし作中では避けられており、威力の程は定かではない)。
「必殺の近接武器」のイメージが後出の作品によって付けられたものであることを考えると、飛び道具としてのパイルバンカーはある種の先祖返りと言えるだろう。
スパイラルバンカー「ブリューナク」という、片腕に装備して運用されるパイルバンカータイプの重武装。
パイルを撃ち込む等の近接戦と、パイル部分を飛ばす遠距離戦をこなす事ができる。
黛拓武が使用しているデュエルアバター「シアン・パイル」が、初期武装として強化外装「パイル・ドライバー(杭打ち機)」を装備している。
杭が飛び出るという特性からリーチの長い攻撃が出来る他、必殺技もパイル・ドライバーからプラズマ(アニメでは長い杭)を発射する「ライトニング・シアン・スパイク」など遠距離系の技が多いのが特徴。
ただしシアン・パイル自体の属性は近接型であり、「近接型でありながら、相性の悪い遠距離武器を持って産まれたアバター」という大きな矛盾を持った存在に成ってしまっている。
また、数少ない近接型必殺技「スパイラル・グラビティ・ドライバー」も威力自体は強力ながらもほぼ真下にしか撃てないという弱点を抱えており、更には原作1巻で(相手の相性と使い方が悪かったとはいえ)レベルが3つも下のシルバー・クロウにトドメをさす事が出来ず、挙げ句の果てにはアニメ放映時のTwitter実況で作者本人からもネタにされてしまった。以上の経緯からファンからは「SGD」の愛称で「ネタ必殺技」として扱われることが多い。
特殊な金属でできた巨大な杭を超高速で発射する電磁投射砲「ダインスレイヴ」が登場。
武器の一つ「JavelinGun」が該当。本来は杭を打ち込む為の工具だが、作中においてはモンスターに対して武器として使用する。
強敵の鎧の巨人の装甲を貫くという目標の元「雷槍」が開発された。
炸薬入りの杭を発射し、相手を貫いて内部で起爆する事によりダメージを与える。
威力はあるが、自爆のリスクが付きまとう。
剣で戦っていた調査兵団にとっては貴重な「巨人にダメージを与えられる、持ち運べる飛び道具」でもあり、後に対人において大砲の破壊などにも転用されている。
武器以外のパイルバンカー
ギルティギアシリーズ
スレイヤーの必殺技として、素手で繰り出す「パイルバンカー」が存在する(画像はその前動作にあたる『D(ダンディー)ステップ』)。
「Dステップ」で素早く後退した後、元居た位置に戻る勢いを活かして強烈なパンチをお見舞いするというもの。
ノーゲージで出せる単発打撃技としてはシリーズ屈指の攻撃力を誇り、またカウンターヒットした際のリターンも絶大。判定も見た目以上に上下に広く、下手な空中攻撃や低姿勢攻撃さえもガンガン潰す。
加えて、前動作に当たる「Dステップ」は出だしにバックステップよろしく対打撃無敵が存在する関係上、相手の攻撃を避けて理不尽なカウンターを叩き込めるというのも、この技の魅力であり相手から見れば恐ろしい部分。
逆にガードされた際は甚大な隙を晒し、手痛い反撃が待っている。文字通りハイリスクハイリターンな技であり、スレイヤーの主力ダメージソースにして彼を象徴する技の一つとなっている。
「Dステップ」は「アクセントコア」において相手の背後に回り込む動作、そして「パイルバンカー」にもテンションゲージを消費する代わりにガードされても隙が無い強化版が追加された為、より相手に与えるプレッシャーが増した。
実在するパイルバンカーっぽい道具
前述したように兵器としての実用性は皆無だと考えられるが、「持ち手から杭状の打撃部が伸びる」という外見は解体工具の「コンクリートブレーカー」や「はつり機」と呼ばれるものがよく似ている。
特にショベルカーの先端に取り付ける大型のものは、見た目だけなら殆どスーパーロボット用パイルバンカーそのものと言っても過言ではない。貫通というよりは連打して叩き割る用途の道具なのだが、解体工事現場でガガガガン!と激しい音を立ててコンクリートを打ち砕いている姿は大迫力。
その意味では、作業機材を格闘武器に急遽流用した、現地改造機体での使用は有っても良いのかもしれない。
名前が似ている「パイルドライバー」は、基礎工事用の長大な杭をゆっくりと地面へ垂直に突き刺していくタワー型の重機なので、見た目はあまり似ていなかったりする。
アメリカの軍需企業としても有名なRaytheon社は火薬を用いてハンマーを叩きつけコンクリートの壁面などを破壊するCIRT(Controlled Impact Rescue Tool)を製造している。
これも突き刺したり貫いたりするタイプではなく、打面を密着させてから衝撃を叩き込んで硬いものを砕くという物。ビッグオーのサドン・インパクト的とも言え、動画を検索してみるとコンクリ壁の表に打撃を叩き込んだのに裏側が弾け飛ぶスポール破壊という面白い破壊現象を見る事ができる。
さらにある海外の有志の方もパイルバンカーのようなハンマーを作っており、
火薬で釘を打ち出すと言う前述のCIRTの様な構造。しかし威力がとてつもなく、
鉄のフライパンを容易く貫通し、本も貫通した上机の反対まで先端が飛びでるという
民生の改造品としてはかなりの異常火力。
これならゾンビパンデミックが起きても生き残れそうである。
しかし試作中に試した際は釘が横向きのまま天井に突き刺さるという事件が起きており、
日本で作ろうもんなら通報されかねない。