概要
「ヴァンツァー」(ヴァンダー・パンツァー)と呼ばれる各パーツを組み換え可能な人型機動兵器を操り、数多の戦場をくぐりぬけていく硬派な雰囲気が特徴。
2010年で誕生15周年を迎えたが、2011年にはゼネラルプロデューサーの土田俊郎氏が携帯電話コンテンツ企業のグリーに転職し、公式携帯サイトも閉鎖したため、現在は規模を縮小している。
シリーズ作品
フロントミッション1ST
- スーパーファミコン版 1995年2月24日発売
- プレイステーション版 2003年10月23日発売
- ニンテンドーDS版 2007年3月22日発売
- ニンテンドースイッチ版 2022年11月30日配信開始
パッケージ版 2023年6月15日発売予定
2090年、第2次ハフマン紛争勃発。OCU軍傭兵部隊”キャニオンクロウ”の活躍と主人公ロイド・クライブの苦悩を描いている。物語後半、主人公の恋人が”バイオニューラルデバイス”にされるという衝撃的なイベントもあり、欝ゲーという評価もある。
プレイステーションやニンテンドーDSなど、他機種への移植が多いのが特徴。移植版はUSN軍シナリオが追加され、本編では語られなかった裏の部分が描かれている。また、DS版では『フロントミッション5』のキャラクターがゲスト出演しているほか、EXミッションなどの新要素が追加された。
フロントミッション2(セカンド)
- プレイステーション版 1997年9月25日発売
- ニンテンドースイッチ版 2023年10月5日配信予定
2102年、OCUアロルデシュ共和国でクーデターが発生。
その戦火に巻き込まれた”マディオッターズ”の逃走劇を描いている。
シリーズではAP(アクションポイント)を始めて導入した作品だが、APは自分の行動で消費するだけでなく、敵に包囲されても消費するので、シリーズ中でも屈指の難易度を誇る。
また、ロード時間などの関係でテンポが悪いといささか低評価気味。
戦闘アニメ省略機能がついた廉価版も発売されたが、ロード時間の改善には至っていない。
だが、後年PSP,PS3向けのゲームアーカイブス版の配信によりロード時間は殆ど無くなり、快適にプレイ出来るようになった。
フロントミッション3(サード)
- プレイステーション版 1999年9月2日発売
- ニンテンドースイッチ版発売予定
時系列は2112年(奇しくもドラえもんが生まれた年と同じ)。第一作目から22年後の話。
霧島重工のテストパイロットである武村和輝と草間亮五は、ある出来事を境に新エネルギー【M.I.D.A.S】を巡る陰謀に翻弄され、日本そして世界を巻き込んだ脅威に仲間と共に立ち向かう。
シリーズ中唯一となる「ダブルフィーチャーシナリオ」を採用しており、プレイヤーの行動次第で「アリサ編」と「エマ編」に分岐。同行するヒロインが決まるだけでなく、ストーリーや結末も大きく異なってしまう。
『フロントミッション5』のストーリーと関連が深く、再販もやたらと多かった作品。
フロントミッション4(フォース)
- プレイステーション2版 2003年12月18日発売
前作から長いスパンを空けての「再始動」となった作品。
ECの戦術機関デュランダルのWAPパイロットであるエルザ・エリアーヌとUSN陸軍WAPパイロットのダリル・トラウベル、2人の主人公を視点に物語は交互に進んでいく。
味方陣営と敵陣営同士の集団戦によるリンクシステムを初導入。
コンピューターショップを利用することで、自分だけのキャラクターに育てることが可能。
フロントミッション5(フィフス)Scars of the War
- プレイステーション2版 2005年12月28日発売
2090年から2112年まで、USN軍WAPパイロット”ウォルター・フェン”の生涯を描いた作品で、シリーズの集大成。
パイロットをスカウトして自分だけの部隊を編成したり、ヴァンツァーの改造が出来るなどやりこみ要素も豊富。
また、クリア後に遊べるハードモードは難易度が高いが、ミニゲームなどで手に入るレアアイテムが豊富である。
フロントミッション2089 Border of Madness
- ニンテンドーDS版 2008年5月29日発売
2089年、ハフマン島で起こったWAPパイロットの失踪事件が起こる。
OCUの傭兵ストームと仲間達は、謎の傭兵集団”ヴァンパイアーズ”と戦う。
元々携帯電話向けのゲームだったが、携帯ゲーム向けに大幅にシナリオとグラフィックを追加。
システムは『1st』を踏襲しているが、シリーズおなじみのリンク攻撃が追加されている。
『2089』シリーズは他にも携帯電話向けに『2089-Ⅱ』も展開していたが、2011年に公式携帯サイトがサービスを終了したため、現在はプレイ不可能。他機種への移植に期待しよう。
派生作品
フロントミッションシリーズ・ガンハザード
- スーパーファミコン版 1996年2月25日発売
シリーズ2作目であるが、本編とは世界観が異なるパラレルワールド的な関係。
紛争の種をばら撒く秘密結社ソサエティに立ち向かう、傭兵アルベルト・グレイヴナーの冒険。
『重装機兵ヴァルケン』の開発チームが手がけた異色のアクションRPG。
フロントミッションオルタナティヴ
- プレイステーション版 1997年12月18日発売
西暦2034年、人型兵器WAW(ヴァーゲン)が初めて実戦投入されたアフリカ紛争を舞台に繰り広げられる物語。
ヘックス制の本編とは異なる、リアルタイム・シミュレーションゲーム。
システムを熟知し、早くクリアするほどトゥルーエンドに辿り着くことが出来なくなっている。
販促やパッケージの段階からプレイヤーに一切媚びない、徹底して硬派な作風が特徴。
ゲームとしても評価は高かったが、セールスは伸び悩んだために『早過ぎた名作』とも評された。
フロントミッションオンライン
- プレイステーション2版 2005年5月12日発売
- Windows版 2005年12月8日発売
プレイヤーは第二次ハフマン紛争を舞台にO.C.U.軍、U.S.N.軍のいずれかの勢力に所属し、機動兵器ヴァンツァーを操り、戦争に参加していくサード・パーソン・シューティング。 2008年5月31日をもってサービスを終了した。
フロントミッションエボルヴ
- プレイステーション3版、XBOX360版、Windows版 2010年9月16日発売
『3rd』『5th』(エンディング)から、更に未来の時代を描いたゲーム。
2171年、ニューヨークは突如、謎のヴァンツァー部隊の襲撃を受ける。
主人公のディラン・ラムゼイは父の身を案じニューヨークへと向かい、事件に巻き込まれてゆく。
前述の『FMO』と同じく、ヴァンツァー(一部のステージではディランを)を操作するアクションシューティングゲーム(TPS)となっている。
海外のゲームメーカーによる製作なためか、それまでのシリーズとは異なる印象を受けるが、シリーズの雰囲気にそぐわないゲーム内容やマルチプレイ時の致命的なバグにより、インターネットにおける評価はすこぶる悪い。
FRONT MISSION: BORDERSCAPE
2022年4月に中国のゲームスタジオ『Black Jack Studio』が開発中としていたフロントミッションの派生作品。
しかし、突如として公式ホームページ及びSNSアカウントが消滅、このまま作品自体も……と思われていたが、2022年12月16日に公式ページがリニューアルオープン。
その際にフロントミッションとは無関係のオリジナルタイトル『Mecharashi』へと変更し、開発自体は続行される事になった。今回の件は、フロントミッションのタイトルを使用した二次創作としてではなく、完全に無関係の一次創作にシフトしたと言えば、分かりやすいだろうか?
後に2024年10月に『鋼嵐 メタルストーム』とタイトルを変更してサービスを開始した。
漫画
フロントミッション DOGLIFE & DOGSTYLE
- ヤングガンガンにて不定期連載、コミックス全10巻
作:太田垣康男 画:C.H.LINE
第2次ハフマン紛争を舞台に、特ダネのためなら物語の主要人物に未使用のヴァンツァーをプレゼントをしたりする腹黒い写真ジャーナリストの犬塚研一を狂言回しとして戦争に翻弄される人々を描いたオムニバス調のコミック。
ゲーム版にはなかった残虐・性的な描写も散見されるためか、本編とは漂う雰囲気が異なる印象を受ける。
なお、一部の性表現描写は【東京都健全育成条例】ではレッドゾーンなため、未成年者の閲覧には注意されたし。
また、漫画全編にどう考えてもシリーズ正史にはつながらない数々の描写が散見されるため一種のパラレルワールドとして捉えた方が賢明だろう。
ゲスト出演
- オンライントレーディングカードゲーム『ロードオブヴァーミリオン』のPC版である『ロードオブヴァーミリオン アリーナ』にて、ゼニスVとレイヴンが使い魔としてゲスト参戦している。
- ロボットシューターフィギュアヘッズにてフロスト、ゼニス、レイブン、ナムスカル、炎陽、ツィカーデがゲスト配備されている
余談
以前から『スーパーロボット大戦への参戦希望』がされていたが他社枠故に絶望視されていた。
しかし『スーパーロボット大戦DD』でまさかの『ライブアライブ近未来編』の参戦が発表。
これにより一転して参戦に希望が湧くという事になっている。
公式サイト
FRONT MISSION official website
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