解説
パズルやゲームの類でよく用いられる表現であり難しさを指標化したものである。
クロスワードパズルやナンバープレース(数独)などのパズルの難易度は、その問題のむずかしさを示しており、☆などの個数で書かれていることが多い。
あくまで開発サイドによる指標であるため、高い難易度でも人によっては、それほど難しく感じられない場合ももちろんある。
ゲームでは難易度そのものを決めることが出来るゲームが多い。
パズルゲームやシューティングなどはもちろんだが、近年はRPGなどでも、難易度選択ができるゲームが登場している。
対戦型のゲームであれば、難易度を上げることでコンピューターが強くなり、パズルゲームは時間制限などがシビアになる等の、違いが出てくるし、RPGであれば敵の強さが上がりクリアが難しくなることが多い。
ゲームスタート時に難易度を決めて、途中変更は不可のものや、プレイ中なら何度でも難易度を自由に変更できるものの2パターンがあげられる。
前者のゲームの方が圧倒的に多く、この場合は難易度によって入手できるアイテムや、ストーリーに変化(高難易度だと伏線が回収されるなど)があったりすることもある。
後者のゲームの場合は、難易度による違いは戦闘として、経験値アップなどのように軽微であることが多い。
ちなみに後者のゲームの例としては、テイルズシリーズが挙げられる。
特殊な例としては自由に変更は出来ない、もしくは選択可能な難易度とは別に、プレイヤーの状態(ミス回数や現在のレベル等)に応じて表に出ない内部パラメータとして難易度が変更されるというものもあり、主STGに採用されている。
一方で上記に書かれている通り、難易度と言っても統一、かつ明確な基準は無く、難しさの個体差は非常に大きい。
また、最近ではゲーム以外で使用される事もあり、新しい事に挑戦するハードルが高い事を「難易度が高い」と言ったりする事もある。
例:「一人でディズニーランドは難易度高い。」など。
問題点
制作サイドの難易度の設定はゲームの面白さを決める重要なポイントであり、易しすぎると「手ごたえがない」といわれ、難しすぎると「クリアできるか!」と評されてしまう。難易度設定を上級者に合わせ続けた結果、STGのように衰微していったジャンルも存在する。
最近では『隠し要素のフラグ』になっているケースが多く、無理矢理プレイヤーに上位難易度をプレイさせるゲームが増えてきた。(メタルマックス4等が該当)
他の問題としては、マルチプレイのゲームで『この難易度をクリア出来ないと初心者』と宣う、悪質プレイヤーの押し付けもある。
似たような事例では、『この難易度をクリア出来ないで文句言うな』・『俺は出来るのにお前らは出来ないの?』と言う侮辱の温床にもなっている。
そもそもの話「難易度」とは感覚的な部分が大きく明確に数値化出来る物でもない。
例えば、反射神経が良くても特定のパターンや位置に敵を誘導すると言った思考部分が苦手な人はSTGのイージーで詰まる事もあるし、コマンド入力が苦手なら格闘ゲーム等で技の暴発や技が出ないと言うこともあり、結果として難易度を高く感じてしまう事もある。
また、難易度の調整をプレイヤーや敵のステータス数値で調整する事は可能ではある。
しかし、そもそも敵に攻撃を当てるのが難しい動きをするゲームやメタ的な行動を頻発するパターン等ではステータスをいじっただけでは体感出来ない事もある。
(例えば、先制攻撃が確定した状態で初手に即死攻撃を放ってくるような敵など。)
そのため、難易度を調整する際はステータス以外にも敵の行動を変更すると言った措置があると望ましい。
一方で、ステータス程度の変更であれば特に問題無いのだが、行動するAIの変更となると、それによってバグが出てしまう可能性もあるため、そこまで手をかけていられないのが実情ではある。
近年の難易度事情
旧来からのゲームは非常に難易度が高い物が多い。
(ファミコン時代辺りなどが顕著。)
これはそもそも、遊びごたえがあり、長く遊べる物を目指した部分があり、中には開発者とプレイヤーの勝負として作られた物もある。
(難しい問題を作って、出来るものなら解いてみろ、みたいな感じ。)
また、価格にしてもファミコンソフト等では数千円。スーパーファミコンでは1万近い値段であり同時代の玩具と比較すると非常に高価であった。そのため、値段相応に長く遊べる必要があったと言える。
一方で、2000年代以降になるとゲームがカジュアル層にも広がり始め、ゲームを常に嗜んでいるマニア以外の人々が遊ぶようになると、低い難易度が好まれるようになっていく。
これは、「お金を出して買ったのにクリアが出来ない。」と言った意見を尊重したためでもある。
更には社会人にもゲームをプレイする人が増えたため、仕事がある以上過度にゲームに時間をかけていられない人が増えたのも要因である。
そのため、この頃から難易度の選択の導入や高難度コンテンツはエキストラステージの様にして分けるなどのシステムが導入され始める。
また、カジュアル層は説明書を読まずに始める人も多く、ゲームをやり慣れていないためそれまでのルール(ゲーマーは何となく操作して失敗しつつ覚えるのが常識でもあった。)は通用せず、ゲームのシステムを懇切丁寧に説明するチュートリアルを作成する必要にも迫られ、2020年代ともなるとゲームを開始するとスキップ出来ないチュートリアルはほぼ必須となっている。
ただ歯応えのあるゲームが居場所を失った訳ではなく、ダークソウルシリーズやエルデンリングと言った死にゲーが売れたりしているため低難易度化一辺倒でもない。
また、プレイヤー側も特定の条件を設定する縛りプレイを行う事で意図的に難易度を上げる事も行われている。(特定の行動や装備品・強いキャラの封印など。)
ゲームプレイを配信する時は、プレイする側の過剰な反応やアクシデントの視聴を目的とするため、高難易度のゲームが選ばれる事も多い。
最近では、開発者の考えた難易度だからこそ想定したプレイ、感動が味わえるとして難易度選択廃止を訴えるプレイヤーもいるが、プレイする側の能力が一定では無いため、開発側の想定に沿わない事が多い事は想像に難くなく、否定意見も多い。
また、一定以上の難易度ではプレイが難しい障がい者のプレイヤーも多くいる事を見過ごした意見とも言える。
ただし、難易度を設定した場合、各難易度の調整、デバッグ等も必要となりコストが上がるので、コストを削減したい開発側の本音なのかもしれない。
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