概要
基本的な意味合いは障害者で確認を。
害は「損なう、傷めつける」「殺める」と言った攻撃的意味合いの大きい字であり「字面がよくないので変更すべきだ」という意見を受け、メディアや公文書での「障がい者」表記が増加している。
中には「障がい」の旧表記である障碍に戻すべきだという意見もあり、そちらの表記を採用する文書も存在する。
一方でこのような動きに対し「言葉狩りである」「本質的議論ではない」「この主張こそが無用な悪印象を生んでいる」という批判もある他、「問題が矮小化されかねない」として「障害者」の表記を積極的に支持する意見もある。
詳細
現在の害は「妨害」「阻害」など「妨げる」という意味としても使われるが、この意味は常用漢字制定前は碍が担っていたものである。
碍は「妨げる」同様に「さまたげる」という訓読が可能であり、意味もほぼ同じである。
これに「邪魔をする」と言う意味の障がくっついて「障碍(しゃうげ・しょうがい)」という熟語となった。
「妨害」「阻害」も元々は「妨碍」「阻碍」と書かれていた。
「障害」という語もあるが「障碍」とは語義が区別されており、前者は「害をなす」とほぼ同義であり、後者は「妨げる」と言う意味になる。
しかしながら明治20年頃には既に両者の混用がされており、その後は大正12年の常用漢字の制定(半ばで頓挫したが)もあって「障害」に統一されていった様子である。
なおしばしば誤解として「障害者は元々障碍者と表記されていた」という主張があるが、実際には害と碍が混在していた時代にはどちらの表記もほとんど使われていない。
戦前の障がい者は「不具者(現在は差別用語である)」と表記された事例が大半であり、「障碍者」という表記が常用されていた時代は存在しないのである。