表記について
「障害」の「害」が「公害」「害悪」「害虫」などに通ずる文字であり、当事者の存在を害であるとする差別的ニュアンスを含んでいて印象が悪いという意見や、「人を殺める」という意味もあって不適切だという意見があり、一部の自治体や社会福祉関係者を中心に「障がい者」や「障碍者」等と書き換えられることがある。しかし「碍」(さまたげるという意味の他、支えるという意味がある)という漢字は常用漢字に含まれていないため、「障碍者」という表記はあまり見られない。
ただし、障害者の「害」は「碍」と同じく「さまたげる」という意味であり、意味合いとしては「障害者」も「障碍者」も同義である。下記の理由や、表記を安直にひらがなに変えることに反発心を持つことによりあえて「障害者」の表記を使う当事者も多い。
概要
障害者は身体障害者と知的障害者がおり、その程度も様々である。両方を重複して持っている人もいる、また近年では精神疾患の罹患者(精神障害者)や発達障害者も障害者の範疇に含められている。実のところ何をもって「障害」とみなすかは、時代や社会によっても変わる面が大きく、時代が下るほど「障害」とみなされる範囲は広がっている。
一方で、薬や器具などの発達で健常者並みの生活を送れるようになった障害者も多い。このように、障害者の生活を困難にする「障害」は障害者ではなく、社会の側にあると考えるべきである。
業界や職種により、障害となりえる身体的・精神的特性は異なる。絵を描く仕事を目指すならば色覚異常は大きな問題になるが、色覚異常を持つ堀内博之は「色を使わないで絵が描ける仕事」としてアニメーターを選んだと語っている。色覚異常は身体障害者手帳の対象とはなっていないため、障害者と見なされないこともあるが、かつてはさしたる理由なく選考に色覚検査を課す大学や企業は多く、公務員でも2011年まで警察官になれないなどの制限があった。今でも色覚異常者は競馬騎手にはなれない。
障害者への支援と優遇措置
障害者には障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種の総称)が支給され、障害者総合支援法の対象となり、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの対象となるほか、公的機関または民間によりいくつかの優遇措置が講じられている。
- 指定された公共交通機関の運賃割引あるいは実質無料
- 特定の観光施設や公共施設の利用料の割引あるいは無料
- 税金や介護保険などの減額あるいは免除
- 等級に応じた年金の受給(障碍者手帳とは別の手続きが必要)
障害者の平均年収は健常者よりもかなり低く経済的自立が難しい状態にあり、障害ゆえに行動範囲が限られる上に使える移動手段も少なく、概ね病弱である。
よって、日常生活のレベルでハードルが存在する障害者にある程度の優遇措置を設けて、健全な生活を送ることを促すため、これらは重要な社会福祉と見なされている。
障害者への啓発活動の一環として、英国王室を始め世界各国の王室が障害者への支援に取り組んでいる。日本でも皇族が公務で障害者施設に訪問するなどしている。
障害を持つ著名人
※ピクシブ百科事典に記事のある人物に限り、老年時の病気や事故などで障害を負った事例は除く。
※存命中であれば障害を自ら明らかにしている人物のみ。統合失調症および双極性障害患者、発達障害当事者についてはそれぞれ当該記事に譲る。
※うつ病に関しては罹患を明らかにしている有名人が非常に多いが、多くは障害者手帳を取得していない。色覚異常は障害者手帳が支給されないため障害と見なされないことも多いが、国家資格の取得などに制限が出る。
漫画家
画家
俳優
音楽家
- デヴィッド・ボウイ(隻眼)
- KCO(高次脳障害)
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(聴覚障害)
宗教家
- 麻原彰晃(視覚障害)
タレント
政治家
- 大隈重信(隻脚)
- フランクリン・ルーズベルト(下半身麻痺)
- 山崎拓(隻眼)
軍人
- 坂井三郎(隻眼)
- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(右足欠損)
王皇族
- ヴィルヘルム2世(左半身麻痺)